播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

姫路城の内堀で和船に乗ってきました

今年の春も、姫路城の内堀で姫路城文化観光学習船が運行されています。
 
昨年は一般向けの運行第1便に乗りましたが、今年は石垣の上にある桜を船から見たかったので、姫路城で観桜会が開かれる本日、船に乗ってきました。
 
姫路城文化観光学習船(和船)
運行期間: 2014年03月21日(金)~2014年04月20日(日)
運賃: 大人1人¥1,000、 子ども1人¥500、幼児は無料(2人目以降は子ども料金)
定員: 1便あたり12名(先着順)
乗船時間: 約30分
運行時間: 9:30の第1便から40分間隔で1日12便運行
備考: 予約不可(電話予約不可。ネット予約サービス無し。当日9:00から現地で受付開始。)
注意: 天候不良の場合は欠航
 
 
▲和船の運航ルート(赤線)とのりばの位置
 
乗船受付の場所(のりば)は、上の地図を参考にしてください(地図中「のりば」)。
 
 
▲のりばの様子
 
私が乗ろうとしていた便は、私が申し込んだ時点で空きが2席しかありませんでした。なかなか人気があるようです。
 
申し込みをしてから出発まで少し時間があったので、三の丸広場で姫路城の天守閣を久しぶりに見てみることにしました。
 
 
▲三の丸広場から見た姫路城の天守閣
 
平成の大修理のために素屋根で覆われていましたが、表面の幕が撤去され、素屋根の鉄骨の間から天守の姿がなんとか見えます。
 
出発時間が近づいてきたので、のりばへ戻りました。
 
乗船申込みをしたときはいなかった船が戻ってきていて、他の乗客の皆さんはすでにライフジャケットを着て笠をかぶり、準備万端。
 
 
▲のりばに停泊している和船
 
私もライフジャケットと笠を受け取り、急いで装着。
和船の中は畳敷きなので、靴を脱いでから乗り込みます。
 
慌てて準備をしましたが、実はまだ出発時間まで余裕があったため、船の中でしばらく待機。その間、和船の運航担当者が和船について色々と説明をしてくださいました。
 
船の板の厚みや、何故か和船にだけ横梁が通っているというお話、さらに、その横梁の下にある「埋められた穴」についても説明がありました。
 
 
▲埋められた穴
 
この穴には、船霊(ふなだま)様が入っているとのこと。船霊様とは何か一つのお札などではなく、いろいろと小物を入れるそうですが、具体的に何を入れているのか聞いたのに失念してしまいました。
 
船霊様が入るまでは、船は船大工のもの。船霊様が入って初めて船は船主のものになるとのこと。
西洋の船では、船首の女神像などが船霊様の役割を果たしているようです。
 
興味深い説明を聞いている内に出発時刻になり、船はゆっくりとのりばを離れました。
 
船に乗っているのは、船首にガイドさん1名、乗客12名、そして船尾に船頭さん1名。
 
船はまずのりばから西へ進み、北へ曲がります。
 
 
▲船から石垣と桜を見上げながら北上
 
ガイドさんが好古園や西の丸、勢隠門(せがくしもん)等について説明をしてくれました。
ガイドさんによると、原生林にはタラヨウ(多羅葉)の木が多くあり、これは燃えにくいことと葉に字が書きやすく通信に使えることから、城に植えられたのではないか、とのことでした。
 
船は南勢隠門の付近でUターンし、のりばの方へ戻ります。
そして、のりばの前を素通りして東へ。
 
のりばの向かい側にある石垣がもっとも高く、高さが約11mだそうです。

下の方は築城当時のもの、中央付近はしばらく時間が経って修復されたもの、そして上の方は明治時代に陸軍によって積み直されたもので、1カ所の石垣で3つの時代の石積みを見られるところは非常に珍しく、貴重なのだそうです。
 
この石垣は、船に乗らなくてものりば周辺から眺められます。
 
 
▲3つの時代の積み方を一度に見られる石垣
 
まもなく船は大手門の前を通り過ぎますが、ガイドさんの話では、この大手門は昭和13年に竣工したもので、建てたのは陸軍とのこと。門の開口部が広くて高いのは、軍用車両が出入りしやすくするため。
そのため、この門は文化財にすら指定されていないそうです。
 
 
▲大手門
 
大手門の前を過ぎると、すぐに桜門橋をくぐります(地図中「桜門橋」)。
これが和船のルートの見所の一つ。
 
本当にぎりぎり通過できる高さしかありません。
橋の下を通過する様子は、文末の動画(Youtube動画を埋め込んでいます)からご覧下さい。
 
 
▲桜門橋をくぐってから振り返って撮影
 
桜門橋をくぐると、船は北へ進路を変え、護国神社を右手に、動物園を正面に見ながら北上します。この区間では、ガイドさんが石垣の積み方の種類について説明をしてくれました。
 
この辺りも桜が見事。
 
 
▲正面に動物園を見ながら北上
 
動物園内の城見橋で船はUターンし、再び桜門橋をくぐってのりばへ戻りました。
 
動物園が見える場所では、ガイドさんから動物園の歴史や、過去に起こった猛獣の脱走事件などの説明があり、姫路市民でも知らないお話を色々楽しめました。
 
 
▲赤い欄干の城見橋(ここでUターン)
 
のりばに戻ってきたのは、出発してからちょうど30分後。
30分だけですが、優雅な気分を味わえました。

人数に制限があるため難しいかも知れませんが、興味のある方は桜が咲いているうちに是非どうぞ。
 
本日、和船で撮影した動画をYoutubeに掲載しましたので、興味のある方はどうぞ。(4分44秒)