播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

第22回三ッ山大祭初日

今日から姫路市の総社では第22回三ッ山大祭が始まりました(2013年3月31日~2013年4月7日)。
 
このお祭りは20年に1度しか行われないことや、神様をお迎えするために高さ18mの山を3つも作ること、その山が他所のお祭りで使われる曳山とは違い、本当に原始的な単なる山であることから、貴重な祭祀とされています。
 
平日は仕事で見に行けないので、今日、見物に出かけてきました。
 
姫路駅から総社の間の道には「造り物」と呼ばれる作品が合計10個展示され(2013年3月23日付の拙ブログを参照)、それらの前には人だかりが出来ていましたし、参道やその周辺には屋台が並び、大勢の人で賑わっていました。
 
まずは三ッ山大祭のシンボル、三ッ山を見物。
昨日までは工事用の黄色いバリケードで囲まれていましたが、今日はそのバリケードがなくなっていて、山の下へ近づけるようになっていました。
(三ッ山の前で撮影したパノラマ写真は、2013年3月30日付の拙ブログを参照)
 
 
▲三ッ山
 
手前から小袖山、五色山、二色山と名前が付けられており、小袖山にはほんものの着物が無数に貼り付けられています。
五色山と二色山は、使われている色の数がそのまま山の名前になっています。
 
昨日これらの山をパノラマで撮影しましたが、昨日で正解でした。今日はすごい人出でパノラマ撮影なんて出来る状態ではありません。
「通路に立ち止まっての撮影はおやめください」と警察官がハンドマイクで呼びかけていました。
 
東西方向の狭い参道は両側に屋台が出ていて、立ち止まる参拝客が多いため、なかなか通るのが大変です。
三ツ山周辺も、撮影をする人たちが多くて歩きづらい(他人の撮影の邪魔になることを気にしなければ普通に歩けますが)。
 
 
▲三ッ山周辺の人混み
 
13:00に千人稚児行列とやらがあるとのことで、行列が進入してくるであろう総社南側の鳥居近くにいると、ものすごい人数の行列が来ました。
 
子供よりも保護者の数の方が多くて、稚児行列という雰囲気ではありませんでしたが、子供好きの人たちにはたまらないイベントだったようで、カメラ小僧(ほとんどが中高年でしたが)が行列の前に回って赤の他人の子供だろうがなんだろうが嬉しそうに撮影をしていました。
 
私は子供が苦手なので歩道橋の上から行列の写真を撮り、稚児行列を撮っているカメラマンの方をおもしろがって撮影してしまいました。
 
 
▲千人稚児行列の様子(歩道橋の階段から撮影)
 
 
▲行列の先頭
 
 
▲行列の前で撮影する写真好きの方々(テレビカメラも混じっていた)
 
行列は総社の駐車場に入っていき、見物客やカメラマンも続いて中へ入っていき、人がいなかった駐車場内が一気に混雑。
 
再び山の観察。
山の下部には出入り口があり、神職がここから山の頂上にある社へ行くようです。
 
 
▲山の下にある出入口
 
この部分から山の中が少し見えたので覗いてみると、伝統を守って竹か木材で組まれているのかと思いましたが、足場を組むときに使うパイプしか見えませんでした。
 
拝殿の様子も見てみようと思って門をくぐると、警察官が「この門は入口専用です。出られる方は東西の通路をお使い下さい」とハンドマイクでアナウンス。つまり、門上殿が乗っている門は、南から北への一方通行。三ッ山の前に戻るには、西の社務所横を通るか、東の長生殿の横を抜けるかいずれかを通らないといけません。
 
 
▲拝殿前の様子
 
ひとしきり境内を見物し、帰路に就きました。
 
帰りに家老屋敷跡公園横を通ると、そこが駐輪場になっていました。
 
 
▲駐輪場にされた家老屋敷跡公園
 
桜が良い具合に咲いており、広い芝生があるので、お花見気分で弁当を食べている人たちが多くいました。
 
取材ヘリと思われるヘリが頭上を何度も旋回しているのを見上げながら帰宅。
 
 
▲朝日新聞社の取材ヘリ(マクドネル・ダグラス式MD900型)
 

19:00
再び総社へ。
 
 
▲夜の総社の様子
 
 
▲夜の三ッ山の様子
 
本日は19:00から門上殿渡御祭、山上殿降神祭があるとのことで、それを見るのが目的でした。
ただ、20時前までは本殿の方から神楽が聞こえてくるだけで、何が行われているのかさっぱり分かりません。案内放送もないので、三ツ山周辺で待っている人たちの間では不満の声が上がっていました。
 
19:45頃
ようやく神職が私たちから見える場所に登場。各山の下にあるドアの前に並びました。
 
 
▲門上殿渡御祭、山上殿降神祭に備えて待機する神職
 
19:50頃
階級が高そうな神職が山の中へ入っていきました。
中の階段(?)は木製らしく、木の板の上を歩くような足音がしばらく続きました。
 
 
▲山の中へ神職が入る
 
 
▲山を見上げる(中央部重点測光にしたままで撮影したため、山が白飛びしてしまいました)
 
 
▲矛をもった人もいた
 
まずは門上殿渡御祭が始まりました。
といっても、何が起こっていたのかさっぱり分かりません。名前の通り門の上の社で儀式が行われているので、下からは様子が全く見えません。

しばらくたって玉串奉納があり、つづいて山上殿降神祭が始まりました。
山ごとに、下に並んでいる神職が礼をして「ウー」と声を上げます。
順序は五色山、二色山、小袖山の順でした。
 
 
▲不思議な声を上げている神職
 
その後は山の上の社(山上殿)で何やら儀式をしているらしく、山上殿の照明が付いているのが下からも分かりました。
 
 
▲二色山の山上殿(山の中の照明が透けて見えている)
 
最後は玉串奉納。
 
 
▲玉串奉納が行われた場所の様子
 
20:20
門上殿渡御祭と山上殿降神祭が終了しました。
 
 
▲神事が終わり、山から下りてくる神職(山の中の様子がよく分かる)
 
大半の見物客は「なあんだ、これで終わりか」という様子で帰って行きました。
 
お祭りのプログラムに神事が書かれていたら、どんなものか興味がわいて見に行きたくなるものです。しかし、十分な案内や説明がなく、時間になっても何も始まらない(実際は本殿内部で始まっていた)ため、多くの見物客はイライラしている様子でしたし、立ち入り禁止エリアにいる報道陣が、報道陣であることが分かりにくい服装(目立つ腕章等がなかった)ため、一般客がそうと知らずに立ち入り禁止エリアに続々と入っていました(もちろん、全員追い出されましたが)。
 
今回の三ッ山大祭は、広報や現場の案内が不十分な印象を受けます。
せっかくの貴重なお祭りですから、見物客が気持ちよく帰れるような体制は取っていていただきたいです。