播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

GPS受信性能比較

手元にGPS受信機が3種類もあるので、それぞれの受信感度を比較することにしてみました。

 

比較する方法は、ザックのフロントポケットに3種類のGPS受信機を入れ、すべて電源を入れたままで山に登るというものです。

 

実験場所
兵庫県姫路市の雪彦山(南東の坂根から尾根伝いに登り、東側の谷間を下るルート)

 

実験に使用した機種:
 GARMIN GPS60(GPSチップ:GARMIN社製)
 GARMIN GPSMAP60Cx (GPSチップ:SiRF Star III)
 GlobalStat SD-502 (GPSチップ:SiRF Star III)
※GARMINの2台は、同一ロットのアルカリ単3乾電池(新品)を使用。SD-502は母機となるPDA、rx1950の標準バッテリー(満充電)から電源を取ります。

 

上の2つは皆さんもよくご存じだと思いますが、一番下のSD-502はあまり有名ではないと思います。
これはアウトドア用のハンディGPSではなく、SDカードスロットに挿すタイプのGPSユニットで、PDAで利用するための物です。今回は私が愛用しているPDA、rx1950に差し込んで実験に参加させてみました。

 

登山口で3台の電源をON。
SiRF STAR III搭載の2機種は数十秒で測位を完了しましたが、GPS60には数分待たされました。

 

下山完了後、ログをチェック。
各機種のログ表示画面を下に掲載します。

 

GARMIN GPS60

▲時計回りに歩いたのですが、後半はほとんど測位できていません。(矢印のところから途切れています)

 

GARMIN GPSMAP 60Cx

▲わかりにくいですが、一度も途切れていません。

 

GlobalStat SD-502

▲GPS60がロストした辺りで途切れた後、何故か電源が落ちたようです。



上のログをカシミール3Dに表示すると、次のような状態になります。
GARMIN GPS60

▲測位できていなかったのは、谷間の道です。

 

GARMIN GPSMAP 60Cx

▲ルート全体で測位できていましたが、ちょっと実際とは異なる場所を示している所もあります。

 

GlobalStat SD-502
画像無し
▲カシミールにトラックログを転送する方法を知らないのと、PDA用の地形図閲覧ソフト「garmapce」に表示されている地形図がカシミールと同一のものなので、画像はありません。



10:30~15:00の間電源をONにしていましたが、電池の消費量はというと、GARMINの2機種はどちらも残量表示が満タンのままでした。
SD-502は、PDAのバッテリーを使っています。他機種のトラックログから推測すると、13:40頃に電源が切れたようです。10:30~13:40の使用で、PDAのバッテリー残量は50%になっていました。



やはりSiRF STAR IIIを搭載した機種は優秀ですね。
誤差はあるのでしょうが、植林に覆われた谷間でも測位できていました。

 

SD-502ですが、PDAの電源が切れた理由が分かりません。ザックの中で何かがスイッチに当たったのかも知れませんし、衛星をロストして信号が来なくなったため、何も作業をしていないと判断され、PDA側で電源節約のために自動OFFされたのかも知れません。

 

GPSMAP60Cx(英語版)は、6万円台という価格ながら、カラーディスプレイ搭載、高感度、microSDが使用できるためデータの管理がおおざっぱに出来る(メモリの容量を気にしなくて良い)という、非常に優れた機種だと思います。

 

やはりアウトドアにはアウトドア用のGPSが向いていますね。SD-502はタウンユース用なので耐久性がありません。ザックを下ろす時も慎重にならざるを得ませんでした。PDAだと高精細な地形図データを見ることが出来ますが、衝撃や水に弱いため山では使えそうにありません。(PDA単体だとハードケース+防水ケースで十分山の中でも使えます。SD-502を挿すと、PDAからSD-502が飛び出した状態になります。ここに力がかかると簡単に壊れそうです)

 

※今回の記事作成にあたり、PDAの画面キャプチャにはKOTETU氏作のフリーソフト「KTCapt」、ハンディGPSの画面キャプチャにはGARMIN社の「xImage」を利用しました。