播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

兵庫県たつの市の「みはらしの森」

2018年8月17日に神戸新聞で紹介されていた「みはらしの森」。
 
「涼しくなったら行ってみよう」と思っていましたが、充分に涼しくなってきたので、本日その「みはらしの森」を歩いて来ました。
 
ルートは、「みはらしの森」と呼ばれるエリアの東端から山に入り、西端まで縦走するというもの。
 
 みはらしの森は、どんぐりがなるコナラやアベマキの森です。春には木々の新緑とヤマザクラ・ヤマツツジなどの花たちが、秋には落葉樹の紅葉が私達の目を楽しませてくれます。また、展望の良い場所では、おだやかな瀬戸内海とその島々が眺められます。
 この森は、以前は薪炭林として利用されており、伐採や下刈りなど人の管理が行き届いた明るい森でした。しかし、薪や炭を使わなくなった今、常緑広葉樹や竹が次第に多くなり、暗い森となってしまいました。暗い森は景観上良くないだけでなく、その他の多くの植物の生育を妨げます。
 そのため、みはらしの森では、常緑広葉樹と竹を間伐し、明るく、様々な植物が元気に育つ森づくりを進めています。

【「新ひょうごの森づくり」に基づく里山ふれあい森づくり】
みはらしの森では、地域のみなさまのご協力のもと、森林整備や遊歩道の整備を行いました。日々の散歩や山菜採りや自然観察、ハイキングなどみなさまのスタイルで、この山との関わりを深めてください。
兵庫県・たつの市・(社)兵庫みどり公社

(出典:駐車場の看板)
▲対応する地図は、国土地理院発行の2万5千分の1地形図「網干」。
 
09:25
姫路市街の自宅を車で出発。
 
国道250号線を西へ進み、揖保川を越え、中川を渡って間もなく「ようこそ御津町へ」と書かれたゲートをくぐります。
このゲートからおよそ1.7km走ったところにある「綾部山入口」交差点を右折。
 
「綾部山入口」交差点から北へおよそ1.2kmの地点。
峠を越えて北へ下る道の途中(御津北グラウンドの手前)で右手に見える駐車場が、本日の出発地点。
 
駐車場は一見すると広いですが、北側の大半は使用不可(ロープが張られていて進入できない)で、ハイカーが車を置けるのは南端付近の小さなスペースです。
 
ここから「みはらしの森」の東端まで車道を歩き、山塊を西へ縦走してこの駐車場に戻ってくる予定。
 
10:00
駐車場に到着(地図中「P」)。
 
▲ハイカー用の駐車場(画像左側は入口がロープでふさがれており、手前側だけ進入が可能)
以下のURLをクリックすると、駐車場の位置がGoogleマップで表示されます。

https://goo.gl/maps/fz4kYt514v22
10:06
準備が整ったので出発。
 
峠を北へ下り、降りきった所にある交差点を右折します。
 
ここは峠を下る道が左にカーブした先にある交差点のため見通しが悪く、横断歩道はありますが、峠から猛スピードで下ってくる車が時々いるため、渡る前に耳を澄まして車が来ていないことを確認してから渡って下さい。
 
▲峠道を下り切った所にある交差点を右折する
 
住宅街の中を東へ進み、「シスナブ御津」(介護施設)前を通り過ぎてどんどん東へ。
 
交差点からおよそ1.2kmほど住宅街の中を歩いたところで、下の画像の場所に出会います。
ここで画像内の矢印の通りに歩いて一本南側の道へ渡り、橋を渡って山へ入って下さい。
 
▲川を渡って山に入る
 
10:26
すると、下の画像のような広場に出ます(地図中「入口広場」)。
ここは県道133号線から入れるので、こちらに車を置いてみはらしの森を歩いても良いかも知れません。
 
▲広場の様子
 
上の画像で中央に写っている軽四の奥から山道は始まっています。
 
10:29
山道をわずかに上がると、ツリーハウスとプレハブ小屋がありました(地図中「みはらし会活動拠点」)。
ここはみはらしの森を整備している「みはらし会」の活動拠点で、トイレを借りることが出来ます。
 
▲みはらし会の活動拠点
 
上の画像に写っているプレハブ小屋の奥に「朝臣3号墳 250m」と書かれた道標が立っているので、それに従って山の中へ。
 
ここにはみはらしの森の案内図があります。
後々役に立ちますから、デジカメかスマホで写真を撮っておくことをお勧めします。
 
(注:本日の駐車地点にも同様の案内図がありますが、あちらは南が上を向いた案内図なので、北が上になっているこちらの案内図の方が見やすいです。)
 
▲みはらしの森 案内図
 
▲「朝臣3号墳 250m」の道標に従って登山開始
 
最初は段々畑跡のような地形を左に見ながら歩きますが、すぐに自然林の中の緩やかな道に変わります。
 
▲朝臣3号墳への道の様子
 
10:39
「入口広場 250m」と書かれた道標のすぐ先で、右手に見える山頂へ続く丸太階段の道を登ると、朝臣3号墳(65m標高点)です(地図中「朝臣3号墳」)。
 
古墳の周囲だけ伐採されていますが、古墳の形状はよく分かりません。
 
▲丸太階段から見上げた朝臣3号墳
 
▲ドローンで撮影した朝臣3号墳(古墳の周辺だけ開けているのが分かる)
 
▲地上から見ると、なんとなく前方後円墳ぽく見える(左が後円部で右が前方部?)
 
10:54
朝臣3号墳(65m標高点)を出発。
 
みはらしの森の案内図によると、朝臣3号墳から直接西の山へは行けず、いったん南に下ってから峠道を横断しなくてはなりません。
 
というわけで、南へ下る道を探すことにします。
みはらしの森の案内図では朝臣3号墳の周囲を囲む道があり、その円形の道の南端から下りられるようです。
 
65m標高点から西へ下る道があったのでそれを下り、古墳を囲む道に突き当たったら左へ進みます。
 
すると、すぐに目的の道が見つかりました。
道標に「朝臣・釜屋方面」と書かれている方向にあるのが、南へ下る道です。
 
▲朝臣3号墳を囲む道の南端にある分岐
 
大小いくつかの削平地がある中を南へ下っていくと、65m標高点の南東麓に広がっている住宅地の西端に降り立ちました。
 
▲ここへ下りてきた
 
ここから峠道(2車線の車道)を170mほど上った所にある分岐を左に入ります。
 
▲峠道から左へ入る
 
11:07
分岐を左に入ってすぐ右側には、送電線巡視路の入口がありますが、今回はみはらしの森の遊歩道を歩きたいためそれを無視して坂を少し下り、「みはらしの森 朝臣2号墳 450m」の道標(小さな「雛山(ひなやま)城」のプレートもある)が立つ場所から丸太階段の道で山へ入りました(地図中「朝臣2号墳登山口」)。
 
▲峠道から左へ入ってすぐの道の様子
 
▲「みはらしの森 朝臣2号墳 450m」の道標のある登山口
 
2分ほど上った所で、二股の分岐に出会いました。
左は平坦な道、右はプラ階段のある巡視路です。
 
せっかく巡視路の入口を無視したのに、ここから巡視路に入ったら意味が無いので、ここは平坦な道へ。
 
▲遊歩道と巡視路の分岐(左へ進んだ)
 
「最近藪を刈り払った感」が強く残る遊歩道を進んでいると、三叉路に出会いました。
道標によると、左へ進めば「林の休憩所」、右に進めば朝臣2号墳です。
 
▲三叉路の様子
 
左の巻き道を進んで林の休憩所で小休止をしようと左へ進みましたが、「そういえば、登山口に『雛山城』と書かれたプレートがあったな。城跡を見てみよう。」と考え直し、三叉路へ引き返して朝臣2号墳方面への道に入りました。
 
11:21
雛山城跡のプレートが立つ小ピークに到着。
露岩が目立つ小ピークで、南側の斜面に何段かの削平地(笹藪になっている)がありました。
 
ここには、関西電力の相生線7番鉄塔が立っています(地図中「相生線7番鉄塔」)。
 
▲雛山城跡のプレート
 
▲小ピークの最高部の様子(背後に写っているのは相生線7番鉄塔)
 
雛山(ひなやま)
【城史】『ふるさと御津』に嘉吉の変(1441)で勝に乗じた山名軍が揖保ぞいに攻め下ってきたとき落城した城名の中に雛山付近の砦というのがある。何時築かれたかも城主の名も分からない。
【現状】御津の水源地が造られている雛山に城跡がある。標高120m、頂上は半分は岩盤よりなり平地を合せて16m×7.5mの平坦地がある。そこから南東へ高さ3mの岩盤の段の下に3つの平坦地がつくられている。上段のものは16.7m×6.7m、中段のものは17.4m×7.3m、下段のものは13m×5m下方は石垣で区切ってある。大きな郭はなかったようで砦程度のものであったことが推測される。
(出典:都道府県別 日本の中世城館調査報告書集成 第15巻 P237 
   兵庫県教育委員会・和歌山県教育委員会編 2003年4月30日発行 ISBN4-88721-446-4)
朝臣2号墳がどこにあったのか分からないまま(※)雛山城跡から北西へ下っていくと、先ほど引き返した林の休憩所を通る道が左から合流する地点に出会い、それを過ぎてすぐ先でまた三叉路に出会います。
 
※帰宅後に兵庫県立考古博物館Webサイトの「埋蔵文化財保護の手引き」を見たところ、朝臣2号墳は「消滅」となっていました。
 
道標によると、直進すれば「林間広場」。左に曲がると「朝臣・碇岩・栄町方面」。
 
▲三叉路の様子
 
11:31
「林間広場が気持ちの良い場所ならそこで昼食にしよう」と考え、この三叉路を直進。
すぐに林間広場らしき場所に出会いました(地図中「林間広場」)。
 
▲林間広場の様子
 
見ての通り、私が求めていた場所ではなかった(展望が皆無だった)ので、すぐに三叉路へ引き返して「朝臣・碇岩・栄町方面」に向かいました。
 
この三叉路から「朝臣・碇岩・栄町方面」への道に入ってすぐ左側には、土留めの石積みのようなものがありましたが、城跡に関係するものなのかな。あるいは、そもそも人工の石積みですらなかったりして(道では無い場所が道に見えたり、ひびが入った岩が石垣に見えたりしますよね)。
 
その後すぐに道が二手に分かれましたが、ここは右が正解。
 
▲二股の分岐は右が正解
 
二股に分かれている付近で道の左側の地形を見ると、階段状に削平地が並んでいるのですが、城跡か段々畑跡かは分かりません。
 
11:39
峠に出ました(地図中「峠」)。
城跡が近くにあるので堀切(敵の進撃を防ぐために、尾根に対して垂直に掘る溝)に見えなくもないですが、ただの峠道かなぁ。
 
▲峠の様子
 
峠道を横切って西へ進むと、また道が二股に分岐しているのに出会います。
しかし、左の道には「ここはみはらしの森散策道ではありません」と書かれたプレートが立っています。
つまり、右が正解。
 
▲峠のすぐ先にある二股の分岐(左は墓地へ続く道)
 
峠から展望広場へ続く道は非常になだらかで歩きやすいですが、常緑樹の森の中を通るため、展望は皆無。
「その分、展望広場に着いたときの悦びは大きくなるだろう」と期待しながら歩きました。
 
▲展望広場への道の様子
 
地形図の破線道が途切れるあたりで、三叉路に突き当たりました。
ここは道標が立っており、左を指して展望広場となっています。
 
11:50
展望広場とおぼしき場所に到着(地図中「展望広場」)。
あずまやが立っていて、そこから南方面の景色を楽しめます。
 
▲展望広場
 
▲ドローンで撮影した展望広場
展望広場で撮影した全天球パノラマ(撮影日:2018年11月25日)

https://shimiken1206.sakura.ne.jp/panorama/miharashinomori20181125/virtualtour.html

※パノラマ画面左上のリストで「あずまや」を選択するとあずまや内部で撮影したパノラマ、「空撮」を選択すると、ドローンで撮影した空撮パノラマが表示されます。
ここで昼食休憩。
 
本日のメニューは、アメリカ軍の戦闘糧食「MREレーション」です。
メニューは、「Chicken Chunks, White, Cooked」。
 
▲本日の昼食
 
メニューの表記だけではどんなものかさっぱり分かりませんが、鶏肉とチーズとピリ辛ソースをトルティーヤで包んで食べるメニューのようです。
 
▲Chicken Chunks, White, Cookedは、トルティーヤで鶏肉を包んで食べるメニュー
 
昼食とドローン操縦を楽しみ、たっぷり1時間以上を展望広場で過ごしてしまいました。
 
13:03
展望広場のあずまやを出発。
あずまやから南へ下る道が目の前にありますが、西の駐車場へ下山しないといけないので、この道は使いません。
 
すぐ近くに立っていた道標によると、あずまやから北へ進むと駐車場に下りられるようです。
みはらしの森の案内図の写真を見直しても、確かにそのようになっています。
 
ということで、「碇岩方面 駐車場 650m」の道標に従って北へ。
 
▲あずまやの近くに立っていた「碇岩方面 駐車場 650m」の道標
 
200m弱ほど進んだ所で、西へ下る道(駐車場への道)が左へ分かれる三叉路に出会いました。
直進する道も続いていて、地形図を見ると三角点があります。
 
「せっかくなので三角点に寄り道して行こう」と考え、駐車場への分岐を無視してさらに北へ。
道標では、北へ向かう道を指して「朝臣・栄町方面」となっており、すぐ側には「前山」と書かれたプレートもありました。
 
103.4m三角点ピークは、「前山」という名前のようです。
 
13:08
ほぼ平坦、あるいはごくわずかに登り斜面になっているだけの道を進んでいくと、峠の近くで見たのと同じ「ここはみはらしの森散策道ではありません」のプレートに出会い、そのプレートの先へ入った所で笹に埋もれかけた三角点標石に出会いました(地図中「前山」)。
 
▲四等三角点標石(点名:前山)
 
三角点標石のすぐ先には、相生線9番鉄塔もありました(地図中「相生線9番鉄塔」)。
 
みはらしの森を一通り歩けたので、下山しましょう。
 
駐車場への分岐へ戻り、西へ。
幅が広くて斜度が緩く、歩きやすい道です。
 
▲駐車場への道が分岐する地点に立つ道標
 
▲西へ延びる道の様子
 
13:22
やがて登山道は重機で無理矢理切り開いたような荒々しい雰囲気に変わり、間もなく駐車場に降り立ちました。
 
▲駐車場が見えた
 
14:10
自宅に到着。
 
里山だけあって、色々な道が付けられているようです。
しかし、全ての分岐に道標があるわけではないので、写真に撮ったみはらしの森の案内図をよく見ながら歩いて下さい。