播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

陸上自衛隊広報センター

前の記事から続く。
 
午前中に所沢航空発祥記念館を満喫し、続いては陸上自衛隊広報センターへ向かいました。
 
12時半頃に航空公園駅を西武新宿線の普通電車で出発し、隣の所沢駅で西部池袋線の快速急行に乗り換えて小竹向原へ。
小竹向原で東京メトロ副都心線の急行列車に乗り換え、和光市駅で下車。移動にかかったのは40分ほど。
 
和光市駅から陸上自衛隊広報センターまでは、約1,500mの道のりです。
十分歩ける距離なので、駅を出たら西へ向かい、「和光市駅南口」交差点から南下。
その後、「和光市駅(南)」交差点を右折すれば、後は道なりに歩くだけです。
 
和光市駅(南)交差点を右折してしばらくすると、左手側には朝霞(あさか)駐屯地の敷地が見えてきます。
 
信号待ちをしていてふと車道を見ると、軽装甲機動車が止まっていたり、大型トラックや重レッカがガンガン走っているのにも出くわし、退屈な車道歩きのはずがなんだかワクワクします。
 
13:30頃、陸上自衛隊広報センターに到着。
 
 
▲陸上自衛隊広報センターの外観
 
施設名称: 陸上自衛隊広報センター
開館時間: 10:00~17:00
休館日: 毎週月曜および第4火曜
入館料: 無料
所在地: 東京都練馬区大泉学園町(住所をクリックすると、Googleマップで位置が表示されます)
 
朝霞駐屯地の門も兼ねているので、立哨の隊員さんが複数いて、カメラを取り出すのにちょっと躊躇しました。(最近は、駐屯地内の写真撮影について制限が厳しくなっています)
 
玄関から中に入ると受付があるのですが、無料の施設ですから支払いもなにもなく、受付の隊員さんに挨拶だけして中へ入ります。
 
受付の隊員さんに言われたとおりにエレベーターで2階へ上がり(2階から見学する順路設定になっている)、自衛隊の歩みに関する展示を一通り眺めたら、地球儀の左にある通路を進みます。
 
 
▲2階の地球儀(左の通路を進む)
 
この通路からは、1階の展示室を俯瞰できるのですが、90式(きゅうまるしき)戦車と対戦車ヘリコプターAH-1Sの迫力がすさまじい。
 
 
▲2階の通路から1階を見下ろす
 
通路の奥で階段を下りると(エレベーターもあるので、お年寄りや障害のある方でも安心)、すぐに90式戦車とAH-1Sの出迎えを受けます。
 
 
1階の展示室で撮影した全天球パノラマ(撮影日:2015年12月11日)

https://shimiken1206.sakura.ne.jp/panorama/tokyo20151211-2-1/virtualtour.html
 
90式戦車とAH-1Sに見とれていると、隊員さんに「AH-1Sのフライトシミュレータはいかがですか?」と声をかけられました。
 
私はフライトシミュレータは好きですが、こういう場所で楽しむよりは自宅で真剣に遊ぶ方が良いと考えるような人間なので、「どうしようかな」と悩んでいたら「操縦はありません。画面を見るだけです。」とのこと。
 
「それなら是非」ということで、AH-1Sとは全然形が違いますが、何となく対戦車ヘリをイメージしたようなシミュレータの中へ乗り込みました。もちろん、これも無料です。
 
 
▲AH-1Sのフライトシミュレータの外観(近づけないように厳重に囲われているので、激しく動いてくれることが期待できた)
 
 
▲金網の中のフライトシミュレータ
 
フライトシミュレータに乗り込んだらシートベルトを締めさせられます。
外を囲う金網といい、シートベルトといい、激しく動いてくれそうな期待が膨らみます。
 
そして2分後、「もう終わり?もっと乗っていたい」と思っている自分がいました。
 
とにかく楽しいです。
前方の画面には、SD画質ですが実機のパイロット席から撮影した映像が映り、映像の中のヘリの動きに合わせてシミュレータがガタガタと動いてくれます。
 
普通に飛行しているシーンも良いのですが、富士の実弾射撃演習時のシーンは素晴らしいの一言。
機関砲を発射すると、激しい振動と共に、反動で機体が後ろへ下がっていく感覚がしっかりとフライトシミュレータでも味わえます。
 
TOWミサイルの発射シーンでも「実際こんなに揺れるの?」と思うほどの振動と、想像以上の発射音が響きます。
 
それにしても楽しかった。
 
シミュレータから出た後、隊員さんに「実機は飛んでいるだけでもこんなに揺れるんですか?」と尋ねると「高いところを飛んでいると揺れませんが、地形に沿って低空飛行をすると、気流の関係でこんな風に揺れるんです。」とのご回答を頂きました。
 
AH-1Sのフライトシミュレータを楽しんだ後は、目の前に展示されている本物のAH-1Sがますますかっこよく見えるから不思議。
 
 
▲対戦車ヘリコプターAH-1S(乗員:2名。全幅:3.28m。全長:16.16m。全高:4.19m。製作:富士重工。最大全備重量:4,536kg。最大速度:315km/h。巡航速度:228km/h。航続距離:456km)
 
今度は、90式戦車をまじまじと見物。
砲塔の上に上がれるような階段があったので喜んで駆け上がってみましたが、扉は閉まっていて砲塔の上には上がれません。ただ、上から眺めることはできました。(イベント時は、車長席の開放をするようです)
 
 
▲90式戦車(逆光で見づらくてすいません)(乗員:3名。全備重量:約50トン。全長:約9.8m。全幅:約3.4m。全高:約2.3m。最高速度:約70km/h。製造:三菱重工(砲塔・車体)、日本製鋼所(120mm砲))
 
この90式戦車の向こうに写っている前述の階段の向こうには、90式戦車砲手用照準潜望鏡の実物がこっそりと展示されています。しかも、実際に実物の椅子に座り、実物の潜望鏡を覗けるというもの。
 
ハンドルを操作しても何も動きませんが、実物に触れられるのはたまりません。
 
▲90式戦車砲手用照準潜望鏡
 
▲90式戦車砲手用座席
 
照準窓は小さく、揺れる車内でこんなものを覗いていると、目の周りがアザだらけになるんじゃないかと心配になってしまいます。
 
普通の潜望鏡もあるのですが、見える範囲が狭い。車長は全周を見渡せるでしょうから、砲手は指示された方向だけが見えれば十分なんでしょうね。
 
AH-1Sのお尻の方に回ると、戦闘糧食(レーション。いわゆるミリメシ)が展示されています。
さらにそこから時計回りに空挺装備やAH-1S用の70mmロケット弾、20mm機関砲弾も展示されていました。
 
 
▲戦闘糧食の展示
 
 
▲空挺装備の展示
 
 
▲AH-1Sの搭載兵器の展示(上は70mmロケット弾、右は20mm機関砲弾)
 
AH-1Sの機体左側には階段があり、コクピットを覗けるようになっています。
前の座席(砲手席)はハッチが開いていて中をじっくり見られますが、後部のコクピットはハッチがしまっていました。
 
 
▲AH-1Sの砲手席
 
 
▲AH-1Sのコクピット
 
AH-1Sの砲手席で撮影した全天球パノラマ(撮影日:2015年12月11日)
周囲の明るさに露出が合ってしまい、肝心の砲主席内部がよく見えません。

https://shimiken1206.sakura.ne.jp/panorama/tokyo20151211-2-2/virtualtour.html
 
AH-1Sの機首前方には、2000ポンド普通爆弾(不発弾として撤去された実物)や偵察用オートバイ、防毒マスクやガス検知器も展示されています。
 
 
▲2000ポンド普通爆弾(奥のオートバイと比較すると、その大きさが分かる)
 
他に3Dシアターもあったのですが、上映時間が合わなかったので見学せず。
さて帰ろうかと思ったら、AH-1Sのお尻側にあるドアの外に沢山の車両が並んでいるのが見えました。
 
ドアから外へ出てみると、そこはイベント広場(屋外展示場)。
 
真っ先に視界に飛び込んだのは、ヨーロッパ風のデザインが目を引く10式(ひとまるしき)戦車です。
 
 
▲10式戦車(乗員:3名。重量:43.3トン。全長:9.4m。全幅:3.1m。全高:2.3m。最高速度:70km/h。製造:三菱重工・日本製鋼所)
 
 
▲10式戦車の後部
 
アメリカンないかつい90式戦車もいいですが、洗練されたデザインの10式戦車の格好良さには参ります。
あっちからジロジロ、こっちからジロジロ。どうみても怪しいおっさんになってしまいました。
 
他に展示されている装備は、以下の通りです。
 
 
▲UH-1H(乗員:2名+11名。全幅:14.64m。全長:17.39m。全高:3.95m。製作:富士重工。最大全備重量:4,309kg。巡航速度:230km/h。航続距離:440km)
 
 
▲75式自走155mmりゅう弾砲(乗員:6名。全備重量:25.3トン。全長:7.79m。全幅:2.98m。全高:2.55m。速度:47km/h。製作:日本製鋼所(砲・砲塔)、三菱重工業(車体))
 
 
▲74式自走105mmりゅう弾砲(乗員:6名。全備重量:16.5トン。全長:5.8m。全幅:2.9m。全高:2.39m。速度:50km/h。製作:日本製鋼所(砲・砲塔)、小松製作所(車体))
 
 
▲中距離多目的誘導弾(全備重量:3.9トン。全長:4.8m。全幅:2.2m。全高:2.0m。製作:川崎重工業)
 
 
▲遠隔操縦観測システム(無人機)(重量:275kg。全長:3.8m。全幅:1.2m。全高:1.3m。最高速度:135km/h。製作:富士重工)
 
 
▲94式水際(すいさい)地雷敷設装置(乗員:3名。全備重量:16トン。全長:11.8m。全幅:2.8m(陸上姿勢)・4.0m(水上姿勢)。全高:3.5m。速度:50km/h(陸上車輪走行)・11km/h(水中プロペラ推進)。製作:日立造船)
 
 
▲87式自走高射機関砲(乗員:3名。全備重量:約38トン。全長:7.99m。全幅:3.18m。全高:4.4m(起立)。速度:約53km/h。製作:三菱重工(車体)・日本製鋼所(砲塔))
 
 
▲89式装甲戦闘車(乗員:10名。全備重量:約26.5トン。全長:6.8m。全幅:3.2m。全高:2.5m。最高速度:約70km/h。行動距離:約400km。製作:日本製鋼所(35mm機関砲)・三菱重工(砲塔・車体)・川崎重工(誘導弾発射装置))
 
 
▲96式装輪装甲車(乗員:10名。全備重量:約14.5トン。全長:6.84m。全幅:2.48m。全高:1.85m。最高速度:100km/h。行動距離:500km以上。製作:小松製作所)
 
 
▲74式戦車(乗員:4名。全備重量:約38トン。全長:9.41m。全幅:3.18m。全高:2.25m。最高速度:53km/h。行動距離:約300km。製作:三菱重工(砲塔・車体)・日本製鋼所(105mm砲))
 
一通り屋外展示を見終わって建物に入ろうと思ったら、地下へ続く階段が目に入りました。
看板には「地下指揮所」と書かれています。
 
 
▲地下指揮所へ続く階段
 
階段の先には鋼板で作られたトンネルがあり、中にはマネキンが置かれています。
薄暗いこともあり、なかなか不気味な空間です。
 
 
▲地下指揮所
 
さて、以上で陸上自衛隊広報センターを満喫したので、14:30に広報センターを後にし、徒歩で和光市駅へ戻りました。
 
そして、最後の目的地である下北沢(和光市駅→東武東上線の急行で池袋駅へ→JR山手線内回りで新宿へ→小田急小田原線の快速急行で下北沢駅へ)のアウトドアショップへ立ち寄って衝動買い(15:45~16:30)。
 
品川駅へ戻り(下北沢駅から京王井の頭線の急行で渋谷へ→山手線内回りで品川へ)、17:57品川発の新幹線のぞみ119号で姫路へ帰りました。