播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

兵庫県たつの市の鶴嘴山(263.0m)

本日は、標高が低いため手軽に歩けるのに展望は良好で、なおかつ道がイワイワしているという、私好みの山である鶴嘴山(つるはしやま)に行ってきました。
場所は兵庫県たつの市です。
 
鶴嘴山には、天然記念物の「觜崎(はしさき)の屏風岩」があります。
また、鶴嘴山に登る尾根の西側の麓、揖保川沿いには県指定の重要文化財「觜崎磨崖仏」(まがいぶつ)もあります。
 
これらを見つつ、展望の良い山歩きも楽しむのが今回の目的です。
 
車は龍野水上ゴルフセンター前の空き地に止めます。
まず磨崖仏を見てから山に入り、屏風岩の頭頂部で展望を楽しみながらドローンで遊び、タイコ岩でもドローンを飛ばし、鶴嘴山山頂で大休止。鶴嘴山からの下山には、駐車場に直接下りられる林間広場への道を利用するという行程。
 
 
▲対応する地図は、国土地理院発行の2万5千分の1地形図「龍野」。
 
09:15
姫路市街の自宅を車で出発。
 
国道29号線を北上し、姫路市とたつの市の境界のある峠を下ってすぐの「追分(おいわけ)」交差点を左折。
 
「追分」交差点から西に延びる県道724号線を3kmほど進むと、JR姫新線の線路を越えるために道路が登り坂になります。
 
この登り坂の途中にある十字路を右折して道なりに700mほど進めば、龍野水上ゴルフセンターが右手に見えてきます。
 
そのゴルフセンターの真向かいに未舗装の空き地があるので、そこに車を止めました(地図中「P」)。
 
09:48
駐車場に到着。
 
▲駐車場の様子
 
下のURLをクリックすると、駐車場の位置がGoogleマップで表示されます。
 
 
09:51
準備を整えて出発。
駐車場を出て南へ進み、「修行大師堂」の石柱が立つ三叉路を右に曲がります。
 
集合住宅の北側を西に進み、道なりに左へ曲がったら、そのまま集落内の細い道を南に進んで下さい。
 
丁字路に突き当たったら右に曲がり、JR姫新線の線路をくぐって南西へ。
 
「觜崎橋東詰」交差点に出たら、尾根の先端を反対側に回り込むように進んで下さい。
すると、揖保川の左岸の河原へ下る道に入ります。
 
▲砂利道を下って河原に下りる
 
10:08
そのまま河原の未舗装の道を100mほど北へ進むと、觜崎磨崖仏に出会います(地図中「磨崖仏」)。
 
▲觜崎磨崖仏全景
 
▲觜崎磨崖仏
 
県指定重要文化財
「觜崎磨崖仏」
ここから北へ百メートルの所に「觜崎磨崖仏」があります。磨崖仏は、舟型の光背をもつ地蔵尊で、切り立った岩壁に彫られています。この地蔵尊には「右志逆善廻向藤原□□建立文和三年十月廿四」の銘が彫られており文和三年(1354)十月二十四日につくられたことがわかります。紀年銘のある石仏では、県内最古のものです。
なお、この磨崖仏より北へ少し行った岩壁にも、可愛らしい地蔵尊が四体彫られています。
(出典:「觜崎橋東詰」交差点近くの案内板)
 
觜崎磨崖仏に向かって左側、少し離れた所にも、風化が激しい小さな四体の磨崖仏があります。
 
▲四体の小さな磨崖仏
 
磨崖仏を見物できたので、いよいよ山に入ります。
 
尾根の先端に戻り、古宮神社への鳥居を通り過ぎるとすぐ、「道路新設記念」の石柱が立つ分岐に出会います。
「屏風岩 約20分」と書かれた道標が立つこの分岐が登山口(地図中「登山口」)。
 
▲登山口
 
10:14
軽自動車ならギリギリ通れそうな舗装道路に入ります。
少し歩くと、そこは墓地(地図中「墓地」)。
 
そのまま舗装道路を道なりに進み、JR姫新線の線路を橋で越えてすぐ左手の石段を登り、墓地の最上部を目指してください。
橋の先、左折すべき場所には「屏風岩 約10分」の道標が立っています。
 
▲橋を渡ってすぐに左折
 
墓地の中の石段を登り、尾根の上に出て北へ進むと、明確な山道に入ります。
 
▲墓地最上部の北端の様子
 
10:20
墓地を出てしばらくすると、防獣ゲートに出会います。
上下2箇所に掛けがねがあるので、それを解除して開閉してください。
 
言うまでもありませんが、開けた防獣ゲートは必ず閉じてください。
 
▲墓地の先で出会う防獣ゲート
 
防獣ゲートの先は、丸太階段で整備された山道です。
 
▲丸太階段の道を上る
 
10:30
屏風岩の頭頂部が目の前に現れました。
 
觜崎ノ屏風岩(はしさきのびょうぶいわ)
 新宮町觜崎から神岡町東觜崎を経て神岡町大住寺にまたがるこの山丘は、全山ほとんどが比較的柔らかい岩でできていますが、ここ「觜崎ノ屏風岩」は周りの岩より硬くなっています。そのため硬い岩の部分だけが、長い年月が経っても浸食されずに残り、屏風を立てたように見えています。
 この屏風岩は、8世紀の『播磨国風土記』にも記され、古来より注目されてきた珍しい天然の造形で、国の天然記念物に指定されています。
 また、屏風岩周辺には珍しい植物も見られ、その植物群落は市の天然記念物に指定されています。
(出典:現地の説明看板)
多くの人が、この露岩のことを屏風岩と呼ぶのだと勘違いされています(私もそうでした)が、ここは屏風岩のてっぺんに過ぎません。
 
▲屏風岩の頭頂部(この部分だけを屏風岩と呼ぶと誤解している人が多い)
 
「屏風岩」はここから西へ、尾根の等高線に対して垂直方向に屏風のように伸びている岩壁のことを指しています。
 
この屏風岩頭頂部の右側を通るように付けられた道をたどって、上に上がりましょう。
 
10:33
屏風岩の頭頂部に出ました(地図中「屏風岩頭頂部」)。
南側に大展望が広がっています。
 
▲屏風岩頭頂部から南の展望
屏風岩の頭頂部(168m標高点)で撮影した全天球パノラマ(撮影日2016年10月2日)

https://shimiken1206.sakura.ne.jp/panorama/tsuruhashiyama20161002-1/virtualtour.html
ここで屏風岩を見るべくドローンを飛ばしてみましたが、木々が生い茂っているため屏風岩はほとんど見えません。
 
揖保川の対岸から見ると、尾根の低い場所の屏風岩が見えるので、屏風岩を見るという目的ではこの山に登らない方が良いと思います。あぁ失敗。
 
せっかくなので、ドローンで撮影した画像を載せておきます。
 
下の写真の短い矢印の位置が屏風岩の頭頂部ですが、一見するとただの岩峰です。
しかし、すぐ背後に木が生えていることから、その岩が薄いことがおわかりいただけるでしょうか。
 
その薄い岩の壁が、長い矢印の方向に伸びているのが屏風岩なのです。
 
▲屏風岩頭頂部
 
▲ドローンで撮影した屏風岩頭頂部(矢印)と屏風岩(赤線部分。背の低い塀のような岩壁が何本も延びている。)この写真の中央奥が鶴嘴山の山頂。
 
この屏風岩の頭頂部で足下を見ると、柱状節理が見られます。
 
▲屏風岩頭頂部で見られる柱状節理
 
「屏風岩を見るにはどうすればいいかな」と考えながらドローンを色んな方向に飛ばしていたら、ドローンに興味を持った猛禽が1羽、機体の周囲を旋回し始めたので、屏風岩の姿を見る(撮る)のは諦め、急いでドローンを着陸させました。
 
10:50
屏風岩の頭頂部を出発。
すぐにベンチのある展望所に出会いましたが、屏風岩の頭頂部で充分に休んだので、ここは素通り。
 
▲屏風岩頭頂部のすぐ北にある展望所
 
10:54
私が車を止めた場所へ続く道が右に分岐している場所を通過(地図中「分岐1」)。
 
ここには道標が立っており、私が来た道を指して「屏風岩 約5分」、直進方向を指して「タイコ岩方向」、右を指して「林間広場 約15分」となっています。
 
▲「分岐1」の様子
 
10:59
屏風岩頭頂部の北にある200+m小ピークを通過(地図中「200+m小ピーク」)。
 
▲200+m小ピークの様子
 
屏風岩頭頂部までは左側の展望が開けていましたが、ここからは右方向の展望が楽しめるようになります。
 
歩きやすくて快適な、岩がちな道が続きます。
 
11:03
駐車場所へ下る別の道への分岐を通過(地図中「分岐2」)。
ここにも道標がありますが、基本的な内容は「分岐1」と同じです。
 
▲「分岐2」の様子
 
「分岐2」から岩の斜面を登ると、タイコ岩です。
 
11:06
タイコ岩に到着(地図中「タイコ岩」)。
 
▲タイコ岩
タイコ岩で撮影した全天球パノラマ(撮影日2016年10月2日)

https://shimiken1206.sakura.ne.jp/panorama/tsuruhashiyama20161002-2/virtualtour.html
▲ドローンで撮影したタイコ岩ピーク
 
11:16
タイコ岩を出発。
鶴嘴山の山頂はすぐそこに見えているので、気は楽です。
 
今までの岩がちな道とは違う、土のなだらかな斜面を登っていきます。
 
▲タイコ岩から鶴嘴山へ続く道の様子
 
鶴嘴山の山頂近くだけは斜度が増しますが、距離が短いのでそれほど苦になりません。
 
本日の大休止場所にするつもりの展望所(地図中「展望所」)を通過し、とりあえず三角点ピークを目指しました。
 
11:23
雑木に囲まれた狭い三角点ピークで写真だけ撮り、先ほどの展望所に戻ります。
 
▲鶴嘴山山頂の三角点周辺の様子(ここの三角点は四等で、点名は「池ノ内」)
 
11:25
展望所に戻ってきました。ここで大休止。
 
▲南方向に開けた展望所
 
▲ドローンで撮影した鶴嘴山山頂の様子(私が立っている矢印の場所が展望所)
鶴嘴山山頂で撮影した全天球パノラマ(撮影日2016年12月17日)

https://shimiken1206.sakura.ne.jp/panorama/tsuruhashiyama20161217/virtualtour.html
ドローンで山頂を撮った後、片付けずにそのままドローンを置いていたら、70代夫婦のハイカーが北から来られました。
飛んでいるドローンを見てみたいとのリクエストを頂き、ちょっと飛ばしてみたところ、いたく感動された様子。
 
そのご夫婦と雑談をしながら昼食の準備をしていたら、今度は2人組の男性ハイカーが南から登場。
 
驚いたことに、お一方はギターを背負っています。
ギターを背負っている方がギターを弾き、もう一方の男性が歌う、それを山の上で趣味としてやっているとのことで、私のパノラマ撮影やドローンよりもよっぽど“とんがった”趣味だと思います。
 
まずは私も含めた総勢5名全員が、各自で昼食。
 
私の本日の昼食は、尾西のチキンライスとインスタントのコーンスープ。
そして、食後は昨日出かけたときに奮発して購入した中村藤吉本店の生茶ゼリイ(抹茶)(@¥362)。
 
▲本日の昼食
 
▲本日のデザート(保冷剤と一緒に保冷バッグに入れて持ってきた)
 
普通に食べても美味しい高級ゼリーを、展望を楽しみながら疲れた状態で食べたものだから最高です。
 
その後は男性ハイカー2人組の生演奏・生歌を楽しませて頂きました。
 
▲山上のライブ
 
▲ドローンを使って全員で記念撮影
 
13:44
その後も色々と雑談をしていたら、山頂に着いてから2時間20分ほど経過していました。
 
「さすがにそろそろ下山しなければ」ということで、私と夫婦のハイカーさんが先に下山開始。
駐車場へ下るためにタイコ岩方面へ引き返します。
 
13:53
「分岐2」を左(南)へ進みましたが、東向きの区間は落ち葉に覆われて道が分かりづらい。
 
▲うっすらと道が見える
 
道がやがて南に向きを変えると、落ち葉が無くなって道が明確になってきます。
 
▲南向きの道は明確
 
14:05
駐車場の奥に下りてきました。
ここには道標があり、私が下ってきた道を指して「タイコ岩 約15分」となっています。
 
▲駐車場奥のこの場所に下りてきた
 
14:50
自宅に到着。
 
山頂で出会った70代のご夫婦は「今日は珍しい人(ギターとドローン)ばっかりに出会えて面白い」とおっしゃっていましたが、私にとってもギターを担いで上がるという面白い方達に出会えて楽しい経験になりました。