大型連休中はどこに行っても人だらけで落ち着きませんし、道路も混んでいるし、思い通りに行動ができないので腹が立ってきます(←案外気が短い)。
「人が多い場所や車で行く場所はもうイヤ」というわけで、今日は近所の小さな山を歩いて過ごすことにしました。
行き先は、姫路市の八丈岩山(はちじょうがんざん)。
南から北へ縦走することにします。
▲露岩が特徴的な八丈岩山の山頂(ドローンで撮影)
▲対応する地図は、国土地理院発行の2万5千分の1地形図「姫路北部」。
家から近いので歩いて行けるのですが、「歩いて行った」ではこの記事を読んだ方の参考にならないので、姫路駅から路線バスで登山口近くまで移動し、下山後も路線バスで帰宅することにしました。
姫路駅を出て登山口近くを通るバス路線には2種類がありますが、1つは書写山まで行く路線(8系統)。
2019年5月3日(金)~5月5日(日)の期間は「書写山新緑まつり」で通常非公開の文化財の特別公開があるため、この路線のバスは観光客で激混み必至。
もう1つの路線(9系統)は書写山手前の住宅街が終点になっているため、大型連休中でも混雑はしないでしょう。
本数は少ないですが、混雑を避けるためこちらの路線を使うことにします。
帰りは、書写山方面から来るバスは混んでいるはずなので、住宅街を始発にする(空いていそうな)路線のバスで姫路駅まで帰ることにしました。
本日利用する9系統のバスは、JR姫路駅北口の10番のりばから出発します。
JR姫路駅とその北にある山陽百貨店の間に大きなバスターミナルがあり、島状ののりば(13番~18番のりば)を囲むように1番から10番までの乗り場が設置されていて、10番のりばは島状ののりばから道路を挟んで北側に並ぶのりば群の西端にあります(11番と12番のりばは高速バス用)。
10:05
姫路駅北口の「10番のりば」から9系統(大池台行き)の神姫(しんき)バスが出発。
▲JR姫路駅(北口)にある神姫バス10番のりばの様子
路線バスは、運行している会社や組織によって乗り方や運賃のシステムが大きく異なっているので、神姫バスの乗り方について簡単に説明しておきます。
神姫バスが運行している路線バスは、後ろのドアから乗車します。その際に整理券を取らないといけません(理由は後述。姫路駅など始発バス停や始発近くでは整理券が出ない)。
降車するときは前のドアからで、降車時に運賃と整理券を運賃箱に投入する仕組みになっています(投入された小銭と整理券は自動的にベルトコンベヤ上に並べられ、運転手さんから透明窓越しに金額を確認できるようになっているので、不正はできません。これを知らないケチでアホな大人が、1円玉や50円玉を色が似ている100円玉に見立てて運賃箱に入れているのを稀に見かけますが、運転手さんに怒られてます)。
運賃は乗車した距離によって異なり、車内前方上部にある液晶表示で乗客自身が確認しないといけません。
液晶表示では、整理券番号の下にその番号に対応する運賃が表示されるので、その金額を見ておつりが出ないようぴったりの金額の小銭と整理券を運賃箱に投入します。
それを判断するために整理券に印刷された番号が必要になるので、整理券発行機から整理券が出ない始発やその周辺のバス停を除き、必ず整理券を取ってください。(整理券が出ない始発やその近くのバス停から乗った場合は「整理券なし」の金額を支払う。)
必要な小銭がない場合は、運賃箱にある両替機で50円玉を10円玉5枚に、100円玉を50円玉1枚と10円玉5枚にといった具合に両替したり、1000円札を小銭に両替してから支払います。
2000円札以上の両替は出来ないので、あらかじめ小銭を用意しておいてください。
2000円札以上しか持っていない、あるいは運賃以上のお金を入れてしまった場合は、運転手さんの方で色々と手続きをしないといけないので時間がかかり、他の乗客やバスの後ろを走る車の迷惑になります。
運賃が均一の路線バスがある地域にお住まいの方にとっては、乗客の負担が大きいと感じられる仕組みかも知れません。
神姫バスは、現金以外に交通系ICカードにも対応しています。
ICカードを使えば両替も何も必要ありませんから、交通系ICカードをお持ちの方はぜひそちらをお使いください。
ICカードを使う場合は、降車時(支払い時)だけでなく乗車時にもカードリーダーにカードをかざさないといけません。前述の通り、乗車した距離によって運賃が変わるため、「どこから乗ったのか」の情報が運賃計算に必要だからです。
10:17
西新在家バス停で下車(地図中「西新在家バス停」)。
通常の運賃は¥210です。
▲西新在家バス停(消火栓の標識の下にバス停の標柱がある)
神姫バスの通勤定期(有効期間内のもの)を持っている方なら、土日祝祭日は定期券の区間に関係無く、それを提示すれば¥100で済みます(エコ定期券制度。通学定期は不可)。
2020年4月追記
エコ定期券制度は、2020年3月末をもって終了しました。
追記ここまで
西新在家バス停から東へ進み、最初に出会う「西新在家」交差点を北へ入ってください。
▲「西新在家」交差点から北(この写真では奥)へ進む(奥に見えているのが八丈岩山)
10:25
交差点から北へおよそ400m進んだ所に、今回の登山口となる「八丈岩山西新在家登山口」があります(地図中「西新在家登山口」)。
▲八丈岩山西新在家登山口
八丈岩山 登山口 標高172.9メートル
頂上付近からは、眼下に姫路城を中心に姫路の市街地更には姫路平野から瀬戸内海が展望できます。
この頂上付近には、かって山頂近くに鎮座(設置)されていた神社の説明石柱が設置されています。
城乾中学校校区地域夢プラン実行委員会
設置協力 新在家土地利用組合
(出典:登山口の標識)
https://goo.gl/maps/BkPt3sra6Cmyw51M9
▲八丈岩山西新在家登山口の位置
登山口からは比較的急な登り斜面が続きますが、明るい自然林の中を歩く気持ちよい道です。
▲登山道の様子
10:34
瓦片のある小さな削平地に出会いました(地図中「祠跡(?)」)。
昔はここに小さな神社でもあったのかも。
▲瓦片のある削平地
祠跡のような場所を過ぎると、すぐに路盤が階段状にえぐれた赤土の道になります。
▲階段状にえぐれた道
それを過ぎると、露岩に出会いました。
露岩の左右に巻き道らしきものがありますが、せっかくなので岩場を直登(簡単に登れます)。
▲山頂直下の露岩
10:38
三角点のある最高所のすぐ南、かつてここに神社があったことを伝える石柱のある場所に到着しました。
ここを山頂ということにします(地図中「山頂」)。
▲石柱が立つ山頂
八丈岩山 標高173メートル
この山頂の岩に含有されている成分から、約1億5000万年前に海底から隆起して出来た、姫路で一番地層の古い山です。
八丈岩山は、昔から聖な山として因達(いだて)神山と言われ因達神(スサノオノミコトの子)射楯(いたて)神が祀られていた。
現在、播磨国総社と辻井行矢神社の祭神はこの神です。
この地に設置されている石柱には、「高岡神社舊蹟(きゅうせき)」「天長三丙午(ひのえうま)年(西暦826年)九月九日影向(ようごう)」と表記されています。
高岳神社は、古くはこの近く新在家八丈岩山の宮谷「鳶か巣」に鎮座(設置)されていた。
その後、現在の「西今宿」蛤山に遷座しました。
明治4年(西暦1871年)高岳神社から田寺村氏神として高岡神社を分社し現在に至っている。
設置者 安室中学校区地域夢プラン実行委員会
設置承認 新在家土地利用組合
(出典:現地の看板)
古いですが、この場所で以前撮影した全天球パノラマを紹介します。
当時も今も、この場所の雰囲気は大きく変わっていません。
▲八丈岩山山頂近くの石柱前で撮影した全天球パノラマ(撮影日:2012年1月9日)
今日はドローンを持ってきたので、空撮も楽しむことにしました。
重要
八丈岩山一帯は人口集中地区にあるため、国土交通省から航空法第132条第2号の許可を得ていなければ、規制対象となる200g以上(2022年6月からは100g以上)の重さの無人航空機を飛ばすことはできません。(私は許可を受けています。)
▲姫路市街地を背景にドローンで山頂を撮影した画像(矢印の位置に私が立っています。中央やや上の樹木が多いエリアは、姫路城とその周辺)
▲八丈岩山山頂上空でドローンを使って撮影した全天球パノラマ(撮影日:2019年5月4日)
11:06
下山後に乗ろうと思っていたバスは11:36発。
30分あれば、ちょうどいい時間にバス停に着けるかなと思って下山開始。
八丈岩山は、パーに広げた右手の薬指と小指を握り混んだ様子を手の甲側から見た時の形をしています。
今回登山口となった場所は手首、山頂は手の甲。北へ延びる2本の尾根は左が人差し指で右が中指。西へ延びる太い尾根は親指。地形図の「八丈岩山」の「山」の字の上が握った薬指と小指という具合です(そう見えるのは私だけかな)。
今回のルートは、手首から登り、中指の尾根の途中(中指の第1関節あたり)から東へ下るというもの。
中指尾根(便宜上そう読んでいるだけで、一般的には通じません)を目指し、山頂から北へ進むと、すぐに小さな祠と四等三角点標石(点名:八丈岩山)に出会いました。
▲八丈岩山最高部にある祠と三角点標石(矢印が指している場所)
▲三角点標石は損傷している
この三角点標石の近くに道標がぶら下がっていました。
道標がなくても方角で進むべき道は分かりますが、安心感が違います。
▲三角点近くの道標(今回は「新在家峠」へ下山する)
手の甲(山頂)から人差し指尾根と中指尾根の付け根までは、平坦で快適な道です。
▲山頂から北へ延びる道の様子
11:10
「田寺山手町方面」(人差し指尾根)と「田寺東4丁目・北新在家方面」(中指尾根)の分岐に出会いました(地図中「分岐1」)。
気になるのは、太陽電池パネルの付いたアンテナのような設備です。
説明が書かれていたので読んでみると、災害時などに広範囲で特定小電力無線機で通信ができるようにするための無線中継装置だそうです。
この分岐は右(田寺東4丁目・北新在家方面)へ。
分岐からはしばらく丸太階段の下り坂ですが、すぐにまた平坦な道になります。
11:14
ベンチが置いてあるのに出会いました(地図中「ベンチ」)。
木々が茂っていますが、多少の展望を楽しめます。
▲ベンチ
11:15
中指尾根の第1関節辺りで、東へ延びる尾根への分岐に出会いました(地図中「分岐2」)。
新在家峠に下りるには、この分岐を右に入ります。
大きな公設道標の表示では「北新在家方面」、三角点近くで見たのと同種のプラ板の道標もあり、それに書かれている行き先では「北新在家2丁目」「新在家峠」方面となっています。
▲分岐2の様子(ここを右へ曲がる)
山頂から中指尾根にかけては明るい登山道でしたが、中指尾根から東へ分岐する尾根の道は木陰が多くて少し暗い雰囲気。
しかし、今日は暑いので木陰があると助かります。
11:18
また分岐に出会いました(地図中「分岐3」)。
プラダン(樹脂製の段ボールのような素材)に手書きで書かれた道標があり、それによると直進は「新在家峠登山口」、右へ曲がると「北新在家登山口」とのこと。
新在家峠に下りたいので、ここは直進。
▲分岐3の様子(ここは直進)
突然目の前が開けました。しかし、路面は砂の浮いた急坂。
せっかく景色が見えるようになったのに、足元に注意しないと危ないので景色を楽しめません。
▲新在家峠へ下る道の終盤の様子
11:21
最後はこんな所に下りてきました(地図中「新在家峠登山口」)。
▲新在家峠登山口の様子
▲バス道から見た新在家峠登山口(矢印の場所)
新在家峠登山口に下りたら目の前のバス道に出て、峠から北へ少し下って下さい。
峠から130mほど下ったところに「田寺新在家峠」バス停があります。
姫路駅方面へのバスは道路の東側のバス停に止まるので、間違えないようにして下さい。
▲田寺新在家峠バス停
以下のURLをクリックすると田寺新在家峠バス停の位置がGoogleマップで表示されます。
11:44
定刻より8分ほど遅れてバスがやってきました。大型連休なので道路が混んでいたのかな。
そのバスに乗り込んで本日の山行は終了。
超お手軽なプチ縦走でした。