重要
今回歩いた愛宕山は、火気厳禁です。山頂での食事を考えておられる方は、火を使わないメニューをご準備ください。
概要
私が昔仕事で新宮や佐用へ姫路から通っていた頃、国道29号線の「追分(おいわけ)」交差点から西へ分岐する県道724号線を走っていていつも気になっていた山がありました。
西向きに走っている時は林田川を渡る辺りで真正面に見える山で、山頂付近に何かがあるのが見えていたのです。
調べてみると山頂付近にあるのは愛宕(あたご)神社で、山の名前は愛宕山。
中腹にはキラキラ輝く水道施設もあります。
昔から「いずれ登ろう」と考えていたのですが、すっかり忘れたまま西播磨方面の仕事が終わり、たまに龍野や新宮方面へ行く際に思い出してはまた忘れるというのを繰り返していました。
そんな山に、本日やっと登ってきました。

▲山頂の愛宕神社(ドローンで撮影)
本日の行程は、次の通りです。
- 車を素麺神社に置く
- 神社から愛宕山登山口へ徒歩で移動
- 参道を登って愛宕神社へ
- 愛宕神社前で昼食
- 参道を下って駐車場へ戻る

▲対応する地図は、国土地理院発行の2万5千分の1地形図「龍野」

▲カシミール3Dで作成したルートの断面図
姫路市街から駐車場へ
09:55
姫路市街の自宅を車で出発。
国道29号線を北へ進み、姫路龍野市境のある峠を下っておよそ500mの「追分」交差点を左折します。ここからは県道724号線。
県道724号線に入ってから約2.7km(そうめんの里を過ぎて間もなく)、左へ入る道が分岐する三叉路に出会うので、それを左折します。この分岐は上り坂が下りに変わるタイミングで左に出てくるので、見落とさないように注意が必要。
三叉路を左折してすぐ「龍野自動車学院」の看板が見えますが、その直前に本日の駐車場所である素麺神社があります。
https://maps.app.goo.gl/wqvTTqR8pYoRi1xD9
▲素麺神社の駐車場の位置
10:35
素麺神社に到着(地図中「P」)。

▲素麺神社の駐車場
駐車場から登山口へ
10:40
準備が整ったので出発。
駐車場を北に出て目の前の細い道に入ります。この道は県道724号線の下をくぐって北へ延びるもので、県道を渡るよりも安全。

▲駐車所の前にあるこの道に入る(県道の下をくぐれるので、交通量の多い県道を渡る必要がなく安全)
県道をくぐっておよそ130m、「そうめんの里」の駐車場の北西角を右折します。

▲この角を右折

▲そうめんの里の駐車場を右に見ながら東へ進む
道なりに250mほど東へ進むと下の写真の分岐に出会うので、細い道の方へ入ります。

▲「愛宕山遊歩道入口340m」と書かれた道標の立つ細い道へ入る

▲「愛宕山遊歩道入口220m」の道標の前を進む
施錠された水色の扉の前を通過し、さらに東へ進みます。
水色の扉の奥は荒神社です(地図中「荒神社」)。

▲荒神社は立ち入り禁止(?)(扉の左の隙間には防獣ネットがある)
荒神社の前には、ここが奥村廃寺跡であると書かれた看板が設置されていました。
今は何もありませんが、古代にはここに立派な講堂や金堂などが建っていたようです。
奥村廃寺跡
この地にはおよそ一三〇〇年前、七世紀後半から八世紀にかけて存続した古代寺院がありました。寺は奥村廃寺と名付けられ、発掘調査によって中央に金堂と東西両塔、その北に講堂と推定される伽藍配置が確認されました。こうした建物の配置は、全国で三例しか知られていない珍しいものです。
寺域は一辺が約一五〇メートルの方形と推定され、寺の前面には古代美作道が通っています。
発掘によって出土した瓦は、軒丸瓦一三種、軒平瓦一六種、鬼瓦三種におよび、渡来系の文様を持っていました。とりわけ手書き唐草文は珍しいものです。
『播磨国風土記』に記された「上(神)岡里」で活躍した渡来人の足跡が、こうした寺院の存在からも偲ばれます。平成一四年(二〇〇二)年三月 龍野市教育員会
(出典:現地の看板)

▲看板に記載されている説明図
荒神社の前を通り過ぎるとすぐ緑色の扉に出会いますが、これもしっかり施錠されています。中腹にある水道施設への道でしょう。
この扉の前を通過し、竹林の中の細い道へ入ります。

▲緑色の扉の前を通り過ぎて細い道へ入る
しばらく歩くと竹林を抜け、民家が視界に飛び込んできました。
10:53
民家のすぐ手前に登山口があります(地図中「登山口」)。

▲ここから山に入る
登山口から山頂へ
上端に針金の輪を引っ掛けるだけの簡単な留め方をされた扉を開き、登山道へ。

▲民家側から見た登山口

▲掛け金が壊れているため、扉は針金の輪で止める形になっていた
扉を元通りに閉じたら、薄暗い植林の中の登山道(参道)を登ります。

▲登山口の看板によると山中は火気厳禁
登り始めてすぐ出会う休憩小屋は、倒壊の恐れがあるためか立ち入り禁止になっていました。
コーンやコーンバーが新しいことから、常に道の整備が続けられていることが分かります。

▲倒壊しそうな小屋は立ち入り禁止
古くからある神社の参道ですから、幅は広く道がつづら折れのため斜度が緩くて歩きやすい。

▲つづら折れの道でのんびり登った
11:02
「五丁」の丁石の脇を通過(地図中「五丁」)。

▲階段脇に五丁の丁石があった(他の丁石は見当たらなかった)
斜度がきついところには丸太階段がありましたが、朽ちかけているところもあれば、最近更新されたようなところもあります。
継続的に整備されているようです。

▲比較的新しい丸太階段もある
愛宕神社に着くまでには、(私が気づいた範囲で)谷を渡る場所が3か所ありました。
谷には砂防ダムがいくつも作られており、谷の源頭に近い部分は箱状の金網の中に砂利を詰めたものや太い樹脂製のパイプが設置されています。
2カ所目と3か所目の谷を渡る部分では南方面の景色を楽しめましたが、それ以外の登山道上に展望はありませんでした。
11:08
西向きに谷を渡った道が東に折り返したところにあったのは、石の鳥居(地図中「鳥居」)。
刻印が薄れていていつ頃建てられたものか分かりませんが、「人夫十五」の文字は読めたので、15人がかりで設置されたのでしょう。

▲愛宕神社の鳥居

▲鳥居には古そうな扁額が掛かっていた
山頂(愛宕神社)
鳥居から2分ほどで、明治22年に建てられた大きな灯籠のある愛宕神社の前に出てきました。

▲愛宕神社に到着するとまず目に入るのはこの灯籠(倒壊の危険があるのか、近づけないようになっている)

▲灯籠の高さは約2.8m、笠の一辺の長さは約1.45m(iPhone 17 ProのLiDARスキャナーで得たデータをもとに解析ソフトで測定)
昼食にはまだ早いので、神社に向かって左にある道から三角点ピークへ向かうことに。

▲山頂への道は神社の左にある
11:18
三等三角点標石が埋設された愛宕山の山頂に到着(地図中「点名:愛宕山」)。

▲三角点ピークは展望のない自然林(三角点は三等で点名は「愛宕山」、標高は167.44m)

▲三角点標石脇には測量に使用したのであろうポールが残されていた(南西方向の展望が少しだけあったので、南西からこの三角点への角度を測ったのかな)*1
11:23
愛宕神社前に戻ってきました(地図中「愛宕神社」)。

▲愛宕神社の拝殿
愛宕神社記
祭神 火産霊神(ほむすびのかみ)
天照大神(あまてらすおおみかみ)
祭礼 四月の第四日曜日
社地 龍野市神岡町北横内愛宕山一六三
「愛宕さん」と通称されている当神社の創建は、往古のことでよくわからない。
弥生時代から、この土地で生活を営み、神と自然と人間に一連の繋がりを見続けた人々は、生命と生産を守護される産土神(うぶすながみ)(生まれた土地を守護する神)を祭り、平穏な生活を願おうとした。
そこで、この山のほぼ山頂で、東南に人々の生活が一望できる社地を選び、京都の「愛宕権現」を勧請(神の分霊を他の地にも祭ること)して神社を建立した。
古老によると、この神社を「愛宕権現」と称し、ご神体は時の林田藩主お手焼きで、神が白馬にまたがっておられる姿であったという。
明治になり、「権現」を廃して、「愛宕神社」とし、「愛宕さん」として親しまれるようになって、今に至っている。
鎮座する神は、京都の愛宕神社と同じ祭神で、火の神「火産霊神」である。火難よけの守護神、つまり、防火・鎮火の神様である。
併せ祭られている神は、日(太陽)の神であり、伊勢の皇太神宮(内宮)の祭神「天照大神」である。
明治の始めに、五か村の庄屋が連署して林田県に届けた「愛宕山絵図」には、頂上にこの神社が描かれており、昔も今も変わりなく、この五か村が氏子としてお守りをしている。
境内には、江戸時代の元文二年(一七三七)・寛政四年(一七九二)に奉納された灯籠を始めとして数基の灯籠が現存している。
(出典:神社前の看板・原文ママ・設置者不明)
まだお昼ご飯には早いので、ドローン空撮と全天球パノラマの撮影を実施。
ドローンを飛ばすのは久しぶりですが、鳥の視点になれるのはやはり楽しくて、時間が経つのを忘れます。

▲愛宕神社は南東を見下ろせる立地になっている(ドローンで撮影)
愛宕神社からの眺めや、愛宕神社の立地については、下の全天球パノラマをご覧ください。
パノラマ画面左上のリストから神社前と空撮を切り替えられます。
https://shimiken1206.sakura.ne.jp/panorama/atagoyama20260215/index.html
▲愛宕神社で撮影した全天球パノラマ(撮影機材:地上のパノラマはDJI Osmo 360、空撮パノラマはDJI Mavic 2 Pro搭載カメラ)
ここで頂く本日の昼食は、丸美屋の「麻婆豆腐ごはん」と「かやくごはん」のおにぎり。
火気厳禁なので、魔法瓶のお湯で調理しました。

▲本日の昼食
昼食の後は展望を楽しみましたが、霞んでいて遠望は利かず。

▲神社前から見た伊勢山方面

▲神社前から見たしゃくし山(オタマジャクシ型の窪みがある岩場を「しゃくし山」としています)

▲神社前から見た峰相山方面(奥の山並みは書写山)

▲南に大きく見えていたのは金輪山
下山
12:40
食事やドローン操縦、山座同定を満喫したので、下山開始。
12:42
鳥居を通過(地図中「鳥居」)。
12:46
五丁の丁石を通過(地図中「五丁」)。
12:52
登山口に戻ってきました(地図中「登山口」)。
扉を開閉し、朝歩いた道を逆向きに歩いて素麺神社へ向かいます。
13:04
素麺神社の駐車場に到着。
荷物を車に置き、素麺神社にお参りをして帰路につきました。

▲素麺神社の鳥居

▲絵馬殿(鉄筋コンクリート製?)

▲素麺づくりの様子が描かれた絵馬があった

▲拝殿も鉄筋コンクリート
交通アクセス
- 自家用車の利用が一般的です。
- 公共交通機関利用の場合は、JR姫新線の東觜崎(ひがしはしさき)駅が最寄りです。駅から登山口までの距離は、およそ1.6km。
- 国道29号線に路線バスが走っていますが、登山口近くはJR姫新線沿いにコミュニティバスが走っているだけです。
参考情報
- 冒頭にも書きましたが、愛宕山は火気厳禁(タバコも不可)です。
- 登山口や登山道にお手洗いはありません。JRを利用される方は、東觜崎駅の駅舎のすぐ南にある公衆トイレが便利だと思います。
- コンビニは、県道724号線沿いにはありません。飲食物は事前に購入しておく必要があります。登山口の最寄りのコンビニは、そうめんの里から西へ約2kmの「船渡(ふなと)」交差点にあるローソン 新宮船渡店です。飲料の自動販売機は、県道沿いにいくつかあります。
- 愛宕山の南麓にある「そうめんの里」では、そうめんの作り方を学んだり、そうめんの試食ができたり、そうめんを購入することができます。また、レストランも併設されています。
- 愛宕山の西にある鶴觜山(つるはしやま)は低山ながら展望が良く、昭和6年に天然記念物に指定された「觜崎ノ屏風岩(はしさきのびょうぶいわ)」があります。
*1:三角点は山頂の目印ではなく、測量の基準点です。