播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。原則として更新は週に1回です。広告は表示しません!

兵庫県姫路市の相坂トンネル

やまあそ さんの掲示板に相坂トンネルの写真が掲載されているのを見て、私も見に行くことにしました。
以前から噂には聞いていましたが、大正時代に完成してから今も使われているという凄いトンネルです。

 

姫路市街の自宅から国道312号線を北上し、名城酒造のある「須加院」交差点を左折します。
播但線の踏切を越えて県道80号線を西へ進んでいくと、やがて道は北へ向きを変えます。

 

まもなく県道80号線が二股(直進と左折)に分かれますが、ここは直進。道なりに進むと、左手に神社が見えたり、右手側に「毘沙門」と書かれた標識が現れたりしますが、それらを無視して北進。すぐに道は大きく右へ曲がり、左手に池が現れます。この池の前の路側帯に、車を止めることにしました。

 


▲池の脇にある路側帯に車を止めた

 

トンネル間際にもスペースはありますが、1車線しかないトンネルで対向車と出会った車が待避するための場所なので、駐車しないことをお勧めします。

 

カメラと三脚を持ち、駐車場所から東へ数十メートル歩くと、トンネルが小さな口を開いていました。

 


▲相坂トンネル西側の入口

 

トンネルの入口は煉瓦でしっかりと築かれ、アーチの上には人名が刻まれた石板が埋まっていました。
内部は蛍光灯があるため、不気味さはさほどありません。
ただ、ピチョン、ピチョンと水のしたたる音が不気味と言えば不気味かも。

 

トンネルの幅は、普通乗用車がギリギリ通れる幅。軽自動車なら、なんとか歩行者とすれ違えるという幅です(案内板によると、幅2.45メートル)。

 

現代の自動車を基準に考えると狭いですが、歩行者や馬車が基準になる当時では、広い立派なトンネルだったのでしょう。実際、完成してから90年近く経っても現役なんですから。

 

トンネル入口付近は、壁面すべてが煉瓦ですが、少し奥に入ると、下の方(垂直な部分)はセメントかコンクリート、丸みのある部分は煉瓦になっています。

 


▲相坂トンネル内部の様子

 

トンネル内を歩くと、ザッザッという足音が反響して凄い音。水の音も蛍光灯のインバータの音も聞こえなくなります。

 

長さ70メートルのトンネルを抜けて東側の入口を見てみました。
こちらは、アーチの上にゴージャスな銘板が埋め込まれています。

 


▲相坂トンネル東側入口の銘板

 

写真を撮っていると、民主党の選挙カーや軽トラックが上がってきました。その前にはトンネルから自転車に乗った人が出てきたし、まだまだ現役のトンネルとしてがんばっています。

 

選挙カーがトンネルに入らず止まっているので何かと思ったら、自転車に続いて車が西から来た様子。
東から登ってきていた2台はバックして待避スペースに入り、西から来た車は手を挙げて下っていきました。

 

トンネルの東側には、このトンネルが出来た経緯を説明した看板が立っています。

 


▲相坂トンネルの歴史を説明した看板

 

トンネルの入口に向かって右側には、トンネルが出来るまで使われていたであろう峠道の跡が残っていました。

 

村のことを考えた村長が発案し、村民みんなで協力して、末永く使えるように作られた立派なトンネル。
やまあそさんの情報によると、このトンネルは閉鎖される予定とのこと。安全性や利便性を考えると仕方ないのかも知れませんが、90年前の人々の情熱がこもったトンネルは、何とか残しておいてもらいたいものです。