播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

海上自衛隊阪神基地隊サマーフェスタ2016

本日は、海上自衛隊阪神基地隊サマーフェスタ2016へ出かけてきました。

阪神基地隊は掃海艇の基地なので普通の護衛艦などは来ないのですが、サマーフェスタやその他特別な時だけ、掃海艇以外の艦艇が一般公開されます。

飲食物の屋台が並んでいたり、自衛隊グッズが販売されていたり、自衛隊カレー(今日は限定500食)を食べられるイベントです。

イベント自体は10:00~16:00まであり、受付終了は15:30。

お昼ご飯を食べてからゆっくり楽しんでも良いのですが、午後の暑い時間帯がつらいので早めに行くことにしました。

イベント名称: 海上自衛隊阪神基地隊サマーフェスタ2016
日程: 2016年7月9日(土)、7月10日(日)、7月17日(日)、7月18日(月)
時間: 10:00~16:00(最終受付は15:30)7月18日の艦艇見学のみ15:00が最終受付
場所: 海上自衛隊阪神基地隊(←クリックすると、Googleマップで阪神基地隊の位置が表示されます)
費用: 飲食物や物品の購入を除き、シャトルバス、入場料、艦艇見学などは無料。
イベント内容: 日によって多少異なる。詳細は阪神基地隊のWebサイトを参照。
駐車場: なし(自転車・二輪車のみ駐車可能)

10:11
新快速敦賀行でJR姫路駅を出発。

10:51
JR三ノ宮駅で新快速を下車。向かいの普通電車・快速電車用のホームで普通電車を待ちます。

10:58
京都行の普通電車で三ノ宮を出発。

11:09
JR摂津本山駅に到着。
運賃は¥1,140かかりますが、私の場合は半分以上を通勤定期でカバーできるので、大した出費にはなりません。

摂津本山駅から阪神基地隊への移動手段ですが、サマーフェスタの期間は無料のシャトルバスが運行されています。

摂津本山駅の北口から出て北へ進むと、すぐに太い道路に出会います(「本山駅北」交差点)。
その道路を渡らずに交差点を右に曲がって少し進むと、ローソンがあり、そのローソンの数十メートル先にシャトルバス乗り場がありました。

摂津本山駅の改札口、本山駅北交差点、シャトルバス乗り場に看板を持った隊員さんがいらっしゃるので、分からなければ尋ねると良いでしょう。

シャトルバス乗り場でしばらく待機していると、マイクロバスか、あるいは路線バスのような車両が来ると思っていたのですが、立派な観光バスが到着。

おかげで、阪神基地隊まで快適なバスの旅を楽しめました。

阪神基地隊前の道路上にはバリケードが置かれており、二輪車と自転車以外の車両は通行止め。そのため、シャトルバスも基地には入れず、手前に止まって乗客を降ろします。

11:40
シャトルバスを降りて少し歩き、阪神基地隊の門に到着。


▲阪神基地隊(バリケードが路上に置かれている。自転車は通行可能)

門を入ってすぐの場所で金属探知機のチェックがあり、その先のテントは手荷物検査場。鞄を開けて中を見てもらいます。

検査を受けて基地の奥へ進むと開けた場所に出ます。
そこには飲食物のテントが並び、岸壁には大きな補給艦と護衛艦の姿も見えました。


▲サマーフェスタ会場の様子

阪神基地隊は人口島の南東角にあり、東と南に岸壁があります。

本日は東側の岸壁に補給艦ときわが艦首を北に向けて停泊、護衛艦うみぎりは南側の岸壁に艦首を西に向けて停泊していました。

私の今日の目的は、補給艦と護衛艦の見学です。
自衛隊カレーを食べられる食堂(すごい行列)や飲食店のテントには目もくれず、まずは補給艦ときわ(AOE423)へ。


▲補給艦ときわ(AOE423)

全長: 167.0m
幅: 22.0m
基準排水量: 8,150トン
主機: ディーゼルエンジン2基2軸
馬力: 26,000 PS
速力: 22ノット
乗員: 140名
進水: 1989年3月23日
就役: 1990年3月12日
艦名の由来: 艦名の「ときわ」は、山口県宇部市の白鳥で名高い、風光明媚な常磐湖に由来します。
(出典:補給艦ときわのパンフレット)

補給艦とは、その名の通り他の船に燃料や物資などを補給するための船で、相手の艦艇と併走しながら海上で補給作業を実施します。

乗艦は艦の左舷、中央付近の舷梯から。
乗艦したら、左舷を艦首に向かって進み、今度は右舷側を通って艦尾方面へ。途中でラッタルを登って艦橋内を見学し、艦尾のヘリポートを見てから艦尾近くの舷梯から退艦するという順路が設定されていました。

見学順路に沿って進むと、まずはメカメカしい前甲板を見学することになります。
クレーンやら何やら機械だらけで、見ているだけでワクワク。


▲補給艦ときわのクレーン

前甲板には、給油ポストが2本と移送ポストが1本立っています。
移送ポストの根元には細長くて大きなフタ(昇降機)があり、移送ポストのスライディングブロックからはロープが2本延びていて、そのロープにトロリーと呼ばれる白い物体が乗っています。


▲補給艦ときわの前甲板

上の写真で「相手の船のスライディングパッドアイへ」と書かれている赤と黄色の金具は、補給先の船の側面中央付近にある「スライディングパッドアイ」の2つの金具に連結して使用します。
つまり、補給艦と相手艦の間に2本のロープが張られた状態になります。
(最初は細いワイヤーを専用の銃のようなもので発射してお互いに受け渡し、その細いワイヤーを使って補給用のロープを張ります)

その2本のワイヤー上をトロリーがロープウェイのように移動し、昇降機から出てきた物資(昇降機の下は倉庫)をトロリーにぶら下げて補給相手の艦に移送するというわけです。

ロープの高さは、スライディングブロックが上下に動くことで調節します。

燃料は、給油ポストと呼ばれる柱から補給先艦艇との間にロープを張り、黒いホースを相手艦につないで補給します。

下のYoutube動画で洋上補給について簡単に説明されています。



▲補給艦ときわの揚錨機(ようびょうき)付近から艦橋を見る。上端が広がっているのが給油ポストで、広がっていない単純な四角形の物が移送ポスト。補給艦ときわでは、艦首から給油ポスト、移送ポスト、給油ポストの順で3本のポストが立っている。


▲給油ホースの先端

前甲板の補給関連設備を一通り見学したら、右舷側を通って艦橋へ。
そして、艦橋の下から急なラッタルを登ります。


▲軍用艦艇の階段は狭くて急角度

艦橋の左右脇(後方寄り)には12.7mm機関銃(M2)とMk 36 SRBOC(対艦ミサイルや敵攻撃機を攪乱するための「おとり」を発射する装置)があり、艦橋の左右前方寄りには信号探照灯と双眼鏡、羅針盤が設置されています。


▲艦橋脇(右舷後方寄り)の12.7mm機関銃


▲艦橋脇(右舷後方寄り)のMk 36 SRBOC


▲艦橋脇(右舷前方寄り)の信号探照灯と双眼鏡

信号探照灯の横には若くて元気な隊員さんがいて、手旗信号やラッパ演奏を披露してくれていました。

「何でも質問してください!」と元気よく対応してくれているのですが、見学者の多くは普通の人なので、何を聞いて良いのかも分からない様子。

「信号灯や双眼鏡は自由に触ってもらってかまいませんよ!」とのことだったので、私は信号探照灯のレバーを動かし、シャッターが開いた状態で信号探照灯の内部を見せてもらいました。


▲信号探照灯の内部(映り込みがひどすぎてよく見えません)

いよいよ艦橋の中へ。
思っていたより横幅があり、広い!


▲艦橋内の様子

右舷側に赤と青ツートンカラーの艦長席、左舷側に赤一色の司令席があり、これらは座って記念撮影が可能。


▲補給艦ときわの操舵輪

艦橋から前甲板を見下ろすと、下で見た以上にメカメカしさが強く感じられました。


▲艦橋から前甲板を見下ろす

艦橋の真上、屋上のような場所にも上がることが出来ました。
白いドームを持ったアンテナが何本も立っているだけの空間でしたが、高くて気持ちいい。


▲艦橋の最上層の様子

上の写真では、右上に信号旗が縦に並んでいるのが写っています。
この信号旗は1枚1枚がアルファベットを表していて、この場合は右側の列の上から2枚目の旗からW・E・L・C・O、左側の列の上からM・Eの順に並んでいます。

つまり、「Welcome(ようこそ)」という意味です。


▲信号旗が表す文字

右側の列の最上段にある青と白の旗は、以下に続く信号旗が暗号ではなく平文(ひらぶん)であることを意味するものです。

続いて、艦橋から順路に従って急なラッタルを下り、艦尾のヘリ甲板へ移動しました。
護衛艦と違ってヘリの格納庫が無く、単にヘリが着艦できるだけの空間です。


▲補給艦ときわのヘリコプター甲板

以上で補給艦ときわの見学は終了したので、ヘリコプター甲板の左前方にある舷梯から退艦しました。
補給艦ときわで撮影した全天球パノラマ(撮影日:2016年7月10日)

https://shimiken1206.sakura.ne.jp/panorama/hanshin20160710-1/virtualtour.html

パノラマ画面左上のリストで、画像を切り替えられます。
今度は、南側の岸壁に停泊している護衛艦うみぎりの見学です。


▲護衛艦うみぎり(DD158)

岸壁では護衛艦うみぎりの全体を撮影できないため、上の写真は補給艦ときわから撮影しました。
マストが多いように見えますが、その理由は後で分かります。

基準排水量: 3,550トン
全長: 137.0m
全幅: 14.6m
喫水: 4.5m
主機: ガスタービン4基(54,000 PS)
速力: 30ノット(約56km/h)
乗組員: 約220名
(出典:護衛艦うみぎりのパンフレット)

右舷中央付近の舷梯から乗艦し、まず前甲板へ向かうのが順路。


▲護衛艦うみぎりの前甲板

76mm速射砲と巨大なアスロックランチャーの存在感がすごい。


▲アスロックランチャー(対潜水艦兵器)

護衛艦うみぎりのアスロックランチャーの動作展示を撮影した動画がYoutubeにありましたので、転載します。


うみぎりに乗艦して驚きました。

それまで全く気づかなかったのですが、うみぎりの左側に護衛艦とね(DE-234)が並んで停泊していたのです。
護衛艦とねは小型の護衛艦なので、うみぎりの陰に見事に隠れていました。

ときわから見た時にマストの数が多く見えた理由は、これでした。


▲「うみぎり(左)」と「とね(右)」
護衛艦うみぎりで撮影した全天球パノラマ(撮影日:2016年7月10日)

https://shimiken1206.sakura.ne.jp/panorama/hanshin20160710-2/virtualtour.html

パノラマ画面左上のリストで、画像を切り替えられます。
前甲板を見学したら、左舷側の通路を通って艦尾へ向かいます。
途中、スライディングパッドアイ(補給艦の移送ポストからのロープを連結する場所)の辺りに、護衛艦とねに乗り込むための橋がかかっていました。

ただ、本日は護衛艦とねは見学対象になっていないため、とねに乗ることはできず。


▲護衛艦うみぎりのスライディングパッドアイ


▲「うみぎり」と「とね」をつなぐ橋

右側に護衛艦とねの兵装を眺めながらうみぎりの艦尾に行くと、短SAMシステム3型A(対空ミサイルランチャー)に出会います。


▲短SAMシステム3型A

それぞれの箱の中に対空ミサイルが1発ずつ収納され、比較的近い距離まで接近した航空機を撃墜するのに使用します。

「写真撮影は不可」という条件で、ランチャーの中を見せて頂くことが出来ました(上の写真で1つだけフタが開いているのがそれ)。

箱の上部にレールがあり、そこに対空ミサイル(訓練用)がぶら下がる形で収納されていました。

隊員さんによると、発射した後はランチャー内が煤で真っ黒になるので、下っ端の隊員がつなぎを着てランチャー内に入り、エタノールで内部を拭いて綺麗にするとのこと。

ランチャー内は狭いので、アルコールの蒸気で気分が悪くなるそうです。

ミサイルはどうやってランチャーに装填するのか質問すると、それも詳しく教えて頂けました。

ランチャーの背後(艦首側)に扉があるのですが、それが開いて中から装填用の機械が出てきます。その機械はレール上を移動し、ランチャーにミサイルをセットするとのこと。

8発全弾の装填に掛かる時間は、その機械を使う場合で15分程度。
ただ、ベテラン隊員が作業をすれば、機械を使った場合よりも速く装填できるそうです。


▲短SAMシステム3型Aにミサイルを装填するための装置が格納されている扉(中央奥)と、それが移動するためのレール

ちなみに、ランチャーには換気装置がついていて、ランチャー内の温度がセ氏38度を超えるとその換気装置が作動するとのこと。

短SAMシステム3型Aと同様のミサイル(シースパロー)の実射シーンがYoutubeにあったので、転載します。


興味深いお話を聞かせて頂いた後は、ラッタルを上がってヘリコプター甲板へ。


▲ヘリコプター甲板の様子

護衛艦のヘリコプター甲板を見学しているマニアではない方々は、ヘリ甲板にあるレールが何のためのものか疑問を持っている場合がありますが、あのレールはヘリの拘束装置が移動するためのもの。


▲拘束装置(ヘリの下にある平らな機械)

上の写真をよく見ると、ヘリの下から棒(プローブ)が延びていて、それを拘束装置が挟み込んでいるのが分かります。

荒天時の海上では船が揺れるので、ヘリが着艦するときにバウンドしてしまう可能性があります。
それを防ぐため、悪天候時はヘリからロープを垂らしてヘリ甲板のウインチで巻き取りながら降下させ、ヘリが着艦したらプローブを拘束装置が挟み込み、ヘリが動かないようにがっちり固定するという仕組みです。

着艦後は、拘束装置を動かしてヘリを格納庫に入れます。


▲拘束装置がヘリの下にあるプローブを挟んでいる様子

実際に拘束装置(RAST:Recovery Assist, Secure and Traverse)を使った着艦の様子を撮影した動画がYoutubeにあったので、転載します。


これで護衛艦うみぎりの見学は終了。
うみぎりの方は、艦橋が公開されていないようでした。

時計を見ると12:55。
船を2隻見学するのに、75分かかったことになります。

来たときはすごかった食堂の行列がなくなっていたので、のんびりカレーを食べられるかなと思っていたら売り切れ。

13:00
基地を出て往路でシャトルバスを降りた場所へ向かい、シャトルバス待ち行列の最後尾に並びました。

シャトルバスで摂津本山駅に戻り、駅前のすき家で昼食を済ませてから、13:49発の普通電車で三ノ宮へ行き、三ノ宮から14:07発の新快速で姫路へ帰りました。
姫路駅の到着時刻は14:47。

2016年7月17日(日)、7月18日(月・祝日)は、小型の船で港内クルージングを楽しめますし、18日は呉音楽隊の演奏を聞くことが出来ます。

興味のある方は是非どうぞ。