播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。原則として更新は週に1回です。広告は表示しません!

コストコでアンモボックス(弾薬箱)購入

購入の経緯

「非常食と戦闘糧食 時々ワンコ」というブログを見ていたら、Costco(コストコ:アメリカ発祥の会員制業務スーパー)でアメリカ軍の弾薬箱のようなものが「アンモボックス」という名前で売られているらしいとの記事に出会いました。
 
 
私が住む姫路の最寄りのCostcoは、車でおよそ1時間の神戸市垂水区にあります。
前述のブログで弾薬箱のことを知ってから最初の休日である本日、さっそくCostcoへ出かけてきました。
 
アンモボックスを探して店内をウロウロすると、すぐに見つかりました。
それは店内の一画で山積みになって売られていて、色と雰囲気が独特なため、周辺に異様な空気を漂わせていたのです。

概要

アンモボックスは英語のAmmo Boxをカタカナ読みしたものと思われます。
Ammoは弾薬の意味なので、アンモボックスは「弾薬箱」の意。
 
米軍で自動小銃や機関銃用の弾薬の輸送、保管に使用されている鉄製で完全防水の箱をモデルにした、中国製のレプリカです。
 
 
▲Costcoで販売されているアンモボックス
 
製品名: アンモボックス(レシート上の表記はMETAL STORAGE BOX)
メーカー: Heritage Secutrity Products(アメリカ)
生産国: 中国
寸法: 小サイズ:H17.8cm×W9.5cm×D27.6cm)、大サイズ:(H19.0cm×W15.5cm×D30.1cm)
重量: 小サイズ:1.7kg、大サイズ:2.6kg
定価: ¥2,178
購入価格: ¥1,678 (2017年2月26日までの特別価格。それ以降は定価になります)
購入先: コストコホールセール神戸倉庫店(神戸市垂水区)
 
注意!米軍で使われている本物の弾薬箱ではありません。
 
パッケージに書かれている特徴は、以下の通りです。
 
・All steel construction(鉄製)
・Classic military styling(実績のある軍用スタイル)
・Gasket-sealed lid with heavy duty latch(頑丈なラッチ機構を備え、パッキンで気密性を保つ蓋)
・Dry storage(中身を濡らさない)
・Stackable design(積み重ねて置ける)
 
この製品に関してネットで調べると「米軍が発注したけどキャンセルして余ったから安く販売されている」などという記述を見かけますが、中国製の弾薬箱を米軍は使いません。
 
それに、本物なら「本物です!(Genuine government issue.といった具合)」と明記するはず。
そう書かずに「Classic military styling.(実績のある軍用スタイル)」と書いてあるあたりからも、これが本物ではないことはお分かりいただけると思います。
 
つまり、「米軍がキャンセルした」とか、「米軍が使っている本物と同じ」というのはガセです。
信用しないで下さい。
 
後述する問題点もありますから、本物の米軍の弾薬箱が欲しいという方は、手を出さないでください。
偽物だと理解した上で、汚れや破損を気にせず使い倒したいという方には良いかも知れません。

外観

ミリタリー好きならよくご存じの、50口径重機関銃の弾薬が収まるサイズの弾薬箱です。
しかし、手に取ると妙に重い。
 
それもそのはず、蓋を開けると中に何やら入っています。
 
 
▲蓋を開けると、プチプチに包まれた「何か」が入っている
 
プチプチに包まれていたものの正体は、小型の弾薬箱(30口径用)。
つまり、入れ子式に2つの弾薬箱をまとめて販売されている商品なのです。
 
 
▲左側の弾薬箱が右側の弾薬箱の中に入っていた
 
蓋は無骨なラッチでしっかりロックされていて、両サイズとも仕組みは同じですが、ラッチの持ち手部分のデザインは異なっています。
 
 
▲それぞれの弾薬箱のラッチ部分
 
蓋は、通常はラッチと反対側にあるちょうつがいを支点に開閉して使用しますが、横へスライドさせれば蓋は簡単に取り外せます。
 
箱の中身が軽いときは、蓋を開けた状態で置いておくと蓋の重みで箱が倒れやすいので、そういった状況では蓋を外しておくと便利かも。
 
 
▲蓋を取り外した状態
 
ラッチが無い方の端には、刻印が入っています。
ミリタリーマニアでない人には興味を持たれないでしょうが、この数字は「16」が製造年、つまり2016年を、「M2A1」と「M19A1」はそれぞれ弾薬箱の型番を表しています。
 
米軍用の本物の場合は、さらに製造メーカーの名前が打刻されます(メーカー名が打刻されていないのも、レプリカである証拠)。
 
 
▲弾薬箱の刻印

使い方

弾薬箱は気密性が非常に高いため、私の場合は放っておくと揮発してしぼんでしまう固形燃料の保管に使っていますが、工具箱として使う人も多いようです。
 
あるいは、デザインが格好良いので、インテリアとして置いておくという使い方も出来ます。
この場合は、米軍放出の弾薬箱を参考にマーキングを付けると、いっそう格好良くなります。

注意点

鉄製の堅い箱なので、乱暴に取り扱うと周囲のものを壊したり傷つけたり、あるいは自身が怪我をする可能性もあるので、保管場所や使用時の取り扱いには十分に気をつけて下さい(乱暴に置いたり引きずったりすると床や壁、棚等に傷がつきます)。
 
コストコで売られているこの弾薬箱の底面に貼られていたシールを見ると、以下の通り書かれています。
 
WARNING:This product contains chemicals known to the State of California to cause cancerand birth defects or other reproductive harm.
(出典:アンモボックス底面のラベル)
 
意味は、「この製品には、カリフォルニア州では発がん性や先天性異常の原因として知られている化学薬品が使われている」というもの(具体的な薬品名の記載はありません)。
 
このラベルに「Made in China」とも明記されています。
 
この弾薬箱を複数個買って使いたいという方には、大きな問題となりそうな点が一つあります。
 
本物の弾薬箱は積み重ねて保管することが可能なのですが、今回購入した弾薬箱(大きい方)は底面のくぼみが米軍放出の本物の弾薬箱と比較して浅く、安定して積み重ねる事が出来ません。
 
上に弾薬箱を積むと、下の箱の取っ手の上に乗っかる形になり、グラグラ揺れて不安定。
 
2セット購入しましたが、どちらもそうなっていたので、個体差ではなく全体的にそうなのかも。
さすがは安価な中国製。
 
本来は弾薬箱を積む際、上の弾薬箱底面のくぼみの中に下の弾薬箱の取っ手が収まり、きちんと安定した状態で積み重なるのです。
 
小さい方の弾薬箱は、問題なく積み重なります。
 
 
▲大きい方の弾薬箱の底面(取っ手が収まるくぼみが浅い)
 
 
▲弾薬箱を積み重ねた様子(左は米軍の本物で、ぴったり積み重なっている。右がコストコの弾薬箱。きちんと積み重ならないため、右の方にすき間が出来ているのが分かる)
 
積み重ねられないのに店頭で山積みで売られているのか?と疑問に思われるかも知れません。
 
実は、店頭では弾薬箱の間に段ボールが挟んであったのです(工場出荷時点からそうなっていると思われます)。

最後に

弾薬箱は、実用性はともかく、とにかく頑丈な箱です。
 
完全防水の頑丈な箱に保管したいものがあって(弾薬箱のサイズには注意して下さい。冒頭の表記は外寸です)、この無骨な雰囲気が好きな方には(安定して積み重ねられないという問題を気にしないなら)強くお勧めします。
 
なにせ、2種類の弾薬箱がセットで¥1,678!
中国製のレプリカとはいえ、考えられない安さです。
(注:2017年2月27日からは¥2,178になります)
 
そうそう、弾薬箱の表面に張られているシールは、糊残りせず綺麗に剥がせますので、ご安心を。
 
 
▲シールは綺麗に剥がれる
 
米軍の本物の弾薬箱についても記事を書いていますので、興味のある方は以下のURLからどうぞ。
 
「アメリカ軍の弾薬箱(コストコのとは違う本物) 」