播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

携帯型気象計 Kestrel 4500 NV (Part 3 of 3)

Yahoo!ブログの文字数制限の関係からPart 1Part 2に分けて紹介したKestrel 4500 NVですが、Part 3となるこの記事では、Kestrelをもっと便利に使うためのアクセサリ類を紹介します。
 
この記事で紹介している製品は、すべてKestrelを製造販売しているNielsen-Kellerman社の純正品です。
 
まずは液晶画面保護フィルム。
 
 
製品名: Kestrel 4000 Screen Protector Kit($14.00 USD)
 
ビニール製のポーチに、フィルムを貼る前に汚れを拭き取るためのクロスと説明書、(写真には1枚しか写っていませんが)保護フィルム2枚が入っています。
 
剥離紙は薄いプラスチックシートのようなもので、これが非常にはがしづらいです。
液晶ディスプレイが小さいので、フィルム自体を貼り付けるのは簡単。
 
屋外ではKestrel本体を小石などのある地面に落とす可能性が高いので、傷がつくと使い心地が悪くなる(文字が読みにくくなる)液晶画面を保護するのは大切かも知れません。
液晶画面は簡単に傷がつくような素材ではなさそうですが...
 
続いて紹介するのは、Kestrel本体を持ち運ぶためのケースです。

Kestrel本体を買うと、薄い生地で出来た簡易ポーチは付属していますが、あくまでもオマケという品質。
そこで、純正のケースを2種類購入してみました。
 
1つは通常のキャリングケース、もう1つは軍用のタクティカルケース。
 
 
▲2種類のケース(前面)
 
 
▲2種類のケース(背面)
 
左のケース
製品名: Kestrel 4000 NiteIze Belt Clip Case
価格: $19.00 USD
 
右のケース
製品名: Kestrel Tactical MOLLE-Compatible Case
価格: $39.00 USD
 
Kestrel 4000 NiteIze Belt Clip Caseには、背面にNiteIze社製の大きなクリップが付いていて、簡単にベルトに装着できるようになっています。
このクリップは回転できる(45度ずつクリックストップがかかる)ので、ケースは縦横どちらの向きでも取り付けが可能。
クリップはグラスファイバー入りの樹脂で出来ていて、耐久性は高そう。

フラップはベルクロ留め。
 
Kestrel本体のセンサーに被さる部分には穴が開いていて、ケースに収納していてもKestrelのセンサーと外気の間に遮る物が何もない状態になります。
 
Kestrel Tactical MOLLE-Compatible Caseは、米軍や警察のMOLLE規格に対応したバックパックや装備に連結して使います。
MOLLE互換ですが、縦方向のストラップにプラスチックの芯は入っていませんし、下端にスナップもありません。
 
軍用らしくフラップはサイドリリースバックルで開閉。

ポーチ内には小さなポケット(蓋無し)がありますが、これは予備電池を入れておくためのもの。
 
どちらの方が使いやすいかと言えば、やはりKestrel 4000 NiteIze Belt Clip Caseでしょうね。
サイズがコンパクトで、ベルトやストラップへの脱着が楽です。
 
続いては、ログデータをPCに転送するための製品。
 
 
▲Kestrel Meter Interface - USB Portのパッケージ
 
 
▲Kestrel Meter Interface - USB Portのパッケージ内容(この他にソフトウェアCD、取説が含まれます)
 
製品名: Kestrel Meter Interface - USB Port
価格: $89.00 USD
 
パソコンに詳しい方なら一目で分かるとおり、クレードル本体は本来RS-232接続だったようですが、変換ケーブルを使ってPCとはUSB接続をします。
 
クレードルにKestrel 4500 NVをセットすると、下の写真のようになります。
 
 
▲クレードルにKestrel本体をセットした状態
 
クレードルの上にKestrel本体を乗せるだけでクレードルとKestrel本体の赤外線ポートの位置がぴったり合うのですが、より安定した通信のために、クレードルにはゴム紐が付いていて、それでKestrel本体をクレードルに押しつけられるようになっています。
 
 
▲クレードルのベースは重量のある金属板で、ゴム脚もあるため、安定性が高い
 
記録されたデータをPCに転送するには、クレードルにKestrel本体をセットし、PC側で「Kestrel Communicator」というソフトを起動します。
 
 
▲Kestrel Communicatorの起動直後に開く画面
 
この画面では、Kestrelからデータを読み込むほかに、Kestrel本体内の時計をPCの時刻を使って合わせたり、ログの削除、設定の初期化も行えます(赤いボタンは、Kestrel本体をクレードルにセットしておかないと使えない機能)。
 
データをKestrelから吸い出すと、「Data Log」タブ内でこのように表示されます。
 
 
▲ログデータをPCで表示した画面
 
このデータは、XML形式またはCSV形式で保存出来ます。
XML形式で保存したデータは、Kestrel Communicatorで開いて閲覧、グラフ表示するのには使えますが、それ以外に使い道はありません。

Excelが使えるなら、CSV形式で保存した方が便利でしょう。
 
 
▲Kestrel Communicatorの機能でも、一応はグラフが作成できる
 
CSVデータの1行目は項目名(アルファベット数文字だけの省略表示)で、それぞれ以下の意味を持っています。
2行目は単位、3行目以降が実際のデータです。
 
・FORMATTED DATE-TIME:西暦・月・日 時間・分・秒の形で表示される日時
・DT【Dateの意】:2000年1月1日0時0分0秒からの経過秒数(単位:秒)
・MG【Magnetic Northの意】:磁方位(単位:度)
・TR【True Northの意】:真方位(単位:度)
・WS【Wind Speedの意】:風速(単位:m/秒)
・CW【Cross Windの意】:横風(単位:m/秒)
・HW【Head Windの意】:向かい風(単位:m/秒)
・TP【Temperatureの意】:気温(単位:度C)
・WC【Wind Chillの意】:体感温度(単位:度C)
・RH【Relative Humidityの意】:相対湿度(単位:%)
・HI【Heat Indexの意】:体感温度(単位:度C)
・DP【Dew Pointの意】:露点(単位:度C)
・WB【Wet Bulbの意】:湿球温度(単位:度C)
・BP【Barometric Pressureの意】:気圧(単位:hPa)
・AL【Altitudeの意】:標高(単位:m)
・DA【Density Altitudeの意】:密度高度(単位:m)
 
(注)1列目に年月日時刻のデータがあるので、DTは不要です。MGとTRは、風向を表しています。CWとHWは、基準方位を何度に設定したか失念したため、意味のない数値になっています。標高の補正を行っていないため、ALとDAは負の値になっています。
 
Kestrel 4500 シリーズには電子コンパスが付いていますが、それを最大限に活用するためのアクセサリもちゃんと用意されています。
 
 
▲Kestrel Portable Vane Mountのパッケージ
 
 
▲Kestrel Portable Vane Mountの内容
 
製品名: Kestrel Portable Vane Mount
価格: $69.00 USD
 
上の写真だけを見ると何だか分かりませんが、組み立ててKestrelをセットすれば一目瞭然。
 
 
▲Kestrel Portable Vane Mountを組み立てた状態
 
組み立てたKestrel Portable Vane Mountは、風向風速計になるのです。
 
別に用意した三脚にこれをセットし、インペラのカバーを開けたKestrel 4500をセットすると、一定間隔毎に風速と風向を記録する装置の出来上がり。
 
風向まで測る必要はないけれども、ある地点にKestrelを固定して設置したいという目的であれば、単純にKestrel本体を三脚にセットするためだけのアクセサリもあります。
 
 
▲Kestrel Tripod Clamp
 
製品名: Kestrel Tripod Clamp
価格: $14.00 USD
 
Kestrel本体を左右から挟み込むだけの構造なので、クランプの可動範囲に収まる大きさであれば、何でも固定できます。
(iPhoneが、ケースに入れていない状態でギリギリ挟める程度。)
 
 
▲Kestrel 4500 NVを三脚にセットした状態
 
Kestrelシリーズは単体でも高機能で便利ですが、これらのアクセサリ類を使うことで、さらに活用の幅が広がります。
 
私のような山歩き好きの人間にとっては、風向計や三脚に固定するアクセサリは役に立ちませんが、環境関連の研究をされている方や、ラジコン飛行機・ヘリで遊ぶ人たちには便利かも知れません。