播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

続・重いけど機能的な水筒

先週紹介した水筒ですが、湯沸かし性能がどれほどのものか、実験をしてみました。

 

もっとも軽量コンパクトな組み合わせにするためには、固形燃料を使うのが一番です。
しかし、米軍用の固形燃料は入手が難しく、単価が高くつきます。
エスビットやスイスメタはススが出るので使いたくありません。(手入れが面倒)

 

そんなわけで、トランギアのアルコールストーブを使うことにしました。
重量は重くなってしまいますが、手軽だし故障することもないので、固形燃料の代わりにこいつを使うことにします。

 

湯沸かし性能の確認ですが、次のような条件下で実施しました。

 

・500mlの水(室温)が沸騰するまでの時間を測ります。
・気温25度、無風の室内で実験しています。
・使用した燃料は、アウトドアショップの高価なアルコールではなく、薬局で手に入る安価な燃料用アルコールです。

 



まずはキャンティーンカップスタンドとキャンティーンカップの組み合わせから。

 

アルコールストーブに燃料を60ml注ぎ、湯沸かしスタート。
  0分後・・・22度
  3分後・・・38度
  5分後・・・53度
 10分後・・・83度
 13分50秒後・・・100度
アルコールストーブの燃料が燃え尽きたのは、点火から21分後のことでした。

 

アルコールストーブをキャンティーンカップスタンドに入れると、アルコールストーブの上端とスタンドの上端の距離が近くなりすぎて、カップを正しくスタンドにセットできません。
というのも、カップはスタンドの中に少し沈み込んでから止まるような寸法になっているからです。
カップを本来の位置にセットすると、沈み込んだカップの底がアルコールストーブの上面に接触してしまいます(ストーブの上にカップが載った状態になる)。
▼キャンティーンカップスタンドとアルコールストーブの位置関係
(スタンド内でのストーブの位置が分かりやすくなるよう、スタンドを半透明にしています。)

 

そのため、スタンドとカップが上から見てX字型になるように重ねて沸かさざるを得ませんでした。
この重ね方だと、スタンドとカップの隙間からかなり熱が逃げてしまいます。

 

また、その隙間から風が入りそうなので、山で使うときは風防が必要になりそうです。MSRの風防なら重量増にならないからいいかな。

 



次の実験は、キャンティーンカップスタンドとチタンクッカーの組み合わせ。
クッカーならキャンティーンカップスタンドの上面全体を覆うことが出来るので、熱のロスが少ないことを期待して実験。

 

ところが・・・
アルコールストーブに火を点けてクッカーを乗せると、ストーブの炎が消えてしまいました。
キャンティーンカップスタンド側面の穴だけでは、十分な空気が吸い込めないようです。

 

クッカーをずらし、スタンドとの間に隙間を作れば何とかストーブを燃焼させることが出来るのですが、火力は弱いし、クッカーがスタンドからはみ出して不安定になってしまいます。

 

ストーブとカップをX字型に重ねるのは、熱が逃げてしまう代わりに空気を十分に取り入れられるという利点があったようです。

 



キャンティーンカップスタンドとトランギアの相性はあまり良くないようです。

 

でも、スタンドとカップをX字型に重ねることで、コーヒーを沸かすくらいなら問題ない火力を得られることが分かりました。さすがに500ccのお湯を沸かすのに15分かかるので、ラーメンの調理に使うにはちょっと辛いかも知れません。(私のように昼食に1時間近くかける人にとっては問題ないかも知れませんが。)

 

夏場は温かい食べ物や飲み物は要らないという方が多いと思いますが、私の場合は何か一品でも温かい物を口にしないと落ち着かないのです。

 

コンビニおにぎりを昼ご飯にし、キャンティーン一式でみそ汁を沸かして飲むようにすれば、荷物の重量と体積を減らせるかな。でも、それならサーモス(Thermos:テルモスではなくサーモスと読みます)にお湯を入れて持って行った方がさらに軽量コンパクトか・・・。

 

せっかくの面白い道具なのに、なかなか良い活用法が思いつきません。