本日は第31回 殿のグルメ対談に参加してきました。
「殿」は食べログでは「ハイパー殿」名義で2,000件近い(2013年8月中旬時点)口コミを書かれている方です。
日程 2013年8月12日(月)
時間 19:30~21:30(予定)
場所 納屋工房(姫路市本町68番地 大手前第一ビル4階)
参加費 一人¥1,580
時間 19:30~21:30(予定)
場所 納屋工房(姫路市本町68番地 大手前第一ビル4階)
参加費 一人¥1,580
19:39
殿の挨拶からグルメ対談が始まりました。
殿の挨拶からグルメ対談が始まりました。
一人目のゲストは、姫路市伊伝居にある和風バー「南石(なんせき)」の店長、南石さん(36)。
そもそも和風バーという業態自体が珍しいですが、何故和風にしたのかという話から始まりました。
▲和風バー南石の店長 南石氏(プライバシー保護のため、画像の一部を加工しています)
南石さんによると、趣味で陶芸をやっていたので、陶芸で作った器が似合うお店にしたいと考えられた結果出来上がったスタイルだそうです。
実際、お店の食器の一部は南石さんの手作り。
南石さんは千葉県出身で、「父親が陶芸の講師をしていた」ためご自分でも陶芸をされていたことや、実家の近くにすてきなバーがあり、そんなお店を持ちたいという思いがあって、商売を始められたとのこと。
どうして千葉の人が姫路でお店をするのかという質問が殿から出ましたが、その答えはシンプルで、商売をやらないかと誘ってきた学生時代の友人が姫路出身だったから。
広告関係のお仕事をされていましたが、30歳を区切りに仕事を辞め、6年前に南石をオープンされました。
当初はお店を営業しながら朝(未明)に師匠と呼ぶ魚屋さんの仕入れについていき、魚の選び方を覚えたり、うろこの取り方から始まって魚の扱いの修行をされたそうです。
お店をオープンしてから料理の勉強をするという、順序がおかしな話ですが、知り合いから料理を教えてもらったり、本を読んだり、とにかく出来ることをして料理を覚えられました。
殿は南石さんのおでんと手羽先がお気に入りとのこと。
おでんは食べ方が変わっていてブンセンの「塩っぺ」を付けて食べるそうです。
南石さんによると、おでんは薄味で作っているので、足りない味を塩っぺで補うことを目的にされているとか。
南石さんによると、おでんは薄味で作っているので、足りない味を塩っぺで補うことを目的にされているとか。
とにかく、殿はおでんを大絶賛。
南石さんではメニューの取捨選択を常にされていて、一度引っ込めたメニューであっても、再度研究してより良いものに仕上げてから復活させることを繰り返されています。
今は肉味噌とメンチカツの研究に時間をかけているとのこと。
肉味噌はレタスに包むだけで無く、パンにも合う一品。
メンチカツは、牛と豚の合い挽きが多い関西ですが、あっさりした味に仕上げるため配合を研究されているそうです。
肉味噌はレタスに包むだけで無く、パンにも合う一品。
メンチカツは、牛と豚の合い挽きが多い関西ですが、あっさりした味に仕上げるため配合を研究されているそうです。
和風バー南石さんでは、純粋な和風料理だけでなくカレーライスやオムライス等洋風のメニューも頂けるようです。
カレーは具材が溶け込んでいるタイプのもので、2日かけて作られていますし、オムライスもふわふわ玉子がお好きと言うことで、牛乳をたっぷり使って作られているとのこと。
ランチ営業もされていて、お昼はカレー(¥700)や唐揚げ定食(¥650)、肉みそどんぶり(¥500)などが楽しめます(安い!)。
前述のオムライスは、最近はあまり興味がなくなっているとのことでメニューには載っていませんが、(¥650)で頂けます(裏メニュー?)。(メニューや価格はすべて2013年8月現在)
幅広いジャンルのいろいろなメニューがあるのは、お店の周りに美味しい食材を提供してくれるお店があるからとのことでした。
飲食店の立地としては条件が悪い(駅から遠い、マンションの1階で分かりにくい、タクシーでさえ気づかず通り過ぎてしまう)ですが、食材を仕入れる面から見るとありがたい立地なんだそうです。
飲食店の立地としては条件が悪い(駅から遠い、マンションの1階で分かりにくい、タクシーでさえ気づかず通り過ぎてしまう)ですが、食材を仕入れる面から見るとありがたい立地なんだそうです。
続いて飲み物のお話へ話題が変わります。
お酒は焼酎、日本酒、ワイン、カクテルなどが用意されていますが、お酒についてはバーで修行を積んで勉強されたとのこと。
変わり種として、東京下町チューハイと銘打たれたトマトハイやコーヒーハイもあるそうです。好き嫌いは分かれるようですが、はまる人には絶品だそうです。
夜はお疲れ様セットという飲み物と小皿3品のセットがあるそうですが、殿によると小皿と言いながら結構な量があり、他に1品か2品頼むだけでおなかいっぱいになるとのこと。
「量が多すぎるで」という殿に対し「よく言われます」とのお返事。
お店の一番のこだわりは、「どこでも食べられるものを出してもしょうがないので、手作りのものを出したい」ということ。
その言葉通り、お店で出されるメニューはほぼすべて南石さんの手作り。既製品はポテトフライくらいとのことです。
その言葉通り、お店で出されるメニューはほぼすべて南石さんの手作り。既製品はポテトフライくらいとのことです。
最後に「今後の展望は?」と聞かれ、「今やっていることを地味ですが今後もしっかりやり続けたい」と答えられた南石さん。まじめで熱心な方です。
和風バー南石について
現在は営業していません。
20:20
続いて二人目のゲスト、株式会社本田商店(龍力)の5代目蔵元 本田龍祐氏の登場です。
続いて二人目のゲスト、株式会社本田商店(龍力)の5代目蔵元 本田龍祐氏の登場です。
3ヶ月ぶり6回目の登場。グルメ対談のゲストとしては最多出演記録を更新中です。
▲本田商店の本田龍祐氏(プライバシー保護のため、画像の一部を加工しています)
今日のお話は、まずは日本酒の売り上げの話題から始まりました。
本田龍祐氏曰く「最近日本酒を飲んでいる人は減りました。パックのお酒の売り上げは減っています。そういうお酒を飲んでいた人たちの高齢化が原因。でも、地酒の売り上げは増えています。」
男性は冒険をせず、目新しいお酒に手を出さないが、女性は美味しいと思えば買ってくれる。女性が日本酒の売り上げに貢献してくれているとのお話。
ここで姫路駅地下グランフェスタにあるタツリキショップがなかなか順調という話題に変わります。
このお店は有料試飲所。安くいろいろなお酒を提供し、気に入ったお酒を見つけてもらって、それを買ってもらうのが本来の目的なので、おつまみもほとんどありません。
このタツリキショップの店長は、大工さんから麹屋になり、今は本田商店の酒造りのエースと呼ばれる人だそうです。
「そもそもお酒を冷やで飲むのは大吟醸が出来たおかげ」と、またまた話題ががらっと変わります。
大吟醸は、大手酒造会社の下請けをしていた地方の酒蔵が、大量生産品とは違う世界を作りたいとの思いで作り始めたもの。
大吟醸のお酒が高いのは、原料の米が高いから。
たとえば、米のささやきの最高峰「秋津」は一升瓶で¥30,000以上します。
これは、加東市の2軒の農家しか作っていない貴重な酒米を使っているため。
たとえば、米のささやきの最高峰「秋津」は一升瓶で¥30,000以上します。
これは、加東市の2軒の農家しか作っていない貴重な酒米を使っているため。
酒米の生育に適した土質、日照条件の地域は他にもありますが、様々な要素がバランス良く整っているのが、この秋津用の米を作っているエリアなんだそうです。
「貴重な米を作っている田んぼの稲が台風で倒れたらお酒が作れないのでは?」と殿が質問し、米の育て方の話題になりました。
本田龍祐氏によると、腕の良い農家が作った米は、倒れても起き上がるそうなんです。
一般的には、田んぼに肥料をばらまいてから苗を植えて稲を育てますが、そうすると、稲は根を十分に張らなくても栄養を吸収でき、「足腰」が弱い状態のまま生育します。すると、倒れても起き上がれません。
一般的には、田んぼに肥料をばらまいてから苗を植えて稲を育てますが、そうすると、稲は根を十分に張らなくても栄養を吸収でき、「足腰」が弱い状態のまま生育します。すると、倒れても起き上がれません。
しかし、腕の良い農家の人は、苗の根が十分に広がるように育てるので、足腰の強い稲が出来る。結果、倒れにくく、倒れても自力で起き上がる稲が出来上がるのだとか。
また話題はがらりと変わり、お酒を飲むための器に話題が移ります。
たとえば、ワイングラスは昔、口が広がったコップに脚が付いたようなデザインだったのが、100年ほど前にRIEDEL(リーデル)社が口をすぼめたデザインのものを発売。ワインの香りを楽しみながら美味しく飲めるということで爆発的に普及したそうです。
それに対し、日本酒を飲むためのおちょこは香りを飛ばす(昔のお酒は決して良い香りでは無かった)ためのデザインで、現在の香りが良いお酒を飲むのには適していません。
現状、香りの良い日本酒を楽しむのに最も適した器は、ワイングラスだとか。
飲み方は、大吟醸の冷酒は発酵温度が10度なので、10度くらいで飲むのがベスト、純米酒は15度くらいがベスト。つまり、作っているときと同じ温度で飲むのが美味しいのだそうです。
ワインにはソムリエがいますが、日本酒にはそれに相当する存在がありません。
それは、ワインには当たり外れ(料理に合う・合わない)があるからで、日本酒は基本的に米に合う食べ物には何にでも合うため、ソムリエのような存在が必要ないとのこと。
それは、ワインには当たり外れ(料理に合う・合わない)があるからで、日本酒は基本的に米に合う食べ物には何にでも合うため、ソムリエのような存在が必要ないとのこと。
最後に、2013年9月4日(水)の16:00~20:30に姫路の護国神社で行われる「スローフードな縁日」の宣伝がありました。
参考URL(スローフード協会)
もともとは大人が楽しめる縁日として始まった同イベントですが、大人が楽しむには美味しいお酒と美味しい料理が必要ということで、地元の飲食店に協力してもらい、お店が比較的暇な水曜日に開催しているとのことでした。
21:00
試食と試飲が始まりました。
試食と試飲が始まりました。
試食は和風バー南石さんの手羽先、バゲットと肉味噌・クリームチーズ、豚のもつ煮込み。
▲試食メニュー(豚のもつ煮込みは写し忘れました)
手羽先は絶品で、お酒のあてに最高。
肉味噌はピリ辛ですがパンに良く合いますし、クリームチーズは隠し味に味噌が入っています。
もつ煮込みは豚というのが珍しい。
もつは非常に柔らかく、脂っこさが全くなくてさっぱり美味しく頂けます。
もつは非常に柔らかく、脂っこさが全くなくてさっぱり美味しく頂けます。
試飲は龍力 純米酒ドラゴン Episode3。
▲純米酒ドラゴン Episode3
4つの色を使ったラベルは、本田龍祐氏によると「四季を通じて楽しんで頂きたいことと、フルーティーで華やかな味わいであることを分かって頂くための派手なデザイン」とのことでした。
21:28
試飲と試食が終了し、Q&Aが始まりました。
試飲と試食が終了し、Q&Aが始まりました。
和風バー南石さんへの質問と回答
質問1 ランチ営業については、グルメ関係の媒体では触れられてませんが?
回答1 最近始めました。一人でやっているお店なので、あまり混雑するとお待たせすることになってしまいますが。
質問1 ランチ営業については、グルメ関係の媒体では触れられてませんが?
回答1 最近始めました。一人でやっているお店なので、あまり混雑するとお待たせすることになってしまいますが。
質問2 駐車場はありますか?
回答2 店の前に5台ほど置けます。
回答2 店の前に5台ほど置けます。
質問3 おでんは今出されていないそうですが、いつから再開されますか?
回答3 来週くらいから始めたいです。おでんは野菜が主体で、出汁は3日間使うので、日によって変わっていきます。
回答3 来週くらいから始めたいです。おでんは野菜が主体で、出汁は3日間使うので、日によって変わっていきます。
質問4 クリームチーズにブレンドされているのはどんなお味噌ですか?
回答4 普通の田舎味噌を使っています。
回答4 普通の田舎味噌を使っています。
質問5 置かれている日本酒の銘柄は?
回答5 日本酒では雪彦山を主体にし、山廃や純米吟醸も置いています。
回答5 日本酒では雪彦山を主体にし、山廃や純米吟醸も置いています。
質問6 南石(なんせき)という店名の由来は?
回答6 私の名字です。
回答6 私の名字です。
本田商店さんへの質問と回答
質問1 ソムリエの日本酒版であるきき酒師の資格ですが、取る価値はありますか?
回答1 取るのにお金がかかって更新料も必要です。日本酒の大手が設けている資格は、日本酒のことが詳しく勉強できて良いと思います。
質問2 龍力(たつりき)という名前の由来は?
回答2 真言宗の始祖、龍樹菩薩にちなんでいます。龍樹菩薩の力にあやかりたいという思いと、たつの市(旧龍野市)の地名とも絡めています。
回答2 真言宗の始祖、龍樹菩薩にちなんでいます。龍樹菩薩の力にあやかりたいという思いと、たつの市(旧龍野市)の地名とも絡めています。
質問3 日本酒の伝統にとらわれない発展を考えていますか?
回答3 イタリアンやフレンチ、中華料理のお店等にも置いてもらえるようにしたい。あるいは、行楽に持っていってもらえるような存在にしたい。
回答3 イタリアンやフレンチ、中華料理のお店等にも置いてもらえるようにしたい。あるいは、行楽に持っていってもらえるような存在にしたい。
22:03
終了。
終了。
今回もいろいろなお話を聞けて、美味しいお店をまた1軒知ることが出来ました。