播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

第11回 兵庫県警察白バイ安全運転競技大会@明石運転免許試験場

第11回 兵庫県警察白バイ安全運転競技大会が開かれると聞き、明石の免許試験場へ出かけてきました。
この白バイ安全運転競技大会は2011年の第1回と2014年の第4回を見学に行きましたが、それ以降は大会の開催日を調べ忘れたり、仕事があったりして行けていませんでしたし、コロナ禍では無観客で実施されるなどしていたため、9年ぶりの見学です。


▲スラロームコースをテスト走行している選手と先導役の白バイ

イベント名称: 第11回 兵庫県警察白バイ安全運転競技大会
日時: 2023年11月4日(土)13:00開会
場所: 兵庫県自動車運転免許試験場
備考: 入場無料。事前申し込み不要。駐車場がないため、公共交通機関の利用が必要。

11:27
近江塩津行の新快速でJR姫路駅を出発。

11:50
明石駅で降車。運賃は¥680です。

明石駅前の商業施設で昼食を取り、お手洗いをお借りしてから免許試験場へ向かいました。

明石駅から免許試験場までのルートは、神姫バス(路線バス)を使うのが一般的。

駅の南西にある7番乗り場を出るバスはすべて免許試験場バス停を通るためそれに乗れば良いのですが、本日のイベントの影響か、他の乗り場よりも人が多いように感じました。

仕事がある日は満員のバスに乗るのも平気ですが、休みの日くらい空いたバスに乗りたいので、予備として考えていた「明高下(めいこうした)*1バス停(免許試験場バス停の500m南にあるバス停)を通るバスを使いました。

12:24
明石駅南の神姫バス1番乗り場を80系統明舞循環のバスで出発。
混雑しておらず、座ってのんびり移動できました。

12:34頃
「明高下」バス停で降車。運賃は¥210。

ここから北へ500mほど歩けば、本日のイベントがある免許試験場です。


https://maps.app.goo.gl/YEQYxQ1MFNQG2akB7
▲明石運転免許試験場の位置

12:44
免許試験場に到着。


▲兵庫県自動車運転免許試験場

バイクのイベントですから、バイク好きの方が多く集まるようです。
免許試験場の前の駐車スペースや、更新センター前にはバイクがたくさん止まっていました。

開会式が始まるまで少し時間があったので、技能試験に使われるコースに下りて建物の西側へ。
そこには、パトカーや白バイに乗って記念撮影できるコーナーがありました。

子供たちが大喜びなのはもちろん、バイク乗りと思われる大人の方々も楽しそうに撮影されていましたし、私にとっては取り締まられた時くらいしかしゃべる機会がない白バイ隊員さんたちと、楽しそうにおしゃべりをされている方々もいらっしゃいました。


▲記念撮影のために乗車できるパトカー(高速道路交通警察隊のクラウン)


▲実際にまたがれる白バイ

13:00
開会式が始まりました。
挨拶をするのは関係者一人だけで、内容は簡潔。素晴らしい!

開会式で一番時間がかかったのは、参加する選手の紹介といっても過言ではありません。


▲整列して開会式を待つ白バイ大会参加選手と見学者、競技コースの様子

なお、出場した選手は白バイ経験が3年未満の警察署新人乗務員の部が8名、白バイ経験3年以上の警察署一般乗務員の部が8名、そして交通機動隊に所属している、または所属していた交通機動隊経験者の部が8名の合計24名です*2

13:10
開会式が終了し、本部前のホームストレートにパイロンを並べる作業が始まりました。
その作業の間観客が退屈しないよう、おしゃべりが上手な司会の方が競技の説明をしたり、白バイ特別訓練員*3が8の字走行などのデモンストレーションを披露。

司会を担当されていた男性も、元白バイ隊員だそうです。


▲司会者(中央の2名)の両脇にいる2名は白バイ特別訓練員


▲目の前で見る8の字走行はすごい迫力

今回の競技種目は「傾斜走行操縦(スラローム)競技」のみ。

◆傾斜走行操縦競技◆
指定された複合コースを正確に走行する技能を競うもので、バランス、乗車姿勢、ブレーキの使い方、アクセルワークなど総合的な運転技能を競います。
コース逸脱やパイロンタッチ等を減点対象として採点を行います。
(出典:兵庫県警察 第11回兵庫県警察白バイ安全運転競技大会開催のお知らせ)


www.youtube.com
▲参考資料:無観客で、免許試験場ではない施設で実施された第10回大会の動画(兵庫県警の公式動画)

最後に2名の特別訓練員が競技コースを一周し、コースレイアウトを観客に見せてくれました。

これによってバイクがどこをどう走るのか予習できますし、撮影に適した場所を探すこともできるというわけです。

観客への配慮が行き届いています。


▲コースは免許試験場内の敷地に三角コーンを並べて作られていた

続いて、警察署新人乗務員の部に参加する8名がテスト走行を行いました。
全員がコースを一周したら、いよいよ本番の開始。

本番では8名が順にコースを2周し、良い方のタイム(得点)が採用されます。


▲コース内各所に配置された審判員(彼らも白バイ隊員)が全員白旗を上げると、準備完了

ゼッケン1番の選手がスタートし、コースの四分の一か三分の一まで進んだところでゼッケン2番の選手がスタートするという風に進むため、コース内では複数のバイクが走ることになります。


▲競技に使用するのは、赤色灯のない白バイ


▲時間の節約のためかコース内では充分な間隔をあけて複数のバイクが走る


▲私の地元、姫路警察署の白バイ隊員

警察署新人乗務員の部が終了すると、原付が2台コース内に入っていきました。
原付で逃走する犯人を追跡するデモンストレーションでもするのかと思ったら、コース内の審判員から記録用紙を回収するためでした。

白バイ隊員が運転すると、原付でも速いし加減速が滑らかです。


▲コース内の審判員から記録用紙を回収する原付(審判員も原付に乗っている人も白バイ隊員)

次は警察署一般乗務員の部8名によるテスト走行、本番走行が行われ、最後は交通機動隊経験者の部が行われました。

部門が違ってもやることは同じ。
とはいえ、やはり経験者や交機の隊員の運転は新人乗務員と明らかに違います。

例えば、コースの最後は観客席のすぐ前にあるヘアピンカーブを曲がらないといけないのですが、新人乗務員の場合はここで大きく減速するのに、経験者や交通機動隊の隊員のスピードの落とし方は最小限。


▲交通機動隊所属の女性隊員が客席の目の前にある最終ヘアピンカーブを曲がる様子

最後はポールが並ぶ中を、ポールに接触しないようにバイクを左右に小刻みに振って通過しますが、経験者や交通機動隊はバイクをポールに当てません。


▲立ち並ぶポールの中を通り抜けるとゴール

14:10頃

3つの部門すべての競技が終了しました。

心地よいバイクの音と排気ガスの匂いに包まれ、たっぷりと白バイ隊員の運転技術を見学することができて大満足。

と思っていたのですが、この後でさらに白バイ隊員のすごさを思い知らされることになります。

14:18頃
アトラクションが始まりました。
まずは、兵庫県警白バイ特別訓練員によるデモンストレーション走行です。


▲アトラクション開始前に整列した特別訓練員

特別訓練員は通常の制服を着用し、赤色灯付きの白バイで競技コースを走行してその腕前を披露してくれました。

さすがにサイレンは鳴らしませんが、赤色灯を回しながら走るとますますカッコいい。


▲フル装備の白バイ隊員によるスラロームコース走行の様子

ちなみに、白バイの車種はホンダのCB1300で、警察用に改造したものだそうです。
名前の通り、排気量は1,300c.c.。重量は300kg…

そんな巨体のバイクを軽々と乗りこなす白バイ隊員さんたちはカッコよすぎ。

街中で車の運転中に出会うと、何も悪いことをしてないのに緊張してしまうんですが、普段は目にすることのない高い技術を見せられたら見惚れます。

続いてはカルガモ走行。
カルガモ親子のように全員が短い車間距離で一列に並び、スラロームコースを走行します。


▲カルガモ走行の様子

次のアトラクションの準備の間、白バイ隊員が体力錬成のために行っているというトレーニングが披露されました。
それは、エンジンを切った白バイを押して走るというもの。

タイヤで転がるとはいえ、重さ300kgの白バイを押して走るのは大変そう。


▲白バイを押して走る様子

2名の特別訓練員がへとへとになりながら白バイを押している間に用意されていたのは、ジャンプ台などの障害物。

続いてのアトラクションは、トライアルバイクによるデモンストレーション走行です。

白バイ特別訓練員は災害現場へ出動することもあるため、悪路を走れるトライアルバイクの訓練も行うとのこと。
白バイの訓練だけでも大変なのに、頭が下がります。


▲トライアルバイクでジャンプをする様子


▲障害物を乗り越える様子


▲シーソーの上を通過する様子


▲大きなタイヤを乗り越える様子

スロープどころか、踏み台になるものも無しでトラックの荷台に上がる技も披露。


▲トラックの荷台へ上がる様子

この後は、再び白バイを使用したデモンストレーションに戻りました。

まずは白バイにまたがって立ったまま、足をつかずにその場にとどまるというテクニック。


▲エンジンをかけ、ほとんどその場を動かず、倒れないように立ち続けている様子

次は、同じことを座った状態で披露。
このアトラクションの司会を担当されていた教官によると、立った状態よりも座った状態の方が難しいそうです。

緊張感が表情から伝わってきました。


▲座ったまま倒れずにその場にとどまっている様子

最後は、特別訓練員6名によるテクニカル走行。

ブルーインパルスの白バイ版といったところでしょうか。
一糸乱れぬ動きにしびれます。


▲6台が密集してスラローム走行をしている様子


▲3台ずつ交互に逆方向へスラローム走行している様子

15:00頃
特別訓練員によるすべてのアトラクションが終了。

見ごたえがありました。
まだ行かれたことがない方には、これはぜひ生で見ていただきたいです。

白バイ安全運転競技大会を見れば、白バイ隊員さんたちを見る目は確実に変わると思います。

15:05頃
閉会式が始まりました。

各部門で最も高い得点を取った3名にメダルと賞状が渡され、第11回 兵庫県警察白バイ安全運転競技大会は終了。

免許試験場前のバス停は行列がすごかったので、往路と同様に「明高下」バス停へ徒歩で移動し、そこから路線バスで明石駅へ戻りました。

*1:明石高校の略称が明高で、明石高校の下にあるバス停だから「明高下」という名前になっています。

*2:白バイ隊員は、警察署に所属している場合と、県警本部の交通機動隊に所属している場合があります。前者は所轄範囲内でしか行動できませんが、交通機動隊は広範囲で取り締まり活動を行えます。

*3:白バイ乗務員の指導者育成や、全国白バイ安全運転競技大会での上位入賞を目指して日々訓練に励んでいる白バイ隊員。