注意この記事は2014年の内容です。2020年にほぼ同じルートを歩いた記録があるので、そちらを参照してください。
今年のNHK大河ドラマの主役、黒田官兵衛と関係があると言われている西脇市の黒田庄。
そこには、黒田官兵衛が秀吉の代わりに参拝し、その際の奉納金で拝殿が建てられたという兵主(ひょうす)神社があります。
桃山時代の様式を今に残すその兵主神社を見に行こうと思って地図を見ていたら、その東に三角点山と呼ばれる山があることを思い出しました。
確か、登山道が整備されていて展望が良い山だったはず。
確か、登山道が整備されていて展望が良い山だったはず。
ということで、三角点山登山と兵主神社の見学を目的に、黒田庄へ出かけてきました。
▲対応する地図は、国土地理院発行の2万5千分の1地形図「中村町」と「谷川」
8:35
姫路市街の自宅を車で出発。
国道372号線で加東市へ入り、国道175号線で北へ。
姫路市街の自宅を車で出発。
国道372号線で加東市へ入り、国道175号線で北へ。
まずは三角点山登山のために、登山口のある福谷公園を目指します。
西脇市の黒田庄駅が近づいてきたら、ナビの指示に従って福谷公園へ。
福谷公園へのルートは非常に分かりにくいので、黒田庄駅の東にある池の東側をナビにセットし、ナビの指示に従って運転してください。
私はナビの指示に従っていても道に迷いました。
なかなかやっかいなところです。
なかなかやっかいなところです。
下のリンクをクリックすると、福谷公園内の稲荷神社の位置がGoogleマップで表示されます。
Googleマップで稲荷神社の位置を表示 (←クリック)
10:00
福谷公園に到着。
福谷公園に到着。
困ったことに、福谷公園には明確に駐車場と決められた場所が見当たりません。
所々に車を置けそうな空間がありますが、一車線幅の道路沿いにあるので、待避場所のように見えます。
駐車場を探して公園内の狭い道をウロウロ走り、どう考えても邪魔にならないだろうと思われる場所に車を止めました(地図中「P」)。
▲駐車場所の様子
10:09
準備を終えて出発。
登山口がある稲荷神社へ向かいます。
準備を終えて出発。
登山口がある稲荷神社へ向かいます。
三角点山の登山口については、あらかじめ検索して調べておきました。
地形図に描かれている長い階段のある神社(地図中「稲荷神社」)へ登ると、その右側にある道(登山道ではない)が登山道に見えてしまい、途中で道が消えてしまって藪こぎをする羽目になったという山行記録が数件、検索結果として出てきました。
おかげで神社の左側に正しい登山道があることが分かりましたが、そもそも神社の左側というのは拝殿の左なのか、それとも階段の左なのか、どの段階で左側なのか分かりません。
GPS軌跡が載っているサイトがあったのでそれを見ると、階段の左側を歩いたような軌跡が書かれていました。
そして今日、実際に現地を見ると、鳥居が並ぶ参道の左にベンチのある遊歩道らしきものがあったので、それを登ることにしました。
▲参道の左にある遊歩道を上った
上の写真にある遊歩道の左には人工的な流れがあり、その左にもう一本遊歩道がありました。
私が登っていた右側の遊歩道は、拝殿直下で行き止まり。
流れは小さなもので水もほとんどないので左の遊歩道へ移り、あずまやの脇を通ってさらに登ると、地形図には記載のない車道に出ました。
10:15
車道の反対側を見ると、「三角点 愛宕ルート登山口 山頂まで1400m」と書かれた白い道標が立っています。
右を見ると、すぐそこに稲荷神社の拝殿がありました。
車道の反対側を見ると、「三角点 愛宕ルート登山口 山頂まで1400m」と書かれた白い道標が立っています。
右を見ると、すぐそこに稲荷神社の拝殿がありました。
細かいことを気にせず、普通に階段を歩いていれば良かった。
せっかくなので稲荷神社にお参りし、先ほどの愛宕ルート登山口から山へ入りました。
▲稲荷神社の左(北)にある愛宕ルート登山口
登山口付近だけは藪っぽいですが、すぐに普通の山道になりました。
登り始めてすぐ、道が左へ折れ曲がります。
正面にも道があるように見えますが、自然に帰りつつある道の跡のようです。
正面にも道があるように見えますが、自然に帰りつつある道の跡のようです。
ヤブ化した道を行くのも面倒なので、素直に左へ曲がる(等高線と平行に進む)ことにします。
今度は道が右へ曲がります。斜面を見上げると道があるように見えますが、雨水が流れた跡のようにも見えます。
周囲を見ても、その道のようなもの以外に道はありません。とりあえずこれを登ってみることにしました。
周囲を見ても、その道のようなもの以外に道はありません。とりあえずこれを登ってみることにしました。
10:23
綺麗な登山道が目の前を横切っているのに出会いました(地図中「稲荷神社」の北でGPS軌跡が左へ折れ曲がっている地点)。
綺麗な登山道が目の前を横切っているのに出会いました(地図中「稲荷神社」の北でGPS軌跡が左へ折れ曲がっている地点)。
しかし、右を見ても道があるようには見えません。
私が歩いてきた道がここで直角に左へ曲がっているようです。ということは、あの雨が流れて出来た溝のような所が正規のルートだったのか。
ここからは、明確な小径が山頂まで続きます。
両側が雑木のため展望はありませんが、大量の蜘蛛の巣さえ気にしなければ歩きやすい山道です。
▲尾根の肩付近の道の様子
地形図の通り、やや急な上り坂が延々と続きます。
所々、少し展望が得られる場所があるので、そういった場所に出会う度に立ち止まって景色を楽しみ、小休止。
10:45
323m標高点付近にある小さな社に出会いました(地図中「愛宕社」)。
これが愛宕ルートの名前の由来である愛宕社でしょうか。
323m標高点付近にある小さな社に出会いました(地図中「愛宕社」)。
これが愛宕ルートの名前の由来である愛宕社でしょうか。
▲石段と愛宕社(?)
10:49
今度は登山道脇に石垣のようなものがありました(地図中「行者像」)。
よく見ると、石を積み上げて作った祠です。
今度は登山道脇に石垣のようなものがありました(地図中「行者像」)。
よく見ると、石を積み上げて作った祠です。
中には役行者の木像が入っていました。
▲行者像が納められた祠
役行者像のある祠から先は、空が開けた急斜面の道になります。
この時期、空が開けた場所にいるのはクマバチ。
ぶんぶんと羽音を立てながら、チョウチョやその他の虫が来る度に突撃を繰り返しています。
ぶんぶんと羽音を立てながら、チョウチョやその他の虫が来る度に突撃を繰り返しています。
明るい登山道はすぐに終わり、両側にシダが出てきました。
▲標高350m付近からシダが増えてくる
シダと言えばダニ。
斜度が緩んだところでズボンを見ると、いるわいるわ、無数のダニがズボンの上をウロウロ。
斜度が緩んだところでズボンを見ると、いるわいるわ、無数のダニがズボンの上をウロウロ。
手に持った木の枝で蜘蛛の巣を払い、時々立ち止まってズボンのダニを払い落としながら進むという面倒な山歩きになってしまいました。
11:01
「境界明確化」と書かれた杭が打たれた小ピークのような場所に出ました。
地形図で標高400m付近がなだらかになっていますが、その区間に入ったようです。
「境界明確化」と書かれた杭が打たれた小ピークのような場所に出ました。
地形図で標高400m付近がなだらかになっていますが、その区間に入ったようです。
ここからしばらくは、境界明確化杭が一定の間隔で出現する平らな道。
山頂が近づいてくると、道の両側に大きな岩が目立つようになってきます。
11:16
南福谷ルートが右へ下っていく分岐を通過(地図中「南福谷分岐」)。
南福谷ルートが右へ下っていく分岐を通過(地図中「南福谷分岐」)。
11:18
三角点山の山頂に到着。
二等三角点標石(点名:上比延)と小さな祠、山名が書かれた標柱があるだけの小さな山頂です。
三角点山の山頂に到着。
二等三角点標石(点名:上比延)と小さな祠、山名が書かれた標柱があるだけの小さな山頂です。
昔は周囲の木々の背が低く、展望が良かったのかも知れませんが、今は特段展望が良いわけでもありません。
三角点山山頂で撮影した全天球パノラマ(撮影日:2014年5月18日)
https://shimiken1206.sakura.ne.jp/panorama/sankakuten20140518/virtualtour.html
帰宅後に気づきましたが、電子国土の地形図を見ると、この山頂に三角点の記号がありません。
廃点になったのかと思って国土地理院のサイトを見ると、まだ検索結果に出てきます。
どうなっているんでしょう。
山頂からは私になじみのある播磨地域の山があまり見えないので、南福谷ルート分岐のすぐ上にある展望地で昼食を取ることにしました。
本日の昼食は、フリーズドライ食品「尾西のチキンライス」。お湯を入れて15分で出来上がるチキンライスです。
ここからは、西側を流れる加古川や、この後見に行く予定の兵主神社、遠くには七種山塊も見えます。
▲南福谷ルート分岐のすぐ上の展望地から西の景色
双眼鏡で景色を楽しみ、すぐ近くの木の上で鳴くウグイスの声に癒やされながら、のんびりと休みました。
やっぱり山は良い。
12:20
下山開始。
南福谷分岐から南へ下ります。
下山開始。
南福谷分岐から南へ下ります。
▲下山時に見た南福谷ルートと愛宕ルートの分岐(左が南福谷ルート、右が愛宕ルート)
登りに使った愛宕ルートとは違ってよく人が歩いているらしく、道はよく踏まれています。
景色を楽しめるのも、愛宕ルートと違う点です。
景色を楽しめるのも、愛宕ルートと違う点です。
▲南福谷ルートの様子
12:37
「山頂へ560m」と書かれた丸いプレート(塗料等の缶の蓋を利用したもの)が木に掛かった場所に来ました(地図中「山頂まで560mプレート」)。
「山頂へ560m」と書かれた丸いプレート(塗料等の缶の蓋を利用したもの)が木に掛かった場所に来ました(地図中「山頂まで560mプレート」)。
この場所には、他に福地子ども会が作った古い道標や、山友会の「黒田庄駅」と書かれた道標もかかっていました。
ここからは真西へ下っていきますが、斜度が今までよりもきつくなり、歩きづらくなってきます。また、今までのような展望もありません。
▲「山頂へ560m」地点から先(下)の道の様子
12:55
福地方面への分岐がありました(地図中「福地分岐」)。
福地方面への分岐がありました(地図中「福地分岐」)。
福地への道を覗いてみましたが、かなり藪っぽくなっています。道標の文字もほとんど読めないくらいに消えており、歩く人が少ないことが分かります。
福地への分岐は無視し、西へ進みます。
正面に189mピークを見ながら、砂の浮いた斜面を下ると、道は右へ曲がります。
そのまま189mピークへ続く薄い道も見えますが、歩く人は少ないのでしょう。北へ下る道の方がしっかりしています。
そのまま189mピークへ続く薄い道も見えますが、歩く人は少ないのでしょう。北へ下る道の方がしっかりしています。
北向きの斜面なので薄暗いですが、斜度は緩く、道もしっかりしているので楽に下っていけました。
「山頂へ1500m」のプレートが左手に現れると、すぐ先にコンクリート製の橋があり、それを渡ると林道に出ます。
▲林道から南福谷ルート登山口を見る
後は林道を下るだけ。
13:10
稲荷神社の鳥居前を通過し、駐車場所へ戻ってきました。
稲荷神社の鳥居前を通過し、駐車場所へ戻ってきました。
▲カシミール3Dで表示した本日の歩行距離・累積標高差等
引き続き、黒田庄駅の北にある兵主神社(地図中「兵主神社」)へ向かいました。
福谷公園から西へ出たら、北へ進み、兵主神社前を東西に走っている道路(県道559号線)へ出ます。
県道559号線を西進すると、すぐ右手に兵主神社があります。
下のリンクをクリックすると、Googleマップで兵主神社の位置が表示されます。
Googleマップで兵主神社の位置を表示 (←クリック)
兵主神社の駐車場は、神社の西隣にあります。
▲兵主神社の駐車場
鳥居が車道に面しており、その先に随神門があり、さらにその向こうに室町時代の様式を残す拝殿が建っています。
▲兵主神社の様子
▲拝殿
県指定文化財 兵主神社拝殿
指定年月日 昭和52年3月29日
所有者・管理者 兵主神社
創立は、社伝によると、延暦3年(784)6月14日、時の播磨椽岡本修理太夫藤原知恒の創始になるという。建物は長床式の平面で、支外桁で軒を支えている。建物の囲りは一部(西北隅室)を除き開放吹放ちで、内部は正面中央部三間を広間床とし、両脇間境を円柱々列とした特異な意匠になっている。
天正19年(1591)8月27日造立の棟札があり、桃山時代における茅葺入母屋造りの様式を伝える建築として、全国的にも稀に見る遺構である。主祭神は大己貴命である。
平成3年11月
兵庫県教育委員会
▲拝殿の天井
神社の西にある踏切脇には、兵主神社の大鳥居が立っています。
▲大鳥居
最後に、神社前から今日登った三角点山を眺めて帰路に就きました。
▲兵主神社前から見た三角点山(中央右側)