概要
登山者向けSNSの「YAMAP」で「さとぽん」さんが「赤穂ふれあいの森」を紹介されていましたが、その中で展望の良い山が印象に残り、いつかその山に登ろうと考えていました。
私が気になった山の名前は川向山。
展望を楽しみながらご飯を食べることが私の山歩きの目的ですから、手軽に登れる好展望の山は放っておけません。
ということで、本日その川向山を歩いてきました。
山頂は送電線から離れているし、近くに幹線道路も通ってないため、展望の他にドローン操縦も楽しむことにします。
▲ドローンで南から北向きに撮影した川向山山頂(矢印の位置に私が立っています)
験行寺(けんぎょうじ)の少し下にある駐車場に車を置き、験行寺から稜線伝いに川向山を往復するというショートコース。
ドローンや全天球パノラマ撮影機材で荷物が重くなるため、距離も標高差も小さくなるようにルートを設定しました。
▲対応する地図は、国土地理院発行の2万5千分の1地形図「相生」
▲カシミール3Dで作成したルートの断面図
姫路市街から駐車場へ
09:30
姫路市街の自宅を車で出発。
国道2号線(姫路バイパス)を西進し、JR有年駅のすぐ南にある「有年駅前(うねえきまえ)」交差点を左折して南へ進みす。ここからは県道457号線。
南へ進んで2つ目の十字路(県道457号線の標識が立っている)を右折し、小さな水路を渡った先の突き当りを左折します。
そのまま山沿いに南へ進めばやがて道は1車線幅の細い上り坂になり、クネクネと曲がりくねった道を登る途中、左へ曲がるヘアピンカーブの頂点で広い駐車場に出会うので、そこに車を置きました。 https://maps.app.goo.gl/f8dzG8QMvKrGZU1Z8
▲駐車場の位置
10:15
駐車場に到着(地図中「P」)。
駐車場の少し上にトイレ付きのあずまやがありますが、トイレは使用不可です。
▲駐車場の様子(左に車道が見えている。あずやまは写っていないが右上の木々の向こうにある。)
▲あずまやのお手洗いは使用禁止
駐車場から山頂へ
10:25
準備が整ったので出発。
験行寺へ続く1車線の車道を登ります。
▲験行寺へ続く車道
更地になった民家(庫裡?)跡*1を左に見ながらさらに進み、六角堂を左に見て簡易舗装の道路を登ると験行寺に出ました。
▲かつては庫裡だったと思われる民家の跡地
10:34
験行寺前の広場に到着(地図中「験行寺」)。
昔は験行寺前の広場に木製の遊具が設置されていたようですが、今は跡形もありません。
▲験行寺(左)と薬師山荘
験行寺に手を合わせた後、お寺に向かって左から始まる遊歩道に入りました。
▲験行寺の南にある遊歩道入口
上の画像の入口の様子からもお分かりいただけると思いますが、遊歩道は軽トラやジムニーなら走れそうなほどの幅があり、斜度も緩やかで快適に歩けます。
▲遊歩道の様子
10:43
丁字路のような場所に出ました(地図中「十字路」)。
太い道が左右に分かれている丁字路に見えますが、突き当りの先にも山道が有るような無いような…
験行寺から南東へ進んできて丁字路に突き当たったので、「川向山のある南に進むには右の道が正解だろう」と考えて右へ進みましたが、小ピークで道は無くなりました。
方角を見ると、北西に進んでいます。
山道の丁字路や十字路は道路のように垂直に交わっているわけではありませんから、思い込みではなく道の様子を見てしっかり判断しないといけませんね。
十字路に引き返して、方角が変だと思いながらも先ほどとは逆(突き当りを左)に進んでみました。
すると、朽ちた丸太階段が登場。
▲朽ちた丸太階段を登る
10:49
緩やかな角度の丸太階段を登り切ったところは230m+のピークで、そこには「あずまや」が建っていました(地図中「あずまや」)。
川向山へ進むには、あずまやの裏から南へ延びる道に入ります。
▲あずまや(矢印の通りに進む)
あずまやの先で、道は幅が狭くなりました。私にとっては、狭い道の方が落ち着きます。
▲雰囲気の良い山道
「かつては丸太階段だったんだろうなぁ」という坂を下りると、鞍部の手前で右後ろから道が合流してきました。
どうやら、先ほど丁字路だと思った場所が実は十字路で、直進していたらここに出るのかも知れません。
10:56
広い鞍部に出ました(地図中「鞍部」)。
ここには倒れた道標があり、道標に書かれた文字の内容から判断すると、東向きに立てられていたらしく、この鞍部を直進すると山頂(川向山)で、左前方に進むと神護寺(南の高雄山山頂)へ行けるようです。
▲鞍部の様子(矢印の位置に倒れた道標がある)
▲倒れていた道標
神護寺方面は川向山を経由して稜線沿いにたどり着けそうですが、山頂と神護寺で道標の向きが違うのが気になります。
験行寺で撮影した遊歩道の案内図をカメラの液晶で確認したところ、確かに稜線沿いの道の他に、山の中腹をトラバースすると思われる道が書かれています。
鞍部から左前方に進めば、そのトラバース道へ入るのでしょう。
今日は荷物が重いので、余計な行動は取らず予定通り最短ルートで川向山へ登ることにしました。
鞍部から正面の斜面を登り、240m+ピークを通過(地図中「240m+ピーク」)。
▲240m+ピークの様子(何もない)
240m+ピークから少し下った鞍部からの登り返しは、なかなか強烈な急斜面です。
幅は広くて歩きやすそうに見えますが、急角度の道は、実は狭い方が歩きやすいと思います。
狭いと両側の木につかまったりしながら登れますが、ここは道幅が広い上に、掴めるような木々がありません。
どこに結ばれているか分からないトラロープに、恐る恐る頼りながら登りました。
▲地図で「急坂」と示した区間の様子(トラロープが写っている)
道のわきにイノシシのヌタ場があるのに出会ったら、間もなく山頂です。
▲ヌタ場の周辺は凍っていた
山頂(昼食)
11:14
川向山の山頂に到着(地図中「川向山」)。
ベンチが2台設置されており、眼下を流れる千種川と西向きの大展望を楽しめます。
▲川向山山頂
▲ドローンで西から東向きに撮影した川向山山頂
埋設されている三角点標石は三等で、点名は「川向山」。
▲三等三角点標石(点名:川向山)
本日は一眼レフカメラ用の全天球パノラマ撮影機材を持ってきたので、山頂に立った時の眺めを高画質でお楽しみください。
パノラマ画面左上のリストから、山頂に立った時に得られる展望と、ドローンを使って撮影した空撮パノラマを切り替えられます。
https://shimiken1206.sakura.ne.jp/panorama/kawamukaiyama20240303/index.html
▲川向山山頂からの眺め(全天球パノラマ)
この景色を見ながらいただく本日の昼食は、アメリカ軍の戦闘糧食「MRE」のメニュー番号「3」、「CHICKEN, NOODLES AND VEGETABLES, IN SAUCE」です。
▲MREのパッケージ
これを湯煎するために使うのは、ラージメスティンと固形燃料(迷彩柄のポーチに入っているのはエスビットのストーブ)。
▲MREのレトルトパックを湯煎するために使用する機材(ラージメスティン、エスビットポケットストーブミディアム、固形燃料)これらはラージメスティンの中にすべて納まる。
▲冬場は固形燃料では力不足かな…
お湯が沸くのを待つ間、戦闘糧食のクラッカーにピーナツバターとアップルゼリーを塗っていただきます。
ピーナツバターとジャム(ゼリー)の組み合わせを食べるのは、アメリカでは一般的*2。
不健康な感じがしますが、それはつまり美味しいということ。
美味しいものはカロリーや脂肪、砂糖が多いんです。
▲ピーナツバターとアップルゼリーを塗ったクラッカー
湯煎で温まったメインディッシュ(CHICKEN, NOODLES AND VEGETABLES, IN SAUCE)は、給食のシチューの中に大量の鶏肉と「茹ですぎて食感が無くなったパスタ」を入れたような料理。
最初はそのまま食べて、途中から味変(味を変えること)のためタバスコを混ぜ、最後まで美味しくいただきました。
▲メインディッシュ
食後にはデザートもあります。アメリカ軍の戦闘糧食は至れり尽くせり。
今回のメニューに含まれていたのは、ラズベリーの酸味が効いたアップルソース(ジャム状のリンゴ)。
▲デザート(Applesauce with Raspberry Puree)
他にもお菓子や粉末ドリンクも付属していますが、お腹いっぱいなのでこれで昼食は終了。
下山
12:51
誰も来ない山頂で思う存分楽しんだので、下山開始です。
もと来たルートをたどって駐車場へ戻りました。
▲下山途中で見えた鴾ヶ堂(つきがどう)城跡の展望台
13:25
駐車場に到着。
験行寺にあった「赤穂ふれあいの森案内図」に今回歩いたルート上の地点を描き加えると、次のようになります。
(1)駐車場 (2)験行寺 (3)あずまや (4)鞍部 (5)川向山山頂
▲験行寺前の案内図(右が北。赤丸に白地の丸数字は、当ブログ管理人が描き加えたもの。)
交通アクセス
公共交通機関を使用する場合は、JR有年駅が便利。
有年駅から験行寺までは、およそ1.5kmです。
参考情報
験行寺の北には、鴾ヶ堂(つきがどう)城跡があります。
2016年に歩いた時の記録がこのブログにありますので、参考のためリンクを置いておきます。