エスビットのポケットストーブは、私が山歩きを始めた当初から愛用していた道具の一つ。
これには風に弱いという致命的な欠点があり、使用する時は屏風のような風防を別途準備していました。
▲私が使っている旧西ドイツ製のエスビットポケットストーブ(この画像で前後方向からの風が吹くと使い物にならない)
最近になりエスビットからはミディアムサイズのストーブが発売されましたが、それには純正の風防が付属しています。
▲ミディアムサイズのエスビットポケットストーブには風防が1枚だけ付属する
しかし、風防が1枚だと防風性能は今ひとつ。
Googleで検索してみると、風の通り道となる部分の両側をふさぐための風防を自作している方々の記事がたくさん見つかりますが、きちんとした物を作るのは面倒臭そう。
というわけで、嵩張って邪魔ですが屏風のような風防をエスビットポケットストーブといつも一緒に持ち歩いていました。
そんなある日、100円ショップのダイソーに出かけたところ「ポケットストーブ専用風防」なる商品を発見。
ダイソーが販売しているエスビットもどきのポケットストーブ用ですが、「エスビットをパクって作っているんだから、本家のエスビットポケットストーブにも合うだろう」と考えて購入しました。
概要
昔からある通常サイズのエスビットポケットストーブと、それをモデルにした類似品で使える風防です(本来はダイソーのポケットストーブ用)。
ポケットストーブの風防は、もう自作しなくても良くなりました。
仕様
▲ポケットストーブ専用風防のパッケージ
製品名: ポケットストーブ専用風防
品番: B005 アウトドア 4793
寸法: 縦3cm×横8cm
材質: 亜鉛メッキ鋼板
生産国: 中国
価格: ¥110(税込)
購入先: ダイソー ひめじ岡田店
外観
金属板で自作しただけでは出せない「メカメカしさ」がある、板状の部品が2枚1組でパッケージに入っています。
メカメカしさを出しているのは、強度を出すためのリブと、二つの穴かな。
▲ポケットストーブ専用風防(左は表面、右は裏面)
風防は、厚さ1mmの板をプレス加工して作られています。
▲ノギスで板厚を測っている様子
重さは2枚で約33gです。
▲台所用のハカリで重さを量っている様子
使い方
使い方は簡単で、風防に開いている2つの穴をポケットストーブ本体の2つの突起に合わせるようにはめ込むだけです。
▲風防の穴とストーブの突起
▲ポケットストーブに風防をはめ込んだ様子
風防の上側の角は斜めに切り取られています。
それは、ポケットストーブのゴトクを斜めにしたときに風防が邪魔にならないようにするため。
ゴトクを斜めにするのは、直径が小さなクッカーやカップを乗せる時、あるいは風を防ぎたい時(風の通り道を狭くする)です。
▲風防上端の角は斜めに切られている
▲風防を付けていてもゴトクを斜めにできる
収納方法
ポケットストーブ専用風防は、ペーパータオル等に包んでポケットストーブ内に収納できます。
▲風防をペーパータオルに包んでポケットストーブ内に置いた様子
風防の性能
風防を取り付けた時と付けていない時とでどのくらいの違いがあるのか、実験してみました。
様々な方向から風が当たるようにするため、電動のターンテーブルを使用。
およそ50秒で1回転するものです。
その上にエスビットポケットストーブと温度計(温度ロガー)を置き、ターンテーブルの横には小型の扇風機を置いて風を当てました。
実際に山の上で使用することを想定し、扇風機の風はターンテーブルの中心付近で測定したときに風速が2.6~2.7m/秒(時速9km強。無風時に軽いランニングをして受ける風と同レベル。)になるようにしています。
レギュラーサイズのメスティンに室温の水350mlを入れ、エスビットポケットストーブには100円均一ショップで購入できるパック燃料をセットしてお湯を沸かしてみました。
風が入る隙間を減らすため、エスビットポケットストーブのゴトクは斜めに倒しています。
▲実験環境
結果は次のグラフの通りです。
扇風機で当てた風が強かったのか、風防を取り付けていても炎が揺れる大きな音がしていました。
それでも、風防の有無で違いがはっきりと出ています。
▲風防の有無による水温の変化の違い(パック燃料は8~9分で燃え尽きた)
▲この角度になると、風防があっても無くても炎が揺れる音が出ていた(風防がある時の方が静か)
最後に
たった110円(税込)で手作りより高品質な風防が手に入り、しかも前述の実験の通り効果は明白。
お店に在庫があるかどうかは分かりませんが、興味のある方はダイソーへお急ぎください。
長所
- 安い!
- 見た目がメカメカしくて格好いい(個人的な意見です)。
- 多少の風には効果的。
短所
- 両側に風防を取り付けると、中に入れた燃料に点火しづらい。