一体型のガスストーブを山歩きで使うときは、背の高い屏風のような風防を使っていました。
ただ、あのような風防は強風で簡単に動いてしまい、風防としてまともに機能しないだけでなく、場合によっては風に煽られてストーブ上のクッカーに激突し、クッカーをたたき落とすことまであります。
▲強風が吹くと使い物にならない屏風状の風防
そんなわけで、風防を使わなくても済むように、一体型ガスストーブは風の弱い日の山歩きにしか使いませんでした。
しかし、今回紹介する風防に出会ってからは、風がある日でも山に一体型ガスストーブを持って行っています。
概要
クリップオン ウィンドシールドはガス缶の「首」に挟み込んで取り付けて使う風防で、一体型ガスストーブで利用できます。
ガス缶に固定されるため風に煽られて動くことが無く、絶妙なサイズにより携帯性も高い優れた風防です。
▲クリップオン ウィンドシールドをMSRの「ポケットロケット2」と組み合わせて使っている様子
愛読しているアウトドアブログ「自転車とアウトドアライフ(遊び)」の管理人さんがわかりやすい動画をYoutubeに投稿されているので、転載します。
仕様
▲クリップオン ウィンドシールドのパッケージ
製品名(日本語): クリップオン ウィンドシールド
製品名(英語): Optimus Clip-On Windshield
メーカー: Optimus AB(スウェーデン)*1
サイズ: 103mm × 115mm × 90mm(カタログ値)
重量: 87g(カタログ値)
材質: アルミ(硬質アルマイト加工済み)
定価: ¥1,760(税込)
購入先: ハイキングサポート アドスポーツ(姫路市)
外観
コップを真上から十文字に切って1/4にしたような形状の金属板2枚を、リベット留めの板バネで接続した構造です。
▲内側から見たクリップオン ウィンドシールド
▲側面から見たクリップオン ウィンドシールド
▲外側から見たクリップオン ウィンドシールド
▲底面側から見たクリップオン ウィンドシールド
使い方
底面の穴で、ガス缶の「首」を挟んで固定します。
クリップオン ウィンドシールドは、板バネの適度な弾力により、しっかりとガス缶の首を挟み込んでくれます。
▲クリップオン ウィンドシールドをガス缶に取り付けた様子
▲ウィンドシールドがガス缶の首を挟んでいる様子
クリップオン ウィンドシールドの内径は11cmほどなので、細長いタイプのクッカーとの組み合わせでしか使えません。
また、クッカーの直径だけでなく、ガスストーブのゴトクが大きすぎる(11cmを越える)場合も使えないので、お使いのクッカーやガスストーブのゴトクの大きさにご注意ください。
▲細長いクッカーとの組み合わせしか利用できない
収納時は、クッカーに被せるような形にします。
こうすると、クッカーを一回り大きくした程度の体積でウィンドシールドを携帯できるわけです。
▲クリップオン ウィンドシールドは、クッカーに被せて収納する
私は細長い形状のクッカーが好きでは無いですが、カップヌードル型チタンクッカーだけは例外。
カップヌードルやカップライスを収納できる小型のクッカーって、これ以外に見かけないような気がします。
カップヌードルやカレーメシを山に持って行くときは、カップヌードル型チタンクッカーの中にそれらを収納してカップが破損するのを防ぎ、単純にお湯が沸かせれば良いと言うときは、クッカーの中に110gのガス缶とMSRのポケットロケット2を収め、クリップオン ウィンドシールドを被せています。
▲カップヌードル型チタンクッカーは、中に110g缶とポケットロケット2が「辛うじて」収まる
▲ガス缶とポケットロケット2を収納したカップヌードル型チタンクッカーは、フタが若干浮く
最後に
クリップオン ウィンドシールドは、単体で見るとかさばる道具ですが、クッカーに重ねて収納できることを考えれば、ほとんど邪魔にならない便利な道具です。
石で風防を固定したり、手頃な石が見つからず風防を手に持って風を遮って使うのが不便だと感じておられるなら、こういった風防を使ってみてはいかがでしょう。
長所
- 屏風のような風防と違い、設置スペースが必要ない。
- ガス缶の首をしっかり挟んでその場で留まってくれるので、多少の風が吹いても平気。
短所
- 直径が11cmを越えない細長いクッカーしか使えない。
- 風を遮る範囲が180度なので、風向きがコロコロ変わる状況では、風を防ぎきれない。
- 風防が過熱されると、ガス缶に熱が伝わって危険。
*1:Optimusは、2007年にスイスのKatadyn Products Inc.に吸収されました。