播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

第21回殿のグルメ対談 じろSUN工房 X 老松酒造

本日は、第21回殿のグルメ対談 手作りケーキ「じろSUN工房」X「老松酒造」に行ってきました。
場所は大手前第1ビル4階の納屋工房で、時間は19:30~22:00頃、費用は一人¥1,580です。
 
19:15
ちょっと早めに会場に入り、最前列の席を確保。
 
19:30
予定通りに対談がスタートしました。
まずは「じろSUN工房」の店長「さんぺい」さんから。
 
 
▲さんぺいさん
 
そもそも店長がさんぺいさんなのに、なぜじろSUN(じろさん)なのかというお話から。
 
大学卒業後、22歳の時にシュークリームで有名な洋菓子の会社に就職し、午前3時から午前11時まで工場で働き、その後の時間は洋菓子協会の学校に行ったり、独自にお菓子作りの研究に励んでいたそうです。
 
そして、32歳の時に不二家とフランチャイズ契約を結んで独立。
JR宝殿駅の北口の、現在は姉妹店のパティスリーラビというケーキ屋さんになっている場所で商売をされていたそうです。
 
同業他社が近所に開店しましたが、競争に打ち勝って生き残り、順調に商売は進んでいたようです。
 
しかし、5年ほど前の不二家の不祥事により売り上げが激減。
途方に暮れていたところ、さんぺいさんの兄である「じろうさん」に背中を押されて独立し、宝殿駅前は他の方に任せ、不二家の姫路花田店だったところで再出発をされたとのこと。
 
自分のお店を持つ決心をするきっかけとなった兄の名前をお店につけ、さんぺいさん自身の明るい人柄と太陽を結びつけて「じろSUN工房」になったそうです。
 
お店の売りは、チョコのプレートでは無くケーキ自体の表面に似顔絵を描いてくれるサービス。
写真などを見ながら直接ケーキに描くので、失敗が許されず大変な作業だそうです。
 
いくら似顔絵を描いても、美味しくないとケーキは売れません。
じろSUN工房の食材へのこだわりもお話されていました。
 
小麦粉は埼玉の業者から、お互いにどんなところで小麦粉・ケーキを作っているのかを直接見て、双方納得の上で仕入れているとのこと。

その小麦粉の業者は、小麦の出来具合で挽き方を変えるなど、かなりのこだわりをもち、原料も国産のものしか使わないそうです。
 
そのこだわりの小麦粉や群馬県の米粉、他にも独自の材料を使い、甘みを出すための材料も上白糖だけでなくグラニュー糖や赤糖などを商品によって使い分けているため、甘すぎず、あっさりした優しい味わいのケーキができあがります。
 
2014年のNHK大河ドラマは「黒田官兵衛」に決まりましたが、その誘致活動にもじろSUN工房の商品が使われました。
それはケークサレ(塩ケーキ)。

「官兵衛の塩」という商品名の塩を使ったケークサレには、官兵衛をモチーフにしたキャラクターが描かれています。
 
商品数が多いこともじろSUN工房の特徴の一つ。
若い職人さんのミスから新商品が誕生することもあるとのことで、売れ筋のアーモンドタルトもそうした「ミスから生まれた商品の一つ」。
 
対談後の試食用焼き菓子の中で一番美味しかったと評判だったのも、やはり製造工程でミスがあったものでした。
 
食材にこだわり、たくさんの商品でお客さんを喜ばせてくれるじろSUN工房の店主「さんぺい」さんの夢は、次の世代のケーキ職人が育ってくれることだそうです。
 
20:20
続いての対談は、老松酒造の社長前野氏とその奥様。
 
 
▲老松酒造の前野夫妻
 
宍粟市山崎町にあり、創業244年、現在の社長が11代目という長い歴史を持つ酒蔵で、山陽杯さんのすぐご近所だそうです。
 
失礼ながら、聞いたことのない名前でしたが、それもそのはず、商品の大半は宍粟市内で消費されており、姫路市内では取り扱いがほぼ無いとのこと。
 
奥様が非常に明るく、おしゃべりが得意で、対談でも奥様の方が主役のようでした。
この奥様、結婚前は日本酒なんて飲むことが無かったのに、結納前に頂いたお酒があまりにも美味しく、結婚後は日本酒にはまってしまったそうです。
 
当初は冷やで日本酒を飲んでいたのが、熱燗で飲むお酒のおいしさにも取り憑かれ、熱燗の話をし出すと俄然元気になります。
 
奥様によると、熱燗は湯煎がベスト、電子レンジで温める場合は、出してから1分待って飲むのが良いそうです。
老松酒造さんは、当初は山崎城の北門が近くにあったことから、北門酒造という名前だったのが、商品名の一つ「老松」が縁起の良い名前と言うことで、老松酒造に社名を変えられました。
 
5代目から数代にわたり当主は善次郎を名乗っていましたが、中でも6代目の善次郎氏が有能で、山崎のもみじ山の開発にも関わっていたそうです。
 
現在の11代目の社長の祖父の代から善次郎の名前を名乗らなくなりましたが、お酒の名前にはしっかりと使われています。
 
20:50
試食と試飲が始まりました。
 
ケーキをあてに日本酒を飲むという異例の組み合わせですが、じろSUN工房のさんぺいさんはこの日のために特別な焼き菓子やプリン、ケーキを大量に用意して下さいました。
 
しかも、焼き菓子類は日本酒に合うように甘さを抑えた今日だけの特別メニュー。お店では買えません。
 
ケーキ類は、たくさんの種類を食べられるよう、お店にあるものをこの日のために小さめのサイズで作成するという気の使いよう。
 
対談の参加者数はいつも20~30名ほどですが、ケーキと焼き菓子の合計が100個を越えるという贅沢さ。
 
 
▲試飲用のケーキとお酒が並んだテーブル
 
お酒は、老松酒造さんの製品3種。
 
 
▲試飲用のお酒(左から古酒善次郎、普通酒米郷(こめのさと)、純米)
 
古酒善次郎は5年物。
少し黄色みがかった見た目に特徴があり、味は不思議。
甘みとフルーティーさを感じますが、そのお陰かケーキや焼き菓子を肴にしても違和感なく行けました。
 
純米酒は本当にお酒らしいお酒で、酒好きの方は喜びそう。
 
一番大きな瓶に入った米郷(こめのさと)ですが、これは老松酒造の社長夫人が大好きな熱燗で提供されました。
 
 
▲老松のおちょこで熱燗を頂いた
 
このお酒は冷やでも頂きましたが、熱燗の方が圧倒的に美味しい。
 
スイーツと日本酒という異色の組み合わせで行われたグルメ対談でしたが、じろSUN工房さんの工夫のおかげもあり、違和感なく両方を味わえました。
 
老松酒造のお酒は宍粟市内の酒店、または通信販売で老松酒造のWebサイトから購入できます。
 
じろSUN工房の場所や店内の様子については、こちらの記事を参考にして下さい。