播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

兵庫県姫路市の京見山~才とんがり山

最近、車を運転中たまたま目に入った京見山山塊。
山火事の影響で見晴らしが良くなった山の姿を見たら、展望を楽しむために登ってみたくなりました。
というわけで、本日は京見山山塊を歩くことに決定。
 
周辺には、登山者が車を置ける正規の駐車場はありません。
そのため私の場合、通常は公共交通機関や自転車を使って登山口へ移動しますが、今日利用したのは路線バス(神姫バス)。
 
神姫(しんき)バスの通勤定期券を持っていると、路線バスに限り、休日は定期の区間や距離にかかわらず1回の乗降が¥100になるエコ定期券制度が使えるので、それを活用しました。
2020年4月追記
 エコ定期券制度は、2020年3月末をもって終了しました。
追記ここまで 
バスを使うと行動の自由度が上がる(車や自転車で来た場合は、駐車地点に戻る必要がある)ため、事前に決めたのは「丁(よろ)登山口から登ろう」ということだけで、「京見山」から東の「才(さい)とんがり山」まで歩いた後の下山ルートは、その時の気分で決めることにしました。
 
▲対応する地図は、国土地理院発行の2万5千分の1地形図「網干」「姫路南部」。
 
09:10
姫路駅南にある神姫バスの3番乗り場から95系統(姫路駅南口~はりま勝原駅~下太田車庫)で出発。
 
09:49
「丁(よろ)」バス停で下車(地図中「丁バス停」)。
 
バスは遅れがちなのに、事前に調べておいた時刻通りに到着。
正規の運賃はおとな¥330ですが、前述のエコ定期券制度を利用して¥100だけ支払いました。
 
丁バス停のすぐ東には、前方後円墳である「瓢塚(ひさごづか)古墳」があります。
 
道路から見てもこんもりした土の山にしか見えませんが、綺麗な前方後円墳の形が残っているようです。
興味のある方は、その鍵穴のような美しい形をGoogleマップの航空写真でお楽しみ下さい。
 
(ドローンで撮影してみたいと思ったのですが、幹線道路沿いであり(航空局標準マニュアルに従うと飛ばせない)、さらに住宅街の中に古墳があるため、通報されたり苦情(騒音、プライバシー関連)を言われる可能性が高いことから、諦めました。)
 
▲丁バス停から見た瓢塚古墳の後円部
 
せっかくなので、古墳の周囲をウロウロしてみました。
古墳の南端に、瓢塚古墳に関する説明が書かれた看板が立っています。
 
▲南側(前方部)から見た瓢塚古墳の全景
 
瓢(ひさご)塚古墳
 国指定史跡(二九六四、七四平方m) 昭和五三年三月二四日指定
揖保川下流の平地では最大規模の前方後円墳であり、墳丘全長は一〇四メートルと考えられ市内では壇場山古墳(御国野町)に次ぐ規模。
前方部の形態が撥形であり、古式土師器が採集されたことから最古式の古墳と考えられ、前方後円墳の成立を知る上で重要なもの。
墳丘は後円部三段、前方部二段の可能性があり、葺石と埴輪が配されていた。後円部の南縁には竪穴式石室が露出しているが全長は不明。出土遺物は竹管文を押捺する特殊な壺形土器が数点採集されている。

平成一四年六月
姫路市教育委員会
(出典:現地の看板)
古墳を見終えたら、丁バス停のすぐ北にある「丁」交差点から東へ150mほど進み、三叉路を左(北)へ。
道はまもなく東へ向きを変えますが、そのカーブを過ぎた直後、左手に駐車場(月極なので登山者の駐車は不可)が現れます。
 
その駐車場西端に山へ入る道があるのですが、これが登山口。
以下のURLをクリックすると、登山口の位置がGoogleマップで表示されます。

https://goo.gl/maps/hT1uFF71BjL2
▲月極駐車場
 
▲駐車場西端の道から山に入る
 
09:58
月極駐車場から山の中へ続く道に入ると、すぐ登山口の標柱に出会います(地図中「丁山登り口」)。
標柱には「丁山登り口」と書かれていることから、京見山ではなく「丁山(よろやま)」へ登るための登山口という扱いのようです。
 
それにしても、丁山ってどこだろう。
 
▲「丁山登り口」の標柱のある場所から竹林へ入る
 
竹林はすぐに終わって稜線に出ますが、そこで全長22mの前方後円墳「薬師古墳」に出会います。
 
▲薬師古墳
 
薬師古墳から先は150mほどの距離だけ平坦な道があり、その先でやや急な登り斜面になり、また道は平坦になります。
そしてまた急な斜面を登ることになりますが、その斜面は巨岩だらけ。
 
10:21
巨岩が目立つ斜面を登り切ったところは172m標高点で、そのすぐ先で石積みに出会います。
看板を見ると「丁山頂古墳」とのこと(地図中「丁山頂古墳」)。
 
封土が完全に流失し、石室があらわになっているので石積みに見えてしまうわけです。
 
この古墳が丁山頂古墳ということは、172m標高点が「丁山」なのかな。
 
丁山頂古墳のすぐ先には、丁山頂3号墳もあります。
 
▲丁山頂古墳
 
10:24
送電線鉄塔(浜田線28番)下を通過(地図中「浜田線28番鉄塔」)。
 
今までは自然林の中の山道で展望がまったくありませんでしたが、この鉄塔下は南方面の展望を楽しむことが出来ます。
 
▲浜田線28番鉄塔下からの展望
 
鉄塔からしばらくは平坦な道が続いた後、また登り斜面になりますが、この斜面には階段状に石が並んでいました。
階段状の石がある斜面を登り切ったところは200+m小ピークで、地形図の通り北からの道が合流しています。
 
▲階段状に並んだ石
 
北からの道は無視して東へ進むと、三叉路に出会いました。
方角を考えると左に進むのが正解なので、左へ。右は春日神社からの道に通じているのかな。
 
春日神社からの道が合流した後の道は、今までと路面の様子が全く違います。
歩く人が多いのか、あるいは掃除をしてくれる人がいるのか、よく踏み固められているだけでなく、路面に落ち葉がありません。
 
▲春日神社からの道が合流した後の登山道は、路面が綺麗
 
10:38
京見山の山頂に到着。
年齢層が高めの登山者グループが談笑中でした。
 
南方面に180度の展望が開けているので、小休止を兼ねて景色を堪能。
 
▲京見山山頂の様子
京見山の山頂で撮影した全天球パノラマ(撮影日:2015年5月24日)

https://shimiken1206.sakura.ne.jp/panorama/kyomiyama20150524-1/virtualtour.html
10:41
京見山山頂を出発し、東へ急斜面を下ります。
 
▲京見山から東へ下る急斜面の様子
 
京見山のすぐ東隣にある巨岩だらけの170+mの小ピークを通過すると、才方面からの道が右から合流する三叉路があるので、それを左に進みます。
 
▲170+m小ピークは巨岩だらけ
 
▲巨岩だらけのピークのすぐ先にある三叉路は左へ進む
 
10:52
なだらかに斜面を下った先の鞍部は、泣き坂峠(地図中「泣き坂峠」)。
 
▲泣き坂峠
 
▲峠の名前の由来
 
泣き坂峠から北東へ登り返す斜面は、今までの道と打って変わってまるで高原のような雰囲気。
標高200m前後の山塊とは思えない風景です。
 
これは、山火事で木々が燃えてしまった結果できあがった景色。
 
京見山の東側の山塊は、広範囲が山火事で焼けています。
Googleマップの航空写真を見ると焼けた範囲がよく分かるので、興味のある方はGoogleマップをご覧下さい。
 
▲泣き坂峠から北西へ登り返す斜面の様子
 
高原のような風景の斜面を登り切ったところで道が右に分かれる三叉路に出会いますが、縦走路は直進。
 
11:02
無事に焼け残った自然林の中を歩いていると、「横穴式石室古墳」と書かれた木製のプレートに出会いました(地図中「四ツ塚古墳」)。
 
これは付近に4つあると言われている古墳に関する説明が書かれたもので、それら4つの古墳は「四ツ塚古墳」と呼ばれているとのこと。
 
ここは4つの古墳を探すことなく素通り。
 
四ツ塚古墳の先でシダの多い鞍部を通って斜面を登り返したところで、また三叉路に出会います。
この三叉路を左に進むと白毛山、右に進むと見晴し台。
 
白毛山は電波塔が立っているだけで展望がない山なので、展望の良い見晴し台方面へ進みました。
 
▲シダの多い鞍部を通る
 
▲三叉路は見晴し台方面へ進んだ
 
11:06
見晴し台に到着(地図中「見晴し台」)。
ここは何度か来ていますが、いつ来ても開放感抜群で気持ちいい場所です。
 
どのような場所かは、下の全天球パノラマでご覧下さい。
 
▲見晴し台(左奥に才とんがり山)
 
▲ドローンで南から撮影した見晴し台全景(矢印が指しているのが「見晴し台」とされている場所)
見晴台で撮影した全天球パノラマ(撮影日:2015年5月24日)

https://shimiken1206.sakura.ne.jp/panorama/kyomiyama20150524-2/virtualtour.html
11:13
お腹が空いてきましたが、お昼ご飯にはまだ早い。
才とんがり山でご飯を食べることにして、見晴し台を出発。
 
見晴し台のすぐ横にある「白毛山」への道標に従って東へ進みます。
すぐに直進と右折の三叉路に出会いますが、才とんがり山に行くにはこれを右折(道標は文字が消えてしまっています)。
 
▲道標の文字が消えた三叉路を右へ入る(直進すると白毛山)
 
三叉路を右に入った先で道は180mの等高線沿いに付いていますが、まもなく岩の斜面を東へ下りながら標高を下げ、樹林帯に入りました。
 
▲180m等高線沿いの道の様子
 
樹林帯からわずかに登り返すと、白毛山と才とんがり山を結ぶ縦走路に突き当たるので、その丁字路を右折。
露岩が目立つ道を南に進んでいくと、また高原状の道になります。
 
▲才とんがり山(右上)へ続く道の様子
 
11:27
才とんがり山に到着(地図中「才とんがり山」)。
 
▲才とんがり山山頂全景(ドローンで撮影)
才とんがり山で撮影した全天球パノラマ(撮影日:2015年5月24日)

https://shimiken1206.sakura.ne.jp/panorama/kyomiyama20150524-3/virtualtour.html
間もなく、南の才天満神社から登って来たご家族も才とんがり山に来られました。
小さな子供さんを連れたご家族は、ここでおやつ休憩のようです。
 
山頂の真ん中はご家族に譲り、私は山頂から飛び出た岩の上に陣取って昼食の準備。
 
本日の昼食は、水に浸しておかなくても良い特殊加工の米とだし汁、具材がセットになった「京風味 釜めし」と、インスタントの豚汁です。
 
▲本日の昼食(米とだし汁、具材がセットになった釜飯)
 
▲インスタントの豚汁と、メスティンで炊いた釜飯
 
ご家族がおやつ休憩を終えて才とんがり山を出発された後、単独の男性ハイカーが来られましたが、いつの間にか居なくなっていました。
 
誰も居ない山頂を独り占めして食事と展望、ドローン操縦を楽しみ、贅沢なひとときを満喫。
 
12:55
今日の下山ルートは「その時の気分で決める」としていましたが、誰も来ない才とんがり山の山頂で思う存分くつろいだ結果、「もう山を堪能したから、これ以上山の中を歩かなくてもいいや」との結論に達しました。
 
というわけで、下山開始。
才とんがり山から最短距離で麓に降りられるルートは、南にある才天満神社へ続く道です。
 
その道は、才とんがり山山頂の少し東から始まっています。
ただ、その入口は知っていないと分かりづらい。
 
初めてこの道を使うという方は、才とんがり山山頂から道の入口を確認して下さい。
 
▲才とんがり山から見た今日の下山路
 
▲ドローンで撮影した本日の下山路
 
今回下山に利用したルートは、山火事で木々が焼けた急斜面にジグザグに付けられた道で、登りに使うにはキツそうですが、下山に使うには景色が良くて最高です。
 
▲景色を楽しみながら下れる
 
▲道沿いのあちこちで山火事の傷跡を見ることが出来る
 
麓が近づいてくると、景色が良かった道は樹林帯の中に入り、治山事業のフェンスのすき間を通過します。
 
▲フェンスのすき間を通って下る
 
13:15
最後は、才天満神社の拝殿に向かって右側に降りてきました。
 
▲ここに降りてくる
 
子供達がかくれんぼをしていた才天満神社の境内を抜けて南へ進み、夢前中学校の南を東西に走る道を東へ。
 
才崎橋で夢前川を渡り、JR英賀保(あがほ)駅に向かいました。
 
※夢前川沿いの県道417号線を走る路線バスに乗っても姫路駅へ戻れますが、本数が少なく、JRならバスを待っている間に姫路駅まで戻れそうだったので、今日は英賀保駅まで歩くことにしました。
 
13:40
JR英賀保駅に到着。
 
13:52
米原行の快速電車で英賀保駅を出発。
 
13:56
JR姫路駅に到着。