播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

ハイドレーション内蔵デイパック「Camelbak H.A.W.G.」

以前、ハイドレーション対応のバックパックと組み合わせて使用する単体のハイドレーションシステムを紹介しましたが、今回取り上げるのは、キャメルバック社が製造・販売している、ハイドレーションシステム内蔵型のデイパックです。

 


メーカー名:米キャメルバック(Camelbak)
 http://www.camelbak.com/(英語サイト)
商品名:(政府納入用)H.A.W.G.
色:黒・森林迷彩・砂漠迷彩・緑(灰色に近い変な色です)
重量:空の状態で約1.2kg(カタログ値)
US定価:$134.00(私が買った値段は$114.95)
日本国内実売価格:2万円台半ば~2万円台後半
(日本国内の実売価格が高すぎるので、アメリカの店から通販で購入しました。)

 

注)今回のデイパックはほぼすべてのパーツ類が黒一色なので、写真が非常にわかりにくいかも知れません。あらかじめご了承下さい。

 

水分補給用の道具として自転車レーサーや兵士に愛用されているのがハイドレーションシステムです。
バックパック内のリザーバと呼ばれるタンク内の水を、バックパックから引き出して口元まで持ってきたホースを使って飲む構造になっています。

 

休憩時でないと水を飲めない水筒やペットボトルと違い、ハイドレーションシステムでは歩きながらこまめに水分補給ができるので、特に暑い時期、水分不足による体への負担を軽減できます。

 

そのハイドレーションシステムを内蔵したデイパック「H.A.W.G.」には、民間用と政府納入用(つまり軍用)の2種類があり、それぞれデザインがまったく異なっています。

 

軍用H.A.W.G.の外観ですが、通常のデイパックと変わりません。軍用なので、メーカーロゴはかなり地味です。
民間向けH.A.W.G.はデザインがゴチャゴチャしているのに対し、軍用H.A.W.G.はすっきりしたデザインです。Camelbakのロゴがなければ、ショッピングセンターなどで安く売られているデイパックに見えるほど。

 

デザインがすっきりしすぎていて、サイドポケットはありませんし、ストックを取り付けるためのループすらありません。
(余計な物がついていないので、藪こぎの時に枝などが引っかからず、快適に歩けるという利点はあります。)

 

フロントポケットの中は小物が整理しやすいように小さなポケットがつけられており、ハンディー無線機固定用のポケットには私のGPS(GARMINのMAP60)がぴったりと収まります。

ショルダーハーネスは独自の取り付け方をしているようで、肩の動きにうまく追随してくれます。コストのあまりかからない単純な方法ですが、なかなかいいアイディアです。

 

ウエストベルトは荷重を腰で受け止めるためのものではなく、デイパックの揺れ防止用といった感じの細いものです。
ウエストベルトは付け根部分に収納できるので、街中で通常のデイパックとして使うときには邪魔にならず、便利です。

▲収納状態の写真です。

 

フロントポケット外側にはアタッチメントポイントが着いているので、対応しているポーチ類(軍/警察用のポーチ類)を取り付けて容量の増加が出来ます。
あるいは、このアタッチメントポイントをフラットデイジーチェーンとして使うことも出来ます(カラビナ等が着けられます)。

 

肝心のハイドレーションシステムですが、リザーバの容量は3リットル(OMEGAリザーバ)で、デイパックの背面パネルと主気室の間の空間に収納されます。
背面パネルにはクッションが入っているので、これが断熱材となってリザーバ内の水が体温で温まるのを防いでくれます。
ホースにも断熱材が巻かれているので、夏でも日光で水が温まることがありません。
2006/8/10追記:断熱材の性能は、単体利用できるキャメルバック(StormやThermobakなど)に劣ります。

 

リザーバを入れるポケットにはリザーバ上端のクリップをひっかけるためのループがついていますし、ポケットのサイズがリザーバの寸法ぴったりなので、リザーバはポケット内でしっかりと固定されます。

 

ホースはショルダーハーネス付け根の下から外へ引き出す形になっています。
左右どちら側にもホース引き出し口が開いているので、利き手がどちらであっても快適に使えそうです。

 

ショルダーハーネスにはホースを固定するためのループが付いていますが、かなりハーネスの根元に近いため、ホース固定用のパーツを別途用意しないと、歩行中ホースの先がブラブラしてしまいます。

とは言うものの、ホースの先端だけを固定する形になっているバックパックが多い中、ショルダーハーネスの根元近くにループがあるのは助かります。

 

というのも、ホースの先端だけを固定すると、ホースの一部(ホース引き出し口からホース先端の間の部分)がショルダーハーネスの外にはみ出し、肩に当たって邪魔になるからです。ホースはやわらかいので腕の動きが阻害されることはありませんが、かなり気になります。

 

ホース引き出し口とホース先端の中間部分でホースを固定できると、ホースが体に当たるストレスを防ぐことが出来ます。

 

リザーバ用のポケットはジッパーで大きく口が開くため、リザーバの出し入れがすごく簡単です。

 

水を入れたリザーバはパンパンに膨らむため、満タンのリザーバをセットすると、予想通りデイパックの主気室の中が狭くなってしまいました。これは仕方がありません。

 

Camelbakのサイトによると、デイパックの容量は18リットルとのことです。
私のように大きな双眼鏡やガソリンストーブを持って歩かなければ、夏の日帰り低山ハイクにぴったりの容量だと思います。

 

Camelbakはバックパック専業メーカーではありませんが、使いやすさや背負い心地はなかなかのものです。(ストックは着けられませんが・・・)

 

また、リザーバの出し入れがすごく簡単なので、手入れにかかる手間暇を節約できます。
(バックパックに入れて使うタイプのハイドレーションシステムであるCamelbak「Storm」や「Thermobak」は、断熱ケースからリザーバを取り外したりセットしたりする作業が面倒です)

 

装備が少なくて済むこれからの季節は、このH.A.W.G.で山に行く機会が増えそうです。

 

ちなみに、モンベルがCamelbakの日本代理店になっており、ハイドレーションシステム内蔵のデイパックはモンベルで現物を見ることが出来ます。(軍用モデルは扱っていません。)