播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

第40回殿のグルメ対談(QUAVTO(カブト)×日本酒指導師範)

本日は、グルメブロガーの「殿」が主催する「殿のグルメ対談」に参加してきました。
 
「殿のグルメ対談」は、姫路市とその周辺の飲食店関係者と酒蔵関係者1名ずつ、計2名のゲストを迎え、殿とゲストがお店のこだわりやお酒について対談をするイベントです。「殿のグルメ対談」は、今回で40回目。
 
グルメ対談が行われるのは、姫路城を目の前に眺められる大手前第一ビル4階にある納屋工房(なやこうぼう)。
興味のある方は、納屋工房さんのWebサイトで予定等を確認してみてください。
 
19:56
グルメ対談が始まりました。
 
お一人目のゲストは、姫路駅南でQUAVTO(以下カブトと表記)というお店の店長兼シェフをされている河野さん(37)。
 
さわやかで格好いい方です。
 
▲カブトの店長 河野さん(右)の対談の様子
 
カブトは来月でオープンからちょうど1周年を迎えられる新しいお店で、カジュアルフレンチというジャンルの料理を提供されています。
 
河野さんによると、高級なものから手ごろなものまで層が厚いフランス料理のうち、上の方の料理を手の届きやすい価格と雰囲気で提供できるようにしたお店がカブトだそうです。
 
実際、客単価は¥4,000ほど(お酒を飲む量で変わると思いますが)で、チェーンではないおいしい居酒屋さんを利用するのとあまり変わりません。
 
フランス料理のお店ですし、店内が広めなので、落ち着いた雰囲気のお店とのこと。
 
店長の河野さんは、カブトの店長をされる前はホテルのレストランで10年以上料理に携わっておられたので、料理の腕は確かです。
 
姫路市の琴丘高校卒業後、辻調理師専門学校で洋食の勉強をし、それから全日空ホテルのレストランで働くようになりました。
 
一つの世界しか知らないと井の中の蛙になってしまうという心配から、神戸のポートピアホテルに仕事の場を移し、全日空ホテルとは違った世界を味わい、さらに地元姫路の有名店でも腕を磨くことに。
姫路で働いていた時にカブトの現オーナーの方に誘われ、店長としてお店を任されることになりました。
 
複数のホテルや飲食店での仕事を通じ、優れた料理人の方々に出会えたことで良い刺激を受け、料理人として成長できたそうです。
 
カブトでは、従来はメニューがイタリアン寄りだったそうですが、2014年4月から河野さんのやりたい料理、つまりフランス料理寄りのメニューに変更されました。
 
予想以上の反響があり、若い女性の多くはピザやパスタを注文されていたのが、フレンチらしいメニューが多く出るようになったそうです。
 
河野さんいわく「フランス料理は高くて手が届きにくいというイメージを変え、多くの方、特に若い人たちにおいしいフランス料理を食べてほしい。」
 
河野さんのもっとも得意とする料理は何かと尋ねられると「ソース作りに自信があります。」とのこと。
ホテル時代にもっとも長くやらせてもらったのがソース作りなのだそうです。
 
「メイン料理のソースが一番好きですが、たいていのソースは作れます。」とのこと。
 
「ソースの材料にもこだわっている?」との問いに対しては「コストと味のバランスを考えています。」とのお答え。
たとえば、ソースに使うワインにロマネコンティを選んだとしても、出来上がったソースがとてつもなくおいしいかというと、そうとは限りません。
素材に合う合わないの問題もあるので、総合的に考えてソースの材料を選ばないといけないそうです。
 
「大手の飲食チェーンが安価な料理を提供していますが、そういった料理に使われる大量生産のソースより、手作りのソースの方がやはり美味しい?」と殿が尋ねると、河野さんいわく「もちろんその通りだと思います」。
 
「良い素材を使った料理を若い人たちに食べてもらい、フランス料理の良さが分かる人が一人でも多くなってもらいたい」と語る河野さんに対し、殿は「チェーン店の客層は基本的に若い。若い人の中には本当においしいものを知らない人も多いので、そういった人たちに是非おいしいものを教えてあげてください。」と応援。
 
河野さんの今後の夢は、40歳までは現場に立ち続け、年をとって考え方が凝り固まってしまう前に現場を離れて視野を広げ、若い料理人を育てることだそうです。
 

 
店名: QUAVTO(カブト)
(この住所をクリックすると、Googleマップ上で位置が表示されます)
営業時間: [火~木・日] 17:00~24:00(L.O.23:00) [金・土] 17:00~翌1:00(L.O.24:00)
定休日: 月曜
駐車場: なし
備考: 喫煙可
電話番号: 079-287-9113

 
 
20:26
お二人目のゲストは、日本酒指導師範 北野さん。
 
▲日本酒指導師範 北野さん(右)の対談の様子
 
北野さんは、現在は「吟醸商店(http://fwkt3533.shop22.makeshop.jp/)」というサイトで、日本酒の無店舗販売をされています。
 
元々は銀行員で、「大人になったから行きつけの店を持ちたい」という考えから飲み屋さんを探し、それ以来日本酒にはまるようになったそうです。
 
そして、銀行員として働きながら日本酒指導師範の勉強をして資格を取られ、さらにお酒の販売免許も取得されました。
 
北野さんいわく、「お酒を飲むときは、同じくらいの量の水を飲まないといけません。お酒ばかり飲むとのどが渇き、血流も悪くなります。」
 
私の場合、お酒を飲んだ後は帰宅後に無性に水が飲みたくなるのでガバガバ飲んでますが、それは正しい行動だったのか。ひどい二日酔いをしないのも、水を飲んでいるおかげかな。
 
試飲用に提供していただくお酒の1本は、本醸造のお酒「梅乃宿」。
北野さんによると、本醸造のお酒は冷でも常温でも、ぬる燗でも熱燗でもおいしく飲めるとのこと。
 
北野さんはおしゃべり好きで、日本酒を楽しむ上で役に立ちそうな知識がたくさん書かれた資料が配付されていましたが、それに触れることなく時間切れ。
 
21:10
お二方の対談が終了し、試食が始まりました。
 
カブトさんの試食メニューは、前菜盛り合わせとフォカッチャ、頬肉の赤ワイン煮込み。
日本酒指導師範キタノさんからは、生酒と本醸造のお酒が提供されました。
 
▲試食用メニュー
 
▲試飲用のお酒
 
前菜の盛り合わせはどれもおいしいのですが、フォアグラやつくねのようなものが私にとっては絶品でした。
 
頬肉の赤ワイン煮込みは、「これが肉か?!」というほどの柔らかさで、参加者の中にはその柔らかさを「プリン」や「ナス」に例える人がいたほどです。
 
今回のグルメ対談は参加者が少なめで、試食メニューが余るのではないかと余計な心配をしてしまいましたが、見事になくなっていました。
 
いやぁ、おいしかった。
 
21:40
豪華な試食・試飲タイムが終了し、参加者が対談ゲストに質問をするQ&Aコーナーが始まりました。
 
欧風酒場QUAVTO(カブト)さんへの質問
質問1 姫路へ帰ってきたときに、自分でお店を開こうとしなかったのはどうしてですか?
回答1 自分はオーナー気質ではないと思っていたからです。実際、現オーナーを見ていても、学ぶことが多いです。

質問2 料理を作るときに参考にしているものはありますか?
回答2 昔のレシピを読んだりしています。
ホテルは決められたレシピを守るので、料理人といえどもロボットのようになっています。どういうことかというと、レシピに書かれている分量がなぜその量なのか、なぜその作り方なのかを理解せずに作っているところがあります。
質問3 食べて感動した料理は?
回答3 28歳の頃にペルージュというお店で鳩を食べて感動しました。フランスにはジビエ料理があるので、鳩も食材として使用します。
 
質問4 ジビエ料理に挑戦する予定は?
回答4 是非挑戦したいです。
 
質問5 どんな風にして自分の思いを若い方(料理人)に伝えていますか?
回答5 どうやったら伝わるか常に考えていますが、答えがありません。相手がいる話なので、思い通りになることは稀です。ふとしたときに思いが伝わっていることがあって、驚くこともあります。
 
質問6 そもそもフランス料理とはどんなもの?
回答6 フランス料理は高いイメージがありますが、フランスの家庭料理は高級なわけではありません。手ごろな価格で楽しめます。ところが、高いというイメージだけが先行してしまいました。カブトでは、そのイメージを変えたいです。
 
質問7 一人で入っても大丈夫なお店ですか?
回答7 カウンターがあるので大丈夫です。
 
質問8 なぜフレンチの道に進まれたのですか?
回答8 辻調理師専門学校の専攻が和食、中華、洋食の中から選ぶことになっていて、祖父が喫茶店をやっていたこともあり、洋食を選びました。正直に言うと、おしゃれだったというのも理由の一つです。

日本酒師範 北野さんへの質問
質問1
 最近お気に入りのお酒は?
回答1 「松の司」がお気に入りです。数年前に味が落ちたと言われましたが、実際のところは分かりません。
新潟のお酒だと「和楽互尊(わらくごそん)」がおすすめです。
 
質問2 兵庫県のお酒で気になるのは?
回答2 龍力です。他に、伊沢本家の「倭小槌(やまとこづち)」もおいしいです。
 
質問3 お酒を造る際に水を加えることがありますが、たかだか1%の加水に意味はあるのですか?
回答3 たとえ1%の加水でも、水くさくなったと感じます。ちなみに、1%未満の加水なら、原酒として売ることができます。そもそもは、味ではなくアルコール度数を調整するための作業です。
 
22:30
グルメ対談が終了しました。