播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

兵庫県神戸市の五色塚古墳

今回の記事は、神戸市内にある観光スポットの紹介。
(注:この記事内で使用している写真は2019年1月19日に撮影したものですが、全天球パノラマ写真は2018年12月の平日に撮影したものです。)

JR神戸線の列車に乗っていると、垂水駅~舞子駅間で北側に埴輪が並ぶ古墳がちらりと見えます。
それが今回紹介する五色塚古墳(ごしきづかこふん)。

日本で初めて復元整備された大型の前方後円墳です。

「パワースポット」とかいう訳の分からない言葉で紹介されていることもありますが、そんなことは気にせず、歴史好きの方なら一度は足を運んでみることをお勧めします。


▲五色塚古墳のモニュメント

史跡 五色塚古墳
 見学の御案内
開園時間 午前9時より午後5時まで(入場は午後4時45分まで)
休園日 年末年始
入園料 無料
(出典:現地の看板)

お知らせ
12月から3月の間、月曜日は休園いたします。ただし、休日のときは、翌日といたします。
(出典:現地の看板)

史跡 五色塚古墳 小壺古墳
 五色塚古墳は、淡路島を望む台地の上に築かれた前方後円墳です。その全長は194mで、兵庫県で一番大きな古墳です。周囲を深い濠と浅い溝で二重に囲い、西側には円墳で、直径70mの小壺古墳が築かれています。この五色塚古墳は、全国的に見ると40番目前後の大きさですが、同じ時期のものだけと比べると、奈良県北部の大王墓(佐紀古墳群)と肩を並べる大きさです。
 4世紀の終わり頃、この古墳に葬られた人は、明石海峡とその周辺を支配した豪族だと考えられます。
神戸市教育委員会
(出典:パンフレット「史跡 五色塚古墳 小壺古墳」の表紙)

五色塚古墳への交通手段は、山陽電車か車が一般的。

山陽電車の場合は、普通車しか止まらない「霞ヶ丘」駅が最寄り駅です。
駅の出入り口から五色塚古墳の入口までは、約450m。不動産業界で一般的な80m/分というルールで計算すると、徒歩約6分。

霞ヶ丘駅(出入口は1箇所しかない)を出たら、すぐ右に見える細い上り坂に入って下さい。


▲霞ヶ丘駅を出たら、坂道へ入る

そうしたら、山陽電車の線路沿いに東へ進みます。300mほど進むと舗装が途切れて砂利道になりますが、そのまま東へ。


▲線路沿いに東へ進む


▲「五色山西」踏切を越えて更に東へ進む


▲途中に一部砂利道がある

砂利道を50mも東へ進めば、道は左へ直角に折れ曲がります。
ここで左へ折れた瞬間、目の前に巨大な前方後円墳である五色塚古墳の前方部が、そしてその先には小高い後円部が現れます。

初めて来たときには、ここで感動して立ち止まってしまいました。


▲突然姿を現す五色塚古墳

前方部を右に見ながら細い道を北へ進めば、前方部と後円部の境目辺りの西側にある入口に到達します。


▲五色塚古墳の入口

車の場合は、後円部のすぐ北にある駐車場に車を置けます。
駐車場に車を置いたら南へ進み、古墳に突き当たって右(西)へ。後円部沿いの道を反時計回りに進んでいくと、入口に到達します。
以下のURLをクリックすると、駐車場の位置がGoogleマップで表示されます。

https://goo.gl/maps/r5AaHkcDeyM2

▲五色塚古墳見学者専用駐車場の様子(無料)

見学するには、事務所に入って記帳する必要がありますが、個人情報を気にする人が多いためか「都道府県、市町村名」と「人数」しか書く欄はありません。


▲事務所外観

この事務所内には、五色塚古墳から発掘された埴輪などが展示されています。
記帳だけしてさっさと出て行くのは勿体ないので、展示品も見ていってください。


▲事務所内の展示品(一部)

五色塚古墳の見学ですが、まずは階段で前方部の北端付近に上がります。
それにしても、整備された巨大古墳の姿は美しい。


▲前方部の北端付近に階段で上る

現在は最上段にのみレプリカの埴輪が並んでいますが、往時は全ての段の周囲に埴輪が並んでいたそうです。

 整備に向けて発掘調査が始められたのは、昭和40年12月でした。
(中略)
その結果、古墳は三段に築かれ、斜面にはびっしりと石が葺かれ、各段の平坦面と頂上には、鰭付円筒埴輪(ひれつきえんとうはにわ)が立て並べられていました。一番下の段の葺石は付近のものですが、上二段の葺石は分析の結果、淡路島の東側の海岸で産出するものであることが分かりました。
(出典:パンフレット「史跡 五色塚古墳 小壺古墳」)

前方部に登っても、後円部が邪魔をして北側の展望が得られないので、さらに階段を登って後円部の頂上へ。


▲後円部頂上へ続く階段

後円部は周囲をレプリカの埴輪で囲まれただだっ広い空間で、360度の展望を楽しめます。


▲後円部頂上から見た西側の小壺古墳

史跡 小壺古墳
 小壺古墳は、直径70m、高さ約8.5mの円墳で、古墳の裾と濠の大部分は周りの道路敷までひろがっています。
 墳丘は2段に築かれており、墳頂部と中段の平坦面には、五色塚古墳と同形の鰭付円筒埴輪(ひれつきえんとうはにわ)がめぐらされていました。家形埴輪も数個分発見されています。斜面に葺石(ふきいし)はありませんでした。
 小壺古墳が造られた時期は、埴輪の形などからみて五色塚古墳と同じ4世紀後半ごろと推定されます。
 整備にあたっては、墳丘斜面に平坦面をつくらず、斜面全体に芝張りを行いました。
神戸市教育委員会
(出典:小壺古墳脇の説明板)


▲後円部北端付近から見下ろした見学者専用駐車場(赤枠内)


▲後円部から見た須磨の鉢伏山方面


▲後円部から見た東側の周濠と島状遺構


▲後円部から見た明石海峡大橋

後円部からの景色を楽しんだら、今度は階段を下りて前方部へ向かいましょう。
階段を下る時に見える前方部も美しい。

前方部の南端まで来たら、振り返って後円部の姿を楽しんで下さい。


▲後円部から見た前方部


▲前方部南端から見た前方部の頂部と後円部(階段の上に立っている人物の大きさから、古墳のサイズが想像出来ると思います)

後円部北端、後円部南端、前方部南端の3箇所で全天球パノラマを撮影したので、興味のある方は以下のリンクをクリックし、五色塚古墳からの展望をお楽しみ下さい。
五色塚古墳で撮影した全天球パノラマ(撮影日:2018年12月)

https://shimiken1206.sakura.ne.jp/panorama/goshikidsuka/virtualtour.html

※パノラマ画面左上のリストから「後円部(南端)」「後円部(北端)」「前方部(南端)」を切り換えて、それぞれの場所からの展望をお楽しみ下さい。
誰が葬られているのかもよく分かっていない古墳ですが、歴史好きな方ならこの景色を見ながら色々な想像を膨らませると楽しいでしょうし、私のように高いところからの景色が好きな方なら、単純に景色を眺めるだけでも満足できるはず。

私は何度かここを訪れていますが、他の観光客はほとんどいません。
ちょっと変わった観光スポットを探している方にはお勧めです。