播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。原則として更新は週に1回です。広告は表示しません!

陸上自衛隊 姫路駐屯地創立64周年記念行事

本日は「陸上自衛隊 姫路駐屯地 創立64周年記念行事」に出かけてきました。

姫路市街地の北部、広峰山の南麓に陸上自衛隊姫路駐屯地があり、毎年この時期に創立記念行事を実施しています。


▲姫路駐屯地の位置(赤いピンの場所が正門)

以下のURLをクリックすると、Googleマップで姫路駐屯地正門の位置が表示されます。

ここに駐屯しているのは第3特科隊。
高射特科(対空ミサイル等)と通常の特科(大砲)の部隊なので、姫路駐屯地の記念行事で披露される訓練展示には対空ミサイルが登場し、主役として155mmりゅう弾砲FH70が大活躍します。

ミサイルは空砲が存在しないため発射機を上下左右に動かすだけですが、FH70はバカスカと空砲を撃ちまくってくれます。
その音と空気の揺れ(衝撃波?)にはしびれますよ。

小さな子供さんはその迫力におびえて泣き叫び、大人は想像を超える爆音と空気の揺れに驚いて笑い出す人が続出します。

姫路駐屯地の記念行事で有名なのは、レンジャー展示。
官舎の間に張られたロープを渡りながらネタを披露しないといけないという、芸人ばりの任務がレンジャー隊員には与えられています。

過去には、レンジャー展示の中で女性自衛官にプロポーズというのもありました(見事に成功して拍手を浴びていました)。

他にも立派な資料館を見物したり、普段は入れない駐屯地内の売店でミリタリーグッズを買いあさるのも記念行事の醍醐味です。

本日の記念行事のスケジュールは、以下の通り。
 観閲式 10:00~11:10
 訓練展示 11:20~12:00
 模擬売店 9:00~15:00
 装備品展示 13:00~15:00
 体験試乗 13:00~15:00
 音楽演奏・太鼓演奏・格闘展示・レンジャー展示 13:15~14:30

何年か前から、姫路駐屯地は自家用車(自動二輪含む)を駐屯地内に止めさせないようになりました。
昔は駐屯地内の至る所に見物客の車が止まっていたりしましたが、あれはあれで色々と問題があるでしょうし、周辺の道路が大混雑するし、バス路線はあるし、ちょっと歩けばJRの駅もあるので、自家用車を禁止にしたのは正解かも知れません。

私はいつものように自宅から自転車で出かけました(自転車は駐屯地内の駐輪スペースに止められます)。

観閲式はお偉方の長い挨拶が続いて退屈なのですが、「ヒゲの隊長」こと佐藤正久参議院議員の挨拶があるなら聞きたいなと思い、佐藤議員のスケジュールを公式サイトで調べるも、姫路駐屯地のことは書かれていませんでした。

挨拶を聞くのは止めにし、観閲行進と訓練展示を見られればいいやと思って10:30に駐屯地に着くのを目安に家を出発。

10:30
陸上自衛隊姫路駐屯地の正門に到着。
正門の写真を撮ると、警備の隊員さんに「装備品はいいんですが、建物は勘弁して下さい。建物以外は何を撮ってもらってもかまいませんので。」と言われてしまったので、今回はなるべく建物が写らないように写真を撮っています。

まだ来賓の挨拶や来賓紹介が続いていたので、その間に訓練展示を見るための場所探し。

今まではグラウンドの南側で見物していましたが、今回はグラウンド南側は立入できる区域がかなり制限されていたので、他に良い場所が無いかとグラウンド周辺を散策。

グラウンド北側には少し高くなった場所があり、それなりに見物客がいたので見やすいのかなと思って行ってみると、立木が邪魔になってあまりグラウンドがよく見えません。

結局、グラウンド北西の招待者席の後ろに踏み台を置き、その上に立って見物することにしました。
プラスチック製の折りたたみ踏み台は安価ですし、こういったイベントの時には重宝します。

10:45
観閲行進が始まりました。
音楽隊が「祝典ギャロップ」を演奏する中、たくさんの車両が観閲官や来賓の前を通り過ぎていきます。


▲観閲行進の様子(左が来賓席。見物客の向こう側を車両が走行している)

観閲行進が終わると、引き続き音楽隊による音楽演奏が始まりました。行進曲やアニメソングなど、幅広いジャンルの音楽を演奏していたイメージがありますが、今回は全て有名な行進曲や自衛隊オリジナルの楽曲でした。


▲音楽隊の様子

音楽隊が演奏を続ける中、消防車がグラウンドに水をまき始めました。
訓練展示の際、ヘリや空包射撃、装甲車両によって巻き起こされる砂埃を軽減するためです。


▲グラウンドに散水する消防車

散水が終わると、トラックに乗った隊員がグラウンドに茂みのようなものを設置し始めました。


▲訓練展示の準備を行う隊員

11:10
予定より早いですが、訓練展示が始まりました。

まずはUH-1(汎用ヘリコプター)で敵陣地を偵察するための隊員を降下させます。
ヘリが巻き上げる砂埃がすさまじく、まるで映画のような光景でした。


▲隊員を降下させるためにロープを垂らすUH-1

降下した隊員は訓練展示前の準備で設置されていた茂みの影に隠れ、煙幕を張ってから移動。


▲降下後、茂みに身を隠す隊員

その後は93式近距離地対空誘導弾が2両と、81式短距離地対空誘導弾が1両展開しました。


▲展開した対空ミサイル車両(左が93式近距離地対空誘導弾、右が81式短距離地対空誘導弾)

引き続き、155mmりゅう弾砲FH70が4両、中砲けん引車に引かれてグラウンドに進入してきました。
そして、中砲けん引車がFH70を切り離し、砲が手際よく展開されていきます。


▲中砲けん引車に引かれたFH70(奥のスタンドは姫路競馬場)


▲砂埃の中、FH70が展開される様子

4門のFH70の準備が整うと、警告のプレートをもった隊員が客席前を行ったり来たりし、観客に注意を促します。


▲大音響を警告するプレート

スピーカーからカウントダウンの音声が流れ、4門が一斉に空砲を発射。


▲FH70の発砲炎

今回の訓練展示を見ていると、4門の同時発射の時にはカウントダウンが、1門ずつ発射する場合は予告無しという感じでした。

74式戦車と96式装輪装甲車がグラウンドに進入し、敵陣地への突撃に備えて待機している間に、FH70がさらに空砲を発射。

FH70の射撃ですが、タイミングによって攻撃準備射撃や突撃準備射撃といった具合に呼び方や役割が変わります。


▲突撃に備える96式装輪装甲車(左)と74式戦車

FH70の突撃支援射撃による援護を受けながら、2両の装甲車両が空砲射撃をしながら敵陣地へ突撃。
小銃小隊の隊員も徒歩でその後に続きます。


▲煙の中を突撃する74式戦車


▲小銃小隊の隊員

11:35頃
以上で訓練展示は終了です。

駐屯地内の売店に行き、カロリーメイトで昼食をすませたところで親族から駐屯地に来たと電話が入ったので、親族の家族と合流し、戦車体験試乗のくじ引きを引くための行列に並びました。

ところが、くじの数より圧倒的に多くのお客さんが並んだため、私たちの順番が来るまでにくじ引きは終了してしまいました。


▲74式戦車の体験試乗の様子(プライバシー保護のため顔はお見せできませんが、皆さんこれ以上ない笑顔です)

12:50頃
残念ながら戦車の体験試乗は諦め、予定より早く始まった装備品展示のUH-1ヘリコプターを見学に行きました。

普段のUH-1は、隣に立って記念写真を撮ったり中を覗くだけですが、今回は機内に乗り込むことが可能で、しかもコクピットの写真撮影もOKという大盤振る舞い。


▲UH-1機内見学の待ち行列


▲UH-1のコクピット

UH-1の機内で撮影した全天球パノラマ(撮影日:2015年10月18日)
撮影にはRicohの初代Thetaを使っています。画質は悪いですが、ご了承下さい。

https://shimiken1206.sakura.ne.jp/panorama/UH-1_20151018/virtualtour.html

UH-1の機内を見た後は、1 1/2tトラックの体験試乗の行列に並びました。

こちらはトラックなので1度に10人ほど乗れますし、トラックが2台あるため一度にさばける人数が多く、くじ引きにはなっていませんでした。とりあえず、並べば乗れるという状態。

自分の順番が来たら、ヘルメットを受け取ってかぶり、トラックの荷台へ上がります。
予想はしていましたが、座面も背もたれも木の板という、乗り心地を無視した構造。
これで長距離を輸送される隊員さんは本当に大変でしょう。


▲1 1/2tトラック


▲トラックの荷台にある座席

トラックの体験試乗はコースにカーブが多く、上り下りや舗装路、未舗装路があり、乗っていて楽しい。
親族の子供も大はしゃぎでした。

楽しいトラック体験試乗が終わったら、今度は模擬店へ。

14:00頃
模擬店でたこ飯や焼き鳥を食べていたら、レンジャー展示の声が聞こえてきました。
急いでレンジャー展示会場へ移動し、官舎の間に張られたロープの上で、ショートコントやロープ渡りのデモンストレーションが行われたのを見物。


▲模擬店の様子(朝の内に撮影した写真)


▲模擬店近くの道路に描かれていた行進の訓練用(?)マーク


▲レンジャー展示の様子


▲レンジャー展示(前懸垂降下)の様子

親族の子供に制服試着体験をさせてから一緒に資料館を見物。

記念行事と言えば小火器の展示が欠かせませんが、今日はさんざん駐屯地内をうろついたのに、その展示が見当たりません。
それもそのはず、小火器は史料館内に展示されていたのでした(手に取ることはできない)。


▲史料館内の様子

史料館を出ると14:30を回っていました。

駐屯地は15:00で閉門するので、私は親族と別れて単独行動。
急いで装備品展示会場を一周し、家路に就きました。


▲史料館から装備品展示会場(グラウンド)への道中では姫路城が見えた

グラウンドでの装備品展示ですが、UH-1の他に以下のものが展示されていました。
昔は射程距離もプレートに表示されていましたが、近年はそういった表記は消されています。


▲93式近距離地対空誘導弾


▲81式短距離地対空誘導弾


▲03式中距離地対空誘導弾


▲対砲レーダ装置JTPS-P16


▲155mmりゅう弾砲FH70


▲120mm迫撃砲RT


▲オートバイ(偵察用)


▲軽装甲機動車


▲87式偵察警戒車


▲96式装輪装甲車

今日はイベント終了まで一日満喫できました。

毎度思いますが、毎日訓練で大変な中、寸暇を惜しんで準備を進め、無料で(模擬店は別ですが)これだけ楽しませて頂ける自衛隊の皆さんには感謝しないといけませんね。