播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

トランギアのメスティン用純正アクセサリー:マルチボード

最近はストームクッカーや戦闘飯盒2型を使うのが楽しくて、メスティンの利用頻度が減っています。

そんなメスティン用のアクセサリーが本家のトランギアから新たに発売されたのを知り、使うかどうか分かりませんが、面白そうだったので購入してしまいました。


▲パスタを茹でた後、マルチボードを使って湯切りをしている様子

概要

トランギアのストームクッカー*1には「マルチディスク」というアクセサリーがありますが、今回紹介する「マルチボード」は、レギュラーメスティン、ラージメスティン用の「マルチディスク」と呼べる商品です。

まな板にもなるし、パスタを茹でたりした後の湯切りに使えるし、メスティンに入れた水の量を量れるという便利グッズ。

仕様


▲マルチボードのパッケージ

製品名: マルチボード(TR-603210)
メーカー: Trangia AB(スウェーデン)
輸入販売元: イワタニ・プリムス株式会社(東京都)
材質: ポリアミド(70%植物由来)
寸法: 84mm × 155mm × 厚さ3.5mm(カタログ値)
重量: 約45g(カタログ値)
耐熱温度: セ氏120度
耐冷温度: セ氏-20度
生産国: スウェーデン
定価: ¥1,430(税込)
購入価格: ¥1,430(税込)
購入先: sproutzero(姫路市)

外観

マルチボードは角が一つ欠けた角丸長方形をしており、片方の長辺に沿って湯切り用の穴が開いています。

湯切り用の穴の手前に目盛りのようなものが見えますが、それは後述します。


▲マルチボードの表面

裏面は表面と違って多くの浅い溝が彫られており、目盛り線も刻まれています。


▲マルチボードの裏面

サイズは、トランギアのレギュラーメスティンの内部にちょうど収まる大きさ。

この記事に登場する私のレギュラーメスティンは、2007年頃に専門業者さんにテフロン加工していただいたため、色が普通のメスティンとは異なっています。


▲トランギアのレギュラーメスティンにピッタリ収まる

角が一つだけ欠けているのは、メスティンの底から取り出すときに指を引っ掛けるためのものだと思います(私の勝手な想像です)。


▲欠けている角に指をかけるとメスティンの底から取り出しやすい

では、マルチボードに刻まれている目盛りを紹介します。
まずは表面。

表面に刻まれている目盛りは、メスティンを使って炊飯する際の米と水の量を示すものです。

下の画像で左下にある目盛りはレギュラーメスティン用、右下の目盛りはラージメスティン用で、レギュラーメスティン用の目盛りは0.5合、1合、1.5合用。ラージメスティン用の目盛りは1合、2合、3合用です。

※マルチボードの表記では「合」を表す英語の単位として「cup」が使われています。


▲マルチボード表面の目盛り

使い方は簡単で、まず米をメスティンに入れたらマルチボードをメスティン内に立て、炊く米の量に応じた目盛りの高さまで水を入れるだけです。


▲レギュラーメスティン内に、レギュラーメスティン用の目盛りが下になるようマルチボードを立てた様子


▲実際に1合の米と水を入れた様子(「1」の目盛りまで水を入れると、およそ220mlの水を入れたことになる。)

続いて、裏面の目盛りを紹介します。

裏面にあるのは、レギュラーメスティン、またはラージメスティンに入れた水の量を量るための目盛り

レギュラーメスティン用の目盛りは300~600mlまでで100ml刻み、ラージメスティン用の目盛りは600~1000mlまでで200ml刻みになっています。


▲マルチボード裏面の目盛り

例えばレギュラーメスティンに500mlの水を入れたい場合は、マルチボード裏面の目盛りが見える方向で、目盛りがある側を下にしてマルチボードをメスティン内に立てかけます。

そして、マルチボードの500mlの目盛りに水面が達するまで水を入れれば、500mlの水を計量できるというわけ。


▲レギュラーメスティンに500mlの水を入れた様子(左側の目盛りで「500」の位置に水面が来ている)

ラージメスティンの場合は600ml、800ml、1000mlの位置に目盛りがあるため、ラーメンを茹でたくても、袋麺で一般的に必要とされる500mlを正確に測ることはできません。


▲ラージメスティンに600mlの水を入れた様子

さて、マルチボードの裏面には目盛りよりもずっと目立つ溝がたくさん彫られています。

これはマルチボードで湯切りをする際に、マルチボードがずれてメスティン内の食材がこぼれ落ちないようにするためのもの。

レギュラーメスティンで湯切りをする場合、マルチボードを下の画像の様にセットします。


▲レギュラーメスティンで湯切りをするときの置き方(片手でメスティンの取っ手を持ち、飛び出しているマルチボードの端をもう一方の手で保持する)

これを裏面から見ると、次のようになっています。


▲レギュラーメスティンで湯切りをするときの状態を裏面から見た様子

メスティンを少しずらすと、マルチボードの溝とメスティンの縁がどのようにかみ合っていたのかが分かります。


▲メスティンをずらしたところ(メスティンの輪郭に合うよう溝が掘られていることが分かる)

ラージメスティンで湯切りをするときは、次のようにマルチボードをセットします。


▲ラージメスティンで湯切りをするときの状態

これを裏から見ると、下の画像の様になります。


▲ラージメスティンで湯切りをするときの状態を裏面から見た様子


▲ラージメスティンの縁は最も外側にある溝にはまる(赤線はラージメスティンの輪郭のイメージ)

この裏面の溝を利用すると、レギュラーメスティンとラージメスティンの上にマルチボードを安定して置くこともできます。


▲レギュラーメスティンの上にマルチボードを置いた様子(このように置くと、前後には動くが左右には動かない)


▲ラージメスティンの上にマルチボードを置いた様子(前後には動くが左右には動かない)

これは、マルチボードを「まな板」として使う時を想定した作りかも知れません。

まな板は不衛生な場所に置くべきではありませんが、アウトドアでの調理時にはまな板を安全に置ける清潔な場所はなかなか見つかりません。

メスティンの上にマルチボードを置けば、まな板を置くスペースが節約できますし、切って転がった食材がメスティン内に落ちる確立が高く、食品のロスも防げそうです。

最後に

メスティンを調理に活用している方にとっては、メスティン内に収納できて、湯切りや計量ができる便利な道具として活躍してくれるかも知れません。

一時のメスティンブームの影響で様々なメーカーがメスティンを作るようになりましたが、今回のマルチボードのような純正オプションがあるのは本家のトランギアくらいかな。

私の場合、山の上で米を炊くときは自宅で計量した水と米を密閉式の容器に入れて行く(歩いている間に米に吸水させることができる)ため、山の上で計量をすることはありません。

正直に言うと、マルチボードは麺を茹でた後の湯切りくらいにしか使っていません。

使う機会は少ないかも知れませんが、邪魔にならない大きさと形状ですから、メスティンの中に常に入れておいて損は無いと思います。

長所

  • レギュラーメスティンにピッタリ収納できる。
  • 湯切りや水の計量に使える他、まな板にもなるなど汎用性が高い。

短所

  • ラージメスティンで500mlの水を量る目盛りが無い。

*1:アルコールストーブを熱源とした調理器具。