播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

兵庫県加古川市の平荘湖周回

本日は、兵庫県加古川市にあるダム湖「平荘湖(へいそうこ)」を取り囲んでいる低山を周回してきました。

平荘ダム概要
目的 播磨臨海工業地帯に対する工業用水の供給及び一部を農業用水として供給する。
位置 兵庫県加古川市平荘町.東神吉町
集水面積 約1.6平方キロメートル
湛水面積 約1.0平方キロメートル
有効貯水容量 約9,000,000立方メートル
常時満水位 EL34.0m
第1ダム 型式 アースダム
     高さ 26.0m
     長さ 570.0m
第2ダム 型式 アースダム
     高さ 19.5m
     長さ 670.0m
第3ダム 型式 コンクリートダム
     高さ 15.7m
     長さ 165.8m
竣工 昭和41年5月
外周道路延長 約5km
(出典:第1ダム西端の看板)

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▲平荘湖(黒岩山からの下山時に撮影)

平荘湖の周りにある山並みを、北西の行者山から反時計回りに順番に歩くことにします。

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▲対応する地図は、国土地理院発行の2万5千分の1地形図「加古川」

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▲カシミール3Dで作成したルートの断面図

09:00
姫路市街の自宅を車で出発。

バイパスではない方の国道2号線を東へ進み、JR宝殿駅を過ぎてまもなくの「平津」交差点を左折し、高架になっている県道43号線に乗ります。

途中で加古川バイパスをくぐり、県道43号線を「平津」交差点から2kmほど北上したところにある「東神吉西(ひがしかんきにし)」交差点を右折。

県道43号線は広くて快適な道路でしたが、ここからは片側1車線で、場所によっては歩道もない道路です。

この道路を南東へ進むこと約1km、信号のある交差点(「平荘湖アクア交流館」「少年自然の家」「ウェルネスパーク」へ向かうには左折するよう表示した標識がある)を左折。ここからは県道387号線です。

県道387号線を北へ進んでいけば、やがて右手に平荘湖が見えてきます。

「加古川市立少年自然の家」を過ぎておよそ300m進んだ所で、左手にある平荘湖駐車場に車を置きました。

この駐車場から周回をスタートすることにします。

https://goo.gl/maps/k6zkj1sC4YF2FaSg8

▲平荘湖駐車場の位置

09:38
平荘湖駐車場に到着(地図中「P」)。
駐車場はほぼ満車で1台分の空きしかありませんでしたが、私が靴を履き替えたりしている間に数台が出て行きました。

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▲駐車場の様子

09:44
準備を整えて出発。
まずは行者山に登ることにしましょう。

車で走ってきた県道387号線を歩いて西に進みます。

550mほど進んだ所で、「加古川ウェルネスパーク」の看板が立つ分岐に出会います(地図中「ウェルネスパーク看板」)。
ここから右(西)へ分岐する道(歩道がある)に入りました。

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▲加古川ウェルネスパークの看板が立つ分岐(ここを右へ入る)

09:52
歩道を50mほど進むと右へ分岐する小径に出会うので、そちらへ進みます(地図中「歩道分岐」)。

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▲歩道から右へ分かれる小径に入った

石畳のような道を歩いていると、大歳神社の参道と小径が交差する場所に出会いましたが、参道を横切って直進。

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▲参道を横切って進んだ

09:56
参道を横切って間もなく、「黒岩山・神吉山」「小山・行者山」と書かれた道標の立つ登山口に出会いました(地図中「黒岩山登山口」)。

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▲黒岩山登山口

擬木の階段を登っていくと、間もなく岩肌を彫り込んで作られた石段の道になり、丁字路に突き当たりました。

丁字路の道標には左を指して神吉山、右を指して黒岩山となっており、行者山の名前はありませんが、行者山へはこの丁字路を左(「神吉山」方面)へ進みます。

(注:黒岩山の西側に延びている低い尾根一帯を「神吉山」と呼ぶそうです。)

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▲丁字路

丁字路から少し西へ進んだところで道が二股に分かれているように見える場所に出会いましたが、登山道は右。

左に行くと、「神吉山5号墳」と書かれた看板がありました。
ただ、どこがどう古墳なのか、見てもさっぱり分からなかったので長居は無用。

10:02
姫路火力東線47番鉄塔を左に見ながら、その横を通過(地図中「姫路火力東線47番鉄塔」)。

10:05
行者山の山頂に到着(地図中「行者山」)。
立派な石仏が3体並んでおり、少しだけ南方面の展望が楽しめる場所です。

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▲行者山の石仏

これらの石仏については、以下の記事の後半に詳細を書いています。
興味のある方は、こちらの記事もご覧下さい。

dfm92431.hatenablog.jp

10:10
続いては、黒岩山を目指しましょう。
石仏に挨拶をしてから、行者山を出発

もと来た道を引き返し、登りで出会った丁字路を黒岩山方面へ直進しました。

黒岩山への登りは、路面がほぼ全て岩。
イワイワした場所が大好きな私にとっては、気持ちよく歩ける道です。

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▲黒岩山への道の路面は、ほぼ全て岩

10:18
姫路火力東線48番鉄塔に出会いました(地図中「姫路火力東線48番鉄塔」)。

ここは、鉄塔下の石垣が何段にもなっており、下の方は歴史がありそうな石垣になっています。

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▲姫路火力東線48番鉄塔の土台になっている石垣

姫路火力東線48番鉄塔の少し先に展望の良い岩場がありましたが、先客がくつろいでいたので、少し展望を眺めるだけにして山頂へ。

10:22
展望の無い黒岩山の山頂を通過。
ここには、四等三角点標石(点名:天下原)が埋設されています。

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▲黒岩山の山頂

山頂を過ぎて少し東へ進んだところで、道標の無い分岐に出会いました。
地形図にもある分岐で、平荘湖を周回するには、ここを右へ。

黒岩山からの下山時は、木々の間から平荘湖を眺められます。
この記事冒頭に掲載した平荘湖の写真は、この時撮影したもの。

10:33
加古川ウェルネスパークの看板の少し北、下の画像の位置に下りてきました。

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▲黒岩山山頂からここに下りてきた

続いて登るのは鍋山。

ウェルネスパークの看板の南側、下の写真で中央に写っている階段が、鍋山への登山口です。

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▲鍋山登山口

物だらけで不気味な雰囲気の登山口を入ると、すぐにお墓に出会いました。
階段はお墓の前で終わり、そこから先は普通の山道になります。

10:39
鍋山に立つ神吉線21番鉄塔の下を通過(地図中「神吉線21番鉄塔」)。

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▲神吉線21番鉄塔下を通過

鉄塔下を通過して道の続きに入るとすぐ、鍋山の山頂があります。

境界標石が立つだけで展望は皆無なので、とっとと通過。

鍋山の山頂を過ぎると、眼下に平荘湖と第3ダムが見えてきます。
第3ダムの北端を目指して下っていくと、金網に囲まれた小屋のようなものに出会いました。

10:46
登山道は金網の左側を通り、上部に有刺鉄線が張られた金網の間から平荘湖の周回道路に出ました。

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▲第3ダムの北端に下りてきた

次に登るのは、平荘湖の南にある升田山(ますだやま)です。

第3ダムの天端(てんぱ)を歩いて南端まで行ったら、紅白の柵がある道に入ってください。

すると、すぐに升田山登山口に出会います。

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▲第3ダムの天端に設けられた道を南へ進む

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▲第3ダム南端、紅白の柵が設置された道へ入る

10:49
升田山の登山口に到着(地図中「升田山登山口」)。

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▲升田山登山口(右下の柱に「升田山」と書かれている)

歩く人が少なそうな道ですが、ここから南向きに進む間は一本道なので、道に迷う心配はありません。

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▲升田山への登山道の様子

尾根の肩に出れば、後はほぼ平坦な道。

所々で「升田山○号墳」と書かれた昭和52年の看板を見かけますが、盗掘を受けた古墳ばかりなので、どこが古墳なんだかさっぱり分かりませんでした。

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▲升田山2号墳について書かれた看板

展望が無く、動物の蹄の跡が散見される登山道を黙々と進んでいきます。

11:06
今までの看板と異なり、「升田山十○号墳(○は判読不能)」と書かれた金属製の標柱に出会うと、今まで南向きだった道は東へ向きを変え、下っていきます(地図中「金属標柱」)。

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▲道が向きを変える場所に立つ朽ちかけた標柱

ここから先は、何カ所か分岐のような場所に出会いましたが、いずれも測量用のピンクテープが木に巻かれている方の道に進むのが正解。

測量用のテープは恒久的な目印にはなりません。
テープが無くなっている場合は、GPSや地図、コンパスを使って進むべき方向を判断してください。ほぼ地形図の破線通りに道は付けられています。

登山道は東にいったん下った後、緩やかに登り返します。
その登り返した小ピークからは、これから登る升田山がよく見えました。

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▲升田山の西にある小ピークから升田山山頂を見る

この辺りで、ハイカーの団体さん1組と、単独男性ハイカーお一人とすれ違いました。
時計回りに歩くのが一般的なのかな。

11:18
升田山の山頂に到着(地図中「升田山」)。
境界標石と三等三角点標石(点名:上ノ山)が並んで埋設されています。

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▲升田山山頂の様子

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▲三等三角点標石(点名:上ノ山)と境界標石

山頂は南北に細長く、南側は南方面の大展望を楽しめますし、北は平荘湖を眺められます。

升田山山頂からの展望は、以下の全天球パノラマでご覧下さい。

パノラマ画面内左上のリストで「山頂(南側)」と「山頂(北側)」を切り換えてご覧いただけます。

https://shimiken1206.sakura.ne.jp/panorama/masudayama20200119/virtualtour.html

▲升田山山頂で撮影した全天球パノラマ

11:39
あまりにも景色が良いので、ついつい長居をしてしまいましたが、次の目的地である飯盛山に向けて升田山を出発。

升田山の山頂から北へ進むと、採石場の崖のすぐ上を歩く区間に出会います。
高所恐怖症の方には怖いかも知れませんが、私はこんな場所が大好き。

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▲採石場跡地のすぐ上、崖沿いの道(ドローンで撮影)矢印の先に私が立っています。

崖の上を歩く区間はごく僅かで、道はすぐに崖から左(西)へ離れてしまいますが、間もなく左側にも採石場跡地が現れます。高度感が楽しい。

尾根の北端付近で道は東へ向きを変え、小規模な採石跡を時計回りに回り込むように進み、丁字路に突き当たったら左へ。

木々のすき間から右下に周回道路が見えてくると、右への分岐に出会うので、そこから周回道路に下ります。

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▲最後はピンクテープのある分岐を右に曲がり、平荘湖の周回道路に下りる

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▲ここに下りてきた

東へ少し進むと、公衆トイレに出会いました(地図中「トイレ」)。
このルート上では貴重なお手洗いですが、あまり衛生的ではありません。

第1ダムの天端を東へ進み、第1ダムの東端まで来たら道なりに北へ向きを変えます。
次は第1ダムよりもずっと規模の大きい第2ダムの天端を北上。

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▲第1ダム(奥は嶽山)

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▲第1ダムの南面は太陽光発電用のパネルで覆われている

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▲第2ダムの天端を北上する(奥は飯盛山のある山塊)

第2ダムの北端から県道387号線に出たら、県道を西へ。

350mほど行ったところで平荘湖アクア交流館(閉館)に出会いますが、そのすぐ東に登山口があります。

12:28
飯盛山登山口に到着(地図中「飯盛山登山口」)。

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▲閉館した平荘湖アクア交流館横にある飯盛山登山口

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▲急な道を上る(奥に見えているのは神吉線24番鉄塔)

12:33
急な坂を5分も登れば、神吉線24番鉄塔に出会います(地図中「神吉線24番鉄塔」)。

「升田山でお昼ご飯を食べておけば良かった」と後悔しつつ、空腹に耐えながら、岩がちな道をさらに登って行きます。

12:39
小さな反射板の脇を通過(地図中「小さな反射板」)。

12:41
高砂火力線40番鉄塔を通過(地図中「高砂火力線40番鉄塔」)。

12:45
道標の無い分岐に出会いました(地図中「愛宕山分岐」)。
左が飯盛山で、右に進むと愛宕山です。

12:47
今度は道標のある分岐に出会いました(地図中「相ノ山・飯盛山分岐」)。
ここは飯盛山方面へ。

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▲相ノ山・飯盛山分岐

12:48
姫路火力東線51番鉄塔下を通過(地図中「姫路火力東線51番鉄塔」)。

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▲姫路火力東線51番鉄塔の下を通る

12:51
「大コース・中コース」の分岐に出会いました(地図中「大中コース分岐」)。

飯盛山は「大コース」方面です。

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▲大中コース分岐の様子(飯盛山は「大コース」方面)

大中コース分岐から僅かに下りますが、お腹が空いているのでなんだか腹が立ってきます。「どうせ登り返すのに、なんで下るねん!」と1人でブツブツ言いながら先を急ぎました。

12:57
ようやく飯盛山の山頂に到着しました。
しかし、山頂は図根点標石(三角点ではない)があるだけで、展望の無い狭い山頂です。

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▲飯盛山山頂の様子

https://shimiken1206.sakura.ne.jp/panorama/iimoriyama20200119/virtualtour.html

▲飯盛山の南側で空撮した全天球パノラマ

山頂の直前に見かけた岩場が食事に最適(地図中「展望岩場」)。
というわけで、すでに岩場で食事を楽しまれていた単独男性ハイカーの隣に陣取りました。

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▲飯盛山山頂南にある展望の良い岩場(ドローンで撮影)

この岩場は東側に大展望が広がっています。
その景色を楽しみながら食べた本日の昼食は、アルファ米の炒飯とインスタントのフカヒレスープ。

さらに、たまたま居合わせた単独男性ハイカーさんから、おやつを頂いてしまいました。ごちそうさまでした。

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▲本日の昼食(黄色いカップに被さっている銀色の物体は、自作の断熱カバー)

この単独男性ハイカーさんは升田山ですれ違った方で、時計回りに周回されたとのこと。

本格的な登山やロッククライミング、アイスクライミングまで楽しまれているそうで、好奇心が旺盛。私のドローンにも興味津々でした。

その方と色々とお話をしていたら、あっという間に時間が過ぎます。
経験上、山で出会う単独のハイカーさんは、面白い方が多い。

13:57
単独男性ハイカーさんは少し先に下山されたので、私は一人で下山開始。

飯盛山が最後の目的地だったので、後は駐車場へ下山するだけです。

12:47に通過した「相ノ山・飯盛山分岐」まで戻ったら、「相ノ山」方面へ。
分岐から岩がちな斜面を下り、相ノ山へ登り返す斜面の途中で、左へ道が分岐するのに出会いました。

地形図を見ると、相ノ山の南東を巻く道のようです。
下山の時に上り斜面に出会うと腹が立つので、その巻き道へ。

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▲相ノ山への上り斜面で出会った分岐

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▲巻き道の様子(奥に見えるのは高砂火力線39番鉄塔)

14:12
間もなく相ノ山から南へ下る道と合流し、その直後に高砂火力線39番鉄塔に出会います(地図中「高砂火力線39番鉄塔」)。

この鉄塔は、下が岩だらけ。
これは「兵庫県立考古博物館|埋蔵文化財保護の手引き」にある飯盛山5号墳かな。

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▲多くの岩を跨ぐように立つ高砂火力線39番鉄塔

14:17
平荘湖を見下ろせる岩がちな斜面を下り、神吉線23番鉄塔下を通過(地図中「神吉線23番鉄塔」)。

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▲神吉線23番鉄塔の先の風景(右下に駐車場が見えている)

麓に近づいてくると道標の無い分岐に出会いますが、人が多く歩いていそうな方へ進めば問題ありません。

14:25
県道387号線に降り立ちました。

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▲ここに下りてきた

県道を西へ進めば、すぐに駐車場です。

14:28
駐車場に到着。

帰路では姫路バイパスを利用しました。

15:00
自宅に到着。

駐車場が完備されているし、自由にルートを選んで好きなように歩けて(登りたくない山は、平荘湖の周回道路を歩いて通り過ぎることができる)、展望も楽しめる面白い山塊です。

歩く人はそれほど多くなさそうですが、升田山は展望が素晴らしいので、ぜひ歩いてみてください。


交通アクセス

公共交通機関を使われる場合は、JRの加古川駅から出ているウェルネスパーク行きの路線バスが利用できます。

ただ、数時間に1本しか運行されていないので、神姫バスのWebサイトで事前にバスの時刻を調べておいてください。