播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

折り紙みたいな食器:Fozzilsソロパック

私の山歩きの楽しみの一つに、食事があります。
ほぼ全てインスタント食品ですが、大展望を眺めながら食べると何でも美味しい。
 
食事をするときの食器は、カップ麺ならカップのまま、袋麺の場合はクッカーから直接食べることが多く、しかも大抵はラーメンならラーメンだけ、カレーライスならカレーライスだけといった献立。
 
器をたくさん並べて色々と食材を用意すれば(カレーやパスタとサラダ、ラーメンなら、、、ラーメンだけか。餃子でも焼ければ良いですが)、山の上の食事が豪華になってより楽しめるのではないかと思い、モンベルで取り扱いが始まってすぐに(2年ほど前かな)購入して愛用しています。

 
▲Fozzilsソロパックのパッケージ
 
製品名: Fozzils(フォッジルズ)ソロパック
メーカー: Fozzils(アメリカ)
販売元: 株式会社モンベル
材質: ポリプロピレン(スナップボタンはポリアセタール)
収納サイズ: カップ/20.8cm×23.8cm、ボウル/22.3cm×25.2cm、ディッシュ/25.2cm×22.8cm
重量: カップ/33g、ボウル・ディッシュ/40g
容量: カップ/250ml、ボウル・ディッシュ/500ml
耐熱温度: セ氏105度
耐冷温度: セ氏マイナス25度
カラーバリエーション: 青、緑の2色
国内定価: ¥1,750(税別)
購入価格: ¥1,750(税別)
購入先: モンベルの店頭

概要

ポリプロピレン製の板に折り目とスナップボタンが付いただけのもので、収納時は上の写真の通り板状ですから、ちょっとしたすき間にでも収納できます。

柔らかい樹脂なので、運搬中に無理な力がかかっても問題ありません。
 
折り目に従って板を曲げ、見た目に反してしっかり嵌まるスナップボタンを留めれば、立派な食器が出来上がります。

私が購入したソロパックは、カップとボウル、ディッシュのそれぞれ大きさが異なる3種類の食器のセット。
 
 
▲ソロパックを組み立てた状態(奥から時計回りにディッシュ、カップ、ボウル)
 
 
▲3種類のサイズ比較
 
他に、ボウルが2つセットになった「ボウルズ」というバージョン(税別¥1,100)もあります。
 
余談ですが、十年ほど前、Orikasoというブランドの同様の製品がありました。
「Ori」は「折り」、「kaso」は「可塑」つまりプラスチックを表し、「折り紙」ならぬ「折りプラ板」という意味になります。
 
その名の通りプラ板を折り曲げて角をすき間に差し込むなどし、スナップを使わずに食器の形に仕上げて使う製品でしたが、やがてOrikasoブランドは消滅してしまいました。消滅する寸前には、スナップ留めの製品も出していたようです。
 
それから何年かが経過して、今回紹介するFozzilsというブランドが出来ました。
Orikasoと何か関係があるのかどうかは全く分かりません。

使い方

ディッシュもカップもボウルも、全てスナップボタンが四隅についています。
これが、ただのプラ板を食器に変える重要なパーツ。
 
どの食器も、底面積を決める四角形の折り目が中央にあり、その四角形の頂点から外向きにV字型に折り目が付けられています。
さらに、そのV字の中にはスナップボタンが通るサイズの穴が開いています。
 
 
▲スナップボタン周囲の様子
 
穴の開いた「層」をスナップボタンの間に挟み込むように折り曲げ、スナップボタンを両側からグッと押すと、しっかり固定されます。
 
この作業を4回繰り返せば、一つの食器の出来上がり。
 
 
▲スナップボタンを止めた様子
 
使い終わったら、スナップの横に飛び出している部分を指先で起こせば、バチンと大きな音が鳴ってスナップが外れます。
 
 
▲収納するときは矢印の部分を指先で起こしてスナップをはずす
 
広げると板状になる、つまり隅っこがない形状なので、広げてペーパータオルで拭くだけで簡単に全体を綺麗にできます。

注意点

それぞれの容器は、安全に使用できる中身の量が決められています。
例えば、ボウルは500ml、カップは250ml以上入れてはいけないことになっています。
 
 
▲ボウルの内側に刻印された目盛り(奥の平面部分の左端近くにうっすら見える。カップにも同様の目盛りがある。)
 
ディッシュはそもそも液体を入れることが想定されていませんが、線の高さまでならなんとかいけるようです。
 
 
▲ディッシュには、描かれている線以上に液体を入れてはいけない
 
 
▲3種類の高さの比較(左からボウル、ディッシュ、カップ)
 
また、この軽さも山の上では欠点になります。
というのも、風が吹くといとも簡単に飛ばされてしまうからです。
 
食材が入っていれば良いのですが、さて盛りつけようと思って容器を置いたときや、食材がほとんど残っていない食べ終わる頃には、中身ごと風で飛ばされてひっくり返る危険もありますから、風が弱い環境で使う必要があります。
 
断熱性がほとんどないというのも問題です。
 
例えばカレーを作ってディッシュに入れた場合、机のない山の上で楽に食べようと思うと、ディッシュを持ち上げて顔に近づける必要がありますが、素手だと熱くて大変。手袋をはめた手で持つか、断熱性のあるものを下に当てないといけません(片方の縁だけを持って持ち上げると、ディッシュがたわんで中身がこぼれるため、真下から手で支える必要があります)。

最後に

携帯性は抜群で、風の無い穏やかな環境であれば、メニューにもよりますが、山の上でちょっと豪華な盛りつけで食事を楽しめますよ。
 
片付けの手間を減らすためにパッケージのまま食べるのも良いですが、私の場合は食事を摂るために山頂や景色の良い場所で長時間過ごすことが多いので、こういった食器を使って少しでも贅沢な雰囲気を楽しむことにしています。
 
とは言っても、風が強い時に山頂や稜線上でこの容器を使うと、風向きによっては展望に背を向けて自分自身が風よけになりつつ食事をする羽目になってしまいます。
 
折りたたみテーブルの天板と容器の底部にベルクロか磁石を貼り付け、テーブル上に容器を仮留めするといった工夫をすれば、多少の風の中では問題なく使えるかも(試していませんが)。