播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

甦る姫路モノレール 幻の大将軍駅使用レール

私が住む姫路市には、かつて姫路市営モノレールが走っていました。

姫路市内の手柄山(てがらやま)で1966年に「姫路大博覧会」が開かれるのにあわせて姫路駅と手柄山をつないで開業したものの、博覧会終了後の利用者減少により1974年に休止、そして1979年に廃止されてしまいました。


▲姫路モノレール手柄山駅跡(2009年撮影)


▲姫路モノレール手柄山駅跡はモノレール展示室に生まれ変わった(2015年撮影)

当時の姫路市長、石見元秀氏は色々と壮大な計画を立ててそれを実行に移せるパワフルな人で、このモノレールも当初は姫路駅から手柄山駅を通って南部の工業地帯まで延伸したり(実際、手柄山駅では軌道が南側に貫通していた)、一説には日本海側まで伸ばすという案もあったとのこと。

使われていたのはロッキード式の車両で、軌道はコンクリートですが、その上に設置された1本の鉄のレールの上を走るという構造。


▲姫路モノレールの車両(2009年11月15日に屋外展示された際に撮影した画像。現在は展示室内に展示されている。)

当然ですが1本のレールだとバランスが悪いので、軌道上面の走行用レールは左右からも車輪で挟む構造になっており、さらにコンクリート軌道の側面に設置された安定用レールを台車で挟みこむような形になっています。

以下の4枚の画像は、手柄山駅跡で屋外展示されている姫路モノレールの台車(実物)です。
1両につき台車は2つあり、台車1つは重さが約3.7トンあります。


▲姫路モノレールの台車(側面)(2011年撮影)


▲軌道上面の走行用レールを挟む上部安定車輪(2011年撮影)


▲レール上面を走る駆動輪(赤矢印)(2011年撮影)


▲軌道側面の安定用レール(下)と第3軌条(電源供給用レール)(2011年撮影)

廃止後何十年も放置されていた姫路モノレールですが、近年になって(前述の石見市長の息子が市長になって)、手柄山のモノレール駅跡に残っていた当時の車両が常設展示されたり、当時は革新的だった「モノレール駅のあるマンション」の取り壊しやその工事前の内部公開が全国ニュースになったりするなど、姫路モノレールの存在が広く知られるようになってきました。


▲モノレール駅のあるマンション「高尾アパート」の在りし日の姿(2015年撮影。2017年に完全に取り壊された)

こんな風に姫路モノレールの知名度は上がっているのに、モノレール関連遺構は着実に減っています(軌道跡が撤去されたり、前述の駅のあるマンションが取り壊されている)。

私が生まれる前に休止されたため、乗ったことや走っている姿を見たことが一度もない姫路モノレールですが、子供の頃から見ていたモノレール遺構がどんどん消えていくのは寂しいので、姫路モノレールの遺構(?)を購入することにしました。

それが今回紹介する「甦る姫路モノレール 幻の大将軍駅使用レール」。

姫路モノレールは、昭和41年(1966年)5月17日に自動車社会が引き起こす交通渋滞等の都市問題の解決と、将来的には市街地と郊外を結ぶ新しい交通機関として全国で2番目に開業しました。

姫路大博覧会(昭和41年(1966年)4月3日~6月5日)の開催に合わせて姫路駅から手柄山駅の約1.6kmの区間で運転を開始しました。

大将軍駅は、唯一の中間駅であり、日本住宅公団(現:都市再生機構)所有の10階建てのビルの3~4階部分に駅が設置されました。

(出典:「甦る姫路モノレール 幻の大将軍駅使用レール」同梱のパンフレット)


▲「甦る姫路モノレール 幻の大将軍駅使用レール」(桐箱入りのAタイプ)

商品名: 「甦る姫路モノレール 幻の大将軍駅使用レール」(Aタイプ)
サイズ: 高さ160mm×巾135mm×厚み20mm
材質: 鉄鋼材
仕上げ: ニッケルクロムメッキ
重量: 1kg
価格: ¥10,000(税込)
販売個数: 450個(インターネット注文×250個、往復葉書注文×200個。いずれも先着順)
製造者: 有限会社オハラ工芸(姫路市)
販売者: 姫路市

これはマンション内にあったモノレール駅「大将軍駅」(※)内に設置されていたレールで、マンションの取り壊しに合わせて撤去されたものを薄切りにして研磨やメッキまたは塗装の処理を施した商品。

※「大将軍駅」という名前が日本の西隣の半島北部の国っぽくてすごいですが、これは近くに大将軍神社があるからだと思います。

レールにはシリアル番号が打刻されています。

桐箱入りのAタイプはレールの厚みが2cmで表面がニッケルクロムメッキされていますが、Bタイプは紙箱入りでレールの厚みが3cm。表面はアクリル塗装。価格は\5,500で販売個数が1,550個(インターネット注文×800個、往復葉書注文×700個、手柄山での販売×50個)。

ここで紹介するのは、Aタイプの商品です。
(注:この記事の画像では、シリアル番号が打刻または表示されている部分にぼかしをかけています)


▲桐箱の中にはレールとステンレス銘板(レール右下部分にシリアル番号がある)


▲銀色にメッキされたレール


▲レールの寸法

レールの他に、ステンレス製のステンレス銘板も入っていますが、これは大将軍駅にあった駅銘板のデザインを模したもので、裏面にはシリアル番号が記載されています。


▲ステンレス銘板(表面)


▲ステンレス銘板(シリアル番号入り)(裏面)

他に、A・B両タイプともパンフレットが同封されています。


▲パンフレット


▲パンフレットを広げた状態

買ったはいいけど、どうしようかな。

大事にしまっておくと、数年で記憶から消えて行方不明になってしまうので、玄関にでも飾っておくか。