播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

JR網干総合車両所 ふれあいフェア2014

今日は姫路市の西隣、太子町にある網干総合車両所のふれあいフェア2014に行ってきました。
普段入ることが出来ない車両基地に入れるため、電車好きのちびっ子がいる家族連れの他に、鉄道マニアも多数おしかけるイベントです。
 
私は鉄道マニアではありませんが、毎日通勤でお世話になっている電車の整備を行っている舞台裏を見られる貴重な機会なので、出かけてきました。
 
JR姫路駅からJR網干駅まで列車で移動し、網干駅からは徒歩でシャトルバス乗り場へ。
 
駅からシャトルバス乗り場へのルートは、要所要所にJRの職員さんが立っているので、迷うことはありません。
しかし、網干駅の西側にある踏切が、時間帯によっては開かずの踏切になってしまうらしく、シャトルバスが渋滞に巻き込まれてなかなか乗り場に来てくれません。
 
シャトルバスがのりばから道路に出ようにも、渋滞で道路上の車が動けないため、道路にも出られません。
結局、シャトルバスで網干総合車両所の西門に到着したのは、網干駅に着いてから40分後のことでした。
 
 
▲網干総合車両所西門から敷地内部を見る
 
西門前に停車したシャトルバスを降り、車両基地に入るとすぐ左に第2検修庫があります。
Wikipediaによると、第2検修庫は主に国鉄時代の車両の検査に使用するそうです。
 
ここは車体吊り上げ移動展示を見せてくれる場所ですが、私が行ったのが展示時刻からかけ離れていたため、何もなく静かでした。
 
 
▲第2検修庫の様子
第2検修庫入口で撮影した全天球パノラマ(撮影日:2014年11月3日)
西門を入ってすぐ左は第2検修庫、右は第1検修庫になっていて、その間の広場では姫路駅名物の「えきそば」が売られていました。
 
 
▲えきそば販売コーナー
 
続いて第1検修庫内を見ることにしました。
Wikipediaによると、221系以降のJR車両の検査を行っているそうです。
 
第1検修庫は、西側の入口脇に「台枠検修場」と書かれているだけあり、中は台車の検査、整備に必要な機材がぎっしり。
 
例えば、入って左半分(北側)は車体を台車から持ち上げるためのジャッキがあり、反対側(南側)は台車の分解整備を行うための設備や、車輪の削正を行う車輪旋盤があり、さらに天井付近まで車輪が積まれています。
 
 
▲車体ジャッキアップの様子(8両編成まで持ち上げられる)
 
 
▲台車の点検、整備エリア
 
 
▲車輪旋盤
 
 
▲車輪旋盤で削られた車輪
第1検修庫入口で撮影した全天球パノラマ(撮影日:2014年11月3日)

https://shimiken1206.sakura.ne.jp/panorama/aboshi20141103-2/virtualtour.html
第1検修庫から東へ出たところにある西引上げ線には、マイテ49という昭和前期のパノラマ展望車両が展示されていました。
 
 
▲昭和初期の一等展望車(マイテ49)
 
強烈な行列に並ばないと行けませんが、車内も見学出来るようです。
せっかくなので行列に並ぶことにしました。

最後尾の係員さんが持っていたプレートには「50分待ち」と書かれていましたが、大抵は大げさに書いているので、そこまで待たなくても見学出来るだろうと安易に考えて最後尾へ。
 
行列に並ぶこと40分。ようやくマイテ49に入る順番が回ってきました。
古い車両なので保護のためでしょうか、土足厳禁。スリッパに履き替えて車内へ。
 
いやぁ、待った甲斐がありました。
古い洋風建築のような、細部まで手の込んだ造りの客室は、一等客車と呼ぶにふさわしい雰囲気です。
 
 
▲マイテ49の客室
 
 
▲マイテ49の展望室
マイテ49車内で撮影した全天球パノラマ(撮影日:2014年11月3日)
見学時間は5分と決められていて、10人程度まとめて乗車し、5分経つと次の10人と入れ替えという見学方法なので、いくら居心地が良くても長居ができません。
あっという間に時間が経ち、「あと1分です」という係員さんの声で車両の外へ出ました。
 
ところで、マイテ49という名前ですが、「マ」は42.5t以上47.5t未満の車両を表す文字で、「イ」は一等客車(「ロ」は二等、「ハ」は三等)、「テ」は展望車の意味です。
 
マイテ49の前には旧国鉄の12系客車が2両つながっていて、そちらも車内を見学出来るようだったので、中を見てみることにしました。
 
マイテ49のすぐ前につながっていた客車の車両番号は「オハ12 345」。

マイテ49に乗るための行列は12系客車に沿うように並んでいたのですが、オハ12 345の連番になった車両番号が珍しいのか、通る人通る人みんな車両番号を撮影していました。
 
 
▲連番になった車両番号
 
 
▲12系客車
 
オハ12の「オ」は32.5t以上37.5t未満の車両に付く記号、「ハ」は普通車(昔の三等客車)を表します。
 
オハ12 345の前につながっていたのはスハフ12 129。
スハフの「ス」は37.5t以上42.5t未満の車両に付く記号、「ハフ」は車掌室のある普通車(昔の三等客車)。
昔は機関車で客車を引っ張っていたため客車の重量が大切で、一文字目に重量を示す記号を入れていたようです。
 
旧国鉄の12系客車の中は下の写真のような雰囲気。
 
 
▲オハ12 345車内の様子
 
ごく普通の客車ですが、マイテ49を見た直後なので、みすぼらしく見えてしまいます。
 
パンフレットを見ると線路保守用車両も展示されているようなので、それを見に行くことにしました。
 
線路保守用車両のある場所へ行く途中には、下の写真のように、未使用の車輪が大量に積まれていました。
見た目はどれも同じに見えるのですが、張られているステッカーを見ると221系用、223系用と分かれていました。
 
 
▲第3検修庫南側に積まれた新品の車輪
 
西引上げ線の南にある第3検修庫の周りを反時計回りに通って東へ進むと、何やらスコップで掘っているような音が聞こえてきました。
 
 
▲線路保守用車両の展示
 
保守用車両があり、係員さん達が何やら作業をしていますが、立入禁止エリアなので、遠くから見るだけです。
 
さらにその東側、運転本部前ではミニ新幹線が子ども達を載せて優雅にのんびりと走っていました。
 
 
▲ミニ新幹線(500系とドクターイエローの2編成があった)
 
時間は決まっていますが車体洗浄体験(電車に乗って洗車機をくぐる)や車体吊上げ移動、運転士/車掌体験、忘れ物の即売などなど、鉄道好きの方なら思い切り楽しめそうなイベントが盛りだくさんでした。
 
私は体験系のイベントには参加しませんでしたが、検修庫内やマイテ49の見学などで十分満足させていただきました。
 
帰路はJR網干駅まで徒歩。
車両基地を見ながら、線路脇の道を歩くこと25分で網干駅に到着。