播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

兵庫県朝来市の史跡 生野銀山

7月2日の土曜に出勤したので、今日はその振替休日を使って生野銀山へ出かけてきました。
 

https://goo.gl/maps/cFJmfxCGT2uXqgrU6
▲生野銀山の位置
 
史跡 生野銀山
営業時間 [4月~10月]9:00~17:30、[11月]9:00~17:00、[12月~2月]9:30~16:30、[3月]9:30~17:00
休館日 12月~2月の毎週火曜(祝日の場合は翌日)、12/29~1/2
料金 大人1人¥900、中高生1人¥600、小学生1人¥400、小学生未満無料
駐車場 無料
運営者 株式会社 シルバー生野
※ペット入場可(ただし、坑道内や売店内は抱いておく必要あり)
※生野銀山文化ミュージアム(生野鉱物館)は、小学生以上1人¥100が別途必要
 
9:25
姫路市街の自宅を出発。
国道312号線を北上して史跡 生野銀山を目指します。JR生野駅を過ぎてさらに北上して右折し、国道429号線に入れば、後は標識に従うだけで生野銀山へ辿り着きます。
 
10:45
右手に一円電車を見ながら菊の御紋が刻まれた門柱の間を通り抜けると、目の前に広い無料駐車場があります。
 
私が到着したときは、すでに奈良からの観光バスが数台止まっていました。
 
 
▲右奥が駐車場(二輪車は中央の木の左側に駐める)
 
 
▲門柱の手前右側には一円電車が展示されている
 
観光バスの乗客がたくさんいたので、彼らが入場口(代官所門)の中へ入って周囲が静かになるのを車内で待ってから出発。
 
11:02
まずは私が車を止めた場所の目の前にある生野鉱物館を見ることにします(トイレにも行きたかった)。
 
 
▲生野鉱物館
 
手動のガラス戸を開けると、目の前には階段があり、その下に回転式のゲートと100円を入れる機械があります。

100円硬貨を投入し、緑のランプがついたらゲートを押して中へ入ります(ゲートの先がすぐに階段なので、それを上る)。
2階が展示スペースになっていて、そこには様々な鉱石や、生野銀山の歴史がパネルで紹介されていました。
 
 
▲生野銀山の歴史を紹介したパネル展示
 
11:10
生野鉱物館を出て、外観に昭和の臭いが残るレストラン マロニエの前を通過して代官所門へ向かいます。
代官所門の左側に券売所があるので、ここで入場券を購入して代官所門をくぐります。
 
 
▲代官所門
 
門をくぐると、左前には鉱山資料館、右前には吹屋(精錬所)資料館、そして中央奥には観光坑道の入口が見えます。
 
鉱山資料館は大きな建物だったので、どんな展示があるのか気になり、中へ入ってみました。
 
 
▲鉱山資料館
 
中は広々としていますが、建物や展示品には古臭さを感じます。
水力発電の設備や、鉱山の地中の様子を再現したジオラマにしばし見入ってしまいました。
 
 
▲鉱山資料館に展示されている水力発電設備
 
11:25
鉱山資料館を出て観光坑道へ向かいます。

観光坑道の入口前はなかなか良い雰囲気。坑道の入口と出口の間には滝と川が流れていて、坑道入口からは涼しい風が吹き出しています。
 
 
▲観光坑道前の様子(左端の階段は、古い露天掘り跡へ向かう道。その右側が観光坑道入口。赤い橋があるのが坑道出口。)
 
観光坑道前で撮影した全天球パノラマ(撮影日:2011年7月6日)
 
11:30
涼しそうな観光坑道へ入ります。
 
 
▲観光坑道入口
 
確かに涼しい、というより寒い。入口に設置されている温度計の表示は13度。
 
天井からは地下水がぽたぽたと落ちてきて、路面は濡れています。
しかし、路面はコンクリートで舗装されているため、車いすでも通行可能です。

個人的には、明延の探検坑道のように当時のままの路面(砂利が散乱し、トロッコのレールがある)が好みですが、たくさんの人に見てもらうためにはバリアフリー化が必要なんですね。
 
坑道内は、現代と江戸時代の採掘作業を再現するために電動の人形が設置されています。
子どもの頃に印象に残っていたのは、これらの人形でした。
電動ですが、可動部がきしむ音が聞こえてきて、歴史を感じさせます。
 
 
▲探検坑道に入って最初に出会う人形(唐箕(とうみ)で風を送る手子)
 
坑道を奥に進んでいくといくつか分岐に出会いますが、順路の案内があるので、それに従っていれば公開されている区間全てをスムーズに見て回れます。
 
 
▲坑道内の案内図
 
11:36
日本酒を寝かせておくための熟成庫前を通過。
 
 
▲日本酒の熟成庫(ワインの熟成庫もあった)
 
坑道入口付近が江戸時代の採掘作業を再現したエリアで、奥の方は現代の採掘の様子を再現したエリアになっています。
 
 
▲鉱石をトロッコに積み込んでいる様子
 
 
▲坑道内の様子(分岐)
 
興味深かったのは、ローダーという機械。
 
一円電車の横にも放置(?)されていたり、吹屋資料館の横に記念撮影用に置かれていましたが、形を見る限りは、砂利を押しのけながら進むトロッコだと思っていました。
しかし、坑道内の展示で、バケットが上に上がって後ろに連結されている運搬車に鉱石を積み込む構造になっていることが分かり、ちょっと感動。(よく考えると、ローダーという名前から何をする機械なのか分かりますね。)
 
 
 
▲ローダーの展示(バケットの動きを示すイラストがある)
 
他にも興味深いのは坑道を補強する枠組み。
丸太や鋼鉄の枠で坑道が補強されています。
 
 
▲丸太の枠組み(五枚合掌支柱組)
 
 
▲鋼鉄の枠組み(馬蹄形鋼枠二枚合掌)
 
11:54
何やらゴーゴーと水の流れる音が聞こえます。
地下水を排水する施設でもあるのかと思っていたら、滝に出会いました。地中の滝です。
 
 
▲坑道内の滝
 
滝の前を通過して左へ曲がると、エレベーターの巻揚機に出会います。
 
 
▲巻揚機のリールは直径2mほど
 
 
▲エレベーター自体はさほど大きくない
 
これで現代の採掘の様子を再現したエリアは終了です。

全面がコンクリートで補強された坑道を進んでいくと、江戸時代の作業を再現したエリアに入ります。
 
岩を砕くのも運び出すのも、全て人力。
現代でも危険な作業ですが、今のような技術や知識がなかった時代の採掘作業は、危険極まりなかったでしょうね。
 
 
▲鉱石を運び出す負子(おいこ)
 
 
▲坑道の測量を行う振矩師(ふりがねし)
 
観光坑道内部で撮影した全天球パノラマ(撮影日:2011年7月6日)
 
 
 
12:10
観光坑道を出ました。所要時間はちょうど40分。
 
引き続き、観光坑道入口左側にある階段を上り、江戸時代の露天掘りの跡を見に行くことにします。
階段を上り、滝不動という小さな祠の脇を通り抜け、番所の門をくぐって未舗装の林道を登ります。
未舗装とはいえ林道なので歩きやすいですが、ここはさすがにしっかりした靴を履いていないと疲れそうです。
 
 
▲未舗装の林道を進む
 
観光客が多かった観光坑道と打って変わって、誰もいないので非常に静か。
吹き抜ける風の音が不気味に響き、ちょっと恐さを感じます。
 
12:19
露天掘りの跡に出会いました。
 
 
▲露天掘りの跡(慶寿の掘切)
 
ここからは、あちこちに坑口が開いているのに出会います。
 
 
▲江戸時代の坑口
 
12:25
露天掘の跡があるエリアの終点に到着(林道はさらに延びていますが、見学コースは終了)。
歩いてきた道を逆戻りし、観光坑道前へ戻ります。
 
12:40
観光坑道前に戻ってきました。
観光客が誰もいなくなっていたので、ここでパノラマ撮影。坑道前と観光坑道内で1つずつパノラマVRを作成しました(パノラマは、2つともすでに記事の中に登場しています)。
 
12:53
吹屋資料館の中を見学。吹屋とは、精錬所のことだそうです。
 
 
▲吹屋資料館内部の展示(精錬作業を順を追って再現している)
 
最後はお土産館を通って駐車場へ戻り、帰路につきました。
 
 
▲お土産館内の様子
 
13:10
駐車場を出発。
 
14:25
自宅に到着。