播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

兵庫県姫路市の太平洋戦全国戦災都市空爆死没者慰霊塔

終戦の日なので、姫路市にある慰霊のための施設を紹介します。

それは、姫路市の手柄山(てがらやま)にある「太平洋戦全国戦災都市空爆死没者慰霊塔」。
 
 
▲太平洋戦全国戦災都市空爆死没者慰霊塔(撮影:2017年8月13日)
 
慰霊塔の構造 鉄筋コンクリート外部は花崗石貼り
慰霊塔の構成 塔身、前室及び前垂、側柱
高   さ 26.75m
前   室 約196㎡
前   垂 約280㎡。日本地図が刻まれ、113戦災都市の位置に円い石を填入標示している。地図の下には、『太平洋戦全国戦災都市空爆死没者の 霊 此のところに眠る』と刻んである。
側   柱 113都市の被災記録と復興担当市長名が刻まれている
本  数  138本(前:114本、後:24本)
塔 の 形 刀を地中に突き立てた形で「もう戦争はしない」ということを表現している。
竣工年月日 昭和31年10月26日
(出典:一般財団法人 太平洋戦全国空爆犠牲者慰霊協会 Webサイト http://www.taiheiyou-ireikyoukai.jp/ireitou.htm
 
▲太平洋戦全国戦災都市空爆死没者慰霊塔の前で撮影した全天球パノラマ(撮影:2017年8月13日)
 

https://goo.gl/maps/5a2PUAPZ2RjXGghV6

▲太平洋戦全国戦災都市空爆死没者慰霊塔の位置

姫路駅の南西にある小高い山の上に聳える塔で、全国の空襲による死者を追悼するために作られました。
「なぜ姫路に?」と疑問に思っていましたが、Wikipediaによると当時の姫路市長が全国の被災都市に呼びかけて建立したとのこと。
 
この当時の姫路市長(石見元秀氏)は姫路市民には有名な人で、かなりパワフルだったようです。
興味のある方は検索してみて下さい。
 
さて、本題の太平洋戦全国戦災都市空爆死没者慰霊塔ですが、子供の頃は「手柄山には変な棒が刺さってるなぁ」という程度の認識で、これが慰霊塔だというのを知ったのは大人になってからでした。
 
姫路市民でもこの塔の正体を知らない人は多いかも。
 
太平洋戦全国戦災都市空爆死没者慰霊塔
 この塔は先の大戦で空爆の犠牲となられた方々の慰霊に資するため、全国からの浄財により1956年(昭和31年)10月26日に建立されました。
 現在は109都市(東京都を含む)が加盟する財団法人 太平洋戦全国空爆犠牲者慰霊協会が維持管理を行っています。
 中央の塔身部は刀を地中に埋めた形で「もう戦争はしない」ということを表現しており、側柱には建設にかかわった全国罹災都市連盟(112都市加盟)の被災記録などが刻まれています。
 竣工以来、毎年10月26日に塔前においてこの浄域に眠る加盟都市50万9700余柱の犠牲者を追悼する平和祈念式典を挙行しています。
(出典:現地の石碑)

剣の形をした塔身だけが目立っていますが、よく見ると前垂には日本地図が書かれていて、空襲被害にあった都市の位置に丸い印と都市名が刻まれています。
 
▲剣の形をした塔身(撮影:2017年8月13日)
 
 
▲前垂には日本地図のレリーフ(撮影:2017年8月13日)
 
 
▲日本地図には、被災都市が表示されている(画像は近畿地方の拡大)(撮影:2017年8月13日)
 
そして、両側にずらっと並ぶ側柱には、被災都市の名前と被害状況、復興担当者の名前などが刻まれています。
 
 
▲側柱1本につき被災都市1つの被災状況が刻まれている(撮影:2017年8月13日)
 
慰霊塔の前には4本の松の木が植わっていますが、これは慰霊塔に向かって左から順に皇太子殿下お手植の松(昭和33年10月)、秩父宮妃殿下お手植の松(昭和31年10月)、高円宮妃殿下お手植の松(平成18年10月)、常陸宮同妃両殿下お手植の松(昭和40年2月)です。
 
 
▲皇太子殿下お手植の松(昭和33年10月)と、秩父宮妃殿下お手植の松(昭和31年10月)(撮影:2017年8月13日)
 
 
▲高円宮妃殿下お手植の松(平成18年10月)と、常陸宮同妃両殿下お手植の松(昭和40年2月)(撮影:2017年8月13日)
 
太平洋戦全国戦災都市空爆死没者慰霊塔のすぐ南には姫路市平和資料館があるので、出かけられる場合はこちらも一緒に訪れることをお勧めします。
 
 
▲姫路市平和資料館(撮影:2017年8月13日)
 
施設名称: 姫路市平和資料館
所在地: 姫路市西延末475番地  手柄山中央公園内(←住所をクリックすると、Googleマップで位置が表示されます)
開館時間: 9:30~17:00(入館は16:30まで)
休館日: 毎週月曜(祝日の場合は翌平日が休館日)、国民の祝日の翌日(土日祝日の場合を除く)、年末年始
観覧料: 一般¥200、小・中学生¥50(小学校就学前は無料)、こどもの日や姫路空襲の日など、特定の日は入館無料。
駐車場: 周辺の有料駐車場を利用
備考: 車いすに対応した設計になっています。
 
駐車場を挟んだ平和資料館の南向かいには、奇妙な形をした建物があります。
これは、中が14分で1周する回転展望台(喫茶店)。
 
 
▲回転展望台(撮影:2017年8月13日)
 
店名: 手柄ポート
所在地: 兵庫県姫路市西延末440(←住所をクリックすると、Googleマップで位置が表示されます)
営業時間: 10:00~17:00(ラストオーダーは16:30)
定休日: 火曜
オープン時期: 1966年
駐車場: 周辺の有料駐車場を利用
重要
手柄ポートは、2018年3月25日をもって閉店しました。
ここは築40年以上で老朽化が進んでいたため解体される予定でしたが、一転、手柄山のシンボルとして存続することになった建物。存続するといっても、モニュメント化される可能性もあります。
 
回転展望台は喫茶店になっているので、暑い時期には冷たい飲み物で体を冷やし、寒い時期には温かい珈琲を飲んでくつろぐと良いと思います。
 
回転しているため、どこに座っても14分以上居座れば、360度全ての方向の景色を楽しめますよ。
乗り物酔いしやすい人は、進行方向に向いて座ることをお勧めします。
 
 
ちなみに、この建物は1961年、ロサンゼルス国際空港(LAX)にオープンした回転展望台(建物の名称はTheme Building)をモデルに作られたそうです。
 
インターネット上では、ロサンゼルス空港の旧管制塔がモデルと書かれていることが多いですが、管制塔ではなく回転展望台兼レストランだった施設で、あちらは老朽化のため2010年に外観を変えること無く耐震補強工事が行われました。
 
手柄山の山上には、姫路博覧会の遺構である奇妙な建物群や、水族館、博覧会の足として姫路駅と手柄山を結んでいた姫路モノレールの車両(ロッキード式の全国的にも珍しいもの)の展示(参考URL: 「姫路モノレール軌道跡とモノレール展示室」https://dfm92431.hatenablog.jp/entry/2015/09/20/140545)もあるので、興味のある方はゆっくりと散策してみてはいかがでしょうか。
 
最後に、太平洋戦全国戦災都市空爆死没者慰霊塔、平和資料館、回転展望台への交通アクセスを紹介します。

交通アクセス(太平洋戦全国戦災都市空爆死没者慰霊塔、平和資料館、回転展望台共通)

車の場合: 姫路バイパスの中地インターを下りて北上し、「姫路陸上競技場前」交差点を右折。野球場前を過ぎて道が右へカーブする場所にある三差路を左折して坂を上ると、手柄山山上へ上がれます。駐車場は手柄山山上(慰霊塔の東、または平和資料館前)の有料駐車場を利用。(遊園地や水族館に行く人も利用するため、満車の場合があります)
 
電車の場合: 一番歩行距離が長くて大変なルートです。山陽電鉄の手柄駅で下車し、駅を出たら西へ進み、200m程の「手柄交番前」交差点を左折。さらに100m歩いて「手柄公園東」交差点を右折。そこから450m道なりに西へ進むと、右側に手柄山へ登る車道があるので、その車道を歩いて上れば平和資料館横を通って慰霊塔前にたどり着きます。健脚の方は途中から北へ延びる階段を上がっても、慰霊塔前に出ます。
 
バスの場合: 土日祝のみ姫路駅の南3番乗り場から運行される手柄ループバスに乗り、「手柄山中央公園」バス停で下車。東へ進んで最初の角を左折し、車道を歩いて上れば平和資料館横を通って慰霊塔前にたどり着きます。健脚の方は途中から北へ延びる階段を上がっても、慰霊塔前に出ます。
 
レンタサイクルの場合: JR姫路駅の中央口を北側へ出て高架沿いに西へ100m進むと、「駅リンくん」というレンタサイクルがあります(営業時間:6:30~23:00)。身分を証明できるものを用意して自転車を借り、Googleマップを頼りに手柄山へ向かって下さい。
 
姫路駅~手柄山間に残るモノレール軌道跡に沿って自転車を走らせるのも面白いと思います。
(ルート図:https://yahoo.jp/ufh0sU
上で紹介している 「姫路モノレール軌道跡とモノレール展示室」の記事にある「高尾アパート」は、2017年に入って完全に解体されてしまい、残っている軌道も若干減っているようです。
 
レンタサイクルで手柄山山上への坂道を乗ったまま登るのは厳しいので、押して上がるか、適当な場所に自転車を置いて徒歩で山上へ上がることをお勧めします。
 
「姫チャリ」というレンタサイクルサービスもありますが、姫路城周辺の観光や姫路駅から市役所への移動が主な用途になっているため、手柄山観光には使いづらいと思います。
 
 
▲手柄山南麓の公園から慰霊塔前まで伸びる階段(上から見下ろして撮影)(撮影:2017年8月13日)