購入の経緯
DJI社製のドローン「Mavic Pro」を使っていますが、標準状態のMavic Proは軍用機っぽい色になっています。
▲標準状態のMavic Pro
見た目はかっこいいんですが、山でMavic Proを飛ばす時はその機体の色が問題になります。
操縦者から機体を見た時、背景に山があると機体が背景に溶け込んでしまうのです。
ずっと機体を目で追っていれば大丈夫ですが、一瞬でも目を離すと(送信機を見てから視線を戻すと)機体がどこにあるのか見つけるのが難しい。
なんとかしたいけれど塗装するのは大変だし、どうしようかなと思っていたところ、機体の色を容易に変えられるシール(ラッピングフィルム)を見つけました。
▲WRAPGRADE MONO for DJI Mavic Pro(左)と予備バッテリー用に購入したバッテリー用WRAPGRADE MONO(¥1,200)(どちらもレーシングホワイト)
製品名: WRAPGRADE MONO for DJI Mavic Pro(レーシングホワイト)
メーカー: 有限会社NITEQ (愛知県)
材質: ポリ塩化ビニル
機体貼付重量: 約10g
耐候性: 約3年(カタログ値)
購入価格: ¥3,600
購入先: WRAPGRADE.SHOP
概要
Mavic Proの機体にぴったり合うよう精密にカットされた、ポリ塩化ビニル製のラッピングシールです。
機体の隅々まですき間なく覆えるようになっているので、(正しく丁寧に貼れば)初めからその色で機体が作られたのかと思うような出来映えになります。
メーカー公式の動画があるので、どのような仕上がりになるのかはこちらで御覧下さい。
▲WHITE DJI MAVIC from JAPAN(メーカー公式動画)
外観
カット済みのシールが台紙に貼り付いた(シールを切り抜いた後、余分な部分を予め剥がしてある)状態で販売されています。
▲機体用のWRAPGRADE MONO(シールと説明書)
▲説明書
使い方
シールですから、説明書に従って機体に貼っていくだけです。
ただ、単純ではあるのですが簡単ではありません。
メーカーが貼り方の動画をYoutubeに公開しているので、それを見て頂ければ作業の難易度が分かると思います。
▲DRONEWRAP for DJI Mavic Pro - Pasting How To 貼り方 A4(メーカー公式動画)
曲面が多い機体にぴったり合うようになっているため、シールの形を見るだけではどのように機体に貼り付ければよいのか分かりづらく、位置を完璧に合わせるために何度も貼っては剥がし、貼っては剥がしを繰り返した所もありました。
全てを貼るのにかかった時間は1時間強。
貼り終えたときには、なかなかの疲労感がありました。
どのシールをどのように貼れば良いのか分かったので、2回目以降はもっと短時間で貼れるはず。
私が買ったのはレーシングホワイト(ツヤのある白)なので、貼り終えると機体は真っ白になります。
▲2つの予備バッテリーも含めて真っ白になった私のMavic Pro(アームの「Mavic Pro」のロゴとバッテリーの番号は、自作のデカールで、製品には含まれない)
▲アームを展開した状態
Mavic Proを使い始めてしばらくは、機体の両側にある「USBポート」と「microSDカードスロット」の位置を間違えることが多かったので、それぞれ何の蓋なのか分かるように、自作のデカールを貼り付けてみました。
▲microSDカードスロットのカバー上にも自作のデカールを貼った(反対側のUSBポートにはUSBのロゴを貼った)
使用感
真っ白になったMavic Proは、視認性が大幅に向上しました。
ツヤのある素材なので、飛行中に日光を受けてキラッと光ることがあり、それがなんだか格好いい。
当初は視認性を向上させることだけが目的で、「白くなったらかっこ悪くなるだろうな」と思っていたのですが、実際はむしろ格好良くなったように思います。白が主体で、部品の継ぎ目にラインが入ったアニメのロボットを連想させるからかな。
あくまでも私個人の感覚ですが。
重要事項
航空局から航空法第132条第2号(人口集中地区上空の飛行)の許可、ならびに同第132条の2第3号(30m未満の飛行)、同第4号(催し物上空の飛行)の承認を受ける場合、Mavic Proには「プロペラガードを装備した場合に限る。」という条件が付きます(※)。
※国土交通省の「資料の一部を省略することが出来る無人航空機」参照(2018年4月現在)。
航空局の審査官のお話では、「資料の一部を省略することが出来る無人航空機」に書かれている「プロペラガード」は、メーカー純正の製品を指しているとのこと。
ところが、このWRAPGRADE MONO for DJI Mavic Proの全てのシールを機体に貼り付けると、純正のプロペラガードが装備できなくなります。
問題になるのは4本のアームの先端付近に貼るフィルム(私が購入した時点の製品の場合、シールの番号で言うと14と14'、18と18')。
DJI純正のプロペラガードを装着するために、私のMavic Proは4本全てのアームの先端だけ元の色のまま(シールを貼っていない状態)になっています。
▲プロペラガードを装備するため、アームの先端(矢印が指し示す位置。反対側も同様。)だけはシールが貼れない
さらにもう一つ問題があります。
WRAPGRADEを機体に貼り付けると、プロペラガードを装備した状態でMavic Proの離陸重量が0.83kgになるのですが、国土交通省がWebで公開しているMavic Proの最大離陸重量(飛行できる状態の最小限の機体重量+純正プロペラガードの重量)は0.82kg。
つまり、WRAPGRADEを貼ると「資料の一部を省略することが出来る無人航空機」の基準を外れてしまうため、飛行許可・承認申請を出す際には「改造している」ものとして申請書を作成しないといけません(私が航空局に問い合わせた際は、そのように回答されました)。
注)貼り付けることで機体の重量が変わることについては、(この記事の公開時点では)WRAPGRADEの販売ページにも記載があります。
「重量の基準を満たすために、機体やプロペラガードを肉抜きして軽くすれば良いのでは?」と思われるかも知れませんが、それも「改造」に当たります(私も同じ事を思って審査官に尋ねましたが、プロペラガードを加工することも改造にあたるとの回答でした)。
この辺りの事情については、航空局の関係者でもなんでもない私にコメント欄で質問されても回答できませんので、疑問や気になる点がある方は、航空局に直接お問い合わせ下さい。
私のMavic Proは、改造された機体として書面による審査を受けた上で、航空局から無人航空機の飛行に係る許可・承認を受けています。
最後に
無人航空機の飛行に係る許可・承認申請の際に「改造」とみなされるため、すでに許可・承認を受けている場合は再度の申請が必要になる(可能性がある)のがやっかいですが、Mavic Proの視認性の低さに悩んでいる場合は、解決策の一つとして考えても良いかも知れません。
ただし、手先が不器用で忍耐力のない人には全く向きませんので、ご注意を。