播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

高性能な断熱材:Reflectix(リフレクティックス)

購入の経緯

以前、「山での食事を快適にする保温カバー:Pot Cozy」https://dfm92431.hatenablog.jp/entry/2018/11/11/071500)という記事でクッカー(コッヘル、鍋)用の保温カバー「Pot Cozy(ポット・コジー)」を紹介しました。
 
その時に使った断熱材は、ホームセンターで売られている「保温・保冷シート」なる製品。
 
しかし、ポット・コジーの本場アメリカでは、前述の記事でも触れましたが「Reflectix(リフレクティックス)」という商品名の断熱材が使われています。
 
どんなものなのか興味があったのでAmazonで検索したところ、値段もサイズも様々なものが見つかりました。
巨大な物を高額で買ってもしかたがないので、サイズも価格もほどほどのものを選んで発注。
 
アメリカから自分で取り寄せても送料が商品の価格を大きく超えるのは目に見えていますし、届くまでの時間を考えると、多少高くてもAmazonから買った方が良いかなと考えました。

外観 ・性能

我が家に届いたReflectixは下の画像のもの。
 
▲Reflectixのロール
 
パッケージを開けて広げてみると、その厚みとごわつき感に驚きました。
ホームセンターの「保温・保冷シート」と比較になりません。
 
▲厚さの比較(左は「保温・保冷シート」、右がReflectix)
 
「これだけしっかりした素材だから、断熱性能は高いだろうな」と期待しながら、実際に「保温・保冷シート」と比較してみました。
 
比較に使ったのは、以下の通り。
 
・「保温・保冷シート」1枚
・「保温・保冷シート」2枚重ね(アルミ蒸着の面が外を向くように重ねた)
・Reflectix(1枚)
 
方法は単純で、熱湯を入れたクッカーの表面に上記3種類の断熱材を輪ゴムで固定し、その表面温度を測るというもの。
 
▲クッカー表面にこのようにして断熱材を固定した(左から「保温・保冷シート」1枚、「保温・保冷シート」2枚重ね、「Reflectix」1枚)
 
熱湯をクッカーに入れた直後に測っても意味がないので、何分か経過してそれぞれの断熱材の表面に熱が伝わるまで待ってからサーモグラフィーで撮影しました。
 
▲上の状態をサーモグラフィーで撮影した画像
 
サーモグラフィーの画像左上にそれぞれの温度が表示されています。
 
・SP1=「保温・保冷シート」1枚
・SP2=「保温・保冷シート」2枚重ね
・SP3= Reflectix
・SP4= クッカーの表面温度
 
これを見ると、「保温・保冷シート」は2枚重ねても性能の向上はごく僅かだったことが分かります。
 
それに比べて、Reflectixはすごい断熱性。
 
Reflectixを使えば、さぞかし高性能なポット・コジーが作れるだろうと思ってさっそく作ってみました。
 
ポット・コジーに入れるのに選んだクッカーは、SOTOブランドのナビゲータークックシステムの「クッカー小」。
 
ナビゲータークックシステムには、「クッカー小」用のコジーが標準で付属しています。
この純正コジーとReflectixで作ったコジーの性能を比べてみようという魂胆。
 
▲ナビゲータークックシステムのクッカー小と専用コジー(クッカー小の収納袋にもなる)
 
▲専用コジーの内側は銀色の断熱素材
 
コジーの性能を比べるために、クッカー小に入れた熱湯の温度変化を測定してみました。
 
測定したパターンは以下の3つ。
(測定環境は空調のない無風の室内。)
 
・コジーなし
・コジー(純正)あり
・コジー(Reflectix)あり
 
クッカーに熱湯を注いだ後、温度計のセンサーを湯に沈めてクッカーの蓋をかぶせ、センサーを固定しました。
 
その状態で、5分毎に温度計が示す測定値を記録してグラフ化したのがこちら。
 
▲湯温の変化を示すグラフ
 
グラフでは温度60度のラインを赤くしていますが、そこに注目してください。
 
コジーなしだと、60度まで冷めるのにかかった時間は30分。
純正のコジーがあると42分くらい、Reflectixで作ったコジーがあると45分。
 
純正コジーもReflectixで作ったコジーも、ほとんど性能は変わらないようです。
逆に、純正コジーは薄い素材なのに、分厚いReflectixと同等の性能が出せているのがすごい。

最後に

本当はホームセンターの「保温・保冷シート」で作ったコジーも用意して比較すべきだったのでしょうが、作るのが面倒だったので、今回は純正コジーとReflectixコジーとの比較だけにしました。
 
予算に余裕のある方は、Reflectixを使ってポット・コジーを作った方がよさそうです。

関連情報

Reflectixの断熱性の高さがよく分かったので、ポット・コジー以外の使い道も試してみました。
 
アメリカのアウトドア好きの方の動画を見て、真似をして作ってみたのがこちら。
Reflectixで作った大きめの袋です。
 
使用目的は、冷凍食品を山に持っていくときの断熱ケース(結露で周囲が濡れるのを抑えつつ、冷凍食品が溶けづらいように保つ)として使うこと。
 
▲Reflectixで作った袋(表面)
 
▲Reflectixで作った袋(裏面)
 
▲袋のフタはベルクロ留め
 
▲冷凍食品がちょうど収まる
 
▲袋の底にはマチを付けた
 
これを作るに当たっては、以下の動画を参考にしました。