播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

令和5年度 阪神基地隊サマーフェスタ

本日は、久しぶりに自衛隊のイベントに出かけてきました。
行ったのは海上自衛隊 阪神基地隊のサマーフェスタです。

今回のイベントで一般公開される船は、油槽船1号(YOT-01)と潜水艦なるしお(SS-595)。

油槽船*1も潜水艦も珍しい船ですから、今回は貴重なチャンス。


▲阪神基地隊の全景(油槽船1号の船橋から撮影)

イベント名称: 令和5年度 阪神基地隊サマーフェスタ
日時: 2023年06月17日(土)10:00~15:00(最終受付は14:30)
場所: 阪神基地隊(神戸市東灘区魚崎浜町37)
内容: 潜水艦、油槽船1号一般公開、呉音楽隊演奏会、陸自・空自装備品展示、支援船体験航海など
備考: 事前申し込み不要。シャトルバスの運行はありません。駐車場は神戸運輸管理部が利用可能(阪神基地隊から徒歩10分。基地内に駐車場はありません。)。艦艇見学時は服装の制限あり*2。酒類や危険物、ペットの持ち込みは禁止されています。金属探知機による身体検査や、手荷物検査があります。イベントの内容によっては、家族連れが優先される場合があります。

09:41
我が家の最寄り駅であるJR姫路駅から野洲行の新快速電車が発車。

10:21
三ノ宮駅で下車し、JR三ノ宮駅を出て阪神電車の神戸三宮駅へ向かいます。

10:30
阪神電車の神戸三ノ宮駅を大阪梅田行の直通特急が発車。

10:36
御影(みかげ)駅に到着。
直通特急から各駅停車に乗り換えます。

10:39
大阪梅田行の各駅停車が御影駅を発車。

10:44
阪神電車の青木(おおぎ)駅で下車。

ここから阪神基地隊までは、およそ2kmの道のりを徒歩で移動します。

青木駅を出たら高架に沿って東へ30mほど進み、南北に走る道路(青木駅前線)に入るため右折。
そのまま青木駅前線を南へ進みます。

阪神高速3号神戸線の下をくぐってさらに南へ進み、東西に走る青木・魚崎線に突き当たったら右折して道なりに西へ。

南天上橋を渡り、「ダイハチ」と書かれた青い建物のある名前のない交差点を左折。

プジョーのディーラーを左に見ながら南下し、東魚崎大橋を渡って「兵庫県自動車整備会館」に突き当たったら、左折して阪神高速5号湾岸線の高架下を東へ。

400mほど東へ進むと道は右へ直角に曲がり、南へ向きを変えます。
道なりにしばらく南へ進めば、本日の目的地である阪神基地隊です。

https://goo.gl/maps/GeynkfeidUqyqTYE6
▲阪神基地隊の位置

11:15
阪神基地隊に到着。


▲海上自衛隊 阪神基地隊

入口を入ったら、まずは金属探知機を持った隊員さんに検査をしてもらいます。
引き続き、テント内の机に鞄を置いて手荷物検査

問題なしと判断していただいたら、基地の中へ入れます。

基地に入ってすぐの場所には、人だかりができていました。
ちょうどこれから呉音楽隊が演奏を始めるところだったようです。


▲呉音楽隊の演奏を聴くために集まった人たち

「音楽を聴くために人が集まっているということは、油槽船や潜水艦の見学をする人が少ないかも」と期待して油槽船1号を見に行くと、目測で100m以上の行列が…


▲東側の岸壁に、船首を北に向けて停泊中の油槽船1号(壁の向こうに行列に並んでいる人の頭が見えている)

「潜水艦はもっと人が多いのかな」と不安に思いながら、航空自衛隊が展示しているペトリオット発射機や陸上自衛隊の81式短距離地対空誘導弾(対空ミサイル)を見学しつつ、潜水艦が停泊している南側の岸壁へ。


▲地対空誘導弾ペトリオットの発射機


▲発射機に搭載されているのはPAC-3(右)と同MSE(左)のダミー*3


▲81式短距離地対空誘導弾


▲81式短距離地対空誘導弾のミサイル本体(ダミー)

潜水艦がある南側に回ってみると、そちらは思いのほか人が少ない!

しかも、潜望鏡を上げ下げしたり、周囲を見渡すように回転させたり、潜舵を動かすデモンストレーションまで行われており、人が少ないため間近でじっくりそれらを見学できました。

潜望鏡が上下するときも、潜舵が動くときも、まったく音がしません。

潜水艦はうかつに音を出すと相手に自分の存在を気づかれてしまいますから当たり前のことなのかも知れませんが、あんな大きな舵が無音で動く様子は驚きです。


▲南側の岸壁に船首を西に向けて停泊している潜水艦なるしお(SS-595)


▲潜舵を動かす展示(無音で動く)

今回展示されていた「なるしお」より少し大きい「たいげい」型潜水艦ですが、潜舵を動かす展示の様子がYouTubeにありましたので、転載します。

国際観艦式2022のフリートウィークでの展示のようです。


www.youtube.com

潜水艦は上甲板に乗ることができますが、その甲板につながっている舷梯前に行列はありません。
「これはチャンス!」ということで潜水艦なるしおの上甲板へ。

潜水艦の表面はなめらかだろうと勝手に想像していましたが、実は開口部や凸凹が多いんですね。


▲潜水艦なるしおの上甲板の表面


▲こんな角度から潜水艦を見られる機会なんてそうそうありません


▲潜水艦なるしおの艦尾

「上甲板に乗るだけなんて、大したことないんだろうな」と行く前は思っていましたが、乗ってみると想像よりずっと楽しく、年甲斐もなく興奮してしまいました。

「油槽船1号型の行列は短くなったかな」と期待して東側の岸壁に行くと、まったく縮まっていません。次から次へ見学者が来るようです。

11:40
炎天下で待つのは苦痛ですが、せっかくここまで来たので、油槽船1号の見学待ち行列の最後尾へ並ぶことに。

並んでいる間に聞こえてきた呉音楽隊の演奏が、行列が苦手な私の心の苦痛を和らげてくれました。


▲油槽船1号の船首(乗船待ち行列に並んでいる間に撮影)

12:10
行列に並んでからおよそ30分。いよいよ乗船です。


▲油槽船1号に乗り込むときは船尾(奥)側の舷梯、下りるときは手前の舷梯から

乗船後は、外階段で船橋の最上階へ上がります。
その時、先ほど見学した潜水艦なるしおの全景を見下ろすことができました。


▲油槽船1号の船橋外階段から見た潜水艦なるしおの様子(12:00~12:30の間は公開が中断されていたため、上甲板に誰も上がっていません)


▲船橋に入る直前では、上部構造物を間近に見ることができた(はためいているのは信号旗で、「WELCOME」という意味になるよう並んでいる)

12:23
船内も行列になっていて、乗船してから13分ほど経ってから船橋(せんきょう。船の操縦をする部屋。)に入れました。

船橋内は、なかなかの混雑です。


▲船橋内は非常に狭い


▲船橋から見た油槽船1号の甲板(左側は見学待ち行列)


▲船橋の天井に取り付けられている「現在の速度を示すランプ」(エンジンテレグラフの表示灯)


https://shimiken1206.sakura.ne.jp/panorama/hanshinkichitai20230617/index.html
▲油槽船1号の船橋内で撮影した全天球パノラマ(RICOH THETA Z1で撮影)

船橋を見終わったら、船長室と船員室(船長室の隣にあったので、船員の中でも偉い人用かな?)を廊下から覗き、下船しました。


▲油槽船1号の船長室


▲油槽船1号の船員室


▲船内は自衛艦というより民間の船のような雰囲気


▲下船する直前では、甲板を間近に見られた(立ち入りは禁止)

12:30頃
下船しました。


▲油槽船1号の船尾(護衛艦ではないため、自衛艦旗ではなく日の丸を掲げている)

ということで、油槽船1号の公開範囲は船橋内だけで、船員用の居住空間や化学工場のような雰囲気の甲板は立ち入り禁止。

それでも、船橋から配管だらけの甲板を見下ろせたのは貴重な経験になりました。

普段入れないところに入れるというのは、何歳になってもうれしいものです。

下船後、船の脇に設置されていたテント内に艦艇の種別を表す「記号」の説明や、油槽船1号の名前の由来が書かれた資料があったので、それらも見学。


▲艦艇の種別を表す記号の説明(テント内に設置されていた資料を撮影した写真をもとに、当ブログ管理人が作成)

「YOT01」の船名は?

自衛艦には、それぞれの艦に名前が付けられているのはみなさんご存じでしょうか。
名前を決める基準は、次のようになっています。

護衛艦は「天象・気象、山岳、河川、地方の名」

潜水艦は「海象、水中動物の名、ずい祥動物の名」

機雷艦艇は「島の名、海峡(水道・瀬戸を含む。)の名、種別に番号を付したもの」

輸送艦艇:「半島(岬を含む。)の名、種別に番号を付したもの」

補助艦艇:「名所旧跡の名、種別又は船型に番号を付したもの」

支援船の名前は「種別に番号を付したもの」と決められているため、自衛艦のように、ひらがなの名前ではなく種別である油槽船に番号の01で「油槽船01(油槽船1号)」となります。

輸送(ゆそう)艦と油槽(ゆそう)船が似ているので、聞き間違えを防止するために「YOT01(わいおーてぃーぜろいち)」と言うこともあります。

(出典:油槽船1号一般公開時の展示資料から一部を抜粋)

12:45
テニスコートに設営されているテントで売られていたお土産を購入し、基地を後にしました。

13:15
往路を逆にたどって青木駅に到着。

阪神電車の神戸三宮駅でJRに乗り換え、神戸で遅めの昼食を食べてから帰宅。


▲本日購入したお土産(貴重品袋と、銘板をデザインしたステッカー。貴重品袋は、山歩きの時にスタッフサック(荷物を小分けするための袋)として使おうかな。)

*1:タンカーです。洋上で他の船に給油する補給船ではありません。

*2:艦上は突起物や物が引っ掛かりやすい部分が多く、階段は梯子のような急角度です。そのため、歩きづらいハイヒールやサンダル、脚の動きが制限されるスカートでの見学は禁止されています。サンダルが禁止されている理由には、足を保護できないという理由もあります。艦上や艦内は床に突起物が多く、階段も安全性を考慮した造りになっておらず、足を怪我する可能性があるためです。阪神基地隊に限らず、艦艇見学が行われるイベントでは、性別や年齢に関係なく「動きやすい」「足を保護できる」「突起物などに引っかかりづらい」「狭い場所でも他の方の邪魔にならない」「急角度の階段で下から覗かれても問題のない」服装で参加することをお勧めします。

*3:MSEは「Missile Segment Enhancement」の頭文字を取ったもので、PAC-3の性能をより向上させたもの。ペトリオットミサイルの中では、2023年時点で最新のモデルです。