ICリーダーとは?
交通系ICカードなどの残高や利用履歴を、iPhoneで表示するためのアプリです。
注:利用履歴と残高を見るだけのアプリで、入金はできません。
同様の機能を持ったアプリは他にもありますが、ICリーダーは(私の感覚では)デザインがシンプルで分かりやすく、使いやすいアプリです。
Androidスマホの利用者から見ると「何が珍しいんだ?」と思われそうですが、iPhoneには今までそういったアプリが存在しませんでした。
iPhone 7以降にはICカードの読み書きの機能が備わっていますが、それはiPhoneのメーカーであるAppleだけが使えるもので、その機能を使うアプリを一般のアプリ開発者達は作れなかったのです。
そのため、私はICカードの残高を確認するための専用デバイスを定期入れに常備していました。
しかし、ついにiOS 13(2019年9月公開)ではICチップの内容を読み書きするための機能が開発者向けに公開され、各種ICカードを読み取るためのアプリが続々と登場しています。
▲ICリーダーで交通系ICカードを読み取っている様子(画面はハメコミ合成です)
アプリ名称: ICリーダー
開発者: Shintaro Kawamura
価格: 無料(アプリ内課金による機能追加あり)
対応しているICカード:・Suica・PASMO・ICOCA・manaca・nimoca・PiTaPa・TOICA・SUGOCA・Kitaca・はやかけん・PASPY・SAPICA・ICa・nanaco・Edy・WAON
URL: https://apps.apple.com/jp/app/id1474445461
備考: ここに記載されている情報は、当ブログ記事掲載時点のものです。
なぜICカードを読み取る必要があるの?
現金の場合、財布の中を見ればいくら入っているのか分かりますが、ICカードは、カード自体をいくら見つめても残高は分かりません。
残高が少ないまま電車やバスに乗ると、自動改札機やバスの運賃箱に「残額不足です」と怒られてしまうわけですが、それだけでも恥ずかしいのに、後ろに並んでいる人たちから「早くどけよ」という視線を浴びせられ、特に朝の通勤時間帯にそんなことになると、その視線はさらに強烈になって舌打ちまで聞こえてきます(ICカードの定期券なら大丈夫ですが、たまに定期の区間外に行く時に限ってそんなことになるのです)。
ICカードの残高を常に把握しておくと、自分が改札通過時にそのような渋滞を引き起こすことはなくなり、鉄道利用や買い物がスムーズになるわけです。
また、鉄道利用時はICカードに乗車駅と降車駅、運賃が記録されるので、仕事で鉄道を利用した際の交通費の精算手続きにも活用できるかも知れません(私は外回りの仕事ではないので利便性は分かりませんが)。
ICリーダーの使い方
使い方は簡単です。
まずは、ICリーダーをインストールしてください。
私はICリーダーをよく使うので、ホーム画面のドックにアイコンを表示しています。
▲iPhoneのドックに表示した「ICリーダー」のアイコン(赤枠内。アプリアイコンは、初期設定だとSuicaのデザイン)
ちなみに、このアイコンはICリーダーが読み取りに対応しているカードのデザインであれば、好きなものをアイコンとして利用できます(ICリーダーの画面左下(i)ボタンを押して表示される「設定」画面から変更が可能)。
私は関西人なので、普段使うことのないSuicaではなくICOCAをアイコンにできるのが嬉しい。
▲設定画面(アイコンの変更や、出力されるCSVファイルの文字コードを選択できる)
▲カードのアイコン(ここで見えているのは一部です)
起動すると、以下のような画面になります。
ICカードを読み取るには、「スキャンボタン」をタップしてください。
▲ICリーダーの画面(ICカードを読み取ったことがない場合の画面)
そうしたら「スキャンの準備ができました」という画面になるので、画面の図を参考にして、iPhoneの上端部分をICカードに重ねます。
▲ICカードの読み取り準備が整った時の画面
読み取りに成功すると、下のようにICカードの利用履歴が表示されます。
▲私のICOCAを読み取った結果の画面
読み取ったICカードの種類が自動的に判別され、一目でそれと分かるアイコンとカードの名称が画面上部に表示されます。
その下には、利用履歴が日付毎にグループ化されて表示されます。
列車のアイコンは鉄道運賃の支払いに使ったことを示すもので、大きく表示されている駅名は下車した駅を、その下に小さく、薄い色で表示されているのが乗車駅。
紙袋のアイコンは物販利用を示すもので、ICカードを使って自動販売機やお店で支払いをした時の利用金額が表示されます。
このスクリーンショットにはありませんが、入金を示すのは「+」のアイコンで、入金した金額が表示されます。
読み取られたデータはカードの種類毎にアプリ内に保存されるので、ICカードの利用履歴を調べる度にICカードを読み取る必要はありません。
ICリーダーを起動してカードの名称をタップすれば、保存されている履歴が表示されます。
▲ICOCAとSuicaを読み取ったICリーダーの画面(カードの名前をタップすれば、それぞれの利用履歴が表示される)
例えば人に頼まれてICカードの残高を確認した場合など、読み取ったデータを消す必要がある場合は、カードの名前を右から左へスワイプしてください。
すると「削除」ボタンが表示されるので、それをタップします。
カードの情報を削除すると、今まで蓄積されてきたデータも全て消えてしまいます。
消えたデータは元に戻せない(ICカードから再度読み取っても、ICカード自体に保存されている直近のデータしか読み込めない)ので、この操作を行うときにはカードの種類を間違えないようにしてください。
▲読み取ったデータを消去するための「削除」ボタン
ICリーダーには「CSV書き出し - 上限解除」というアプリ内課金(¥120)によって利用可能になる機能があります。
これは、アプリ内に記録されているカードの利用履歴をすべてCSV形式で書き出す機能を使うためのものです(無料版だと、直近の20件までしか書き出せません)。
¥120を一度支払えば、この制限解除機能は永続的に利用できます。
ちなみに、実際に書き出されるCSVファイルは以下のような内容。
▲ICリーダーから書き出されたCSVファイルの例(ICOCAから読み取られたデータの例。都合により駅名は伏せ字にしてあります。)
単にICカードの残高や利用履歴をiPhoneの画面上で確認する/アプリ内に蓄積していくだけの使い方であれば、無料で問題なく使えます。
最後に
ICカードを読み取れるアプリはいくつも出てきていますが、シンプルな機能と画面の見やすさから私はこのアプリを選びました。
似たようなアプリはたくさんあるので、ICカードを日常的に使われていてiPhone(7以降に限る)をお使いの方は、機能や画面デザインが自分に合ったものを見つけて活用してみてください。