播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

第44回 殿のグルメ対談(小南石×岡田本家)

本日は第44回 殿のグルメ対談に行ってきました。

これは、姫路周辺の飲食店の店主さんと酒蔵の方を1組ずつゲストとしてお呼びし、お店のこだわりやお酒について熱く語って頂くというイベント。
 
姫路城がよく見える大手前第1ビルの4階にある「納屋工房」さんで、不定期で開催されています。
 
今回のゲストは、姫路市塩町に2014年9月4日にオープンした貝料理のお店「小南石(こなんせき)」の南石さん(本名です)と、加古川市唯一の酒蔵 岡田本家で働いている下村さん。
 
19:45
まずは小南石を開店された南石さんから対談が始まりました。
 
 
▲殿と対談中の南石さん(右)本当はぼかしを消してお二人の顔を見て頂きたいくらい、二人はそっくりです。
 
実は、南石さんは2013年8月に一度対談に来られています。

その時は姫路市伊伝居の和風バー南石の店長としての登場でしたが、今回は南石の2号店となる「小南石」の店長として対談をされました。
 
南石さんは千葉県出身。
広告や雑誌の制作のお仕事をされていましたが、学生時代の友人に「飲食店をやりたいと言ってたよな?」と言われ、半ばむりやり姫路で飲食店をやらされることになってしまいました。
 
それから7年。南石さんは2号店を持つまでになりました。
 
姫路市伊伝居の和風バー南石については、拙ブログの記事をご覧下さい。

https://dfm92431.hatenablog.jp/entry/2013/08/12/225512

 
殿が尋ねます。「どうして小南石を開店したの?」
 
南石さん曰く「飲んだ後の締めはラーメンしかないのか?ということで、お茶漬けを出すお店を出そうかと考えましたが、お茶漬けにはパンチがありません。素材にこだわったとしても弱い。何かないかと考えたところ、貝にたどり着き、貝の壺焼きのお店をしようということになりました。」
 
殿によると、小南石では貝汁をふんだんに使った料理を食べられるとのこと。
すると、南石さんが「貝のだし汁で作ったお茶漬けもありますよ。」と補足。

小南石さんの前は、仕事帰りに何度か通ったことはあるのですが、まだ寄ったことはありません。
貝は好物なので、是非行ってみたくなりました。
 
「貝を使った料理を出すだけでなく、日本酒も売りたいので、それに合わせた珍味もセレクトして取り寄せています。」とのこと。
 
小南石に南石さんがいるのは、夜中の1時以降。それまでは女性スタッフにお店を任せているそうです。
南石さんは、その時間までは伊伝居の和風バー南石でお仕事をされています。
 
小南石は朝の5時まで営業しているので、お店の片付けが終わった後、朝7時に寝て、午前11時に起きるというハードな生活だそうです。
 
殿によると、南石さんのお客さんは、南石さんに癒やされるためにお店に来ているのだとか。
南石さんは人の良さそうな雰囲気で、関西弁ではなく嫌みの無い自然な標準語を話される(千葉出身なので当然かも知れませんが、関西で長く暮らしているのに標準語が崩れていません)ので、非常に人当たりが良いのです。
 
最初は関西弁(播州弁)を話す人たち全員が恐ろしかったそうですが、何年か過ごしてようやく慣れてきたとのこと。
 
そんな南石さんは、前回のグルメ対談のゲスト、からあげぼっくりさん(https://dfm92431.hatenablog.jp/entry/2014/08/26/233617)と大の仲良しで、ぼっくりさんが南石さんの影響を受けて、純粋な兵庫県人なのに標準語をしゃべるようになったそうです。
 
ぼっくりさんとお店で話すときに感じていた妙な違和感は、あの標準語風の言葉だったのか。
 
殿が「小南石を朝5時まで開けている意味はある?」と聞くと、「お客さんのピークは午前1時過ぎと3時過ぎ。開けている意味は十分にありますよ。」とのお答え。
 
小南石をもっとたくさんの人に知って頂きたいという南石さんの言葉で、南石さんの対談は終了。
 
▲小南石さんの位置
 
店名: 小南石(こなんせき)
 (住所をクリックするとGoogleマップが開きます)
営業時間: 17:30~05:00 (月曜のみ午前1時まで)
席数: 9
定休日: 日曜祝祭日
駐車場: なし
(出典:食べログ)

 
 
20:10
引き続き、加古川市唯一の酒蔵 岡田本家の下村さんが登場です。
 
 
▲殿と対談中の下村さん(右)
 
この下村さんは、2014年2月に夢前夢工房でイチゴを育てる担当者としてグルメ対談に来られた方です(参照:https://dfm92431.hatenablog.jp/entry/2014/02/21/225747)。
 
イチゴ作りから日本酒やその材料となる酒米造りに関わるようになられたのは、グルメ対談の際に岡田本家の方と出会い、その方が高校の同級生だと判明して意気投合したからだそうです。
 
殿によると、岡田本家のお酒は「安くてうまい。穴場的なお酒。」とのこと。
 
下村さんは、春からは農業に勤しみ、秋からは春にかけては酒造りをされているそうです。
 
時期は限られますが、朝から絞りたてのお酒を「仕事で」飲むこともあるそうです。夢のような職場。
殿に「岡田本家さんのこだわり」について尋ねられた下村さんの回答は、「すべて加古川のものでお酒を造ることです。山田錦も加古川のもの。五百万国も使っていますが、何から何まで加古川のものを使います。」というもの。
 
下村さんによると、おすすめは純米酒だそうです。
殿曰く「安いし、おいしい。高いのがおいしいと思っていたけれど、純米は飽きないおいしさ。」
 
下村さんによると、県農とコラボをしたお酒も作っているとのこと。
県農の高校生が花の酵母を培養して、それを岡田本家が酒造りに使っているそうです。ただ、このお酒はすぐに売り切れてしまうので、なかなか手に入らない貴重品。
 
姫路で岡田本家のお酒が買えるのは、山陽百貨店だそうです。
 
岡田本家さんは小規模な酒蔵なので、その製品は手に入りにくい。しかし、それも魅力の一つ。
 
加古川唯一の酒蔵なので、存続することは重要ですが、そのために大規模化して増産すると、今の岡田本家のお酒の良さがなくなるかも知れません。
 
難しいけれどもがんばって欲しいという殿の言葉で対談は締めくくられました。
 
20:28
いよいよ試食と試飲です。

試食のメニューは、貝だしの出汁巻き卵、鹿児島の甑島(こしきじま)の薩摩揚げ(現地ではつけあげと呼ぶそうです)と、ニシンの切り込み。
 
試飲は岡田本家の盛典(せいてん)のおりがらみ。
 
南石さんから「飲んでみて下さい」とのことで貝汁を頂きましたが、この汁をアテにお酒が飲めるほど美味しい。
そんな貝汁で作られているので、だし巻き玉子は美味しいに決まっています。

薩摩揚げは甑島から取り寄せた本物ですし、ニシンの切り込みは、魚で作ったイカの塩辛のようなもの。日本酒にはぴったりの一品です。
 
 
▲試食用の品々(だし巻きは写っていません)
 
 
▲試飲用の盛典おりがらみ
 
盛典は、今年のものと昨年のものを用意して頂いたので、飲み比べてみましたが、同じお酒でも1年でまったく味が変わっています。

今年のものは、酸味や力強い味わいを感じますが、昨年のものはまろやか。
 
21:07
毎度おなじみのQ&Aコーナーが始まりました。
南石さんは諸事情により帰られたので、下村さんだけを対象に質問が出されました。
 
質問1 加古川のどこで米を作っていますか?
回答1 八幡町周辺です。
 
質問2 盛典に一番合う料理は?
回答2 日本酒は嗜好品なので、飲みたいものを、食べたいものと一緒に飲めばいいと思います。
 
質問3 酒米の需要は増えていますか?
回答3 殿による回答「山田錦は、商社が買い占めている。商社は金になると思っているだけ。結局はビジネス。」
 
質問4 地産地消はいい面があるけれど、今の文化はそれを打破して、地元のものより良いものを探し、よりよいものを作るという方向になっています。それなのに、なぜ地産地消を貫く?なぜよその県の米はだめ?
回答4 全国的に兵庫県産の山田錦が求められていることからも、兵庫の酒米が良いものだということは周知の事実。地元のものが良い素材なので、地産にしています。
 
質問5 今、何が一番楽しいですか?
回答5 今は知らない世界に入ったばかりですが、専門知識を教えてもらい、会社のためになにができるが考えながら働くことが一番楽しいです。
 
質問6 会社(岡田本家)のいいところは?
回答6 今の蔵では、休憩時間に姿が見えないと、きちんと休憩をとっているのか確認するくらい、人のつながりが深くて温かい会社です。
 
質問7 どうやったらそんな風に幸せな働き方ができるのですか?
回答7 やりたいことをやっているだけです。
 
21:34
グルメ対談が終了しました。