播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

JR網干総合車両所 ふれあいフェア2015

本日は網干総合車両所の一般公開に出かけてきました。
網干総合車両所はJR網干駅の西にあり、姫路や岡山地区を走るJRの電車の点検、整備を行っている施設です。

この網干総合車両所は1年に1度だけ一般開放されていて、重量のある電車の車体を持ち上げる巨大なクレーンやジャッキ、台車を点検整備するための搬送設備や洗車設備、そしてそれらが稼働している様子が見学でき、珍しい車両の展示も行われるのですが、それが本日2015年11月3日だったというわけです。

網干総合車両所は地図で見るとJR網干駅の少し西にあり、JR網干駅からすぐに行けそうに見えますが、電車の点検修理を行う車庫は網干総合車両所の西端にあるため、網干駅の北口から約2.3km歩かないといけません。

その距離を歩くのが大変という人は、網干駅の北から出ている無料のシャトルバスを使えば良いのですが、これが大変。

当日はそのバス乗り場が大混雑する上に、周辺の道路も渋滞し、シャトルバスを待っている間に歩いた方が早く網干総合車両所に着くほどです。

実際、2014年の一般開放では、網干駅から総合車両所までたどり着くのに、シャトルバスの待ち時間も含めて40分かかりました。

距離は2.3kmですから、歩けば30分です。

今年もあのシャトルバスの行列に並び、渋滞の中をトロトロと走るバスの中でイライラするのはイヤだったので、JR網干駅から直接、徒歩で網干総合車両所へ向かいました。

9:28
網干行の快速電車で姫路駅を出発。

9:38
JR網干駅に到着。運賃は¥240。

北口から外へ出て、線路の北側を線路沿いに西へ進みます。
3つめの陸橋で線路を南へ渡ると、陸橋を下り切る手前に西へ入る道が2本あります。

北側は直接総合車両所へ入る道、南側は、総合車両所の南側を東西に走る道へ降りる道です。
ここから直接総合車両所へ入っても良いのですが、私は西から順に東へ見ていき、最後にこの道から網干駅へ帰ることに決めていたので、総合車両所の南側を走る道を西へ進みました。

JR網干駅から網干総合車両所への徒歩ルートは、以下のURLでご覧下さい。
http://yahoo.jp/06atxC


▲網干総合車両所の建物配置

10:08
網干総合車両所の西門に到着(地図中「西門」)。


▲網干総合車両所の西門の様子(シャトルバスが止まっている)

注:イベント時、網干総合車両所に出入りできる門は西と東に一つずつあります。正式な名称は分からないので、便宜上西側は西門、東側は東門と呼ぶことにします。

西門を入ってすぐ左にある大きな車庫は第2検修庫で、国鉄時代の車両の点検、整備が行われている場所です。
奥には入れませんが、入口付近だけは自由に出入りできるので、整備用の設備や、車両を吊り上げる大きなクレーンは見られます。


▲第2検修庫内の様子(車両の上にあるクレーンは45トンまで上げられる)

網干総合車両所内で撮影した全天球パノラマ(撮影日:2015年11月3日)

https://shimiken1206.sakura.ne.jp/panorama/aboshi20151103/virtualtour.html


パノラマ画像左上のリストを切り換えて、色々な場所のパノラマをご覧下さい。
その第2検修庫の東側(西門を入って右側)にあるのは第1検修庫。

ここでは221系以降の車両の点検、整備が行われており、置いてある車両は姫路より東側の地域では普段の通勤でおなじみの電車ばかり。

第1検修庫内の北側には、8両編成の電車を編成ごとまとめて持ち上げられるジャッキがあります。

JR神戸線を走る12両編成の新快速電車が8両と4両の2つのグループで構成されているのは、この設備が8両までしか対応していないからかな。


▲第1検修庫内北側のジャッキ(前出のパノラマ左上のリストを切り替えることで、この場所のパノラマを見られます。)

第1検修庫の南側は台車や車輪の点検、整備を行う空間で、車輪や台車、モーターがたくさん置かれています。


▲第1検修庫内に並べられていたモーターと車輪(前出のパノラマ左上のリストを切り替えることで、この場所のパノラマを見られます。)


▲第1検修庫内にある台車の点検設備(前出のパノラマ左上のリストを切り替えることで、この場所のパノラマを見られます。)

この第1検修庫の上階には食堂があり、駅弁が販売されていた他、プラレールも展示されていました。
小さい子ども達は、プラレールに触りたくて仕方ない様子。


▲第1検修庫の食堂


▲第1検修庫の食堂の片隅に展示されていたプラレール

階段を降りて第1検修庫の1階に戻る途中、大きなブザーの音が聞こえてきました。ジャッキアップの展示でもするのかなと思いましたが、ジャッキの周辺に人はいません。

第1検修庫の東側から音が聞こえたのでそちらへ向かうと、小型の車両牽引車が電車を牽引する様子の展示が行われていました。

車両牽引車はディーゼルエンジン(?)で走るもので、運転席は進行方向に対して真横を向いています。
車両の入れ替えのため前に進んだり後ろに進んだりするため、横向きに座る方が楽なんでしょうか。

それにしても、1編成の電車は、こんな小さな牽引車で動かせるものなんですね。


▲車両牽引車の展示

第3検修庫とその北側の建物の間には、今回のイベントの目玉の一つ、「オヤ31形建築限界測定車」が展示されていました。

西から順に昭和初期の展望客車「マイテ49」、「オヤ31」、ディーゼル機関車「DD51」の順に3両の車両が並んでいましたが、マイテ49もオヤ31も内部には入れません。


▲マイテ49(左)と225系

マイテ49の名前ですが、「マ」が42.5t以上47.5t未満の車両を、「イ」は一等客車(「ロ」は二等、「ハ」は三等)、「テ」は展望車を表します。


▲オヤ31形建築限界測定車

「オヤ」という名前ですが「オ」は車両の重量が32.5~37.5t未満、「ヤ」は職用車という意味です。

オヤ31-31
新製 1937年(昭和12年)梅鉢車輌会社
 車輌側面から矢羽根を広げ、建築限界からはみ出した建造物に矢羽根が触れて倒れると、室内の信号に伝達表示される仕組みになっています。また、矢羽根を広げている様子が花魁(おいらん)が沢山のかんざしが挿しているようにも見え、測定中に低速で走行する様子が花魁が歩いている姿のようにも見えることから「おいらん車」あるいはカタカナ書きで「オイラン車」とも呼ばれます。
(出典:現地のパネル 原文まま)


▲オヤ31車両端の矢羽根(左)と車両中央付近の矢羽根の付け根の様子(右)


▲オヤ31作業室内の様子(石炭ストーブがある)

最新の建築限界測定車はレーザースキャナを車両側面に搭載し、障害物の有無だけでなく障害物までの距離も正確に測定できるそうで、それに比べるとオヤ31形はかなり原始的な仕組み。もう使われていないそうです。


▲DD51形ディーゼル機関車


▲DD51形ディーゼル機関車のエンジン(Wikipediaによると、排気量は61,070 cc。これが2基搭載されている)
この屋外車両展示の様子もパノラマで撮影しています。(前出のパノラマ左上のリストを切り替えることで、この場所のパノラマを見られます。)


▲DD51の砂箱(車輪の空転を防ぐために撒く)

この展示空間は、DD51のある場所で行き止まり。
マイテ49のある場所まで引き返し、今度は第3検修庫へ向かいました。

ここにはいくつかの車輌が展示されていましたが、方向幕が面白い。


▲急行の英賀保行や、区間快速の西明石行の表示(こんな列車は存在しません)

第3検修庫の南では、車輌の洗車体験のための行列が出来ていました。
興味はあるのですが、今日は風邪気味で並んでいるだけで疲れそうなので、素通り。


▲車両洗浄体験の行列の様子

第1検修庫と第3検修庫の間では、忘れ物や鉄道グッズを販売するテントがありましたが、黒山の人だかりだったので、これらも素通り。

10:55
第3検修庫の南側を東向きに歩き、東門から外へ出ました。

往路で通った道をそのまま引き返し、JRの網干駅へ

11:29
姫路行の普通電車で網干駅を出発。

11:39
JR姫路駅に到着。