播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

兵庫県福崎町の七種(なぐさ)薬師(616.1m)

警告!
今回紹介するルートの内、下山で利用した一部の区間で道が分かりにくいところがあります。
GPSとコンパス、地形図を使わないと、道迷いの心配やルートの誤りによる時間超過の恐れがあります。
初心者の方やナビゲーション装備が貧弱な方の挑戦は避けて下さい。

 
本日は、福崎町にある七種薬師(なぐさやくし。別名:薬師峯)に登ってきました。
 
七種薬師は何度か歩いていますが、今回は東麓の野外活動センターを起点に周回するルートを歩くことにしました。
 
 
▲対応する地図は、国土地理院発行の2万5千分の1地形図「寺前」「前之庄」
 
9:00
姫路市街の自宅を車で出発。
 
国道312号線を北上していくと、JR福崎駅の南にある「福崎新町」交差点で国道312号線は東へ向きを変えます。
その交差点で右折せず、直進して道なりに県道405号線、同406号線を北西に進んでください。
福崎駅周辺は道が細いので、要注意です。
 
そのまま道なりに県道406号線を進むと、大きな池のある福崎町青少年野外活動センターにたどり着きます。
 
9:44
野外活動センターに到着。
 
駐車場は、野外活動センターの建物を通り過ぎてすぐ左前にあります(地図中「P」)。
 
 
▲野外活動センター(右)のすぐ先に駐車場がある
 
 
▲七種の森駐車場入口の道標
 
 
▲七種の森駐車場の様子
 
9:53
野外活動センターでお手洗いを借り、装備を整えて出発。
(野外活動センター以外にお手洗いはありません)
 
北西へ延びる1車線幅の舗装道路を進みます。
 
 
▲舗装された道路を進む
 
10:01
地形図で169m標高点がある辺りで、道は小さな橋を渡ります。
その橋を渡ったすぐ左に、今回の目的の山「七種薬師」への登山口がある未舗装林道があります。
 
 
▲橋を越えたすぐ先で林道へ入る
 
道標には「七種薬師」ではなく「峰の薬師」と書かれています。
 
 
▲林道入口の道標
 
未舗装林道に入ると、100mも行かないうちに右側に登山口が現れます(地図中「登山口」)。
 
登山口には、「D-(1)」と書かれたプレートがありました。
これは、緊急通報時に自分の位置を簡単に表すためのもの。
 
 
▲七種薬師の登山口
 
 
▲登山道の様子(本日のルートは大半がこのような道)
 
急な上り坂で一気に標高270m付近まで登ると、いったん道はなだらかになりますが、再び急な坂になります。
その後も、急坂、なだらかな道という変化を何度か繰り返しながら標高を上げていきます。
 
10:32
標高390m付近で、登山口で見たのと同様の緊急通報用のプレートに出会いました。
ここは「D-(2)」です。
 
今までの道は、急坂とはいっても多少ジグザグに道が付けられていたりしましたが、D-(2)地点から先は尾根が細くなるためか、道はまっすぐになります。
 
標高500m前後の区間は、登山道に岩が目立っていました。
 
 
▲標高500m付近の様子
 
10:53
そうびろ山方面への道が左へ分岐する地点に出会いました(地図中「そうびろ山方面分岐」)。
 
 
▲そうびろ山方面分岐の様子
 
分岐の先でちょっとしたコブを越え、わずかに下ってから登り返すと七種薬師の山頂です。
 
11:01
七種薬師の山頂に到着。
ここには、緊急通報時に位置を示すためのプレート「D-(3)」がありました。
 
七種薬師の山頂は2段になっていて、上段には二等三角点標石(点名:薬師峯)があり、下段にはこの山の名前の由来になっている薬師如来像が祀られた祠があります。
 
 
▲薬師如来像が祀られた祠
 
薬師如来像の上部には薬師如来を表す梵字が、向かって左には「前之庄村」と刻まれていて、像が向いている南を見ると、南西にある前之庄(まえのしょう)と南東の福崎市街地を見渡せます。
 
 
▲薬師如来像
 
 
▲三角点周辺の様子
 
お昼ご飯を食べるには早いので、まずはパノラマ撮影。
 
三角点標石のある山頂上段と薬師如来像前の2箇所で撮影しました。
パノラマ左上のリストで切り替えてご覧下さい。
 
 

七種薬師山頂で撮影した全天球パノラマ(撮影日:2016年3月5日)

https://shimiken1206.sakura.ne.jp/panorama/nagusayakushi20160305/virtualtour.html

 
パノラマ画面左上のリストから、2箇所のパノラマを切り換えてご覧いただけます。
 
山頂からはあまり展望がないように見えますが、三角点標石の近くからは七種山と七種槍を間近に眺めることができます。
 
パノラマ撮影を終えたら11時半になっていたので、そろそろ昼食の準備をしましょう。
本日のメニューは、レトルトのご飯の上にオイルサーディンを載せたオイルサーディン丼とインスタントのみそ汁。
 
 
▲本日の昼食
 
12:24
霞んでいて展望は楽しめませんでしたが、静かで落ち着いた山頂を独り占めしてゆっくり休めたので、満足して出発。
 
下山には、七種薬師の南東にある538.2m三角点ピーク(そうびろ山)を経由して野外活動センターへ下りるルートを使うことにします。
 
12:28
そうびろ山方面への分岐から南へ入ります。
分岐から南への下りは、かなりの急斜面。
 
地籍調査が最近行われたらしく、測量用の杭が多数埋まっていて、その位置を示すためのテープもルート上にヒラヒラしていました。
 
 
▲そうびろ山へ続く道の様子(テープは登山者用ではなく測量用のもの)
 
急な下り斜面は間もなく終わり、後はなだらかなアップダウンを繰り返しながら南東へ進んでいきます。
 
地形図で448m標高点のある鞍部には、大きなヌタ場(イノシシの水浴び場)があります(地図中「ヌタ場」)。
 
 
▲大規模なヌタ場
 
12:47
鞍部から登り返したところにある小ピークには、測量旗の付いた紅白ポールが立っていました(地図中「地籍図根三角点」)。
 
ポールの根元には、黄色いプラスチック製の地籍図根三角点が埋まっています。
 
▲地籍図根三角点(奥にそうびろ山が写っている)
 
12:55
尾根が三差路になっている場所の小ピークに到着(地図中「板坂・三枝草/そうびろ山分岐」)。
 
ここから東へ進むとそうびろ山。南向きにも道が付いていますが、今回はそうびろ山経由で下山するので東へ進みました。
道標によると、ここからそうびろ山までは15分とのこと。
 
 
▲分岐のある小ピークの様子
 
 
▲分岐の道標
 
分岐からそうびろ山へは、標高差で20m下り、70m登り返します。
下山行程での登り返しは面倒だなぁ。。。
 
そうびろ山へ続く道にも、今まで通りピンクと黄色のテープがあり、それぞれの色に対応した杭が地面に打ち込まれています。
 
13:12
そうびろ山に到着。
ここには、真新しい四等三角点標石(点名:そうびろ山)が埋まっています。
 
 
▲そうびろ山山頂の様子
 
 
▲四等三角点標石(点名:そうびろ山)
 
そうびろ山山頂の東に小さなコブがあり、そこから北東と南東に道が分岐しています。
野外活動センターへ直接下りられそうな北東への道を下ることにしました。
 
この道は全体的に急で、あちこちに張られているトラロープが役に立ちました。
 
トラロープが無いところは立木にしがみついたり、自分が持ってきたストックでバランスを取ったりしないと、まともに歩けません。
 
▲そうびろ山から北東へ下る道の様子(見上げて撮影)
 
なかなか大変な道でしたが、足を滑らせた際に思わず腕を振り上げ、手を木にぶつけて負傷(擦り傷だけ)した以外は何事も無く順調に下れました。
 
麓に近づいてきたところで、道を塞ぐように張られたトラロープに出会いました。
道は左右に分かれているように見えます。
 
左には測量用のテープはなく、右の道にテープがヒラヒラしているのが見えましたが、左の道の方が駐車場の近くに下りられそうだったので、迷わず左へ。
 
しかしこれが大きな間違い。
すぐに道は荒れてきて、足下には伐採された木が転がっていますし、イバラまで出てきました。
 
 
▲荒れた道の様子
 
14:05
七種の森駐車場入口に立つ携帯電話基地局脇に下りてきました(地図中「携帯基地局」)。
が、鹿除けネットが張られていて駐車場に行けません。
 
横を見るとネットの開閉部分(テープがついている)があったので、そこから外へ。
 
 
▲携帯電話基地局近くのネット開閉部
 
今回そうびろ山からの下山に利用した道は、標高が高い区間は踏み跡が明瞭で問題なく歩けますが、標高が低い区間は、歩きやすい所を適当に進んでいくと道ではない所に迷い込みかねない場所もあります。
 
藪こぎが好きな方ならそのまま藪を突破すれば良いですが、そうでない方は「おかしいな」と思ったら引き返し、踏み跡を探して下さい。
 
14:07
駐車場に到着。
 
15:00
自宅に到着。
 
本日のルートの距離や高低差は、以下の図(カシミール3Dで作成)をご覧下さい。
 
 
▲本日のルートの断面図