播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

アウトドア用の補修用具:EXOTAC ripSPOOL(リップ・スプール)

以前スーツを着たまま軽作業をしたときに、ズボンの尻の部分が裂けたことがあります。
その時の応急処置で役立ったのは安全ピンとガムテープ。

何本かの安全ピンで裂けた縫い目をつなぎ合わせ、ズボンの内側からガムテープを貼って、一見しても破れていることが分からない程度に直せました。

アウトドアでも手近にそういった道具を用意しておくと、衣類や雨具、テントなどが破れた時にサッと応急処置ができて便利。

というわけで、アウトドア用の補修用具を購入したので紹介します。

概要

アルミ削り出しのかっこいい製品を得意としているブランド「EXOTAC(エクソタック)」から売られている、アウトドア用の補修キットです。

付属しているのは、縫い針、そしてダクトテープ(強力なガムテープ)。
提げヒモにはFirecord(芯が着火剤になっているロープ)が使われているため、非常時には火種としても使えます。

仕様


▲ripSPOOLのパッケージ

製品名: EXOTAC ripSPOOL(エクソタック・リップスプール)
メーカー: Exotac, Inc.(アメリカ)
サイズ: 全長 約8.5cm、直径 約2.4cm(カタログ値)
カラー: オレンジ、ガンメタル、オリーブ、ブラックの4色展開
材質: アルミニウム
重量: 約54g(カタログ値)
生産国: アメリカ
アメリカでの定価: $32.95 USD
購入価格: ¥3,960(税込)
購入先: ハイキングサポート アドスポーツ(兵庫県姫路市)
備考: この記事の画像にあるのは、色がオレンジの製品です。

機能

ripSPOOLには前述の通りダクトテープと糸、そして針が内蔵されています。


▲ripSPOOL(オレンジ)(新品の状態のため糸に透明フィルムが被さっている)

糸を縫い付けるための針は、糸巻きを兼ねたねじ込み式のキャップを外すと姿を現します。

針はメーカーサイトの表記で「sail needle」ですから、日本語では「帆差針」とか「セール針」と呼ばれるタイプのものかな。

針の太さは、厚手の生地に対応できる16号。


▲キャップを開けると針が出てくる(安全のため針先がキャップに差し込まれている)

針は、キャップの内側に仕込まれたOリングの摩擦抵抗で固定されているので、引っぱれば簡単にキャップから取り外せます。


▲キャップから針を抜いた様子

収納状態では針の先がキャップの中に押し込まれていますが、硬い生地に針を通すときは逆向きに針をセットすることで、手のひらを使って針を強く押し込み、分厚い生地を貫通させることも可能。


▲針の尻をキャップに挿すと…


▲手のひらで針を厚手の生地に押し込めるようになる

キャップに巻かれている糸の長さは、約18m
携帯時は糸の端をキャップの穴に通しておくと糸がほどけづらいので、安心です。


▲キャップに書かれた「ripSPOOL」の「P」の上に小さな穴があるので、外から中へ糸を通す


▲キャップの縁の内側に出てきた糸

この糸はかなり丈夫(耐荷重約13kg)なため、別途刃物を用意しておかないと切れません。

裁縫ができない私にとってripSPOOLの針と糸はあまり役に立たないかも知れませんが、安全ピンがその代わりをしてくれます。

私は別途購入したNo.1サイズの安全ピンを3本、本体内に収納しました。

本体内の円筒形の空間は針を入れておくだけにしては広いため、安全ピンのような小物も収納できるのです。

安全ピンはもっと入れられるかも知れませんが、詰まって取り出せなくなると困るので、3本だけにしています。


▲針が収納されている円筒形の空間


▲私のripSPOOLは中に安全ピン(サイズはNo.1)を3本入れている

本体にはガムテープよりも粘着面が強力なダクトテープ(長さ約1.3m)が巻き付けられています。

私の場合は、針と糸よりもダクトテープの利用頻度の方が高そうな気がします。
なにせ裁縫ができませんから…

ダクトテープは、非常時には着火剤にもなります。


▲本体に巻かれたダクトテープ

携帯性

ripSPOOLは手のひらサイズで、一式の重量はわずか57g。
救急用品のポーチに入れて山歩きに持って行けます。


▲ripSPOOLの大きさ(私の手とのサイズ比較)


▲重さは実測で57g

長所・短所

実際に山中で使ったことがないため、使い心地や長所、短所は分かりません。

最後に

こういった非常用の道具は、使うことが無いのがベストです。

幸いなことに、今までの山歩きでこういった補修用具が必要になったことはありませんが、今後も発生しないとは限りません。

実際、山の中で剥がれ落ちた靴底を見たことがありますし、岩場にこすりつけたバックパックの生地が裂けたハイカーを見たこともあります。

靴底が剥がれた場合はダクトテープで補修できそうですし、バックパックの生地が裂けた場合は縫い合わせたり、荷物が少ない方なら安全ピンで裂け目を留めてダクトテープを貼るだけで済むかも知れません。

かっこいいし携帯性も高いので、アウトドアを楽しむ方は装備の中にこれを取り入れて損は無いと思いますよ。

参考情報

アウトドアで使用する粘着テープであれば、ヤマト株式会社から販売されている「OUTDOOR TAPE」も便利です。

幅5cm、長さが3mあるガムテープ(布テープ)がコンパクトに折りたたまれたもので、ガムテープの側面にホコリが付かないよう、ジッパー付ナイロン袋に入った状態で売られています。

重さは袋に入った状態で約46g。

色もカラフルで、袋のデザインも楽しげです。
価格は1つが¥500~¥600ほど。


▲ripSPOOLとヤマトのOUTDOOR TAPEのサイズ比較

ripSPOOLほど大げさなものは必要ないという場合は、OUTDOOR TAPEの袋に安全ピンや最低限の裁縫用具を一緒に入れておくだけで良いかも。