播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

強力なキーホルダーライト:Surefire Sidekick(シュアファイア・サイドキック)

購入の経緯

どういうわけか昔から懐中電灯が好きで、中高生の頃は米軍放出のL型ライトを愛用し、大学生の頃はマグライト、社会人になってからは日常使いに便利なキーホルダーに取り付けられるサイズの小型ライトや、学生時代にあこがれていたもののお金が無くて買えなかったSureFire(シュアファイア)社の強力なフラッシュライトなどを購入してきました。
 
色んなライトを買いましたが、やはりキーホルダーに着けられるタイプのライトが断然便利で使用頻度が高い。
しかし、軍や警察に製品を納入するSureFire社の製品が持つすさまじい性能も捨てがたい。
 
SureFire社の製品は従来、銃に直接取り付ける特殊なライトは別として、CR123電池を一直線に並べて挿入できる円筒形の筐体を持つフラッシュライト製品ばかりを作っていました。
 
ところが、近年は腕時計型ライトやヘッドランプ、はてはキーホルダーに取り付けるタイプの製品まで販売し始めました。
 
SureFireのライトを手首やキーホルダーに着けて気軽に携帯できるなんて、ライト好きとしては想像しただけでワクワクしてしまいます(こうなると変態の域に到達しているのかも)。
 
それらの製品を知ったときは私の中で物欲大魔王が目を覚ましたのですが、どういうわけかすぐまた眠りに就いたらしく、「気づいたらポチっていた」という事態は免れていました。
 
残念ながら(「幸運にも」と言うべきか)当ブログに頂いたコメントで物欲大魔王が再び目を覚まし、キーホルダータイプのSureFire製品をポチリ。
 
それが今回紹介するSidekick(サイドキック:頼れる仲間、相棒の意)。
 
▲SureFire Sidekickのパッケージ
 
製品名: Sidekick(サイドキック)
メーカー: SureFire, LLC.(アメリカ)
全長: 2.5インチ(約6.4cm)カタログ値
ベゼル直径: 0.58インチ(1.47cm)カタログ値
重量: 約40g(小型カラビナクリップを含む実測値)
電源: 内蔵リチウムイオンバッテリー(交換不可)
光源: LED x1
光束: Lowモード:5ルーメン、Medモード:60ルーメン、Highモード:300ルーメン
光度: 1,100カンデラ
ランタイム: Lowモード:45時間、Medモード:4時間、Highモード:1.25時間(カタログ値)
耐候性: 日常生活防水
材質: ポリマー樹脂(本体)
日本定価: ¥15,800(税別)
米国定価: $79.99 USD
購入先: Amazon.co.jp

外観

製品はブリスターパッケージに入った状態で売られています。
裏面をビリビリに破いて中身を取り出すと、以下の品々が出てきました。
 
 
▲パッケージ内容(左からSidekick本体、充電用USBケーブル、小型カラビナクリップ)
 
 
▲Sidekickの大きさはこんな感じ
 
自動車のリモコンキーのような大きさ(私の車のキーよりずっと大きいですが)といえば良いのかな。
 
SureFireのWebサイトでは「Ultra Compact」と表現されていますが、それはSureFire社の従来製品に比べてと言う意味でしょう。
キーホルダーに着けるタイプのライトとしてはかなり大型の部類に入ります。
 
 
▲Sidekick表面(押しボタンスイッチがある)
 
 
▲Sidekick裏面(ロゴが入った部分は金属製の放熱板。製造番号かロット番号のような数字が入っている部分はぼかしています)
 
小型カラビナクリップは何故かSidekick本体に付いていない状態なので、Sidekickのお尻についている二重リングに自分で取り付けないといけません。
 
ところが、この二重リングはかなり手強い。爪が長い人だと爪を割る恐れがあります。
最初に一回行うだけの作業なので、爪を痛めたり指先を負傷しないよう注意して行ってください。
 
 
▲扱いづらい二重リング
 
 
▲付属の小型カラビナクリップを付けた状態
 
SidekickはこれまでのSureFire製品と違い、一般の方を販売対象にしているようですが、二重リングや小型カラビナクリップの質感は、ミリタリー的な雰囲気が強いです。

電源について

電源は内蔵リチウムイオンバッテリーで、その充電のためにUSBケーブルが付属しています。
ケーブル部分が11.5cmしかない短いものですが、短いお陰で取り扱いが簡単で保管や持ち運びにも便利。
 
USBケーブルで充電するわけですが、パソコンからしか充電できないわけではありません。
コンセントに差すタイプのUSB電源アダプタや、モバイルバッテリーも利用できます。
 
 
▲充電用のマイクロUSBポート
 
充電中は、昼間でも多少気になる明るさでLEDが点滅します。
そして、バッテリー残量が増えて行くにつれて点滅速度が変わります。

満充電に近づくと複数回の点滅の後、数秒間点灯というパターンになり、充電が完了するとLEDが点灯したままになります。
 
 
▲SidekickのLED
 
寝るときに部屋を真っ暗にする方は、寝室で充電しないことをお勧めします。
(充電したい場合は光を通さない物を被せておくと良いでしょう。)
 
ただ、バッテリーが空になった状態から容量の90%まで充電するのにかかる時間は、説明書によると約3時間なので、就寝中に充電しっぱなしにすると過充電になるかも知れません。
(英語版説明書には書かれていませんが、日本語版説明書には3時間以上充電しないように書かれています。)
 
どうしても就寝中など長時間放置せざるを得ない状況で充電する場合は、安全のためコンセントタイマーとUSBコンセントを使って充電すると安心です。
 
充電中以外は、バッテリー残量を知る方法はありません(充電中は点滅の仕方でなんとなく分かる)。
 
バッテリー残量が減ってくると、Sidekickは使用中に突然消灯します。
スイッチを入れても短時間で勝手に消灯するようになると、充電しないといけません。

操作方法

消灯状態でスイッチを1回押すと、Lowモードで点灯します。
 
Lowモードで点灯した後1秒以内にもう一度スイッチを押すと、今度はMedモードで点灯します。
さらにその後1秒以内にもう一度スイッチを押すと、Highモードで点灯します。
 
各モードの点灯状態で1秒以上置いた後にスイッチを押すと、消灯します。
 
いったん消灯すると、次回点灯時は必ずLowモードになります。
 
工場出荷状態では、初回点灯時にLowモードになるように設定されていますが、以下の操作を行うことで、いきなりHighモードで点灯するように出来ます。
 
初回点灯をHighモードにする手順
(1)SidekickにUSBケーブルを挿して充電状態にする
(2)USBケーブルを挿したままHighモードで点灯させる
(3)5秒以上そのままHighモードで点灯させた後、スイッチを押して消灯する
(4)SidekickからUSBケーブルを抜く
 
手順(2)でLowモードで点灯させて5秒以上おくと、工場出荷状態に戻ります。

初回点灯をMedモードにすることは出来ません。

使用感

スイッチは誤作動防止のためだと思いますが、かなり固めの感触です。

一応わずかなクリック感がありますが、あまりスイッチらしい感触ではありません。
このスイッチには好き嫌いがあるかも。
 
Sidekickの明るさがどの程度か、夜に自宅のバルコニーで実験をしてみました。
実験した場所は、肉眼で見ると下のような暗さ。
 
 
▲何も照明がない状態のバルコニー
 
では、Low、Med、Highの各モードで照らした時の様子を以下の写真でご覧下さい。
カメラの露出は、上の画像を撮影したときと同じ設定にしています。
 
奥の壁までは約4mで、壁に開いている2つの穴の間隔は約2.3mです。
 
 
▲Lowモード
 
 
▲Medモード
 
 
▲Highモード
 
例えば真っ暗な田舎道でも通常はMedモードで全く問題なく使えますし、手元や車内を照らすだけならLowモードで問題ありません。
 
Highモードは強烈で、光源を直接のぞき込むとしばらくの間、視野の中央に妙な模様が焼き付いたようになってしまいます。

他に人がいる状況では、Highモードは使わない方が安全。
 
Surefireの製品をお持ちの方ならご存じだと思いますが、強烈な明るさで点灯させているとライトが熱を持ってきます。
 
Sidekickも例外ではなく、Highモードで点灯させるとグングン温度が上がります。

Highモードで点灯させてから5分間隔で温度を測ると、以下のようになりました。
・放熱板がある裏面を測定しました。
・周囲の影響を受けにくいよう、空中にぶら下げた状態で点灯、測定しました。
・各画像の左上に表示されている温度は、Sidekickの裏面でもっとも温度が高くなっている場所の温度です。
 
 
▲Highモードで点灯させたままサーモグラフィーで撮影したSidekickの裏面
 
5分ほどでセ氏50度を超えますが、その後の温度の上がり方はわずか。
 
Sidekick裏面の放熱板は、手に持って使用する時には手のどこにも触れない位置にあるため、50度を超える温度になっていても、実用上問題はありません(仮に放熱板に触れたとしても、短時間で手を離せば火傷はしません)。
 
続いて、消灯後の温度の下がり方も測定してみました。
 
画像は消灯後20分後までしか載せていませんが、室温がセ氏30度近い環境だったので、いくら待ってもSidekickの放熱板周辺が30度を下回ることはありませんでした。
 
 
▲Highモードで15分間点灯させた後に消灯し、温度の変化を測定した画像

アクセサリ(オプション)

Sidekickには、専用オプションとしてLightkeeper(ライトキーパー)というキーホルダーのようなものがあります。
 
▲Lightkeeperのパッケージ
 
 
▲Lightkeeper
 
製品名: Lightkeeper(ライトキーパー)
メーカー: SureFire, LLC.(アメリカ)
重量: 約14g(実測値)
材質: ポリカーボネート(本体)
日本定価: ¥2,100(税別)
米国定価: $12.00 USD
購入先: Amazon.co.jp
 
Lightkeeperは、長さ約60cmの細いナイロンコードをゼンマイの力で引き込むリールです。
 
 
▲Lightkeeperの裏面は透明で内部のゼンマイが見える(クリップは固定されておらず回転する)
 
ナイロンコードの先端についている金属ループにSidekickの小型カラビナクリップを連結し、Lightkeeper本体をズボンのベルトループに取り付ければ、いつでも素早くSidekickを取り出せます。
 
 
▲LightkeeperとSidekickを連結した状態
 
 
▲ズボンにLightkeeperとSidekickを取り付けた状態(この写真ではベルトにLightkeeperのクリップを着けていますが、クリップの跡がベルトに付いてしまうので、ズボンのベルトループに着けることをお勧めします。ベルトに着けているポーチは、ガラケー用のケース。)
 
リールのゼンマイはちょうど良い強さになっていて、軽い力でコードを引き出せます。
引き込む力がこんなに弱くていいのかなと心配になりますが、引き出した状態で手を離しても、Sidekickは比較的ゆっくりと引き戻されていきます。
 
コードはナイロン繊維なので、使っている内に切れるかも知れません。
 
上の写真ではSidekickをポケットの外に出していますが、安全のためSidekickは尻ポケットに入れるようにしています。
 
Lightkeeperにつながっていれば、Sidekickはポケット内部の上端付近にぶら下がった状態になるため、座ったときに押しつぶされることもなく、取り出すのも簡単。

仮にコードが切れても、ポケット内に落ちるので安心です。
 
コードが切れるよりも先に、Lightkeeper本体からクリップが取れるのではないかと心配になるような構造をしています。

万一クリップが取れたとしても、Sidekickをポケット内で吊しておけば(Sidekickの方が重いので)Sidekickがポケットの中に落ちる(Sidekickを紛失する可能性は低い)と思います。
 
ただ、これは財布を尻ポケットに入れるという方には使えない方法なので、取り付け方は各自で工夫してみて下さい。
 
ちなみに、LightkeeperはKey-BakというメーカーのMini-Bakというリールをベースにしたカスタムモデルです。
 
欲を言えば、金属部品はSidekickと同様、黒色にして欲しかったなぁ。

最後に

日常生活防水なので山歩きで使うのは難しいかも知れませんが、日常生活には充分過ぎる性能があります。
 
Sidekickを買ったことで、今までに購入したキーホルダー用の小型ライトは全て引退することになりました。
それほど強力で魅力的。
 
Sidekickは、小型とはいってもある程度大きいですし、単体でポケットに入れておくとかなり存在感を感じるため、常に身につけておくためには、携帯方法に何かしらの工夫が必要です。
 
また、バッテリー残量が分かる仕組みが無いため、必要な時に突然消えてしまうという不便もあります。
 
しかし、それらの欠点を補って余りある性能なので、私は毎日持ち歩いています。