播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

姫路駐屯地創立61周年記念行事

今日は姫路駐屯地の創立61周年記念行事に出かけてきました。
 
毎年訓練展示の内容に変化はありませんが、155mmりゅう弾砲FH70でバカスカと空包射撃をしてくれるので、爽快なのです。
FH70を展開する隊員さん達の動きを見るのも楽しみ。動作に無駄がなく、見ていて気持ちいい。
 
9:40
姫路市街の自宅を自転車で出発。
風邪気味で鼻水が止まらないので、途中でコンビニによってポケットティッシュを調達。
 
10時過ぎ
駐屯地に入るための車の渋滞を脇目に、姫路駐屯地に到着。
ちょうど記念式典が始まったところでした。
 
毎年同じですが、グラウンドの南端、FH70を真横で見られる位置の見当をつけ、場所を決定。
その後グラウンドの南にある駐輪場横のトイレで用を足し、訓練展示を見る準備は完了。
 
 
▲グランド南端の様子(10時過ぎ)(クリックすると拡大表示されます)
 
155mmりゅう弾砲FH70のおしりを見ながら、訓練展示を待ちます。といっても、訓練展示は1時間後の11:20開始予定。
それまでは来賓の式辞と観閲行進があります。
 
式辞を読み上げたのは、観閲官、石見市長、兵庫県知事代理、国会議員x3名。
人数が多かった割にはさほど長く感じず、10:44頃からは来賓紹介、10:47には観閲行進の準備のため、グランドに整列していた観閲部隊隊員がそれぞれの車両に乗り込み始めました。
 
 
▲中砲けん引車に乗り込む隊員
 
10:52
「大空」を演奏しながら音楽隊がグラウンドの中央に整列し、「祝典ギャロップ」の演奏が始まると観閲行進開始です。
(「大空」「祝典ギャロップ」とも、防衛省のサイトで聴くことが出来ます。
http://www.mod.go.jp/gsdf/fan/sound/index.html )
 
 
▲音楽隊の前を観閲部隊が通過する
 
 
▲グラウンド北端全景(クリックすると拡大表示されます)
 
11:04
観閲行進が終了し、国旗が退場しました。
 
この後は、音楽隊による演奏です。
1曲目は「ビルボード行進曲」、2曲目はアニメ「ワンピース」の主題歌「ウィーゴー」。
 
11:12
音楽隊による演奏が終了しましたが、この後しばらくは放送も何もなく、ただ時間が過ぎていきます。
 
11:20
82式指揮通信車がグラウンド北西から進入してきました。
 
 
▲訓練展示の開始を観閲官に報告する82式指揮通信車
 
訓練展示の概要がアナウンスされ、仮想敵の位置が赤い煙で示されます。
 
しばらくすると、南東から偵察ヘリ(OH-6D)が低空で飛来しました。
敵陣地の様子を空から偵察するためにグラウンド上空を飛び、すぐに去って行きます。
飛行高度は下の写真の程度で、特別に低いわけではありませんが、それでもかなり風を感じました。
 
 
▲敵陣地を偵察するOH-6D
 
引き続き、87式偵察警戒車、オートバイ、軽装甲機動車が偵察のために侵入。
オートバイの隊員は自動小銃、87式偵察警戒車は74式車載7.62mm機関銃で敵陣地を射撃。
 
 
▲87式偵察警戒車
 
続いて登場したのは、対空部隊。
敵陣地を制圧するための地上部隊を敵の航空兵力から守るために、展開します。
 
 
▲展開した対空部隊(左から81式短距離地対空誘導弾、93式近距離地対空誘導弾、79式対空レーダ装置JTPS-P9)
 
ここで姫路駐屯地の主役、155mm榴弾砲FH70が4門登場。
 
 
▲中砲けん引車に牽引されてFH70が登場
 
前もって82式指揮通信車でグラウンド内に入っていた隊員が中砲けん引車を誘導します。
ここからは流れるような動作でFH70が展開されます。
 
まずは中砲けん引車からFH70を切り離します。このとき既に脚の先端に付ける駐鋤(ちゅうじょ)を数名の隊員が運んでおり、切り離した直後に駐鋤を取り付け。
 
 
▲砲をけん引車から切り離すと同時に駐鋤が取り付けられる
 
次に、砲身を180度人力で回転させます。
 
 
▲砲身のヒモを引っ張って砲身を180度回転させる
 
そうこうしているうちに、主車輪側が下がって底面のプレートが接地。
牽引装置のある側(脚の先端)にある車輪は90度横を向き、脚を開く助けになります。
 
 
▲タイヤが横を向いた状態で、人力で脚を広げる
 
その後、脚側のタイヤは自動的に上がって収納され、駐鋤が地面に接します。
 
 
▲タイヤが収納され、駐鋤が接地している
 
これで展開は完了。秒読みがあり、発射!
 
 
▲FH70の発砲炎
 
これこれ!空気の振動を全身に浴びる爽快感。
参考までに、昨年撮影したFH70展開作業の動画を以下に掲載しておきます。
 
 
盛大にFH70が空包射撃をしていると、敵ヘリコプターが来たとの想定で、対空ミサイルと82式指揮通信車の12.7mm銃機関銃で反撃。
敵ヘリを撃墜したら再びFH70の射撃です。
 
74式戦車も登場し、突撃準備。が、突撃前にFH70の斉射。
 
 
▲4門同時発射
 
74式戦車が敵陣地に向けて前進し、急停止。そして主砲を発射。
 
 
▲急停止で前が沈み込む74式戦車
 
96式装輪装甲車も前進し、歩兵を下ろして陣地を制圧。
 
11:50
訓練展示が終了しました。
 
 
 
▲訓練展示終了後のグラウンド内の様子(左側が敵陣地)(クリックすると拡大表示されます)
 
風邪気味なのでこれで帰ろうかと思ったのですが、せっかくなので資料館を見てみたいし、駐屯地内に今も残る旧軍時代の建物も見物したい。
ということで、まずは資料館へ。

資料館は、グラウンドの東側の道を北へ進み、用途廃止で屋外展示されている105mm榴弾砲、155mm榴弾砲、35mm二連装高射機関砲のある角を右へ曲がってすぐの所にあります。
 
 
▲人混みの中を資料館へ
 
資料館に入ると、日露戦争で活躍した31式速射野砲がお出迎え。
資料館内は撮影禁止かと思いましたが、隊員さんに聞くと、是非撮って下さいと言わんばかりの回答だったので、何枚か撮らせてもらいました。
 
 
▲資料館内の様子
 
資料館には、明治時代の軍装品から最近のものまで豊富に資料が展示されており、軍装品好きの方なら大いに楽しめると思います。
 
12:14
資料館内の見学を終え、駐屯地内の古い建物群を見物しに行くことにします。
 
まずはグラウンドの北側、先ほど資料館に行くために右に曲がった角にある「第3師団姫路自動車教習所」と入口に書かれた建物。
 
 
▲第3師団姫路自動車教習所
 
12:20
ヘリがグラウンドに着陸するとアナウンスがあったので見に行くと、AH-1Sがグラウンド南西付近に着陸し、続いてOH-6Dがその北隣に着陸しました。
 
さて、古い建物見物の続きです。
駐屯地の東側は自家用車で来た見学者用の駐車場になっているため、普段自転車でここへ来る私にとっては未知の世界。
 
資料館からまっすぐ南へ進むと、ありました。建物番号62と書かれた銘板のついた木造建屋。
 
 
▲建物番号62(北面)
 
その南には建物番号63。
この建物の南には、輜重兵第10連隊跡の碑がありました。
 
 
▲建物番号63(南面)
 
その南には車両の整備工場があり、それの東側まで行って北へ回り込むと、「管理課木工場」と入口に掲げられた古そうな建物(建物番号100)が建っています。
 
 
▲建物番号100
 
とりあえず、駐屯地の東側にある目立つ古い建造物は一通り見たようです。(いずれも立ち入り禁止)
 
建物番号100から西へ進むと、赤い壁の、私は入ったことのない建物に出会います。
入口の表記を見ると、「幹部食堂」。
 
 
▲幹部食堂
 
12:43
幹部食堂の西が資料館なので、ちょうど一周したことになります。
 
駐屯地でしか買えないものはないかと駐屯地北の厚生センターへ行きましたが、コンビニも演習用品店も大混雑。こんなところで時間を使ってももったいないので、装備品展示を見に行くことにします。
 
「第3師団姫路自動車教習所」へ戻り、この建物1階西端の部屋で行われている装備品展示を見ることにしました。
ここで実際に手に取ることができた装備品は、以下の通り。
 
・91式携帯地対空誘導弾
・110mm個人携帯対戦車弾
・84mm無反動砲
・9mm拳銃
・89式小銃
・12.7mm重機関銃(手に取るのは無理ですが、銃架に載った状態で操作可能)
 
 
▲装備品展示会場で12.7mm重機関銃を操作する男性客
 
グラウンドでも装備品展示が始まっていたので、それを見に行くことにします。
グラウンドに展示されていたのは、以下の装備品。
 
・近SAM
・短SAM
・中SAM
・94式水際地雷敷設車
・120mm迫撃砲RT
・FH70
・対砲レーダ装置JTPS-P16
・偵察用オートバイ
・軽装甲機動車
・96式装輪装甲車
・74式戦車
・87式偵察警戒車
・OH-6D
・AH-1S
・対人狙撃銃
 
今回の目玉は、何と言っても対戦車ヘリコプターのAH-1S。
何がすごいって、コクピットとガナー席に乗り込み、ヘルメットをかぶって写真撮影が出来るんです!
例年は外観を見るだけだったAH-1Sが、今年は乗り込める!
 
コクピットの下に荷物の収納スペースがあることを、今日初めて知りました。(下の写真でも見えています。コクピットの真下に、内部が黄色く塗られた空間があります。ここには工具箱や鞄が入れられていました。)
 
 
▲AH-1Sに乗って記念撮影する見学者
 
しかし、大人気ですごい行列。
 
13:15
おなかも空いたし、あきらめて駐屯地を後にしました。
 
姫路市街のお店で昼食を終えましたが、AH-1Sから下りてきたお客さんの「これだけで、ここに来たかいがあったなぁ」の一言が頭を離れず、「やっぱり私も乗ろう」と心変わりをして再度駐屯地へ。
 
14:20
姫路駐屯地に再び到着。
 
AH-1Sには相変わらず行列が出来ていますが、そこに並びました。
しかし、待てど暮らせど行列は進みません。家族連れは母親だけ行列に残り、父と子が他の体験搭乗などに出かけ、それが終わったら行列に戻って母がいる所に入る、というのが繰り返されるので、行列に並んでいる人数と実際にAH-1Sに乗る人の数が全然違うのです。
 
15:00
装備品展示が終了してしまいました。
行列で40分待ちましたが、ほとんど進むことなく時間切れ。
次は大行列でも我慢して並ぼう。
 
せっかくなので、射撃手席を外から写真に撮らせてもらいました。
 
 
▲AH-1Sの射撃手席
 
以上で、私にとっての今年の姫路駐屯地の記念行事は終了。