播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。原則として更新は週に1回です。広告は表示しません!

姫路市の名もなき山:伯母山と白鳥山の間の山に巡視路で登る

概要

Googleマップの航空写真を眺めていたら、山陽道の白鳥パーキングエリア(下り方面)の東、明確に送電線巡視路が見える山並みが目に留まりました。

電波塔が立ち並ぶ白鳥山(しらとりやま)*1、と三等三角点(点名:伯母山、178.9m)ピークに挟まれた191m標高点のある山です。

Webで山行記録を探しても見つかりませんし、YAMAPやヤマレコの足跡機能を見ても足跡が表示されないということは、ほとんど歩く人がいないということです。

航空写真ではっきりわかるほどの広く伐採された巡視路ですから、展望も良さそう。

展望の良い静かな場所でご飯を食べることが山歩きの目的になっている私にとっては、素晴らしい山といえます。

山の東側の巡視路入口はストリートビューで簡単に見つけることができ、同じくストリートビューで白鳥パーキングエリア側にも巡視路標識を見つけましたが、パーキングエリア側は道が整備されていないような印象。

以上の理由から、山の東側の巡視路入口から最高所の送電塔を目指し、そこで景色を楽しみながらご飯を食べ、往路を引き返して東へ下山することにしました。

この山に通っている送電線の路線名は「西播線」。2025年12月6日に歩いた天神山の南端を通っている電線路です。

天神山の送電塔が西播線9番鉄塔であることは、先日天神山に登ったのでわかっています。

西播線の送電塔番号は東から西へ向かって番号が大きくなっていくので*2、天神山から北西へ延びた送電線が西へ折れ曲がる場所(実法寺緑地のすぐ西)が西播線10番鉄塔。その西の田んぼの中に立っているのが11番鉄塔だということが自動的に分かります。

ということで、航空写真で巡視路が気になった山に立つ送電塔は麓に近いのが12番、中腹のは13番鉄塔、最高所にあるのは14番鉄塔ということになります。


▲本日歩いた巡視路沿いの送電塔(西播線12番~14番鉄塔)

本日の行程は、次の通りです。

  1. 姫路駅から路線バスで「菅生台西口」バス停へ移動
  2. バス停から巡視路入口(登山口)へ徒歩で移動
  3. 西播線14番鉄塔を目指して巡視路を登る
  4. 14番鉄塔下で昼食
  5. 白鳥PAへ下山(当初はピストンの予定だった)
  6. 「菅生台西口」バス停から姫路駅へ戻る


▲対応する地図は、国土地理院発行の2万5千分の1地形図「龍野」「姫路北部」


▲カシミール3Dで作成したルートの断面図

姫路駅から登山口へ

10:30
JR姫路駅北の神姫バス2番乗り場から、系統番号36「白鳥台」行のバスが出発。

10:57
定刻から5分ほど遅れて到着した「菅生台西口(すごうだいにしぐち)」バス停で降車(地図中「菅生台西口バス停」)。

運賃は姫路駅から460円です。


▲菅生台西口バス停(姫路駅から来た場合に降車する場所)

ここでGPS受信機の電源を入れて衛星の捕捉を待ち、ポケットに入れていた定期入れや財布をバックパックの中へ移し替えました。

10:59
準備が整ったので出発。

バス停のすぐ南にある「実法寺(じほうじ)」交差点から西へおよそ350mの三叉路を左折します。


▲実法寺交差点から350mほど西にあるこの三叉路を左折

続いて、西播線の電線の真下を右折します。


▲西播線の電線の真下を右折

11:09
100mほど西へ進めば、巡視路標識(「火の用心」と書かれたプレート)が立つ巡視路入口に到着です(地図中「巡視路入口」)。

この巡視路入口が、今回の登山口。


▲巡視路の入口には巡視路標識が立っている


https://maps.app.goo.gl/ZJUfePeNoCV56Dss6
▲巡視路入口の位置

登山口から14番鉄塔へ

上の写真の通り、巡視路の入り口には動物避けの金網が設置されていますが、金網は太い針金をねじって両側が固定してあるだけなので、片側の針金を外すことで簡単に開閉できました。

定期的に送電塔や送電線を点検するための道ですから、整備が続けられているおかげで快適に歩けます。


▲西播線12番鉄塔がすぐ先に見える

11:12
西播線12番鉄塔下を通過(地図中「西播線12番鉄塔」)。

13番鉄塔への道も比較的歩きやすく、斜度も緩いため気分よく歩けました。


▲13番鉄塔へ続く道の様子


▲巡視路沿いには真新しいピンクテープが付いていた

しかし、13番鉄塔に近づくにつれて道の様子が怪しくなってきます。


▲13番鉄塔直前の巡視路の様子

11:25
序盤に比べると荒れてきた巡視路を進み、西播線13番鉄塔下に到着(地図中「西播線13番鉄塔」)。

周囲の木々のせいで展望はありませんし、辺り一面鹿の糞だらけです。


▲西播線13番鉄塔下の様子(石積みで補強されている)

鉄塔の向こうを見ても巡視路が続いているように見えません。
周囲を見渡すと、鉄塔の上の斜面に巡視路標識が立っているのを発見。

斜面をよじ登り、鉄塔の上から14番鉄塔への巡視路に入ります。


▲13番鉄塔の付け根を見下ろす位置に巡視路の続きを示す標識が立っていた

ここから14番鉄塔への道は、巡視路とは思えないような悪路
巡視路なのか獣道なのか分からないところを、ピンクテープを頼りに進みました。

動物たちが頻繁に巡視路やその周辺を歩いているらしく、巡視路と平行に道のようなものができていたり、巡視路と交差する獣道もあちこちにあります。


▲13番鉄塔から14番鉄塔への巡視路は悪路


▲薮っぽい場所にもピンクテープがある

14番鉄塔(昼食)

11:39
西播線14番鉄塔下に到着(地図中「西播線14番鉄塔」)。


▲14番鉄塔下の様子

13番鉄塔が展望のない場所だったので、14番も展望がなかったらどうしようかと心配でしたが、14番鉄塔下は南西方面に大きく展望が開けていました。


▲14番鉄塔下から南西方面の展望

ここで頂く本日の昼食は、オニシのナシゴレンとセブンイレブンのスパイスチキンレッド


▲本日の昼食(オニシのナシゴレンとセブンイレブンのスパイスチキンレッド)

今日は北風が強いとの予報が出ていたので、火を使わないことにしていました。というわけでナシゴレンは魔法瓶のお湯で戻し、スパイスチキンはアイラップ(耐熱性の高いナイロン袋)に入れて袋の空気を抜き、WildoのCamp-A-Boxに貯めたお湯に浸けて温めなおしました。

この方法なら、火器を使いづらい風の強い状況下でも簡単に温かくて美味しい食事を楽しめます。


▲出来上がった昼食

ナシゴレンもスパイスチキンレッドも辛いので、体の中から温まりました。

昼食を食べながら気になっていたのは、14番鉄塔から西へ延びる巡視路にもピンクテープがたなびいていたこと。

始めはここから巡視路を引き返すつもりにしていましたが、ピンクテープを見たら「最近整備されて歩きやすくなっているのかも」という楽観的な考えが浮かんできました。


▲14番鉄塔から西へ延びる巡視路(ピンクテープが風に揺れていた)

西は山陽道(下り)の白鳥パーキングエリア(PA)近くに下りることが事前の下調べで分かっていましたから、下山後の移動方法を考えないといけません。

菅生台西口バス停は1時間に1本の姫路駅行のバスが13:21に来ます。
伯母山の南を走る県道5号線のバス停には、13時台にバスは来ません。

ということは白鳥PAに下山後、2.5kmほど歩いて菅生台西口バス停に戻るしかありません。

地形図を見て、私の歩く速さなら白鳥PAへ下るのにかかる時間は20分程度と推測。
その後のバス停までの2.5kmの舗装路歩きは、時速4kmで歩くと40分ほどでしょう。

下山が20分、舗装路歩きが40分で14番鉄塔下から菅生台西口バス停まではちょうど1時間かかると予想。

というわけで、菅生台西口バス停にバスが来る1時間前に下山開始することにしました。

下山

12:20
13:21に来るバスに間に合うよう、下山開始。

無理やり切り開かれ、あまり歩く人がいない山道で注意が必要なのはイバラです。

12番鉄塔から14番鉄塔までの間にもイバラがちらほらとありましたが、白鳥PAへ下る巡視路もイバラがあります。

調子よく急斜面を下っていたら頭に激痛。なんと、私の坊主頭にイバラのトゲが刺さったのです。

「イテテテ」と一人で叫びなら、指にトゲが刺さるのも気にせず頭からイバラを抜き、着ていたアウトドア用パーカーのフードを被って頭を保護しました。身体さえ守れれば、他の装備品はどうなっても構いません。バスの時間があるので、悠長なことは言ってられません。


▲白鳥PA(下り)へ下る巡視路の様子(奥にPAに止まっている車が見える)

ピンクテープが新しいから、巡視路は整備直後だと勝手に思っていましたが、まったく整備されていません。

急斜面でもプラ階段はありませんし、落枝イバラのせいで慎重に歩かないといけないし、急斜面なので横向きや後ろ向きになりながら慎重に下らないと間違いなく転倒します。

標高110m~100mにかけては、道の進行方向が等高線と平行(トラバース)に近くなり、ずいぶん歩きやすくなりましたが、それもすぐに終わり。


▲トラバース区間の様子

トラバース区間が終わったら、どこでも歩けるような雑木林の中をコンパスとピンクテープを頼りに西へ下ることになりました。


▲道のない雑木林を下った

間もなくピンクテープの間隔が短くなり、車道が見えてきました。


▲車道が見えた

12:38
車道に下りてきました(地図中「巡視路出口」)。


▲白鳥PAのすぐ東を通るPA関係者専用道路に下りて来た


▲幅1mほどの側溝を跨ぎ、ガードレールを乗り越えて道路に出た

ここからはPA関係者用の道路を南へ進み、山陽道の下をくぐって県道545号線を目指します。


▲山陽道の下を通るトンネル

高速道路周辺を歩く機会はなかなかないので、普段目にすることのない珍しい境界標石を見ることができました。


▲日本道路公団の境界標石


▲日本道路公団の用地敷界標石

12:48
西播線15番鉄塔下で県道545号線に出ました(地図中「西播線15番鉄塔」)。


▲県道沿いに立っている西播線15番鉄塔

Googleマップを頼りに菅生台西口バス停を目指しましたが、道路の交通量は多いのに歩道がなく、しかも車はけっこう速度を出しているのでなかなか危ない舗装路歩きになりました。

ここでも珍しい境界標を発見。


▲日本道路公団の道路敷界標

12:57
「白鳥明神跡」と刻まれた標柱の立つ場所を通過(地図中「白鳥明神跡」)。
言われてみれば、神社があってもおかしくない雰囲気の場所です。

ここに神社があったとしたら、北向きになりそう。(一般的には南向き)


▲白鳥明神跡

「播磨鑑(はりまかがみ)」によると、白鳥明神は天文11年(1542年)に造られたようです。

〇白鳥明神 打越村ノ宮
 五月五日鷄合是穴師宮ニヤ後ロノ山ヲ白鳥ト云小國氏播磨守子孫此處敷地ス考ニ小國氏ハ今實法寺村ノ農長也此先祖此處ヲ地行ス穴師村ハ今揖東郡打越村也
〇大年大君 二座白鳥大明神ヲ大君ト改
 天文十一年六月八日河州ヨリ白鳥此處ニ勧請ス後ニ大歳合座

(出典:平野庸修 著『播磨鑑』,播磨史談会,明42.11. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/765870 (参照 2026-03-07))

その後、白鳥明神は天和3年(1683年)に打越の大国玉神社の場所へ名前を変えて遷されたそうです(参考:兵庫県神社本庁のWebサイト)。

上記の通り、「後ロノ山ヲ白鳥ト云(後ろの山を白鳥という)」と播磨鑑に書かれていることから、(白鳥明神が北向きだったとしたら)アンテナが立ち並ぶ現在の白鳥山(白鳥池の北にある137.0m三角点ピーク)ではなく、今回私が歩いた山の方が本来の白鳥山なのかも知れません。

12:59
また石碑に出会いました。こちらには「白鳥構跡」と刻まれています(地図中「白鳥構跡碑」)。


▲白鳥構跡の碑

白鳥構跡
播磨鑑によると室町時代赤松氏に従属していた小国大炊助頼福が構居していた 天文頃その末裔は実法寺に移り住んだ
 平成二十一年
  書写中学校区地域夢プラン実行委員会 峰相
(出典:白鳥構跡碑)

13:14
菅生台西口バス停(姫路駅方面行)に到着(地図中「菅生台西口バス停」)。


▲姫路駅方面の菅生台西口バス停(奥に見えているバス停は姫路駅から来て降車したバス停)

13:22
ほぼ定刻通りにやってきた姫路駅行の路線バスに乗車。

14:05
定刻から11分遅れで終点の姫路駅前に到着。

交通アクセス

  • 周辺にはハイカー向けの駐車場はありません。物理的に車を置くことが可能な場所は探せば見つかりますが、地元の方とのトラブルの原因になったり、駐車違反の取り締まりを受ける可能性が否定できませんので、路線バスを使うのが安全です。
  • 登山口の最寄りバス停「菅生台西口(すごうだいにしぐち)」を通過する路線バスは、2番のりば発の系統番号36「白鳥台」行、4番のりば発の系統番号34「鹿ヶ壷」行、系統番号35または40「緑台」行です。この情報は、当ブログ掲載時点のものです。実際に行かれる場合は、神姫バスのWebサイトや案内所にて最新の情報をご確認ください。

参考情報

  • 今回歩いた山域には、野生動物(鹿)マダニが生息しています。
  • 今回歩いた山域(西側)では、罠を使用した有害鳥獣駆除が行われています。巡視路以外の場所を歩くことは絶対に避けてください。
  • 登山口周辺にお手洗いはありません。駅などで事前に済ませておく必要があります。
  • 登山口周辺にコンビニはありませんが、実法寺交差点から西へ100mの場所には飲料の自動販売機があります。


▲実法寺交差点近くの自販機(左奥に写っているのが実法寺交差点)

*1:当ブログ記事掲載時点において、Googleマップでは今回私の歩いた山が「白鳥山」になっていますが、一般的には四等三角点(点名:毛野)がある137.0mの山が白鳥山と呼ばれます。

*2:天神山の送電塔の番号札は東側に付いていました。番号札は若番側に取り付けるのが一般的なため、東の方が数値が小さく、西へ行くほど数字が大きくなることが分かるのです。