播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

神戸市の摩耶山 掬星台(きくせいだい)

暑がりで汗かきの私にとっては、もう山に行くのが辛い気温が続いています。
しかし、家でボーッとしていても時間がもったいないし、家にいるとついインターネットでいろんな商品情報を見つけてしまい、私の中に潜む物欲大魔王が動き出すと何を買ってしまうか分かりません。
 
あまり辛い目に遭わずに展望を楽しめる所はないかな、標高が高いと涼しくて良いだろうなと思いながら地形図を眺めていたら、ケーブルカーとロープウェーで簡単に登れる摩耶山が目に留まりました。
 
摩耶山なら山頂で景色を見ながら美味しくご飯を食べられるし、(公共交通機関で移動するため)ビールも飲めるし、ケーブルカーとロープウェーで登ればほとんど汗をかかなくて済むので、帰りの混雑したバスや電車内で他のお客さんに不快な思いをさせる心配もありません。
 
でも、まったく体に負荷がかからないのも物足りないので、地形図で目に留まった天上寺というお寺も見に行くことにしました(往復で1.5kmほどなので運動としては微々たるものですが、パノラマ撮影機材を担いで歩けば、適度な運動になるでしょう)。
 
 
▲対応する地図は、国土地理院発行の2万5千分の1地形図「神戸首部」
 
9:27
JR姫路駅を新快速近江塩津行で出発。
 
10:01
神戸駅に到着。向かいのホームに止まっている10:01発の普通電車長尾行に急いで乗り換えます。
 
10:09
JR灘駅に到着。

南口から出ると、ロータリーに10:20発の坂バスが止まっていました。
(坂バスは2013年5月現在毎時0分、20分、40分にJR灘駅前を出発します。)
神戸市内は、東西の移動は鉄道があって便利ですが、南北の移動は不便です。そこで、バス路線が整備されているのです。

坂バスはJR灘駅~摩耶ケーブル駅間を往復するバスで、料金は一律¥200(こどもは¥100)。
みなと観光バス株式会社が運営しています。
 
 
▲坂バス
 
運転手さんはおらず、バスの横で中年女性のグループがおしゃべりをしていました。

私は日陰に入り、バスに乗れるまで待機。
数分後に運転手さんが現れ、乗車開始。
ここで乗車したのは、写真に写っている中年女性グループと私だけでした。
 
坂バスのシステムは姫路周辺で見る神姫バスとは違い、運賃は前払い。
乗り込むときに運賃箱に¥200を投入します(両替機あり)。
 
10:20
定刻に坂バスは灘駅前を出発。

途中のバス停で続々と人が乗ってきますが、大半はハイカーらしき服装でした。
 
坂バスの名前の通り、坂道をグングン登っていきます。
それも中央線の無い住宅街の中の道です。
 
10:35
摩耶ケーブル下バス停に到着。
バスを降りたら、目の前の階段を登ればすぐに摩耶ケーブル駅です。
 
 
▲摩耶ケーブル駅外観
 
 
▲摩耶ケーブル駅内の様子
 
摩耶ケーブルも灘駅前を出る坂バスと同じで毎時0分、20分、40分の発車です。
5分以内でチケットを買って乗り込まないといけません。
 
しかし、坂バスから降りた人たちで窓口前は行列。
 
10:40
なんとかチケット(ケーブルカーとロープウェーの往復で¥1,500)を買い、ケーブルカーに飛び乗りましたが、坂バスに続いて市バスが到着し、それから下りてきた人たちで私の後ろにも行列が長く伸びてしまいました。
 
しかも、ケーブルカー車内には立ち乗り出来るスペースがまだあります。というわけで、40分を過ぎても出発せず、「どうしても先頭(最後尾)に乗りたい」と言って次の便を待つ人以外が乗り終わるのを待つことになりました。
(多客時はダイヤに関係無くピストン運行するようです)
 
10:50頃
乗務員が先頭に乗り込み、ケーブルカーが動き出しました。
レールの間を這うケーブルに引っ張られて20度ほどの傾斜を登っていきます。

地形図にも描かれていますが(記事冒頭の地図の範囲外)、途中にはトンネル(高雄山隧道)があり、それを抜けるとレールの中間地点。
 
 
▲トンネル
 
中間地点は上り・下りの2台のケーブルカーがすれ違うための場所で、その部分だけレールが左右に分岐しています。
 
 
▲中間点
 
中間点を過ぎると、木々の間に神戸の街並みと海の景色が広がります。
 
 
▲ケーブルカー車内からの風景
 
10:55頃
摩耶ケーブル虹の駅に到着。
 
徒歩で摩耶ロープウェー虹の駅へ移動します。
ロープウェーの駅は、両側に星形の照明器具が並ぶなだらかな道(未舗装)を2分歩けば着く距離です。
 
10:57
摩耶ロープウェー虹の駅に到着。
 
 
▲摩耶ロープウェー虹の駅
 
駅の入口左側にトイレがあります。男性用小便器2つと男女兼用の個室が1つ。
 
ロープウェーもケーブルカーと同様に毎時0分、20分、40分の発車です。
次の便まで3分しかありませんが、写真の通り建物の入口まで行列が伸びていて、ロープウェーに乗りきらないのは明白。というわけで、トイレで用を足すことにします。
 
虹の駅に入ると、案の定定員オーバーで乗り切れなかった人たちの列が残っていました。
その列に並び、次の便を待ちます。
 
利用者が多いので、時刻表に関係無くロープウェーを動かしてくれました。
そのおかげで、20分待つことなく、11:08に私たちが乗るロープウェーは虹の駅を出発。
 
 
▲摩耶ロープウェー
 
11:13
摩耶ロープウェー星の駅に到着。
 
おなかが空いたので、星の駅の2階にあるCAFE 702で昼食を取ることにしました。
注文カウンターの上にメニューが書かれており、先払いで注文する方式です。

私はホルモン焼きそば(¥600)と缶ビール(¥350)を注文。焼きそばは時間がかかるらしく、番号札を渡されました。
 
 
▲CAFE 702店内の様子(右側が商品受け渡し・注文カウンター)
 
 
▲CAFE 702のテラス
 
待つことしばし、私が持つ札の番号が呼ばれ、ホルモン焼きそばを注文カウンターで受け取ります。
窓に面したカウンター席で、神戸だけでなく大阪のビル群も彼方に見下ろしながら、冷えたビールとホルモン焼きそばを頂くなんて、最高です。
 
 
▲本日の昼食(CAFE 702のホルモン焼きそばと缶ビール)
 
11:40
食事を終え、掬星台へ向かいます。
向かうといっても、星の駅を出たところが掬星台なんですが(地図中「掬星台」)。
 
 
▲掬星台の様子
 
展望デッキがあり、そこからの景色が先ほどのCAFE 702で見たのと微妙に角度が違っていて、こちらはこちらで楽しめます。
 
 
掬星台東側の展望デッキで撮影した全天球パノラマ(撮影日:2013年5月26日)

https://shimiken1206.sakura.ne.jp/panorama/mayasan20130526-1/virtualtour.html
 
12:17
掬星台からの景色を堪能し、三角点のある摩耶山を目指しました。
 
摩耶ロープウェー星の駅の入口に向かって右側に舗装道路の下り坂があります。
これを下り、左(西)へ舗装道路を進んでいくと、大きく右へ曲がってから電波塔の下で左へ丸太階段の道(上り)が分かれる分岐に出会います(地図中「分岐」)。
 
 
▲分岐(左へ行くと摩耶山三角点)
 
この分岐には「摩耶山三角点(天狗岩大神裏・直進80m)」と道標が立ってるので、他の分岐と間違えることはないでしょう。
道標に従って丸太階段の緩やかな坂を登ると、すぐに三等三角点(点名:摩耶山)があるピークに達します。
 
12:24
三等三角点のある摩耶山山頂に到着。
展望はまったくありませんが、木陰になっていて涼しく、人が多くて騒がしい掬星台とは打って変わって、鳥のさえずりが聞こえるだけの落ち着ける場所でした。
 
 
▲摩耶山三角点周辺の様子(山名が書かれた標柱の高さは約2.2m)
 
三角点の西には、祠がありました。
 
 
▲摩耶山三角点西の祠(右側の鳥居は高さ約3.5m)
 
時々単独や2人組のハイカーが通るだけで落ち着けるため、ここでしばらくボーッとすることにしました。
 
摩耶山三角点で撮影した全天球パノラマ(撮影日:2013年5月26日)

https://shimiken1206.sakura.ne.jp/panorama/mayasan20130526-2/virtualtour.html

パノラマ画面左上のリストから、三角点真上で撮影したパノラマと、西の祠前で撮影したパノラマを切り替えられます。
 
13:02
掬星台に向けて摩耶山三角点を出発。
 
13:10
摩耶ロープウェー星の駅に戻ってきました。
何か忘れているような気がするなぁと考えていたら、天上寺を見に行くのを忘れていることに気づきました。
 
車道に出て今度は北を目指します。
この車道はバスや管理用車両以外は通行止めなので、安心して歩けます。
 
 
▲バス道を北へ進む
 
北へ延びていた道が西へ向きを変えると、地形図で道幅が広がっているとおり、現地の道路も中央線のある2車線の道路になります。
 
13:26
天上寺の入口に到着(地形図の「忉利天上寺」)。
 
 
▲車道に面した天上寺の入口
 
お寺自体は古い歴史を持っていますが、昭和51年に火事で焼失し、現在の場所で再建された(今も再建中)なので新しい雰囲気になっているのです。
(焼失前は摩耶山三角点の南東300m付近にあった。地形図に描かれている石段は当時の天上寺のもの。)
 
石段を登っていくと、右側に「軍艦摩耶の碑」がありました。
 
 
▲軍艦摩耶の碑
 
巡洋艦「摩耶」の歴史

1932年6月30日 神戸 川崎造船所で完成 排水量14,250トン 速力34.3ノット 20cm砲x8 12.7cm高角砲x12 25mm機銃x48 13mm機銃x36 61cm魚雷発射管x16 水上偵察機x3
防空巡洋艦として第2艦隊に所属 大東亜戦争ではジャワ チラチャップ沖海戦 第2次・第3次ソロモン海戦 ガダルカナル突入作戦 南太平洋海戦 アッツ島沖海戦 マリアナ沖海戦 レイテ海戦に参加 1944年10月23日0705 パラワン島沖にて潜水艦の雷撃をうけて 沈没

北緯9度27分 東経117度23分
 
メインの境内に入って驚きました。
建物は出来上がっていますが、通路は大規模な工事中で、神聖な雰囲気とはかけ離れていました。
 
 
▲金堂
 
金堂の前は広場になっていて、その広場は山の斜面に立っている柱に支えられています。つまり大きな舞台造りになっているわけです。
ここからは淡路島方面を眺められます。
 
13:45
摩耶ロープウェー星の駅を目指して天上寺を出発。

天上寺の門を出て右前に駐車場がありますが(地図中「駐車場」)、そこに飲み物の自販機があったので、そこで喉を潤しました。
 
13:54
星の駅に到着。
 
14:00 下りロープウェーが出発。 
14:05 ロープウェー虹の駅に到着。
14:08 ケーブルカー虹の駅に到着。14:20の発車をケーブルカー車内で待ちます。
14:20 下りケーブルカーが定刻に出発。
14:25 摩耶ケーブル駅に到着。
14:35 坂バスでJR灘駅へ出発。
14:50頃 JR灘駅に到着。
14:55 須磨行の普通電車で灘駅を出発。
15:02 神戸駅で下車し、向かいのホームで新快速を待ちます。
15:10 新快速網干行で神戸を出発。
15:46 姫路駅に到着。