播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

桶居山に北尾根から登る

10日前(2020年12月17日)に歩いた桶居山(おけすけやま)ですが、山頂で一人ぼーっと過ごしていたときに、ふと「北尾根を歩いてみたいなぁ。」と思いつきました。

桶居山の北尾根は、2006年10月に歩いたことがあります(https://dfm92431.hatenablog.jp/entry/2006/10/29/175754)が、それ以降一度も歩いていません。

あれから14年も経てば道は自然に還っているか、逆に歩く人が増えて良い道ができているかもしれません。あるいは、歩く人が時々いて何とか道の形を保っている程度(2006年と同じ状況)という可能性もあります。

いずれにしろ現地に行ってみないと分からないので、桶居山の北尾根を歩くために出かけてきました。

北尾根から登るにしても下山するにしても、その周辺に車を置けるスペースはありません。

そこで、10日前に桶居山を歩いたときに使った駐車場に車を置き、車に積んだ自転車で夕陽ヶ丘まで移動することに決定。

北尾根は、14年前に下山で使った時には山頂からしばらく激下りの藪漕ぎでした。
そこで、安全のため*1北尾根で桶居山に登ることにし、送電線(姫路南支線)の巡視路で夕陽ヶ丘の住宅街南西へ下ることにします。

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▲桶居山の北尾根(ドローンで南から北向きに撮影。矢印の位置に私が立っています。)

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▲対応する地形図は、国土地理院発行の2万5千分の1地形図「姫路南部」「加古川」(北尾根上で15分程度ドローンを飛ばしているので、登山口から山頂までのコースタイムは参考になりません。ご注意ください。)

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▲カシミール3Dで作成したルートの断面図

09:20
車に自転車を積み、姫路市街の自宅を出発。

姫路バイパスではない方の国道2号線を東へ進み、播但連絡道をくぐってまもなくの「別所口西」交差点を左折。

続いて「東中学校」交差点を右折。

「東中学校」交差点から東へ進むことおよそ750m、ため池(別所中池)の南側にある空き地に車を駐めました。

09:42
ため池の南にある空き地に到着。
車から自転車を降ろし、靴を履き替えて山歩きの準備を整えます。

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▲車を駐めた空き地の様子

https://goo.gl/maps/HaqV1ZYpEW1GUtXN7

▲空き地の位置

09:50
自転車に乗り、夕陽ヶ丘を目指して駐車場所を出発。

車で通った道を自転車で引き返し、「東中学校」交差点を直進。
播但道をくぐってから260mで住宅に突き当たるので、そこを右折。

北向きに進むこと約500mでまた丁字路に突き当たるので、それは左折。
西へ進むこと500m弱で県道396号線に出会うので、右折して県道396号線へ。

県道396号線を北へ450mほど進むと、右手に墓地がある変則的な形状の交差点に出会うので、そこは右前方へ入ります。

交差点を右前方に入ってからおよそ1.3km、信号のない交差点(太い道路は丁字路状になっており、正面は細い道)を左に入り、すぐ左手に出会う八幡神社に自転車を置きました(地図中「八幡神社」)。

別所中池の駐車場所から八幡神社までの距離は、約4.2kmです。

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▲車道から見た八幡神社

https://goo.gl/maps/Nxj5D4iNx3kWhJQL6

▲八幡神社の位置

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▲八幡神社の社殿

10:13
八幡神社に自転車を止めたら、拝殿で本日の無事を祈願してから出発。
桶居山北尾根の北端を目指して車道を北東へ進みます。

10:17
北尾根の北端に到着(地図中「登山口」)。
自治会の掲示板が設置された粗大ゴミ置き場です。

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▲桶居山北尾根の北端の様子

掲示板の右側、木製の階段のようなものがある場所が登山口です*2

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▲登山口

木製の階段のようなものを登ると、左上に赤いマーキングが見えました。
そのマーキングに向かって、明確な踏み跡が付いています。

マイナーな山を歩くのに慣れている方から見ると、踏み跡は明確。
整備された山しか歩かない方にとっては、踏み跡と言うより獣道、あるいは道が無いと思われるかも知れません。

道があるように見えないという方は、このルートを歩かない方が良いと思います。

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▲新しい赤い布のマーキングがあった(なかなかの急斜面です)

つづら折れになっていた踏み跡は、標高70m付近からは一直線の道になります。

登山口から10分ほどで、最初の小ピークに到着。
境界杭も標石も何もありません。

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▲北尾根北端の小ピークの様子(左奥は桶居山山頂)

そこから先は明確な登山道が続いており、なだらかなこともあって快適に歩けます。

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▲前方に桶居山を見ながら北尾根上の道を進む

所々に凹みがありましたが、あれはなんだったんだろう。

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▲北尾根で見られる凹み

標高150m付近のなだらかな場所で、北尾根を撮影するためドローンを飛ばしてみました。

北尾根上には、桶居山山頂へ向けてきれいな道が付いていることがよく分かります。

登山口から尾根の上までの道の様子を見る限り、歩く人は多くはないのでしょうが、一定数のハイカーは歩いていそうです。

https://shimiken1206.sakura.ne.jp/panorama/okesukeyama20201227/virtualtour.html

▲桶居山北尾根上空で撮影した全天球パノラマ(撮影機材:Mavic 2 Pro

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▲ドローンで真上から撮影した北尾根(矢印の位置に私が立っています)

15分ほどドローンで遊んだ後、山頂に向けて出発。

砂利道のような登山道を進んでいくと徐々に斜度が増していき、標高170m付近からは露岩が目立ち始めました。これぞ桶居山。

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▲斜度がきつくなって露岩も出てきた

山頂が近づくとかなりの急斜面になってきましたが、道ははっきりしており、周囲の植物を手すり代わりにすれば何とか安全に登っていけます。

山頂から人の声が聞こえてきたので、「訳の分からないところから山頂に現れて驚かせてみよう」と意地悪なことを考えながら、最後はササの中を登り切って桶居山の山頂に飛び出しました。

しかし、山頂に人影はなし。「今まで声が聞こえていたのに・・・」と私の方がびっくりしてしまいました。

11:16
山頂に到着。

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▲誰もいなかった桶居山の山頂

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▲三角点近くの笹の隙間(矢印の部分)から山頂に出た

▲2020年12月17日に桶居山山頂上空でドローンにより撮影した全天球パノラマ(撮影機材:Mavic 2 Pro)

相変わらず展望の良い山頂で、南向きの展望を楽しみながら頂いた本日の昼食は、「米々軒 本格スープで作るビーフカレー」。

アルファ米を戻すのに、温めたカレースープを使うというアイディア商品。
そのため、出来上がりはカレーピラフのような状態です。しかし、味も具材のお肉もしっかりしていて、きちんと「カレーライスを食べている感」を味わえます。

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▲本日の昼食

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▲できあがったビーフカレー

私が山頂に到着してしばらくすると、西から単独の男性ハイカーさんが登ってこられました。

その男性ハイカーさんは私と同じような感覚の持ち主で、マイナーな山にお詳しい。話が合うので時間を忘れてたっぷりお話をしてしまいました。

単独男性ハイカーは先に下山されたので、その後は双眼鏡で周辺の景色を楽しむことに。
霞んでいて遠望はききませんでしたが、近場は良く見えます。

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▲山頂から見た庄山城跡(参考:https://dfm92431.hatenablog.jp/entry/2018/02/24/221147

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▲山頂から見た高山(マニア向けの藪山。参考:https://dfm92431.hatenablog.jp/entry/2007/01/20/153453

12:22
下山開始。

予定通り、送電線(姫路南支線)の巡視路のある尾根で夕陽ヶ丘に下るため、西へ稜線をたどります。

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▲本日の下山ルートを望む(姫路南支線3番鉄塔の先にある小ピークを越えたところから右へ折れ、姫路南支線4番鉄塔に向けて下る)

桶居山山頂から西への下りは、奇岩群の中の急下り。

下山途中、夕陽ヶ丘全体を見渡せる場所がありました。

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▲下山途中で眺めた夕陽ヶ丘(下山地点と八幡神社が写っている)

12:37
イワイワした斜面を登り返して姫路南支線3番鉄塔下をくぐります(地図中「姫路南支線3」)。

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▲姫路南支線3番鉄塔下の様子

3番鉄塔の先にある小ピークを過ぎると、夕陽ヶ丘へ下る道の分岐に出会います。

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▲姫路南支線3番鉄塔の西にある小ピーク

12:42
夕陽ヶ丘方面への道が北へ分岐する場所に出会いました(地図中「分岐」)。
東から来た場合、夕陽ヶ丘へ行く道の方が目立ってしまうためか、道標が設置されています*3

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▲夕陽ヶ丘方面への道の分岐

夕陽ヶ丘へ下る道は、砂や落ち葉が積もった岩の道。
イワイワした道は私の好物ですが、滑りやすい岩の道は恐ろしい。

何度も足を滑らせたり何かに蹴躓いたりしたので、危なそうなところは横向きや後ろ向きの体勢で慎重に下りました。

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▲砂や落ち葉が積もった岩の急斜面を下る

12:54
姫路南支線4番鉄塔の下を通過(地図中「姫路南支線4」)。

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▲姫路南支線4番鉄塔下の様子

鉄塔から先は、土の層が分厚い道で滑らず快適。
麓が近づくとまた落ち葉で滑りやすい道になりますが、それはすぐに終わり。

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▲4番鉄塔から先はしばらく快適な道

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▲麓が近づくと道の様子が変わる

13:02
夕陽ヶ丘の住宅街南西に下りてきました(地図中「巡視路入口」)。

「火の用心」と書かれた小さな赤い標識(巡視路の入口であることを示すもの)が立っています。

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▲ここに出てきた(矢印は、道が画像の左上方向から青いカゴの右に向かって伸びていることを示すもの)

13:10
夕陽ヶ丘の住宅街の中を通って八幡神社に到着。

神社の拝殿でお参り(無事に下山できたことの報告とお礼)し、自転車で別所中池のほとりにある車に戻りました。

13:30
駐車場所に到着。

14:00頃
自宅に到着。

桶居山の北尾根を久しぶりに歩いてみて、人気がない理由が分かりました。

まずは車を置けないこと。姫路やその周辺の地域の人にとって車は生活に欠かせませんから、公共交通機関よりも車に頼りがち。車を登山口に置けるかどうかは重要です。

次に、北尾根は展望があまりないこと。正面(南)は桶居山が展望を遮り、東は隣の尾根が壁になっており、西は姫路市街を多少は見通せますが、桶居山から西へ延びる稜線が視界の大半を占領。高御位山から桶居山にかけての播磨アルプスは展望の良さが売りなので、すぐそばに好展望のルートがあるのに、あえて北尾根を歩こうとは思わないでしょう。

私は別所中池から自転車で夕陽ヶ丘に向かいましたが、別所中池に車を置き、「別所口西」交差点のすぐ北にある「別所西」バス停から路線バスに乗り「夕陽ヶ丘」バス停へ。そこから北尾根で桶居山に登り、別所中池へ下るというルート取りもできます。

ただし、路線バスは本数が少ないので、バスの時刻に注意して計画を立ててください。


交通アクセス

JR姫路駅、またはJRひめじ別所駅から路線バスで「夕陽ヶ丘」バス停へ行くことができます。(バスの時刻は神姫バスのWebサイトで事前にしらべてください。)

この場合は、今回の記事で紹介した北尾根から桶居山へ登った後、夕陽ヶ丘へ戻る必要はありませんので、自由なルート設計ができます。

*1:急斜面の藪は、私の感覚では下るより登る方が安全です。

*2:14年前はここに登山口はなく、もう少し南側、「こんなところに入って良いの?」と思うような私有地感のある場所の竹藪が登山口でした。

*3:JRを利用するハイカーは御国野方面へ向かう必要があります。