本日は、2014年1月5日に一度登り、展望の良さや山城跡らしさを満喫できるという理由で好きになった鶴居(つるい)城山に再度登ってきました。
山頂(主郭跡)で展望を楽しみながらのんびり昼食を食べることと、ドローンを飛ばして空中パノラマ写真を撮るのが目的です。
鶴居城については、稲荷山城として「都道府県別 日本の中世城館調査報告書集成 第15巻」に記載があります。
【城史】『播磨鑑』には「城主は永良則縄、広瀬遠江守師範の子也」とあるに対し『日本城郭全集』には「城主は永良近江守雅親で広瀬孫四郎親茂の子、宍粟郡長水城主の末で、永禄3年(1560)10月13日卒した」とある。『神埼郡史』にはこの両方の記載を合せて「城主は赤松氏幕下永良則縄、広瀬遠江守師範の子遠江守雅親で甘地村谷城を兼有していた。広瀬氏はまた宍粟郡長水城主であったが移封されてこの地に来た。本城は又一名鶴居城とも呼び、永禄3年10月雅親卒して後絶えた」とある。
出典:都道府県別 日本の中世城館調査報告書集成 第15巻 P223
兵庫県教育委員会・和歌山県教育委員会編 2003年4月30日発行 ISBN4-88721-446-4
▲対応する地図は、国土地理院発行の2万5千分の1地形図「寺前」
09:55
姫路市街の自宅を車で出発。
国道312号線を北上し「屋形南」交差点を左折して市川を渡り、播但線の線路を越えて200mほど西へ進んだところにある三叉路を右折します。
700mほど道なりに北へ進んだところにある交差点を左折し、250mほど西進して丁字路に突き当たったらまた左折。
130mほど南に進むと道は直進と右折に分かれますが、ここを右折。
そして200mほど西へ進むと、登山口の看板がある墓地の駐車場にたどり着きます。
下のURLをクリックすると、鶴居城山登山口の駐車場の位置がGoogleマップで表示されます。
地図画面では道路が途切れているように見えても、実際は続いていたりするので、航空写真に切り換えて見ることをお勧めします。
道がややこしいので、事前にGoogleマップで充分に予習しておくことをお勧めします。
国道312号線を離れてから集落内を通る道は、大半が一車線幅しかありません。
下のURLをクリックすると、今回私が車でたどったルートが表示されます。
10:50
駐車場に到着(地図中「P」)。
この駐車場は、本来は墓地にお参りをする人のためのものですが、ハイキングコースマップも立っていて、ハイカーが車を置いても問題なさそうです。
▲駐車場のある墓地の入口(鶴居城山の頂上が右上に写っている)
▲駐車場入口に立つハイキングコースマップ
10:58
準備を整えて出発。
墓地を左に見ながら、廃墟のような建物(地形図にも記載あり)の間を抜けて西へ進みます。
▲廃墟のような建物の間を西へ進む
11:01
間もなく防獣ゲートに出会いますが、そのゲートが登山道の入口。
ゲートの扉は格子になっていますが、右側の中央付近だけ格子が広くなっていて、そこから反対側に手を入れて掛けがねをはずし、それから扉の右側を押すと開くようになっています。
扉からはヒモが伸びていて、その先におもりが付いているため、手を離すと勝手に閉じるようになっているのが面白い。
▲登山道入口の防獣ゲート
ゲートの先で登山道は左(南より)に向きを変え、すぐに尾根に乗ります。
道標によると、鶴居城の主郭(しゅかく。本丸のこと。)があった山頂まで登山口からちょうど1000m。
登山道には100mおきに距離を記した道標が立っているので、「いつになったら山頂に着くんだ」等と考えながら歩く必要はありません。
▲登山口から100m、山頂まで900m地点の道標と道の様子
麓に近い尾根は幅が広く、登山道と平行して溝状の道の跡(?)もあります。
その溝状の部分には、私が気づいた限りでは2箇所(標高170m付近)に石積みがありました。鶴居城の城戸跡等、城に関する遺構ならロマンがありますが、ほとんど崩れていないし、後世に作られた小規模な砂防ダム代わりの構造物か何かでしょう。
▲尾根に残る石積み(下山時に撮影)
登山道の右側に、ロープ代わりに鎖が張られているのに出会ったら、間もなく登山口から200m(頂上まで800m)地点です。
登山口から300m(頂上まで700m)地点までは比較的なだらかな道ですが、その先でいったん斜度がきつくなり、登山口から400m地点付近から再びなだらかな道に戻ります。
▲トラロープが張られたやや急な斜面の様子
11:19
四等三角点標石(点名:鶴居)に出会いました(地図中「四等三角点(点名:鶴居)」。
ここは登山口からの距離が500mで、頂上までの残距離も500m、つまりちょうど中間地点です。
ベンチがあるので、小休止に最適。
▲四等三角点(点名:鶴居)周辺の様子
▲四等三角点から東向きの展望
三角点の先で、また道は斜度を増します。
登山口から600m(頂上まで400m)地点を過ぎた辺りでは、左側にそうびろ山、七種槍、七種山の3つの山を一望出来る場所がありました。
私は三角点脇のベンチで休憩せず、七種の山々を見ながら立ったまま小休止。
▲登山道から見た七種山塊(左はそうびろ山、中央は七種槍、右端は七種山)
登山口から700m(頂上まで300m)地点で尾根の斜度が強烈になるため、道は一旦右へ向きを変え、その後左向きになります。つまり、ジグザグにその急斜面を越えることになります。
地図内のGPS軌跡では、標高350m付近で軌跡がカギ型に折れ曲がっていますが、それがこの急斜面です。
登山口から800m(頂上まで200m)地点からは、尾根の西側に付けられた登山道から右を見上げると、削平地が並んでいる様子が見えてきます。
これらの削平地(郭跡)に直登するらしき道もありましたが、素直に登山道を歩いて上ることにしました。
▲登山口から800m(頂上まで200m)地点の様子(右上に削平地が見える)
標高380~390m付近で、登山道は再び尾根の中央を通るようになります。
11:32
登山道が尾根の中央に戻ってすぐ、道が右へ分岐する場所に出会いました(地図中「新道分岐」)。
右に分かれる新道は「北コース」と呼ばれるルートで、東に伸びる尾根を通って東へ下山するルートです。
頂上へ行くには、この分岐を直進します。
新道の入口に丸太が置かれているのが気になりました。通行止めという意思表示なのかな。
あるいは、頂上を目指す人が誤って入り込まないように注意を促すためのものかな。
▲新道分岐の様子
この新道分岐ですが、土塁と石積みが残る郭跡があります。
▲新道分岐にある郭跡(左上に石積み、右下は土塁跡)
新道分岐から先はまた道が尾根の西側にずれます。
左側に鹿除けネットを見ながら登ると、すぐに道は尾根の中央付近に戻りますが、その付近からは階段状に並ぶ小規模な郭群の中を右に左に歩くことになります。
普通のハイカーにとっては「変な道」かも知れませんが、山城好きな方には良い道かも。
▲登山口から900m(頂上まで100m)地点の様子(奥の断崖は郭の切岸)
11:40
鶴居城山の頂上に到着(地図中「鶴居城山」)。
頂上はかつて鶴居城の主郭(本丸)があった場所で、広い平坦地になっています。
▲鶴居城山の頂上の様子
前回(2014年1月)来たときにはなかった旗竿が立っていました。
▲山頂に立つ旗竿(株式会社サンポール製。途中で分割出来る構造になっている。)
鶴居城山山頂で撮影した全天球パノラマ(撮影日:2014年1月5日)
https://shimiken1206.sakura.ne.jp/panorama/tsurui20140105/virtualtour.html
まだ昼食には少し早いので、バッテリー1本分ほどドローンを飛ばし、鶴居城山をドローンからの視点でじっくり楽しみました。
▲七種山塊を背景に、鶴居城山山頂をドローンで撮影した画像(矢印の位置に私が立っています)
そうこうしているうちにお腹が空いてきたので、昼食の準備に取りかかりましょう。
本日のメニューは、モンベルのガーリックリゾッタと、それを炒飯に見立ててスープ代わりに飲もうと思って用意したマルちゃんのワンタン。
▲本日の昼食
山頂には椅子付きのテーブルがあるので、そこで食事をしましたが、これは快適。
しかも、私以外に誰もいないので、この贅沢な空間は独り占め。
▲山頂のテーブル
食事という本日の1つめの目的は果たしたので、2つめの目的である空中パノラマ写真の撮影に挑戦。
私が使っているドローン「Mavic Pro」は、最近のファームウェアアップデートによりパノラマ撮影に対応したのです。
2本目のバッテリーに交換した後にドローンを発進させたら、山頂の木よりも少し高い位置にドローンをホバリングさせ、パノラマ撮影を開始。
といっても、ボタンを押すだけです。
後はドローンが勝手に機体とカメラの向きを変えて写真を次々と撮影していきます。
何の操作もしなくても、一人でくるくる回りながら写真を撮る姿がかわいい。
出来上がったパノラマはこちら。(カメラを真上に向けることが出来ないため、上は見られないようになっています)
鶴居城跡(主郭上空)で撮影した空撮パノラマ(撮影日:2017年12月30日)
https://shimiken1206.sakura.ne.jp/panorama/tsuruijo_aerial20171230/virtualtour.html
13:00
2つの目的を果たし、充分に贅沢な時間を過ごせたので、下山開始。
往路をそのまま引き返して下山しました。
13:32
駐車場に到着。
14:30
自宅に到着。
今回の記事の中で東へ下る「新道」について触れていますが、2014年にその新道で下山したことがあります。その際の山行記録については、以下のリンクからご覧ください。