職場には毎日水筒を持っていき、コーヒーやお茶を飲むためにサーモスの真空断熱マグを自席に置いています。
水筒の方は何故か汚れていないのですが、真空断熱マグの方はコーヒーやお茶が接する部分が真っ茶色。
職場の流し台でゴシゴシ洗っても、茶色い汚れの中に傷のように綺麗な部分が出てくるだけで、なかなか綺麗になりませんでした。
漂白剤で綺麗になるとは思うのですが、職場の共用設備の一角をつけ置き漂白のために長時間占有し続けるのは問題がありますし、食器に残る漂白剤のあの匂いがイヤ。
こういうものだと諦めていたのですが、ネットで調べてみると、サーモスが短時間で水筒等の内部をきれいに出来る洗浄器を販売していることが分かり、試してみることにしました。
製品名: サーモス マイボトル洗浄器
品番: APA-800
メーカー: サーモス株式会社(日本)
サイズ: 本体直径約8cm 本体厚み約3.3cm
重量: 約100g(計量スプーン、お試し用漂白剤含まず)
電源: アルカリ単4電池×3本(別売)
定価: ¥3,000(税別)
購入価格: ¥2,110(税込)
購入先: Amazon.co.jp
品番: APA-800
メーカー: サーモス株式会社(日本)
サイズ: 本体直径約8cm 本体厚み約3.3cm
重量: 約100g(計量スプーン、お試し用漂白剤含まず)
電源: アルカリ単4電池×3本(別売)
定価: ¥3,000(税別)
購入価格: ¥2,110(税込)
購入先: Amazon.co.jp
概要
水筒に洗浄液を入れ、水筒本体と洗浄液内に立てた電極棒の間に電圧をかけて、電気分解により水筒の内側を洗浄する装置です。洗浄器本体の大きさや電極棒の長さの都合上、口の直径が7cm以下で、容量800ml以下の水筒等でないと利用できません。
水筒本体に電気を流すために、水筒の縁に電極を接触させる構造になっています。従って、縁がプラスチックで覆われていたり、水筒内部が特殊コーティングされているタイプの水筒等にも利用できません。
外観
この洗浄器のパッケージ内容は、以下の通りです。電極棒(正電極)についているオレンジ色のキャップは、電極棒が水筒内部に接触してショートするのを防ぐためのもの。
本体裏面には2本の針金があり、これが水筒の縁と接して電気を流します(負電極)。
本体は上下に分割できるようになっていて、下半分にはワイヤー電極が、上半分には制御回路と電池の収納空間があります。
本体中央に電極棒を通すのですが、電極棒に通電させるための円状ワイヤー電極が中央の穴の中にあります。
ワイヤー電極の円の中に電極棒を通さないといけないので、この形状を理解した上で、正しく電極棒を本体に差し込まないといけません。
電流を正しく本体下部の電極に流すため、本体の分解・結合時には向きに注意する必要がありますが、かみ合わせる部分に丸と三角のマークがあるので、それぞれ同じマークが揃うように差し込めばOK。
仕組み
この洗浄器の仕組みは、製品紹介サイトにも記載があるとおり、サーモスが特許を取得したものです。特許を検索して資料を見ると、本体下面の負電極と接する水筒本体と、電極棒(正電極)の間に電圧をかけた際、過酸化水素発生剤(過炭酸ソーダ)を溶かした水の中に発生する水酸化ラジカル(汚れを分解する力が強い)が水筒内部を洗浄するとのこと。
漂白剤を使うより短時間で洗浄でき、使用する過酸化水素発生剤が安価で経済的というのが利点のようです。
使い方
本体に電池をセットしたら、電極棒の一方の端からキャップを取って本体に電極棒を差し込み、キャップを元通り電極棒にはめ込みます。これで本体側の準備は完了。
水筒の方には、容量に合わせて専用の漂白剤を投入し、上端から2cm下まで水を注いでかき混ぜ、漂白剤を溶かします。
漂白剤を適切な量だけ入れられるよう、製品には計量スプーンが付属しています。
この計量スプーンは、目一杯入れると800mlの水筒に適した量の漂白剤(14g)が、一つ下の段差まで入れると500mlの水筒に適した量(9g)、一番下の段差まで入れると350mlの水筒に適した量(6g)が掬えるようになっています。
今回は、私が職場で使っている真空断熱マグを洗浄することにしました。
お茶やコーヒー、紅茶等色々なものを飲むのに長い期間愛用しているので、飲み物が接する部分は茶色く汚れていて、綺麗にしようと乱暴に洗った形跡が見られます。
これに専用漂白剤と水を入れてマイボトル洗浄器をセット。
本体の電源ボタンを押すと、赤いランプが点灯します。
場合によっては、中の洗浄液が泡だってあふれ出すことがあるとのことなので、流し台に置きました。
3分後、赤いランプが消灯したのを確認してマイボトル洗浄器を取り外した直後は、底部だけ綺麗になっていましたが、他の部分にはまだまだ汚れが残っています。
ところが、スポンジで軽く拭っただけで嘘のように茶色い汚れが落ちてしまいました。
使用後は、本体内に水分が入らないようにするため、電極棒は上の絶縁キャップを外して下へ引き抜き、表面に付着している洗浄液を洗い流して乾燥させます。
電極棒とキャップは予備部品として単独で売られているので、紛失したり扱いが悪くて錆びた場合などは、メーカーから直接購入できます。
2015年10月現在、電極棒とキャップのセットが432円(税込)、キャップ2個セットが216円(税込)です。
2015年10月現在、電極棒とキャップのセットが432円(税込)、キャップ2個セットが216円(税込)です。
本体は上下に分割し、水筒に接していた下半分を水洗いしてから乾かします。
本体上部は、特に濡れたり汚れたりしないので、手入れはしません(電子回路があるので、そもそも洗えません)。
製品にはお試し用の漂白剤が30g付属していますが、この量は800mlの水筒の洗浄2回分です。
使い切った場合は、150g入の専用漂白剤(計量スプーン付)が定価600円(税別)で販売されているのを使用するか、市販の過炭酸ソーダ(過炭酸ナトリウム)を使って下さい。
純正品は前述の通り150gで600円しますが(計量スプーン付ですが)、漂白剤として市販されている商品なら、750g入りや500g入りが400円以下で手に入ります。
最後に
本当に3分で頑固な汚れが取れたので驚きました。使用できる水筒に色々と制限はありますが、条件を満たした水筒(サーモス製以外でも可)をお持ちの方で、水筒内部の汚れが気になっていた方は、一度試してみると良いかも知れません。
収納は不便です。電極棒を挿したままだと、収納スペースを取り過ぎます。
水筒は何本か持っているので、使用していない水筒にセットした状態で保管すれば、多少はマシかな。
Amazon等での低評価は、仕組みを理解せず、利用できる水筒の条件も読まずに買った人の「使えない」という意見(自分が悪い)や、電池が付属していないことに対する不満(電池ぐらい買えば済む話。我が家では、電池が付属している製品でも、メーカー不詳の訳の分からない付属電池は使いません。本来、付属電池は動作確認用程度のもの。)、三千円という定価に対する不満(安心の日本製)で、製品の性能に対する不満は特になさそうです。
お勧めは出来ませんが、仕組みさえ理解すれば、電極を工夫して条件に合わない金属容器も洗浄できると思います。
実際、サーモスの特許資料には、様々な容器を洗浄するためのアダプタ的なものの図も掲載されています。
ただ、下手をすると回路が壊れたり、ショートして電池が過熱・破裂する恐れがあるので、電子工作好きの方以外は手を出さない方が無難です。