播磨の山々

兵庫県姫路市周辺の山歩きと山道具の紹介をしています。2019年5月、Yahoo!ブログから引っ越してきました。

MSRのスノーシュー:Denali Evo Ascent

雪が積もった山や林道を歩く際に効果的なスノーシュー。
様々なメーカーからいろんなモデルが出ていますが、私はお気に入りメーカーであるMSRの製品を使っています。

 

 

製品名:Denali Evo Ascent
メーカー:MSR(アメリカ)
サイズ:20×56 cm(カタログ値)
重量:1,816g(ペア:カタログ値)
定価:$200 USD
国内定価:¥31,500

 

見た目がミリタリーチックで恰好良いし(実際、米軍でも特殊部隊で使用されています)、MSRというブランドの信頼性から、ちょっと高価ですがこの製品を購入しました。
モジュラー式(別パーツを増設可能)というのにも、マニア心をくすぐられてしまいました。増設できるパーツは、浮力増加用の延長テールしかありませんが・・・。

 

クランポンやその両側に付いているブレードの食いつきは良いし、クランポンやブレードは雪が付着せず、高下駄にならなくて歩きやすい。

 

購入したのは何年も前なのですが、長らくこのブログに載せなかったのには訳があります。
それは、Denali Evo Ascentの売りの一つでもあるヒールリフターの使い心地が気に入らなかったためです。

 

ヒールリフターとは、急な斜面を登る際、かかとをスノーシューから浮かせるためにかかとの下に立てる部品です。かかとを浮かせることで斜面で足が水平になり、ふくらはぎが強制ストレッチされず、疲れません。

 

Denali Evo Ascentのヒールリフターは効果的で、登り斜面は非常に楽です。

 

それなのに何故ヒールリフターが気に入らないと書いたのかというと、ヒールリフターを収納する(倒す)作業が大変だったからです。
いったん起こしたヒールリフターは、簡単に倒れないようになっているのです。

 

私の場合は、スノーシューを履いたままヒールリフターを倒すことができず、いちいち脱いでから両手を使って(あるいは蹴飛ばして)ヒールリフターを倒していました。上り坂では便利な装置ですが、平坦な道や下り坂では前のめりになって歩きにくくなるため、不要なところでは倒す必要があります。

 

今回Denali Evo Ascentを紹介する気になったのは、ヒールリフターを簡単に倒す方法を知ったからです。

 

もし私と同じようにヒールリフターを倒せなくて困っている方は、お試しください。と言うより、この方法を知らなかったのは私だけだったのかも。説明書に書いてあったのかな・・・?!

 

Denali Evo Ascentに付いているヒールリフターの倒し方ですが、これにはストックを使います。
Denali Evo Ascentの現物をお持ちの方は、バインディングの下を見てください。ちょうどかかとの辺り、スノーシュー本体に穴が2つあいているはずです。ここは普段バインディングによって隠されています。

 

ヒールリフターを立てた状態で、ストックの先端をこの穴(2つのうちどちらでも良い)に差し込んでください。ストック先端のバスケットが邪魔になるかも知れませんが、大抵のバスケットは柔らかい素材なので、無理矢理変形させてストックを穴に差し込むことができます。

 

そうしたら、ストックのグリップを後方へ押します。てこの原理(穴が支点、グリップが力点、ヒールリフターに当たっている箇所が作用点)で簡単にヒールリフターが倒れてくれます。

 

ストックの表面(ヒールリフターに接触する場所)にキズが付きますが、力を入れず、かかとを浮かせるだけで、スノーシューを履いたままヒールリフターが倒せます。

 

この方法を知ってからは、安心してヒールリフターが使えるようになりました。

 

これは海外のサイトを見ていて知った方法ですが、色々調べて驚いたのは、「ヒールリフターが簡単に倒れてしまって困る」という悩みの方が多かったことです。私は倒せなくて困っていたのに・・・。

 

何はともあれ、この方法を知ったおかげで、上り坂と平坦な地形が交互に出てくるような雪山でも、気軽にDenali Evo Ascentが使えるようになりました。