本日は、第43回 殿のグルメ対談に参加してきました。
グルメ対談は、食べログで「ハイパー殿」の名前で多数の飲食店のレビューを投稿している「殿」が主催するイベントで、姫路近辺の飲食店の店長さんと姫路近辺の酒蔵の蔵元さんをゲストに呼び、いろいろなこだわりや裏話を聞くというものです。
場所は姫路城のすぐ南、大手前第一ビルの4階にある納屋工房さん。
本日のゲストは、姫路の大手前交差点近くに最近オープンした唐揚げ専門店「からあげぼっくり」さんと、今回で7回目の登場となる本田商店(龍力ブランドのお酒を造っている酒蔵)の本田龍祐さんです。
19:37
殿のあいさつでグルメ対談が始まりました。
一人目のゲストは、からあげぼっくりの店長 松本さん(26歳)。
2014年5月にオープンしたばかりの、まだ新しいお店です。
もともと店長さんは鉄工所で働かれていたそうですが、18歳のころから飲食店を開きたいという夢があり、ついに「今しかない」と思い立って開店を決意。
唐揚げ好きが高じて唐揚げのお店にされたとのことです。
準備にかけた期間は半年。
「からあげぼっくり」という店名の「ぼっくり」は、松ぼっくりを表しているとのことで、お店のキャラクターも松ぼっくりをイメージしたかわいいデザインです。
いろんな唐揚げのお店を回り、それらのお店よりおいしい唐揚げを作るという決意をもって唐揚げを研究されたそうですが、詳細は後のQ&Aコーナーでいろいろと明らかになりました。
使われているのは、但馬の「味どり」という種類の鶏肉で、兵庫県の周辺の様々な鶏肉を食べ比べた結果、一番おいしかった但馬の「味どり」を採用されたとのこと。
誰かに師事して唐揚げを学ぶといったことはなく、自分の味覚と研究意欲だけで唐揚げについて研究し、松本さんいわく「ノリと勢いで」お店をオープン。
私も何度か伺っていますが、唐揚げはどれもこれも非常においしいです。
特にもも肉の唐揚げは、家で作るブロイラーのもも肉の唐揚げとはまったく別物で、ブロイラーのような嫌な臭いや堅さもなく、ジューシーで柔らかい。
胸肉の唐揚げも素晴らしいもので、胸肉はパサついているイメージがありますが、ぼっくりさんのは胸肉の唐揚げもジューシー。
「鶏肉はももが一番おいしい」と思われている方は、胸肉の唐揚げも是非お試しください。
姫路おでんにヒントを得た生姜醤油をつける姫路唐揚げや、胸肉・もも肉・皮などの唐揚げが載ったからあげ丼も美味しそう。
今のところメニューは常に変化(増加)していますが、それらのメニューも、いつもあるとは限りません。
その日の仕入れ状況によってあったりなかったりしますが、古い鶏肉で無理やり提供される料理より、その日に仕入れた鶏肉だけで作られたおいしいメニューをいただく方が良いと思うので、注文したものがなかった場合でも気を悪くせず、店長のこだわりだと受け止めることをお勧めします。
店長は、グルメ対談の時点では相生から通われているとのことでした。
お店には2階があるのですが、2階は住む場所にはせず、座敷として使うことを考えているそうです。
今はカウンターに数人が座るだけでいっぱいになってしまうお店ですが、いずれは座敷で宴会を楽しめるお店になってくれるのかもしれません。
座席: カウンター8席、テーブル4席
電話: 079-224-6225
駐車場: なし
電話: 079-224-6225
駐車場: なし
19:54
続いて二人目のゲスト、龍力の本田商店から本田龍祐さんの登場です。
今日のお話のテーマは「ひやおろし」。
江戸時代、夏には酒はすぐにダメになっていたそうです。
しかし、酒蔵の中の酒は夏でも傷んでいなかったため温度が重要ということに気づき、ひやおろしが出来たとのこと。
つまり、蔵の中の温度と気温が同じになる時期を狙って蔵から出荷したものが「ひやおろし」だそうです。
本田さん曰く、「秋に飲んで欲しい蔵からのお勧めのお酒。」
絞りたての酒は、香りは良くても味が今ひとつだそうで、夏を越して秋まで熟したお酒「ひやおろし」は、香りはそこそこでも、ソフトでまろやかな、落ち着いた味わいになるとのこと。
絞りたての濁り酒というのも人気ですが、本田さん曰く「どうしても味が似たり寄ったりになってしまう」そうです。
本田商店さんでは、香りが良い絞りたての酒と、味の良いひやおろしの中間的な商品を作るため、「氷温熟成」という技術も使われています。
話題は酒米と普通の米の違いに移りました。
パックで売られているお酒は、本田さんによると酒米ではなく、普通に私たちが食べている米を使っているとのこと。
酒米は普通の米より格段に高いので、コスト削減のためにそうするとのことですが、普通の米からあの味のお酒を造るのは非常に難しいとのことで、本田商店さんの技術をもってしても困難なのだとか。
パック酒というと安物のお酒というイメージですが、確かに材料は安くても、高度な技術が使われていたとは。
再び話題は変わり、殿が「氷を入れて飲むと美味しいアイスブレーカーというお酒がある」と言うと「氷を入れて飲むのはアリだと思いますね」と本田さん。
夏はどうしても日本酒よりビールを飲みたくなるので、すっきり飲める冷たい酒で対抗する必要があると殿。
本田さんによると、地酒の出荷量は微増傾向にあるそうです。
日本酒の人気が上がりつつあるのかと思ったら、大手の安価なお酒の出荷量は減っていて、日本酒全体としてみると、出荷量は減少傾向。
本田商店さんのお酒は、特にドラゴンシリーズが海外で人気だそうで、噂によるとジャッキー・チェンさんも「ドラゴン」という名前を気に入って飲んでいるのだとか。
20:26
試食と試飲が始まりました。
ぼっくりさんの唐揚げが出来上がるのを待つ間に、播州辛口と特別純米山田錦ひやおろし原酒(どちらもひやおろし)を試飲させて頂きました。
播州辛口は恐ろしいほどまろやかでフルーティー。対談の中で本田さんがおっしゃっていた通りの味わいです。
ひやおろし原酒は、まろやかさの中にも酒らしいパンチがあって、酒好きの人ならこちらの方が良いかも知れません。
播州辛口のラベルは黒・赤・金の三色でデザインされていますが、これは播州の祭りで使われる色で、このデザインには思い入れがあるとのことでした(姫路の浜手は祭りが盛んなのです)。
そうこうしているうちに、ぼっくりさんの唐揚げが登場。
▲試飲用のお酒と試食用の唐揚げ、サラダ
唐揚げはもも肉と胸肉の2種類がありましたが、どちらもメチャメチャ美味しい。
生姜醤油、甘だれ、激辛だれが用意されていましたが、どれを付けても合います。
サラダにも胸肉かささみが入っていて、サラダなのに肉肉しい。
美味しいので、あっという間に唐揚げもサラダも参加者の胃袋へ吸い込まれてしまいました。
20:42
対談のゲストに参加者が質問をするQ&Aコーナーが始まりました。
からあげぼっくりさんへの質問
質問1 天むすのように、唐揚げを入れたおむすび、鶏むすを作ってみては?
回答1 やってみます。
質問2 なぜぼっくりさんの唐揚げは脂っこさがなくあっさりしているのですか?
回答2 米油を使っているので、油ハケが良いからだと思います。
質問3 唐揚げには普通にんにくが入っていて、翌日の匂いを気にして唐揚げを避けることがあるのですが、ぼっくりさんの唐揚げからはにんにく臭さを感じません。入っていないのですか?
回答3 にんにくは使っています。国産のにんにくを使っているので、元々匂いが少ないのですが、たれを煮込むことで、さらに臭みを減らしています。
質問4 胸肉の唐揚げが全くぱさついていなくてジューシーだったのは何故?
回答4 ぱさつくかどうかは、揚げる時間で決まります。たまに失敗してぱさつくこともあります。
質問5 鶏肉は他にもいろんなブランドがありますが、それらの肉は使わない?
回答5 いろんな鶏肉を使って試してみたいです。
質問6 鶏肉以外の肉を使う予定はありますか?
回答6 唐揚げと聞いて一番に浮かぶのが鶏肉なので、鶏肉を使っています。実は、魚を揚げたメニューも考えています。
質問7 唐揚げダイエットなるものがあるそうですが?
回答7 唐揚げを食べてから野菜とご飯を食べるというものらしいです。詳細は忘れてしまったので、Webで検索してみて下さい(笑)。
質問8 鶏肉は市場で仕入れているのですか?
回答8 卸業者さんから仕入れています。当日捌いた肉を使うことにこだわっています。うま味が抜けていないため美味しいのです。
質問9 米油はどこで入手できるのですか?
回答9 油で揚げて作る和菓子に米油が使われているので、和菓子屋さんに紹介してもらいました。
質問10 ぼっくりさんの唐揚げが冷めても美味しいのは何故?
回答10 やっぱり米油のおかげですね。サクッと感が長く続きます。
本田商店さんへの質問
質問1 酒米は高いと聞きますが、どのくらい高いのですか?
回答1 普通のお米は60kgで1万円台前半で買えますが、山田錦は2万円台後半から3万円します。魚沼産コシヒカリの最高級品と同等の価格です。
質問2 山田錦をしのぐような米はありますか?
回答2 当分そんな米は出ないと思います。でも、兵庫錦という米が面白いです。これは価格が山田錦の半分くらいなのに良いお酒ができます。
21:17
グルメ対談が終了しました。
予定通りの時間に終わったのは、私が知る限りでは初めてかも。
注:対談の内容には、企業秘密的な内容や、Webで公開するのが不適な内容が含まれる場合があるため、ゲストの方のお話やQ&Aコーナーの内容については、一部カットしたり表現を変えたりしています。