袋ラーメンを作る際に麺を茹でやすい角型クッカーがありますが、SOTOブランドで板厚1.6mmという分厚い角型クッカーが2021年に発売になりました。
それだけ板厚があるとクッカー全体が温まって調理しやすそうですし、保温性もいいのかなと期待して購入してしまいました*1。
▲ミニマルワークトップとST-310を組み合わせた「ミニ台所」で、ミニマルクッカーを使って袋ラーメンを調理する様子(右はミニマルクッカー用に自作したコジー(断熱カバー)で、これにミニマルクッカーを入れて丼鉢のようにミニマルクッカーを手に持ち、食事をします。調理中はコジーを小物入れとして使いますが、これには軽いコジーが風で飛ばないようにするという目的もあります。)
ミニマルワークトップについては、以下の記事をご覧ください。
概要
袋ラーメンの麺を割らずに茹でられる、ラーメン作りにぴったりな角型クッカーです。
取っ手がクッカー本体に付いておらず、添付されているリフターでクッカーを挟んで持ち上げるように作られています。
▲パッケージ
仕様
▲ミニマルクッカーのパッケージ内容
製品名: ミニマルクッカー角 ST-3108
メーカー: 新富士バーナー株式会社(愛知県)
寸法: 幅147mm×奥行147mm×高さ80mm(カタログ値)
容量: 1.0リットル
総重量: 約375g(鍋本体+フタ=約306g、リフター=54g、収納袋=15g。カタログ値)
材質: アルミニウム(本体・フタ)、ステンレス(リフター)
板厚: 1.6mm(カタログ値)
生産国: 日本
定価: 5,500円(税込)
購入価格: 5,500円(税込)
購入先: sproutzero(姫路市)
備考: IHヒーターには非対応です。
外観
一見すると何の変哲も無い角型クッカーで、袋ラーメンを割らずに茹でられる、ちょうど良い大きさになっています。
▲ミニマルクッカーのフタを開けた様子
▲袋ラーメンがぴったり入る大きさ*2
フタは重く(約94g)、クッカー本体とフタの間の隙間が小さいので、水蒸気が逃げにくい構造です。
▲フタと本体の隙間は小さい
▲フタは本体の内側にはまり込む構造
▲隙間が小さくても炊飯時は水蒸気が噴き出す(右上に白く写っているのが噴き出した水蒸気)
フタについているツマミは一部が曲げられていて、倒した状態から起こしやすくなっています。
ツマミは摩擦抵抗により任意の角度で固定できるため、熱々のフタの上で火傷に注意しながら起こす必要はありません。
▲フタのツマミは、倒れた状態から起こしやすいように隙間ができる形になっている
クッカー本体の底はすぼまっているので、家庭用ガスコンロでミニマルクッカーを使おうと思うと、うまく乗せるのが大変。ゴトクの先端にバランスを取ってクッカーを乗せるような感じです(ゴトクのサイズによります)。
▲クッカー本体の底面はすぼまっている
外側がこのような形状ということは内側も同様に底部の角が丸まっているため、中の食品を掬うには便利。
クッカーには取っ手が付いていないので、調理の際は付属のリフターでクッカーを掴んで持ち上げることになります。
取っ手が無いため重量バランスが良く、取っ手の重さでクッカーがバランスを崩してストーブ上から落ちるということがありません。
▲付属のリフター
リフターはクッカーを挟む部分の反対側がトングになっているので、レトルトカレーなどを茹でる際は、安全にレトルトパックをお湯から取り出せます。
▲リフターはトングにもなる
リフターにはバネが入っていて常に開いた状態が維持されるのも、トングとして使いやすい理由です。
▲リフターはバネで常に開いた状態が維持されるので、トングとして使いやすい(開閉時の支点になるピンにバネが巻き付いている)
使い方
リフターでクッカーを持ち上げるときは、クッカーの角を挟んでください。
これは、パッケージの注意書きにしっかりと書かれています。
▲リフターでクッカーを持ち上げる時は、角を掴む
クッカーにフタを乗せたままでも、リフターでクッカーを持ち上げられます。
▲フタをしたままでもリフターで持ち上げられる
ミニマルクッカーで調理した食材を食べるときは、リフターでクッカーを持ったままだと疲れるため、私の場合は自作のコジー(断熱カバー)に入れ、丼鉢と同じように手に持って食事を楽しみます。
この時、取っ手がクッカー本体に付いていないミニマルクッカーは便利。
コジーに入れる際、取っ手が邪魔にならないのです。
▲リフターで掴んだミニマルクッカーをコジーに入れる様子
▲コジーに入れると、ミニマルクッカーを手に持って食事ができる
▲コジーは炊飯後の蒸らしにも役立つ
ミニマルクッカーに付属する収納袋のサイズもスゴイんです。
大きさに多少の余裕を持たせてあるのか、ミニマルクッカーをコジーに入れたまま収納できてしまいます。
ミニマルクッカーにストーブ等を収納し、リフターをクッカー内に収納できなくなっても問題ありません。
収納袋にクッカーを入れた後、空いた空間にリフターを入れて紐を絞れば収納袋の口が閉まります。
小型化、軽量化にこだわりすぎてギリギリのサイズで収納袋が作られていたら、こんなことはできません。
▲付属の収納袋は、コジーに入れたミニマルクッカーが収まる
▲収納袋は、コジーに入れたミニマルクッカーを収納した状態でしっかりと口が閉じる
見事なサイズで作られた収納袋ですが、一つ気に入らない点があります。
それは、口を閉じるための紐をOリングで留めるという仕組み。
個人的には、コードロックの方が好みです。
▲収納袋の紐は、Oリングで留める
他のSOTO製品との組み合わせ
私がミニマルクッカーを使う際は、レギュレーターストーブ ST-310とミニマルワークトップ ST-3107を組み合わせています(冒頭の画像参照)*3。
ミニマルクッカーは、これら2つの製品との相性が抜群。
例えば、レギュレーターストーブ ST-310は、ミニマルクッカーにピッタリ収まります。
▲ミニマルクッカーにST-310を入れた様子(実際はミニマルクッカー内部に傷がつかないようにするため、ペーパータオルやナイロン袋でST-310を包んでから収納します)
また、ミニマルクッカーはミニマルワークトップと合体が可能。
下の画像の様に、ミニマルクッカーとミニマルワークトップが一体化するのですが、山歩きでは特に利点になりません。バックパックの中に収納しづらいだけです。
キャンプだと、持ち運びに便利だと思います。
▲ミニマルクッカーをミニマルワークトップに合体させた様子
▲ミニマルクッカーはミニマルワークトップのレールに嵌まる
最後に
分厚いアルミでできていることによる高い保温性や、フタと本体のかみ合わせの良さは、他のクッカーには見られない特徴です。
これらの特徴は、袋ラーメンの調理や炊飯に最適。
▲ミニマルクッカーで一合の米を炊いた様子
私は山の上で幸せな時間を過ごす(景色と、温かい食事を楽しむ)ことを大切にしているので、ミニマルクッカーが多少重くても、値段が高くても気になりません。
そもそも、私の山歩きは日帰りの低山ばかりなので、荷物が多少重くなったところで大した影響がないのです。
私のような低山歩きが趣味の方は、ミニマルクッカーのような「登山向けというよりキャンプ向け」の製品を探してみるのも面白いと思いますよ。
長所
- 厚みが1.6mmもあるため頑丈で保温性が高い。
- これでご飯を炊くと、美味しい(気のせいかも知れません)。
- 付属のリフターは、トングにもなって便利。
- クッカーに取っ手がついていないので重量バランスが良く、ストーブの上から転落することがない。(一般的なクッカーだと、中の食材が少なくなると重量バランスが崩れ、取っ手の重さによりクッカーが傾いたり倒れたりすることがある。)
短所
- 重い。
- 価格が高いように見える(材料費や加工精度、日本製であることを考えれば妥当だと思います)。
- 熱伝導が良すぎて、ラーメンスープを飲もうと口を付けると、唇を火傷する。ラーメンのスープを飲もうと思うと、冷めるのを待たないといけない(アルミ製クッカーに共通の欠点です)。
- コジーは付属しない。別売でも存在せず、自作する必要がある(コジーが付属するクッカーの方が珍しいため、ほぼ全てのクッカーに共通の欠点です)。